ドラゴンクエスト官能小説Part18
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ドラゴンクエスト官能小説Part17
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・お子様は基本スルーしましょう荒れるもとです。
・僕の○○はこんなキャラじゃないもんとか言わない。
・作品が気に入らないならスルーしましょう。
声を上げて泣く天使が落ち着き、彼の息が整う頃には日は完全に昇り、
彼に抱きしめられて賢者の体のあちこちが痺れた。
だが、彼の温もりに彼女は恍惚の表情を浮かべて満ち足りていた。
「ありがとう。何だかすっきりしたよ・・・・。」
賢者に微笑みながら天使はいう。
目は赤くやつれてはいたが彼の頬に赤みが差し、生気が戻っていた。
そして、彼のいつもの優しい目に少し自分に対する特別な感情が宿っていることに賢者は気づく。
以前彼に「好きだ」と言っても間髪を入れず「ボクも好きだよ」と返されてしまったが
……今ならいけるかもしれない。
賢者は彼の頬に手を当ててじっと見つめた。
「……どうしたの?」
「私は怖かったの。天使がホントに天使だったってわかったとき。」
唐突に彼女は言う。
「え…?」
「天使なんて昔の人が作った空想の種族だってずっと思い込んでいた。
でも、天の箱舟に乗って天使界に着いたとき、あなたの言っていたことが事実で……。」
天使を見つめながら賢者は続ける。
「それにエルギオスとラテーナさんのことを知ったときも怖かった。
天使と人間は結ばれないようになっているのかもしれないと思っていた。
でも……。」
彼の首にかけていた手を放し、息を吸い込んで勢いに任せて彼女は言う。
「好きよ……天使。」
その一言にあっけにとられている天使の頬に彼女の唇が触れる。
それは本当に一瞬のことで賢者は彼の顔からすぐに離れた。
「ごめん…。嫌だった?」
もう少し離れて顔をそらしながら彼女は聞く。
しかし、彼は固まってしまったように動かない。
賢者の顔が赤いのは朝日に照らされたせいだけではなかった。
「貴方のこと…ずっと好きだったの、愛していたの…。」
瞬きを繰り返すだけの天使に弁解する様に彼女はしゃべりだす。
「でも、あなたは私の気持ちに応えてはくれなかった……。
解っているんでしょう?私の気持ち……。」
数刻の沈黙の後、天使は口を開く。
「天使と人間じゃ住む世界が違う。
時間の流れも違うから人間と天使は必要以上に関わってはいけない
っていう決まりがあったんだ。だから…人間と天使は…恋ができない…
天使は…人間に特別な感情を抱けない……はずったんだ。」
「でも、今は違う。」
固まって無表情だった天使の顔が明るく微笑む。
「賢者が好きだ……!」
その言葉と同時に今度は、賢者が両手を口に当て肩を震わせ泣き始めた。
「……ちょっと、何で泣くの?」
突然のことに狼狽しながら天使は賢者の両肩を抱き、
くしゃくしゃになった彼女の顔を覗き込むようにして聞く。
「ごめんなさい。何だかホッとして…天使が戻ってきてくれて…
私のことを好きだって言ってくれて…うれしいことが続いて安心しただけだから…。」
泣きながら微笑む賢者の肩を抱き、今度は天使が彼女の頭を撫でる。
そして、暫くしてぎゅっと天使と賢者は抱きしめあい、
二人は甘く、純粋で透きとおった気持ちに支配された。
目の前の異性が愛しい。
優しいキスを何度か繰り返した後、
天使の肩に賢者は頭を乗せ二人は他愛のないやり取りを続けた。
「いつからボクのことを好きになったの?」
「好きだったのは出会った時からよ。だから貴方のために何ができるか必死になって考えたの……。」
「……ありがとう。何かお礼をしないといけないね。」
「じゃあ、今日は私に付き合って。」
「何をするの?」
「楽しいことをしましょう。おいしいものを食べて遊ぶのよ。お腹減っているでしょ?」
「……うん、お腹が減ったよ。」
「グビアナ城が最近、観光で盛り上がっているらしいから行ってみましょう。」
「オッケー。」
賢者に手を引かれ立ち上がると同時に自分の隣のもう一つの温もりに気付く。
「そうだ、パラディン起こさないと。彼女にまだ『ありがとう』を言ってない。」
自分のために傍にいてくれたのは彼女も同じだ。
「気持ちよさそうに寝ているのに起こしちゃ悪いよ。ね、行こうよ。」
確かに眠っている彼女を起こすのは悪い気がする。
賢者は焦っていた。
「……行こう。」
少し強引に天使の手を引き言う。
パラディンを置いていくことに少し負目を感じながら天使は歩き始めた。
久しぶりに立ち上がったせいか少しフラフラし、足取りはおぼつかない。
「でも、まずはお風呂に入ろうか。」
少し歩いたところで籠っていた汗のにおいに賢者は顔をしかめる。
そういえばもう何日も風呂に入っていない。自分でも感じる臭いに天使はひどく赤面した。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています