あの夏で待ってるでエロパロ
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しさん@ピンキー2012/02/04(土) 00:20:27.44ID:ecTtTsqs
柑菜が1番かわいくてすごい
0002名無しさん@ピンキー2012/02/04(土) 15:38:04.39ID:wye/t37R
あの夏でぬるぽでエロパロ
0003名無しさん@ピンキー2012/02/04(土) 18:50:40.96ID:6EqZVq8r
最近はガッって言われないよな
0005名無しさん@ピンキー2012/02/07(火) 23:59:41.04ID:0IOiKi+q
スレ伸びねぇ・・・
0009名無しさん@ピンキー2012/02/16(木) 03:02:26.33ID:XBeMOSzC
期待して全裸待機してる
0010名無しさん@ピンキー2012/02/16(木) 03:29:28.74ID:XlzE8vjU
>>8
そういうこと書いて音沙汰なしってのを何回もエロパロ板で経験してるんだけど本当に期待していいのか?
0012名無しさん@ピンキー2012/02/16(木) 21:09:23.12ID://s5HD8d
夕日が差すお茶の間で、ちゃぶ台を挟みイチカと海人は相対していた。
「海人くん、わたし、わたしはね、地球人じゃないの。宇宙からやってきた、宇宙人なの!」
その瞬間逆光に包まれ、二人の表情は影に隠される。
「・・・びっくりしたでしょう?」
「いいえ。地球人だろうと宇宙人だろうと、イチカ先輩はイチカ先輩です。たとえ、インベーダーであっても!」
「ありがとうでゲソ。それじゃさっそく裸になってくれなイカ?」
「え、ええっ?!」
「実はあなたの身体はわたしの船との接触事故でエライことになったの。それを、すごい科学の力でいちおう修復したんだけど、とうとう限界になっちゃって。テヘぺろ」
とんでもないことをしれっと言うイチカに海人は開いた口がふさがらない。
何か言うべきなのに、あまりの衝撃でなにも思いつかない海人に、イチカはちゃぶ台を越えてにじり寄ってきた。
「そ、それでね、もっと根本的にあなたの身体を治すには、セックスするのが一番なの! ハンドパワーと宇宙のダークマターエネルギーをなんやかやして、ヴリルエンジンによるチョースゴイオペレーションでむにゃむにゃっと! 
だからこれは決して、ほかの娘にとられそうだから先に既成事実をつくろうなんてことじゃ絶対にないからね!!」
「は、はあ・・・」
何が何だかわからないまま服を脱がされ、気づいたときには海人は全裸になっていた。
「ん・・・!」
これもいつのまにか全裸になっていたイチカが海人の股間に顔を埋め、ペニスを口に咥える。
その姿を信じられない思いで見詰めるうち、海人はイチカの絡まる舌が快感中枢に着火させるのを覚った。
「うああああっ!!」
「燃やせー燃やせーまっ赤に燃やせ、エロい心に火をつけろー♪」
一気に膨張した勃起を満足げに吐き出したイチカは謎の歌を歌いつつ、胸でそれを挟み込む。
そして絶妙な弾力のそれで彼女は自分のバストごと揉みしごくのだった。
「男の人ってこうすると気持ちいいんでしょ? 海人くんが隠してたDVDで勉強したんだからぁ」
「あっ、あっ・・・はい、気持ちイイですっイチカさん!!」
年下の少年が情けなくもかわいらしく喘ぐのを見下ろし、もはや完全掌握を確信した宇宙人は勝利の予感に震えつつ身体を起こす。
そして仰向けの少年にまたがると、羞恥をこらえながらその顔の前に自身の興奮に濡れた狭間を拡げて見せたのだった。
「ぬ、濡れてるのわかるでしょ? わたしの、女の子のココで、これからセックスするの。いいよね?」
そう言うとイチカは返事を待たずに腰をいきり立ったままの少年のそれの上に移動し、一気に挿入する。
もはや地球人も宇宙人もなく、二人は二匹の獣となって夢中でまぐわい続けた。

「・・・っていうシナリオ考えた。もちろんクライマックスはハメ撮りね。う〜ふ〜ふ〜」
「却下!!!」
檸檬のエロ脚本を延々と聞かされたイチカと海人は顔をまっ赤にして叫ぶ。
だがお互いの顔を見ないようにしながら二人は、いつしかエロ妄想に浸り、ヒートアップしたのだった。
0014名無しさん@ピンキー2012/02/21(火) 05:20:20.39ID:TxS5AUFv
なんか全然人いないな・・・
0016名無しさん@ピンキー2012/02/28(火) 13:59:00.63ID:vb3CaCcH
これほど伸びないとはこのアニメ人気ないのか?
0017名無しさん@ピンキー2012/03/05(月) 02:03:04.21ID:lPAc2zMD
スレが出来たこと自体が知られていない
自分もついさっきはじめて知った
本スレいって宣伝してこい
0019名無しさん@ピンキー2012/03/19(月) 22:31:35.85ID:iCpzigYh
イチカ程じゃないが出るとこ出て意外とスタイルいい美桜も良い
家では全裸で料理中は裸エプロンの、裸族というのもまたいい
0020名無しさん@ピンキー2012/03/19(月) 23:25:15.34ID:Lw3D3ZS+
偶然半裸で寝てる海人を見つけて同族意識をしちゃう展開はどうですか
0021名無しさん@ピンキー2012/03/20(火) 00:49:57.49ID:3CHZ6fCS
脇であるてつろーが捕獲されただけだから
笑ってられるけど、あれ二次でも怖い
0024名無しさん@ピンキー2012/03/25(日) 21:47:24.76ID:dU5/VJl3
age
0027その12012/04/28(土) 01:33:14.03ID:7Ep/kg5Q
「あの夏は、これでいいわけがないか」

・大幅改変有り
・NTR有り
・海人xイチカ、海人x柑奈、哲朗xイチカ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 既に夏休み。姉さんのボーナスで買ってもらったモバイルHDカメラの調子を見るため、
自転車で山に入った。
 木崎湖近くの橋がいい風景だったので、早速カメラの電源を入れてファインダーを覗いてみた。
「案外、暗部に強いな。ノイズも少ないし、いいね〜あれ?!」
 一瞬、強烈な光が発生したと思ったら、体が浮いた。
 必死で買ったばかりのカメラを手放さないように抱きしめつつ、自分が宙に浮いている事に気付いた。
 その後、爆発に巻き込まれた。

「りのん、船体が安定しないわ。何とかしてよ!」
「な、なぁ」
 絶対、地球に降りたい。みずほ先輩の話や映像を見たら、これだ!って思った。あたしの行くべき場所。
「どうして、急におかしくなるの〜!このままだと墜落するっ」
「りのん、緊急モードよ!」
「ななな!」

 ぐんぐん迫ってくる地表、断熱圧縮で周りが見えない。そして、最大限、被害の少なそうな地点を
選んだのになぜか、一人の男の子が居て、もう、ダメ!そこで、意識が途切れ、そして、めちゃめちゃ
になった地表に無残に破壊された人体を発見した。
 タブレットで精査してみると助かる可能性がある!その体を宇宙船内に転送して、カプセルに収納して
破壊された肉体の修復を計る。

 被害にあった地球人は、まだ若いせいか回復が早かった。それでも恒常性に問題があるため、ナノマシンを
フル活用して経過を見守った。

「ごめんなさいね。不慮の事故とは言え」
 カプセルからの潤沢なエネルギー供給でナノマシンを動作させたので数時間で見た目はほとんど
無傷の人体に戻っている。

「う…うーん」
「意識が戻ったわ! 言葉はわかる?」
「あの、ここは? 俺のカメラは…」
「通じてるみたいね。あ、急に動かないで。あなたは事故にあったの。カメラ?これのことかしら。
修復しておいたから大丈夫だと思うんだけど」
「それそれ、無事だったんだー。」
「あなたは…爆発事故に巻き込まれて、その、重傷だったの」
「はい。事故は、あなたが?」
「ええ、謝っても済む問題じゃないことは判ってます。でも、肉体は可能な限り修復したし、この地域
での賠償にも応じます」
「からだは…問題ない感じ。賠償?保険とか入ってないんですか?」
「保険って?あたし、地球人じゃないから判らないわ」
 周りをよく見てみると違和感がある。地球人じゃないってまさか宇宙人なのか?慌てて起き上がると
全裸だった事に気付く。
「あら?一部、元気みたい」
「どこ、見てんですか!服はどうしたんですか」
「ここにあります」
 手渡された衣服を着けると安心した。そういえば何時間寝てたのだろうか?
「今は、何時何分ですか?」
「朝5時30分ですね。かなり早く済んだと自負してるんだけど」
「もう、朝なんだ。姉貴が心配しているだろうから、帰ります!」
「賠償とかは?」
「話が面倒なので付いてきて下さい」
「転送で送りますから、住所を教えてくれませんか?」
「住所は…」
「判りました。では!」
0028その22012/04/28(土) 01:34:01.74ID:7Ep/kg5Q
 俺は目の前が暗くなったと思ったら、自宅の前に着いていた。
「伝統的なお家ですね。ステキです」
「ただいま〜」
「あ、海人!どこ行ってたのよ」
 姉ちゃんだ。
「ちょっとカメラの調子を見てたら、ちょっと事故に」
「事故? 大丈夫なの?」
「貴月イチカと申します。私の不手際で海人くんを事故に巻き込んでしまいまして。
でも、治療は済ませました」
「そうね…なんともないみたい」
「俺は大丈夫だよ!事故のせいでちょっとだるいけど」
「まだ安定しないと思いますのでしばらくの間、様子を見させて頂けませんか?」
「あなたは、医者か何かですか?」
「えと…そのような者です、ええ」
「あたしはこれから出張だから、イチカさん、後の事は任せた!」
「姉ちゃん、またかよ!」
 仕事の関係で姉ちゃんは急な出張が多い。
「じゃあ、あたしの出張中、変な事になるなよ?」
「な、何言ってるんだよ!?」

 そんな事いうと意識しちゃうじゃないか。

「変な事?大丈夫ですよ」
 ちゃんと彼を守りますから。
「帰ってきたら、海人も大人になってるかな?イシシ。では、いってきまーす!」
「気をつけてな〜」

 姉ちゃんは慌ただしく出張に出かけていった。

「あの、ほんとに家に住むんですか?」
「ええ。一時、危篤状態だったあなたは、まだ安定していませんし」
 メガネを掛けた、大人っぽい女性。その人と一緒に、か。
「どうかしましたか?見つめられると照れちゃいます」
「っいや、ともあれ、どうぞ!」
「おじゃましまーす!」
 玄関を一緒に通るとき、甘い香りがした。
 とりあえず、居間に居てもらって冷蔵庫から麦茶を出した。
「なぁー」
 えっ!なんだこの生物。足下から突然出てきたぞ?
「驚かせちゃったみたいね。これは宇宙船のインターフェイスの1つ、りのんよ」
「な、なぁー」
「宇宙人とか宇宙船とか、マジなんですか?」
「ええ。理解してもらえないでしょうけど、この地域にはかなり前から何人も宇宙人が来ているはずよ」
「確かに、木崎湖にUFOが来たとか聞いた事有りますが、信じられない」

 急にめまいがした。視界が狭まってきて、ああ、布団で寝たい。

「大変!額に生命危機マーク出ちゃってる。直接接触で何とかしないと」
 イチカさんの顔が近づいてきて、額に柔らかい感触がした。
 しゅわーっと気分が楽になってきたけど、眠くなって、意識を失ってしまった。
「りのん、サポートしてちょうだい」
「あい」
 気がついたら、居間に寝かされていた。
「あ、無事だったみたいね。あなたの免疫系とナノマシンがアレルギー起こしちゃったみたいなので調整しました」
「はぁ。それでこういうのはたびたび起きるんですか?」
「調整し直したので多分、大丈夫じゃないかな。こういうことがあるからしばらく居させてね?」
「ええ、かまわないですよ。当分、一人暮らしですから」
 落ち着いたら、腹が減ってきた。
0029その32012/04/28(土) 01:34:33.78ID:7Ep/kg5Q
「あの、おにぎり作りますが、食べますか?」
「おにぎり?食べ物なら、頂きます」
 冷蔵庫には焼き鮭とか野沢菜が残っていたのでそれを具に、おにぎりを作り、ワカメとネギの味噌汁も作った。
「さあ、どうぞ。味噌汁は熱いですから気をつけて下さい」
「はい。おいしそうな匂いですね」
「いただきます」
「いただきます」
 見よう見まねって感じでおにぎりを食べるイチカさんがかわいい。
「海くんは、学校、大丈夫なの?」
「今は夏休みですから。のんびり出来ますよ」
「良かった。ややこしい事しないで済むし」
「あはは」
「うふふ」
 しかし、何だな。間が持たないよ。テレビでも点けるか。
 ニュースでは、昨日のナゾの爆発についてレポーターが同じようなことを何度も繰り返していた。
「あの橋の辺り、何ともなってないですね」
「あのくらいの爆発範囲なら、宇宙船の機能で修復できます。ただ、人間のような高度な者は完全には行かない事も」
「えっ?!」
 急に不安になって、寒気がしてきた。
 そうしたら、すっとイチカさんが立ち上がってきて、抱きしめてくれた。暖かくていつまでこうしていたいな。
「落ち着いて。精神の乱れが体にも及びますから」
「はい」

 落ち着いたのでテレビのチャンネルを切り換えた。イチカさんがあれこれ興味を持ち、説明したり、笑ったり
しているうちにすっかり打ち解けてきた。
「あの、イチカさんは、どうして地球に来たんですか?」
「それは、小さい頃の記憶なのか、この辺りの風景を覚えていて、それがとても大事な場所に思えるのです」
「それで、宇宙船で飛んできたんですか」
「はい。ワープアウト時に制御がおかしくなって、宇宙船が不安定になって墜落してしまったのです…。
ふつうはあり得ないんですが」
「それじゃあ、映研でこの辺の映像を使った作品を作るので、それに参加してみませんか?
撮影場所にそこがあるかもしれないから」
「いいんですか?!何かとても楽しそう」
「じゃあ、イチカさんは遠い親戚のお姉さんということで。説明がややこしくなりますから」
「判りました。イチカ姉さんです!」
「その調子ですよ、あはは」
 とりあえず、明日に撮影があるのでそれに参加してもらう事にした。
 今日は、安静にして過ごして、夜になったのでとりあえず、風呂に入ることにした。
 湯船に浸かって、今日のあれこれに思いをはせていると脱衣所に人の気配が。
 これはどーにもイチカさんだよな。ガラガラっとサッシが開いて、
「一緒に入ろうかと思いまして。ダメですか?」
「いいですよ、別に。うちは浴槽も大きめですから」
 平然を装っているけど、イチカさんの見事な裸身を見ると興奮を禁じ得ない。
 カメラに残しておきたいが…ダメだよなあ。
 湯船に入ってくるイチカさんが湯船に身を沈めると、おっぱいがぽわんと浮かんだのを見とれていると、
「体の調子、どうですか? あれから」
 急に現実に意識を戻された。
「特に問題はないというか、あまり疲れなくて前より調子がいいですが…、今までの自分と同じに
思えない時があります」
「この星の技術ではないので、何かしら齟齬が生じる事はあると思いますが、ナノマシンは基本的に
あなたの体に合わせるはず」
「つい、悪い方に考えてしまいますが、寿命が縮んだりしますか?」
「遺伝子エラーも修復しますから、寿命に影響しない…というか、思ったより長生きしちゃうかも?」
「みんなと同じに年を取れないかも、か」
 急に現実が遠くなるような感じがした。
「事故に巻き込んでしまった事は、ほんとに申し訳なく思ってます。でも、あなたの肉体は再生成
するほど損傷してなかったので、ほぼオリジナルと言っていいんじゃないかと思います」
 イチカさんが真摯な顔で見つめている。
0030その42012/04/28(土) 01:35:09.22ID:7Ep/kg5Q
「事故は偶然ですし、アレ? 今、メガネしてないのに普通に見えるよ」
「多分、ナノマシンが目の状態を健常を基準に戻したんだと思いますが、今まで通りにも出来ますよ?」
「いや、いいです。じゃあ、メガネをしてて何で違和感がなかったのかなあ。あ、度が入ってなかった
のかな?」
「メガネを再生するときにそうなったみたいですね」
 自分の身体を隅々まで覚えてる人間は居ない。今、こうして自分だと思えているなら、それでいいか。

 翌日、イチカさんが早起きして弁当作ってくれたのでそれを持って、集合場所へ向かった。
「おはよー!」
「おはよう、カイ!ってその人は?」
 がっしり系の長身でメガネ、イケメンの哲朗が早速反応する。
 親友なんじゃないかと俺は思っている。
「事情があって家に住む事になった、イチカさんだよ」
「初めまして〜イチカと申します」
「へぇー。何している人?」
 ショートカットの柑菜が不審な目つきでイチカを見ている。哲朗とは幼なじみだ。何だか知らないが
俺と目線が合う事が多いし距離が近い。
「海人さんの姉さんが出張している間、家事手伝いという感じです」
「そうなんだーへぇー?」
 柑菜は全然、納得してない感じ。
「な、なんだよ!、別に変な事なんて無いんだぜ?」
 そうだよ、宇宙人だしさ、別にな?
「あたしは歓迎だわ。脚本に一人出演者増やしたところだし」
 檸檬先輩は背が小さくて、なんかいつも影から見ている感じだ。
「こ、こんにちわ」
 グラマラスでおとなしい美桜は、警戒しつつ、こっちを見ている。
 映研のメンバーは、こんな感じだ。
 連れだって、山間の茶屋に向かった。檸檬先輩の脚本によると、ここで宇宙人と出会うようだ。
「じゃあ、イチカはこの衣装を着て、光線銃を持って」
「はい。光線銃って軽いですね。出力調整は?」
「おもちゃだから、気にしないで撃って」
「ああ、そうなんですね。わかりました」
 俺と哲朗が山の方を見ている間、イチカさんの着替え終わった。
「じゃあ、撮影を開始します」
 ビデオカメラの電源を入れて軽くチェックし、ファインダーを覗く。
 哲朗とイチカは前に向き合っている。
「お前は、やっぱり宇宙人なんだな」
「正体を知られたからには、始末させてもらうわ!びびびー」
 全身タイツの各所にシートを貼った程度の宇宙人であるイチカさんがぎこちない仕草で構えた
光線銃からビームで射撃。
 メン・イン・ブラック的なスーツを着た、哲朗はガクガクして倒れる。
「ハイ、カット〜!」
 まあ、こんな感じでカットを重ねていって、エフェクト掛けたりアフレコしたりで、檸檬先輩
テイストのシュールなフィルムが出来上がるはずである。
 イチカさんは、きょろきょろしているところを見ると、あの場所を探してるんだろうな。
 面白いので撮影していると目が合ってしまった。
「あー、なに撮ってるの?」
「いや、何かに使えないかと思いまして。すみません」
 ちょっと怒った顔にズキンと来た。なんだろうな。
 ここでの撮影は終了なので、機材を片付けて移動する。
「海くん、ねえねえ」
「何だよ、柑菜」
 すっと近寄ってきた。気軽に話せるんだけど、柑菜って何を考えてるのか判らない事が多い。
「イチカさんって、どう思う? ステキじゃない」
「お姉さんって感じかな。きれいだとは思う」
「そんな人と一つ屋根でしょ? 自然と…なったりしそう」
 柑菜は、ちょっと顔を赤らめてる。
「何言ってるんだよ。そんなだったら俺に恋人が居ないのはおかしい」
「だ、だよね、あはは」
0031その52012/04/28(土) 01:35:49.66ID:7Ep/kg5Q
 柑菜と仲よさそうに話している海人を見るとちょっとうずく。
 俺は柑菜と幼なじみだけど、俺の方が先に柑菜を女として、恋人にしたくなっちまったようだ。
このガタイだし、柑菜は俺の事を兄貴として見てるんだろうな。ストレートに思いを告げても絶対、
拒否られる自信がある、情けないながら。

 哲朗くん、頼りになるし、優しいし、誰も手を出してないから、すぐにでも告白して、恋人になりたい。
でも、美桜の事なんて、眼中にないよね。柑菜ちゃんが好きなんだから、あたしとはタイプが全然
合わないんだろうな。でも…。

 この部員たち、ほんと、面白いわ。三角関係とかじゃなくて、一方通行なのがとてもおかしい。
そんな中でもわたしは、いつも対象外。
 もっとも、停滞のせいで誰も好きにならないけど。

 連れだって移動しているうちに次の撮影ポイントに着いたら、もうお昼だった。それぞれ、
持ち寄った弁当を分け合ったりする。
 イチカさんの作る料理は、鮮やかさが重視されるのでグレープフルーツおにぎりとか強烈なのが混じる。
梅干しだと思えば食えなくはないけど、みんな、一口目でドン引きだった。
 美桜は料理が得意なのでおいしいおかずがもらえる。こういった、バランスがないと今日の昼飯は
ヒドイことになるところだった。
「そうかな〜このおにぎり、おいしくないですか?」
 イチカは戸惑いつつ、みんなに聞いてる。
「ちょーっとオリジナリティが有りすぎでしょう」
 だよな〜哲朗と俺の味覚は同じだ。
「美桜の唐揚げと一緒に食べるとさっぱりして良いよ?」
 柑菜はフォローしているのか本気なのか。
「食べられなくは…ありません」
 美桜は表情でバレてるな。
「むしろ、好き」
 檸檬先輩は、おにぎり2個目だ。やっぱり、この人はチガウ。
「海くんは、どうなのよ!」
 イチカはムキになってる。
「えっ?何度目かですから、死ぬほどじゃないし?」
 イチカがポカポカ叩いてくるのを柑菜がじっと見てる。
 そんなこんなで昼飯を終えて、午後の撮影をして、夕方にはうちに帰ってきた…ら、イチカさんの
歓迎会になるらしい。

 それぞれ一度、うちに帰ってからまた来るようなので、昼の撮影で汗ばんでいたので俺はシャワーを
浴びる事にした。
 脱衣所でじっとりしたシャツ等を脱いで風呂場へ。
 夏なので冷水のままの方が気持ちいいなーとシャワーを浴びているとがらっと風呂場のドアが開いた。
「あら、海くん」
 はだかだ。全裸のイチカさんが居る。衝撃を受けているとムクムクと一部が反応してしまう。
「イチカさん、その…」
「一緒に暮らしてるんだし、いいでしょ? で、何これ?」
「握らないで下さいよ、もう、かんべんして」
「痛いの?ごめんなさい。あ、もっと大きくなってきた!」
 女性に握られるとなんでこんなに、やばいんだ。
「おーい、誰も居ないのか?カイ〜」
「あ、哲朗が来たみたいだ。僕、もう、出ます」
 急いで脱衣所に向かい、新しいシャツとパンツを出して、玄関に向かった。
「おー早いじゃないか、哲朗」
「イチカさんは、どこだ?」
「おいおい、もうイチカさん押しかよ」
「だって、美人でスタイルも良いし」
 そこにぱたぱたとバスタオルのみのイチカが現れる。
 着替えてから来ればいいのに。
0032その62012/04/28(土) 01:36:27.60ID:7Ep/kg5Q
「いらっしゃい。今、海人くんとシャワー浴びてたので」
「うひょー! それはいいとして! カイ、どういうことだよ」
「うっかりそうなっただけだってば、興奮するなよ」
「まさか…もう」
「無いって! イチカさんは、ちゃんと着替えて下さい」
「はーい!」
 いい匂いを残してイチカさんは去っていった。
「おじゃましまーす。何騒いでるの?」
「おじゃまします」
 柑菜と美桜が来た。
「別にたいしたことじゃないよ。上がって上がって」
「カイ、あとできちんと説明してもらうからな」
 哲朗はこういう所がしつこい。いいやつなんだけど。
 いつの間にか檸檬先輩も来ていて、飲み物だけを大量に持っている。イヤな予感がする。
 持ち寄ったお菓子やら檸檬先輩が持ってきた見た目は爽やかな緑色の飲み物を並べて、
歓迎会の準備が整った。
「では、映研の新たなメンバーである、イチカさんの参加を祝って!」
 哲朗が音頭を取る。
「「「かんぱーい」」」
「檸檬先輩が持ってきたこれ、ヤケにおいしいですね」
「そうでしょ?うふふふ」
「緑色が爽やか。なんていう飲み物なんですか?」
「ダイナマイトドリンクよ」
 みんな、暑いせいかグイグイ飲んでいく。
「ホント、おいしいですね」
 イチカさんも飲んでるし、俺も飲んだんだけど、何だろう、変な気分になってくる。
「…檸檬先輩、これアルコール入ってないでしょうね?」
「心配しなくても大丈夫よ。アルコールは入ってないわ」
 みんな妙に盛り上がってる。俺もぶわーっとテンションが上がって来た。
 大丈夫なのか?これ。
「イチカさん、恋人は居るんですか? 教えてください」
 哲朗、直球だなあ。
「特に居ませんが…海人くんには多少、好意があるかな?」
「ウォー! やっぱりカイが許せない! このこのこの!」
「痛いよ、哲朗。好意と好きだとずいぶん違うだろ?」
「あ、そうかもしれない。イチカさん、俺はどうですか?」
「哲朗君は、背も高いし、元気なので好きですよ?」
「イヤッホー!」
「ちょっと待って、そういうのおかしいと思うな。だって、私は、哲朗君のことが好きですし?」
 目の据わった美桜が異議を唱える。
「え、何だって! 俺のことが好き? 俺は柑奈が好きだけど?」
「幼なじみだからって調子に乗らないで! あたしは、海くんがその、好き?」
「うふふふ。いい感じになってきたわ。 あたしは誰でもいいわよ?」
 カオスになってきた。どうなってしまうのかと思ったが、急速に眠くなってきて、意識が落ちた。
 起きたら、とっぷりと夜になっていた。
「あー頭いてえ。何があったんだろうか、この惨状」
 みんな倒れて呻いてる。あれ?俺の胸に乗っているのは柑菜の頭?
 女の子のいい匂いがする。
「柑菜、起きろよ」
「う…楽しかったけど、急に眠くなっちゃって。でも、いいきもち」
「あ、カイ!いちゃいちゃしてんなよ!」
 哲朗がガバッと起き上がって、抗議する。
「別に、そういうわけじゃないよ。な?、柑菜」
 何となく柑菜の髪の毛をなでてやると猫のように心地よさそうだ。
「離れろ!」
「きゃん!」
0033その72012/04/28(土) 01:37:02.59ID:7Ep/kg5Q
 哲朗が引き離してしまった。イチカさんがなんかこっちを変な表情で見て、美桜は物欲しそうに
哲朗を見てるなあ。
「さあ、夕飯にしましょう。柑菜、美桜、手伝って」
 檸檬先輩が見えないなと思ったら、夕飯作ってくれたんだ。
 うちの食卓が華やぐなあ。唐揚げやらフライドポテトや、ピラフとか簡単な物だけど、すごく
おなかが空いているからもう、待ちきれない感じだ。
「「「「いただきまーす」」」」
 料理は、どんどん減って皿はきれいにからになった。
 食後のお茶を美桜が入れてくれてる。
「それにしても、映研の人間関係は一方通行ね。うふふふ」
「な、何言ってるんですか?」
「あれは、その…勢いで」
 柑菜と美桜が慌ててる。
「一方通行って? なんかあったっけ? 哲朗」
「いや…正直、覚えてない。ただ、誰かが好きだとか言ってた気もする」
 柑菜と美桜は真っ赤だ。何だろう?
「哲朗は、イチカさんに…ぐっ!」
「カイ! それ以上言ったら殺す!」
「何を慌ててるんですか? みなさん、仲良しってことでしょ?」
 イチカさんはぴんときてない感じできょろきょろしてる。
「そうね。そういう意味かもしれないわ。うふふふ」
 檸檬先輩、全部知っていそうだな。こっちを見てニヤリとしてる。
 みんなで後片付けして、お開きとなった。


 俺は、カイの家からみんなを送っているところだ。
「あのさ、柑菜。おまえと俺っていつの間にか大人になって来たよな」
「そうね。哲朗はぐんぐん伸びて、大学生って言っても通用しそう」
「あはっ、そうかな?柑菜だって、すらっとしてスタイルいいし、か、可愛くなった、なんて思う」
「え?そうかな…海くんもそう言ってる?」
「カイ?あいつはどうなんだろう。はっきりしないやつだからな。
もし、その気があるんだったら押さないとあいつは判らないぜ?」
「うーん。つかみ所無い感じだから、どう言うときに言えばいいかな」
「ちなみに俺なら、はっきりしてるぜ?ふふん」
「何言ってるのよ。あんたはデリカシーがないのよね」
「うっ。そういうところがダメか?」
「ダメね。ダメダメね」
「柑菜ちゃん、言い過ぎよ。哲朗君、いいところあるよ。結構気が利くし、やさしいし、力があるし」
「美桜、ありがとう。そう言ってくれるのおまえだけだよ」
 美桜は、俺にすり寄って歩いてる。これが柑菜だったらなあと思うのは不誠実かな。
 でも、幼なじみから恋人ってなりにくいって言うしなー。
「哲朗君、ムダに何を考えてるのかしら?」
「檸檬先輩、ムダとか言わないでください。これでも悩んでるんですから」
「あんたがいくら考えてもムダムダよ!」
「柑菜、ひっでーな」
 こうやってるのは楽しいんだけど、でもさ、俺はその先に行きたいんだ。あれ?美桜がシャツの
裾をつかんでる。
「…哲朗君」
 小声で美桜が俺の名前を呼んでこっちを見てる。何だろう?
 甘いような痛いような、この気持ち。
 ともあれ、それぞれ、うちに帰っていった。
0034その82012/04/28(土) 01:37:25.14ID:7Ep/kg5Q
 騒がしかった連中が一気に帰ったので、耳がつーんとするほど静かになってしまった。
 イチカさんはテーブルを拭き終えて、一息ついている。
「ちょっと、様子を見ましょうか」
 イチカさんが近づいてきて、額にキスをする。イチカさんの顔に俺の額が発光した模様が映って面白い。
 なんか、女性との距離感が変わるな。やがて、イチカさんは離れた。
「どうですか?」
「少々、ナノマシンの負担が多いようですが問題ありません」
「良かったー。そろそろ風呂に入ろうかな」
「また、ご一緒してよろしいですか?」
「ええ、まあ」
 二人で脱衣所に向かい、服を脱いで風呂に入った。
 シャワーを浴びて、湯船に入る。
 薄暗い浴室に山間からいい風が入って心地よいな。
「イチカさんは、こういう感じ、どうですか?」
「自分の星では自然の風景やお風呂自体が無いので、とても新鮮な感じです。ずっとここに居たいな…」
 その横顔は胸に来る感じで、かなり科学が進んでいるようだけど、あんまり幸せじゃないんだな。
 湯船を出て、お互いの背中や頭を洗ってもらうのは心地よいな。
 特に背中に当たるおっぱいとか自制するのが大変だ。
「あ、また性器が大きくなってますね。ということは私をそういう対象に思ってるって事ですか?」
「そんな恥ずかしい事を堂々と言わないで下さい。まあ美人だし、好みですけど」
「うれしい。はるばるこの星に来てそんな風に思ってくれる相手が居るなんて、ときめいちゃいます」
「ロマン、なのかな。弄らないで下さいよ」
 女性の自分のとは違う指先で刺激されるとヤバイ。
「何だか、気になってしまって。いやなの?」
「むしろ、気持ちよいですが、あっ!」
 イチカさんが来てからオナニーしてないから溜まっていて暴発してしまった。
「何か、体液が!これはどうして…」
「刺激されると精液が出るんですよ、トホホ」
「大事な物じゃないんですか? とんでもないことを…」
「いえ、毎日出しても大丈夫です」
 手の平にとって匂いを嗅いでるよ。
「良かった。でも、この匂い、どきどきします」
「女性としての本能ですかね」
 ともあれ、肩の力が抜けた気がする。シャワーで流して風呂を出て、二人とも浴衣を着た。
 はだかのつきあいをしたせいか判らないけど、二人で居るのが自然に思えてきて、一緒に2階の
寝室で寝る事にした。
 寝る前にトイレに行ってきて、戻ってきたら、イチカさんが本を読んでいた。あ…その本は。
「海人さん、地球ではこうして性交を行うのですね」
「それはエロ本なので当てにならないんですが…、そっちの星では違うんですか?」
「ええ。精子と卵子を提供して、人工子宮で受精し、遺伝子操作を行って好みの性別、外見を決めて、
病気など無いようにして生まれるまで管理されます」
「人工子宮? 機械から子供が生まれるの?」
「そうなります。性交もしない方が多いですね」
「そんなの寂しくないのかな」
 苦しみとか失敗は少ない方がいいけど、でも、そこまで人工的にしていいんだろうか。
「あの…海人さん」
 イチカさんがエロ本を置いて真摯なまなざしでこっちを見ている。
「私は、あなたとなら、性交してみたいです」
 女性からそうした事を言われるのは初めてだ。
「避妊の事は心配しなくていいですよ。ナノマシンでどうとでも出来ます。だから…。」
 イチカさんからさっきのエロ本のようにキスしてきた。
 なんか、気持ちよかった。嫌らしいとかためらいがすっと消えて無くなるような。
 だから、俺も応じた。
0035その92012/04/28(土) 01:38:07.63ID:7Ep/kg5Q
 お互い服を脱いで、はだかで向き合い、抱き合った。
 顔が近づいて、甘いキスをして求め合った。
 流れで布団に仰向けに押し倒すようになって、ぎこちなく乳房を揉み、乳首を舐めてみた。
「あの…、どうですか?」
「裸でふれあっているだけでいい気持ち。もっとおっぱいを揉んだりしてみてください」
「はい」
 何だろう、このふにゃふにゃしてしっとりとした感触。
 両手で堪能して、両方の乳首を吸ったり舐めたりしているとイチカさんは低く喘ぎ始めた。
 どうしたらいいのだろう?
 あ!次は、下の方だよな。この際だからと太ももを大胆に広げて、淡い茂みの奥にある
未知の場所を意を決して顔を突っ込んで、ぺろりと舐めてみた。
「あっ」
 イチカさんはぴくりとして声を上げた。気持ちいいのかな?
 柔らかい太ももを抱えて、夢中で舐めてみた。
 イチカさんは身をよじるようになり、中からぬるぬるが出て来て、やがて、イチカさんは、
背中を反らし息を詰めて、おとなしくなってしまった。荒い息をしている。
「あの、大丈夫ですか?」
「もう、訳判らないくらい気持ちよくなってしまって。でも、大丈夫です。次は、膣に陰茎を
挿入してください」
「陰茎、ちんこですね。ついに…」
「さあ、進めてください」
 ギンギンになっていた自分のちんこを握り、ぬるぬるが出てくる穴に押し当てた。
 ここでいいんだよな?ぬめっとした生暖かい入り口にぐっと入れると飲み込まれるように
入ってしまった。
「あっ、入ってきた。これが海くんの」
「痛くないですか?」
「大丈夫そう。ゆっくり動いてみてください」
「はい」
 今まで味わったことの無いにゅるにゅるとした繊細な感触で俺のちんこが包まれ、出し入れ
するたびに絡みつくような油断するとすぐ射精してしまうような感じ。
 イチカさんも気持ちよさそうだ。
「海くん、来て…」
 イチカさんが両手を広げて俺を誘う。
「はい」
 イチカさんに覆い被さって、抱き合いながら腰を使い、密着して、二人で繋がっている。
 これがセックスなんだ。
 自然とキスして、舌が絡み合い、唾液が甘い。
 でも、だんだん高まってきて、イチカさんも汗ばみ、息が荒くなってきた。
 どれくらい我慢すればいいのかな。
 夢中で判らないけど、限界まで頑張ってみよう。
 どうにもならなくなってきたので腰の速度を速めて、ぎゅっと抱きしめて、射精した。
「はぁはぁ、頑張ってみたんですが、どうでしたか?」
「すごいです。生命の神秘です。海くんの精液、確かにわたしに注がれました。熱くて、気持ちいい」
 そんなこと言われて、今更ながら俺は真っ赤になってしまった。
 でも、眠くなってきた。
「もう、寝ましょうか」
「そうね。ありがとう、海くん。今日は特別な日ね」
「ええ、僕にとっても。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
 裸のまま、寄り添ってぐっすり寝た。
0036その102012/04/28(土) 01:38:43.57ID:7Ep/kg5Q
 翌朝、なんか晴れ晴れとした気分で起きられた。
 横には、イチカさんがいてまだ寝ていて、温もりが心地よいけど、そっと布団を抜け出して、
着替えて洗面所へ。
 朝ご飯の支度をしていると眠そうにイチカさんが階段を降りてきた。
「おはよう、イチカさん」
「おは…よう、ございます…。」
 ぽやんとした顔もいいな。浴衣がだらしなく着崩れて、ちらちらと肌が見えるのがたまらん。
「洗面所で顔を洗ってくるといいですよ」
「はーい」
 その間に朝食の支度が調った。
 テレビを付けて、ニュースを見ていると、イチカさんも食卓に着いた。
「では、いただきます」
「いただきます」
 昨夜の事でおなかが空いていたから、ご飯が進む。納豆と鮭が減っていき、味噌汁を飲んだ
ところで一息ついた。
「あの…昨日のは、どうでした?」
「わりとちゃんと出来たと思うんですが、正直、自信がありません」
「私は、新鮮でした。生命の神秘というか」
「まあ、そういう行為ですよね」
「うふふ」
「あはは」
 朝から和んでいる。洗い物はイチカさんにやってもらった。
 ちょっとうとうとしていると携帯の鳴る音がしたので、慌てて2階に駆け上がり、机の上の
携帯を開いた。
「はい、もしもし」
「柑菜だけど、今日、買い物に行くからつきあって」
「ああ、いいよ。特に予定無いし」
「じゃあ、9時に駅集合でいいよね?」
「うん、じゃあ、またあとで」
 財布が寂しいから、ATMで下ろしてから駅に行こう。着替えて、階段を下りた。
「イチカさん、俺、出かけます」
「何時くらいに戻りますか?」
「夕方かな」
「私は記憶の風景探しに行こうかと」
「そうですか。では、行ってきます」
「いってらっしゃーい」
 自転車に乗って、夏の熱い日差しの中を走り出すとすっかり目が覚めてくる。
 途中、ATMに寄って多めに引き出して、駅に着く頃には、約束の9時近かった。
 駐輪場に自転車を駐めて、駅に向かうと、柑菜はもう来ていた。
「ごめん、待たせた?」
 柑菜はいつものように動きやすい服装だ。
「ううん、時間ちょうどだし」
「あれ、他の連中は?」
「一緒じゃないとダメなの?」
「そ、そんな事無いけど、デートみたいだね」
 柑菜はほおを赤らめてる。
「あたしは、そのつもりでも…いいんだけど」
「柑菜…まあ、行こうか」
「うん!」
0037その112012/04/28(土) 01:39:21.89ID:7Ep/kg5Q
 ながのモールまで歩きながら、
「昨日の歓迎会、ヒドかったね。帰り、大丈夫だった?」
「帰りは途中まで哲朗と一緒だったんだ。檸檬先輩のナゾドリンク、何が入っていたのかな。」
「二日酔いっぽい感じは無いから、酒じゃないんだろうね。でもさ、何というか幼なじみって、
やっぱりこれじゃないって感じなの?」
「うーん、兄妹みたいな感じでそういう風に思えないのよ」
 哲朗、やっぱり諦めた方が良さそうだぞ。
「今日は、何を買いに行くの?」
「そうねー適当に見て、気に入ったのでもあればいいかな、とか」
「特にこれって訳じゃないんだ。まあ、たまにはそういうのもいいかな」
「迷惑だった?」
「どうせゴロゴロしているだけだから、俺はデートみたいな?だけでもうれしいよ」
「ほんと?!」
 柑菜は腕にきゅってくっついてきた。
 照れるな。ふと、イチカさんの顔が浮かぶ。
「どうしたの?」
「いや、ちょっとぼーっとしてた」
 そんなこんなで歩いているうちに着いた。
 柑菜の赴くまま付いていって、はしゃぐ様子を見ているだけで楽しいな。
 結局、ペアのTシャツを買って、おしゃれっぽいカフェで昼食。
「俺は、カルボナーラセットでいいかな」
「あたしもそれとおなじの」
 ちゅるちゅるとパスタを食べつつ、くだらない話をしているのっていいな。
「午後は、懐古園に行ってみないか?カメラ持って来たので撮ってみたいんだ」
「いいよ!、じゃあいこいこ」
 30分ほどてくてくと歩くと懐古園に着いた。
 モバイルHDカメラを起動させて、軽く全景を。
「小諸城か〜ちょっと柑菜、そこに立ってみて」
「うん」
 真夏の日差しに明るい柑菜は良く映えるな。
「どう?」
「良い感じだよ。オッケー」
 たたたっと柑菜が駆け寄ってくる。腕を組んで歩いていると、恋人同士ってこんなかなーと
思えてくる。
「なんか、楽しいね、海くん」
「そうだね」
 ちょっと見つめ合ったりして恥ずかしい。
「あ、動物園がある」
「海くん、来た事無いの?」
「うん。行ってみてもいい?」
「行こう」
 川上犬なんてどうみても普通の犬に見えたり、キツネやタヌキ、ツキノワグマ、ライオンまで
居たりして、すっかり楽しめた。
 もう、夕方だ。高台に上って、夕闇に染まる風景を俺は撮影した。


 あの風景を探してみたけど、それらしいところは、なかなか見つからないわ。
 ちょっと海人君の近くに転移してみようかな…。
「りのん、海人君近くに転移よ!」
「なぁっ!」
 茂みに隠れながら、辺りを探すとあ、海人君…と柑奈ちゃん?
 何で一緒に居るの?
 急に胸がどきどきしてきた。
「今日は、楽しかったね」
「うん! 海くんと来て、良かった…。」
 山間のいい風が吹いて心地良いな、なんて思っていると二人は、自然と顔に近づいて、
キスしてしまった。なんで?どうしてなの?!
「柑奈…、その。」
「海くん、あたし、うれしいよ…。」
0038その122012/04/28(土) 01:39:55.76ID:7Ep/kg5Q
 柑奈は涙を流している。しばらく抱き合っていたけど、照れたように二人は去って行った。
 居たたまれない気分になって、もう帰ろうと思いりのんに転移を命じた。

 二人で、戸惑い半分な感じで小諸駅まで歩いて、駐輪場に着いた。
「…海くん、いいんだよね、あたしたち」
「…うん、こういうの実は、初めてでさ」
「そうなんだ。 じゃあね!海くん」
「じゃあな、柑奈」
 駐輪場から自転車を出して、ふわふわした気持ちで家に帰った。

「ただいまー」
「あ、お帰りなさい」
 靴を脱いで居間に上がって、座布団に座って、一息ついた。
「探してた風景は、見つかりそうですか?」
「それがなかなか。それより…海人君、柑奈ちゃんと一緒に居たよね?」
「なんで知ってるんですか? どこかですれ違いました?」
「転移って、好きな場所に一瞬で移動できるの。 それで、海人君、どうしてるかな?って」
「そうでしたか。今日は柑奈の買い物につきあって居たんですよ」
「…でも、キス、してた。」
「そ、そこまで! なんかあれは成り行きで」
「わたしと海くん、神秘的な引き合わせだと思って、その、勘違いだったかな…。」
 えっ?昨日は、えっちしちゃったけど、そういう意味だったのか?
「昨日のこと、実験みたいな感じだと思ってました」
「そんな意味もあったけど、あたしは…。」
「俺、恋愛とかすごく疎くて、どうしたら…あ、なんか、体に力が入らなく…頭が痛い」
「大変! またエマージェンシーサインが額に」
 崩れ落ちるようになる俺のからだをイチカさんが支えて、唇にキスしてきた。
 柑奈のキスを上書きするように。
 やがて、気分が楽になってきた。
「ふー。安定したようね。海くん…。」
 今の俺にとってイチカさんは専属の医者みたいな物だよな。でも、そうなんだけど…。
 "安静にして"と、イチカさんが添い寝していると、恋人同士みたいな気分にはなるんだけど…
考えているうちにいつの間にか寝ていた。

 翌日、朝食が終わった頃、柑菜がやってきた。
「おはよー、海くん」
「おはよう、柑菜。朝早くにどうしたの?」
 柑菜は、トートバッグを下げてやってきた。
「夏休みの宿題、いっしょにやろうよ」
「ああ、そういえば!…全然やってないよ」
 宇宙船の事故のドタバタで、すっかり頭から消え去ってたな。
「でしょー? お邪魔しまーす」
「あら、柑菜さん、いらっしゃい。宿題って?」
「夏休みの間にやるようにこういうのを出されるんですよ」
 柑菜はプリントや冊子を見せる。
「へー…そ、そうなんだ。あたしは出かけよう、かなぁ」
 イチカさんは、また思い出の場所を探すのかな。
「「いってらっしゃーい」」
 昨日の事もあって、なんか気恥ずかしい。
 ともあれ、2階の鞄から宿題を持ってきて、麦茶とお菓子を置いて居間のテーブルに宿題を
広げて、二人で片付け始めた。
 俺は、理系が得意で柑奈は文系が得意なのでお互い、教えあって順調に進んでいった。
 でも、柑奈っていい匂いがするな。
「海くん、こっちを見つめて、なあに?」
 テーブルの向かいの柑奈がいたずらっぽく微笑んでる。
「柑奈って、いい匂いがするな…ってあわわ、口に出てしまった」
「じゃあ、もっと近寄ってみたら?」
 柑奈の瞳に引き寄せられ、すりすりとテーブルの反対側まで。
 首筋のあたりを嗅ぐとやっぱりいい匂いだな。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています