「じゃあ行こっか」

 それでいて、縦に三人並ぶのだ。
 綾音は前と後ろにぐいっと引っ張られ、体は斜めになってしまう。
 そして、斜めを向いた綾音の前には、中待合の長椅子が並んでいる。

「――――ッ、――――ッッ!」

 これでは、綾音はわざわざ、長椅子の子供たちに向けて、自分のハダカが見えやすいように体を向けて
歩いているようなものだ。
 向きを変えて少しでも隠したいところだが、その都度、適当にナースに腕を引っ張られて修正されてしまう。

(す、すっごく見られてる……!!)

 女の子は、気まずそうに驚いていたりするが、笑っている子もいる。
 男の子は、照れているが、たいていは興味津々だ。男の子の視線は、当然のように綾音の股間に釘付けだった。

 ナースにいわれたとおり、綾音のその場所には産毛しかなく、ワレメは一本のスジのままほとんどが
きれいな肌色におおわれ、幼さを色濃く残している。
 が、だからといって、恥ずかしくないわけがない。
 そもそも綾音は元々羞恥心が強いタイプだ。

(見ないでよ……っ)

 途中、柱の一面に、大きな鏡があった。
 そこに自分の姿が映る。
 顔を耳まで真っ赤っ赤にした、スッポンポンの女の子だ。両手をつながれ、オッパイもマンコも丸出しにして、
みっともないなんてものじゃない。
 有名な『捕まった宇宙人』の写真みたいな、本当にみじめな姿だ。
 それが綾音だった。

(い、いやあぁぁああ!!)

 とても顔を上げていられない。綾音は下を向いて、床だけを見る。

(わ、わたし、なんて格好……っ)

 長椅子が途切れるまで、綾音の全裸連行ショーは続いた。
 ナースは二人して、まったく手を離してくれなかったのだ。

(お、思いっきり見られた……アソコもムネも全部、男の子に、いっぱい……!)

 だが、綾音に落ち込んでいる暇はなかった。
 次の羞恥地獄が、綾音を待っていたのだ。

(続く)