「はい、それじゃ両手を頭の後ろに組んで、大股開きで撮ってみようかー」
(くぅっ……!)

監督から飛ぶ無慈悲で破廉恥極まりないポーズの指示。
こんな露出の高いビキニで大股開きとか、ありえない。
でも、わたしは逆らえない。
おずおずと脚を開いていく。その脚が震えている。
そんなわたしの細かい恥じらいさえもカメラは逃さず、男たちに配布するために撮り続ける。
ややこわばった笑顔も、瞳の奥のたまりつつある涙も、男たちをそそるスパイスでしかない。
こんな恥ずかしい思いをしてまでも、わたしがここにいる理由。

お金が欲しいからだ。親が抱えた借金を返すために。