【ドラマ】もう一度君にプロポーズ
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0001名無しさん@ピンキー2012/06/07(木) 02:30:43.20ID:ghR6nMLa
萌え要素いっぱい有ると思うんだけどな。
職人さんもそうでない人も募集!
0206名無しさん@ピンキー2012/09/13(木) 17:54:18.15ID:qRNUiI+f
>>167 です。書く時間も録画を観る時間もなく、ご無沙汰をしておりました。
あの…「泊まりで遠出編」なんですが…
回想の話は自分には難しく、本編には無い場面設定でもあり、書く予定も無かったのですが…
ご要望が嬉しくて、調子に乗ってボチボチ書いています(汗)
あっさり書こうかとも思ったのですが、お待たせしたぶん長くしようかと思いつつ書いていくと…
またとんでもなく長く、こってりした話になりそうな感じで…自信がないのだ(汗)
波留さんてこんな人か?こんな30代カップルいるか?
と自分でも首をかしげたくなる、妄想膨らみすぎな駄文になりそうですが、出来ましたら垂れ流させて頂きます。
今半分くらいで、まだまだ時間がかかりそうですが、DVD発売祭りまでにはなんとかしたい…
相変わらずPCは規制中なので、うまく投下できるかも心配です。
…生殺しになっちゃったらごめんなさい!
以上…ちょっと自分へのプレッシャーのため書いてみましたw

>>194 さん、嬉しいです、待ちますよぉ…ガンバッテクダサイ…
0210名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:25:12.73ID:3jh8Sbxm
194です。
167さん他皆さんのお話が良すぎて真似して書いてみたものの、こんな物を投稿しても良いのかとずっと迷ってましたが、このまま逃げるのも無責任なので思い切って投稿してみます。
先に言います、ほんと下手くそでごめんなさい。
0211名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:26:12.29ID:3jh8Sbxm
キッチンに立っている可南子に波留は後ろから甘えるように抱き付いてきた。
「…まだなの?」
首筋に唇を這わせながら洗い物の邪魔をしてくる。
「今洗い始めたところですよ…」
「そうじゃなくて、その、生理。終わった?」

1週間前ーいつものように求めてきた波留に「だめです。来ちゃったから。」と断ったとき、波留は「なんだよぅ…」と拗ねた顔をし、ハッと思い返し「そっか、出来なかったのか…」と再び残念そうな顔をした。

何度も何度も避妊せずに愛し合ったのに、今回コウノトリは来なかったようだ。

「まあ、焦らず、頑張ろ」
「…はい。」
「でも…ちょっと、よかった。」
「どうして…ですか?」
「だって妊娠したら…できないだろ」
「うん、まあ…でも安定期に入ったらしてもいいみたいですよ」
「俺そんなの我慢できるかな」
「我慢してください」可南子は子供を優しく叱るようにキュっと唇を結び波留を睨んだ。
0212名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:26:53.76ID:3jh8Sbxm
ー「で、終わった?」
「終わりました。でも洗いものがまだですー。」子供を諭すように可南子が振り返ると、「先に行ってるぞー。1週間も我慢したんだからなー」と言いながらいそいそと寝室へ入って行った。

片付けを済ませた可南子も遅れてベッドへ。
すぐさま波留が熱い吐息とともに覆いかぶさってくる。
波留にはもうゆっくり口づけを愉しむ余裕はなく、あっという間に可南子は裸にされてしまった。

久々の快感と愛おしさに可南子の呼吸も上がる。

乳房を荒々しく掴まれ、先の部分を舌で転がされ思わず声が漏れる。二つの先端を交互に口に含み刺激される。可南子は自然に脚を開き、波留の腰に絡めていた。
0213名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:27:32.89ID:3jh8Sbxm
次の瞬間波留は可南子の背中に腕を回し、くるりと身体を回転させ、可南子の身体を自分の上に乗せた。
「可南子が攻めてよ」
「…え?…」
「たまにはいいじゃん」
上目遣いで可南子を見上げる。
「キスして?」
甘える波留に、可南子は自分から口づけた。
「こう…?」
「もっと。いつも俺がしてるみたいに。」
可南子は初めて自分から舌を差し入れて波留の舌に絡ませた。
波留は満足そうに可南子の舌を受け、乳房を優しく持ち上げ回転させる。
唇が離れると少し体勢を変えて、可南子の乳房を口に含む。

可南子の豊な胸に顔を押しつぶされそうになりながら夢中で愛撫し、空いている片手で可南子の熟した部分をびらびらと刺激する。

可南子は甘い声を上げながら腰をくねらせた。結局攻めているのは波留だ。
0214名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:28:18.03ID:3jh8Sbxm
「可南子、挿れてみて」
可南子は一瞬戸惑った。
「え、できるかな…」
「大丈夫だよ…」
波留が可南子の入り口に自分の先を擦り付けると、可南子の愛液で波留の先端はテラテラ光っていた。
「ほら、こんなに…」
「来てごらん?」
波留は手を添えて可南子に当てがい誘導するが、なかなか可南子は思い切れない。
「なんか、怖い」
「大丈夫だから…ゆっくり…座って…」
波留が少し腰を浮かせると難なく可南子に入って行った。
「ほら…」
半分まで挿れた状態で腰を上下すると可南子は恥ずかしそうに喘いだ。
「あ…ん…」
恐る恐る可南子は腰を下ろし、完全に波留のものは可南子の中に収まった。
「はぅ…ん…」
いつもと違う場所に快感が走り、可南子の身体は強く反応していた。
こうして波留の大きなものを包みこんでいるだけで、快感が押し寄せる。
0215名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:29:07.29ID:3jh8Sbxm
「恥ずかしい…」
「かわいいよ…可南子…」
可南子の腰を支えながらゆっくり腰を回転させ、抜き差しする波留。

「あぁ…ん…もう…だ、め…」
可南子は1回目の絶頂を静かに迎えた。
うなだれ波留の身体にもたれかかると、身体を押し返され、今度は波留が身体を起こし、二人とも座った体勢になった。
「まだだよ」
そのまま乳房に吸い付く波留。
波留に跨り繋がったまま、再び湧き上がる快感に可南子は波留の頭を抱え髪をかき回す。
0216名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:30:30.64ID:3jh8Sbxm
「動いてみて」
可南子はどうしたらいいのかわからず、とりあえず波留の肩につかまり自分の腰を上下させてみた。
「見て、可南子の中に入ってる…」

言われるままに動き出した可南子は徐々に激しさを増し、波留も合わせて下から可南子を突き上げる。
可南子の弾む声とともにゆさゆさと暴れる乳房を波留は捕まえて舌で刺激してやる。

「ああっ…もう…」
可南子は堪らなくなり再び波留の身体に倒れ込んだ。とっくに達していた。
まだ終わっていない波留は可南子の腰を掴み抑え付け、激しく突き上げる。
「ああ、俺も…ダメだ可南子、イクよ…」
最後に何回か大きく出し入れし、うめきながら果てた。
しばらく動けない二人。
波留に覆い被さったまま、呼吸の乱れを整える可南子。波留のものはまだ可南子の中でビクンビクンと脈を打っている。可南子も痙攣しながらまだ波留を締め付けている。
0217名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:31:10.18ID:3jh8Sbxm
ようやく平静を取り戻しつつある可南子の背中を波留は優しく撫でた。
「可愛かった…可南子」
「…恥ずかしい」
「そう?」
「エッチなんですね」
「エッチですよぉ…男だもん」
ニヤリと笑って、もう一度キスした。

しばらくして可南子が腰を上げると波留の液体が漏れ出してきた。
「おっと!もったいない!」
波留は慌ててティシュで押さえてやると、
「膝を抱えて寝転んでるといいらしいよ」
と言った。
「調べたんですか?」
「一応ね」
クスクス笑ながら寝転がる妻を、波留は嬉しそうに眺めていた。

「あ、でも、出来たら、デキなくなるのか…」
「あ、でも、まだそういう周期じゃないかも…。」
「そう?」
波留は、もっともっと可南子との濃密な時間を愉しみたいと思いつつ、
「それは、神様にお任せしよう」
と言って、膝を抱えたまま微笑む可南子を抱き締めた…。

end
0218名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 21:32:52.57ID:3jh8Sbxm
ぎゃーついに投稿してしまいました。
誤字などありましたらごめんなさい。
恥ずかしいのでしばらく隠れます。
0219名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 22:35:48.16ID:kAdCHFdo
>>167です
194さん、待ってましたよー!
すごくお上手で、ドキドキしました。夫婦としてちょっとこなれてきたH…いいですねー
波留さん甘えん坊でエロくて可愛くて、最高ですw
隠れないで、良ければまた書いて下さいね

私もこなれたHも書いてみたいけど、とりあえずまた初々しいの頑張りますw
0220名無しさん@ピンキー2012/09/14(金) 23:19:40.79ID:MLPaXaPj
お待ちしてました!
波留ってばなかなかの甘え上手w
恥ずかしがりながら波留に答える可南子が可愛い
楽しませて頂きました
またなにかできたらぜひ読ませて下さい
0221名無しさん@ピンキー2012/09/15(土) 02:32:31.69ID:ukU9qaVX
>>218
ありがとうございます!
こなれた感じの2人、なかなか新鮮だわw
隠れないで、また書いてくださいね

>>167さん
長くてこってり大歓迎ですよw
お待ちしてます!
0222名無しさん@ピンキー2012/09/16(日) 20:02:32.10ID:aIgq9qzW
>>218さん
待っていましたありがとうです子犬のような波留にほころんでしまいます
可南子の生真面目が好きです
>>206さん
もう来てくれないのかな{涙
と思っていました,無理のないよう,
ゆっくりと待っています
0224名無しさん@ピンキー2012/09/19(水) 22:39:18.69ID:0YsnusYo
職人さん
ありがとうございます
また楽しみに待っております
0226名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 15:50:04.88ID:5rGIvkXn
自信も全くないのですが投稿したいのですが良いでしょうか?
どうしても描きたい場面があるのです…エロくは余り書けませんが、良いでしょうか?m(_ _)m
0229名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 17:18:28.07ID:5rGIvkXn
可南子は気になっていた
母が波留さん…のマンションに行って波留さんと話したこと
『何の話をしたのだろう。でもきっと私のこと。。でも知ることが怖い‥』
もうひとつ母が「やっぱり男の一人暮らしはダメねえ…散らかっていたわよ〜」
母が片付けて来たことを聞き可南子は胸の奥が痛んだ…
一度だけ必要な物があって波留さんのマンションに行き片付けて来たことがあるけれど。
考えても考えても、どうしたらいいのか可南子は分からなくなってしまっている
0230名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 17:32:29.52ID:5rGIvkXn
自分が、宮本波留という人の妻ということがどうしても分からない。デートや結婚式の写真を見ても、そこに映っているのは自分なのに自分なのに。
波留さんは家に何度も会いに来てくれているのに波留さんの前に出られない… 涙がこぼれ落ちる
0231名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 17:48:14.22ID:5rGIvkXn
可南子はあの雨の日のことを思い出していた。
『ゆっくりでいいって言っただろう?いつまでも待っている』と言ってくれた
この人の優しさに、また涙があふれてきたとき
波留さんに突然抱きしめられた!!
私は驚いてしまい突き放してしまった。
また波留さんを苦しめてしまったのではないだろうか…
0232名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 18:36:59.99ID:5rGIvkXn
可南子は勇気を出して波留に会ってみようと思う…
胸がドキドキと波を打っている
仕事が終わったあと桜の木の下のベンチに座り呼吸を整えて!波留の携帯に電話をする
プルルプルルプルル………
夜の桜が可南子の肩に手に静かに落ちてきた

0233名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 18:53:57.17ID:5rGIvkXn
今日はこの辺で。まとまりもなく下手ですみませんm(_ _)m
つづきはもっとまとめて書くようにします。すみませんでした(汗)
0235名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 18:11:36.98ID:a1ONV8Ee
ありがとうございます!

その頃は波留は仕事を終え一つ一つ後片付けをしていた。桂たちが賑やかに何か喋っている
事務所に入ると水島社長と奥さんはまだ険悪だった 奥さんは波留たちに「お疲れ様でした」と言い早々に社長を置いて帰ってしまった‥
社長は、波留や桂たちを誘いリッキーさんの店に向かった。波留は「社長ピッチが早いですよ!」社長はもうすでに酔っていた。社長は波留にも酒を勧める…。ふと時計を見ると10時を回っていた。波留が酔いつぶれた水島社長を送る事になり自宅までようやく送り届けた。

0236名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 18:27:42.62ID:a1ONV8Ee
波留は歩いている。今日は夜風がいつになく冷たい…いや今日だけじゃない 可南子が実家に身を寄せてからだ。可南子が倒れ手術をし入院してる頃は何も感じなかった。毎日可南子の病状が良くなる事が一番だったから。
マンションには可南子の物が沢山ある。あの日記もある…妻と言えども最初は可南子の日記を見るのは躊躇したが、今は心の寄りどころになってる自分がいる 波留は帰る足を急がせた
0237名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 18:42:21.35ID:a1ONV8Ee
波留は帰ってきた。玄関を見たときに女性の靴が揃えて隅の方にあった !!誰の靴?まだ自分は酔ってるようだ…リビングに入ると綺麗に片付けられてる…え?キッチンが荒れ放題だったのに綺麗に片付けられて分別されてるゴミ袋が3つあった。
『お義母さんかな?』
波留がソファに目をやるとソファの肘掛けに頭を乗せ体を半分にした姿勢で寝ている可南子がいた。
『可南子!?可南…』
可南子は波留の声にびっくりしたように目が覚めた。
『可南子?どうしたの?』
『あ、あのすみません…勝手にはいって…携帯に電話を…』

0238名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 19:07:21.10ID:a1ONV8Ee
波留はようやく携帯の着信に気づいた
『ごめん!可南子』と俯いている可南子を見つめた
必死に謝る波留を見て『違うんです…私の方こそ実家に行ったままで、こちらの方に全く来ないで…』
『いや…いいんだよ全然かまわない、こっちは気にしなくたって!』と笑う波留
『でも…お部屋すごかったです…』
キッチンの方や部屋を見ながら頭をかく波留。
寝室の方にも目をやると綺麗に整えられてあった
『こんなにありがとう可南子…疲れただろう?』
可南子は首を横に振る。
『私寝てしまったんですね』
『ご飯は食べた?』と波留が聞く
『…いえ、もう大丈夫です…』
波留はようやく向かいに座る。まさか可南子が来てるとは思わなかった。波留は可南子をずっと見つめている。
いっぱい話したいと思っていたのに言葉が出てこない。
沈黙が流れる
0239名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 19:30:07.90ID:a1ONV8Ee
可南子は波留の顔がやっぱり見れない。
『私かえります…』

『可南子もう今日は遅いから泊まって…いや今夜は冷えているから風邪を引いたら大変だし泊まっていってくれないか?』
可南子は初めて時計の方に目をやった。11時半を回っていた母にはマンションに行くと言って置いてあるけど。
『ね?可南子はベッドで休んで、俺はソファで寝るから安心して?』
『…じゃ今夜お世話になります』と初めて波留の顔を見た。
優しい笑顔だった
『でも私はソファで寝ます』
『駄目駄目ちゃんとベッドで休んで?』
『俺あまりベッドで寝てないし』
『…どうしてですか?』と可南子は聞く。
『うん何となくね…』
『…じゃベッドお借りしますね…』
『可南子の物はクローゼットにそのままあるからね』
『はいありがとうございます…おやすみなさい…』
『うん、おやすみ』
0240名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 19:52:52.72ID:a1ONV8Ee
波留はしまってあった毛布を取り出しリビングに戻る。
可南子が波留に頭をさげて寝室に入っていった波留はキッチンで水を一気に飲んだ。
そしてリビングの灯りを消して寝室の方に目をやる
『おやすみ…』そうしてソファにドンと横になった時に可南子が抱いてたクッションから可南子の残り香が波留の胸を包みこんだ。
『可南子…』
波留はクッションを胸にして眠りについた…

出窓からは春の月が静かにふたりを見守っていた


0241名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 19:57:15.29ID:a1ONV8Ee
今日はこの辺で だらだらと長くなりすみません…誤字とかもすみませんm(_ _)m
0242名無しさん@ピンキー2012/09/25(火) 21:15:09.48ID:gJXahDn1
すみません。
これってパラレルワールド(もしも・・・だったら)版ですか?
0243名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 09:58:41.81ID:sozeJzsY
パラレルワールドも新鮮ですね。
放送中はよく妄想したなぁ…
>>241さんの続きをお待ちしているのですが >>206で予告させて頂いた話が出来上がりそうで…
時間的なこともあり、トラブルがなければ明日あたり、長すぎなので2回くらいに分けて投下したいのです…
241さん、すみません、わがまま申しますがいかがでしょうか…
0244名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 12:29:34.99ID:1sMpPfyq
241です
>>243さん〜お待ちしていました!
私が書いた駄文にもコメントしてくれて涙が出ます。
>>243さん楽しみに待ってます
0245名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 13:04:04.52ID:0LB2wX6s
>>243さん、やったー!!
楽しみに待ってます
>>241さん
書きたい場面が気になってます
続き待ってます
0246名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 13:30:56.47ID:gAXUIoLZ
>>243さん
まってました!!
遠出編ですよね?たのしみだな〜♪
>>241さん
この後の展開、気になります!
0247名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 20:50:08.47ID:lKYd7lLK
>>243さん
私もわたしもです。待ってました!!素敵な職人さん♪

>>241さん
私もわたしもです。いつまででも、待ってるよ〜
0248名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 22:14:38.59ID:sozeJzsY
241さん、わがままを言ってほんとうにすみません。
ありがとうございます。実は時間的急いでまして、明日ではありませんが今から投下したいと思います。

こってり…なんとか仕上げてました。
>>206に書いた通りなんですが、波留も可南子も書いてるバカもグッタリな感じでなので
読まれる方もとても疲れると思います(汗)
大鍋にいろいろぶち込んで、こってり煮込んでぐだぐだにして、時間をかけて細切れに味付けをしたせいで
まとまりのないくどい味になってしまった感じです。ごめんなさい!
>>150「好きだから」の続編で、>>42「はじまりの夜」とリンクしている話です。
この、話を繋げようというつまらないこだわりのため難しく…こんな結果に…(泣)
波留さん、いろいろ…男全開です。ひ、引かないであげてください(汗)
0249はじめての夜 12012/09/26(水) 22:18:15.60ID:sozeJzsY

11月の終わり・・・二人の、初めての旅行。
可南子が選んだ行き先は、家族で来たことがあるという温泉。
いつかもう一度来たかったんだそうで・・・俺も二つ返事でOKした。
まぁ・・・可南子が一緒なら、場所はどこだっていいってのが本音なんだけど。
一風呂浴びて、ゆっくり食事をして・・・夜の温泉街を二人で歩く。

「なんか、外の空気が気持ちいいですね・・・」

浴衣に羽織姿の可南子が、大きく息を吸い込む。
化粧を落とした素顔のはずなのに、唇や頬がほんのり紅い。
温泉に入ったせいなのか、少し酒が入ったせいなのか・・・とにかく艶っぽくて、ついつい見入ってしまう。

「・・・何?」
「ううん・・・」

俺の視線に気付いた可南子が、照れたように膨れている。

「あんまり見ない下さいでよ・・・すっぴんなんだから・・・」

羽織の袖口を指でつまんで顔を隠す仕草が・・・可愛い・・・。

「だって、綺麗だから」

可南子が驚いて立ち止まる。
・・・あれ・・・俺、どうした?考える前に、勝手に想いが口から出てしまった。
可南子の顔がさらに染まって首まで真っ赤だ。
・・・俺まで恥ずかしくなるじゃん・・・。

「お、温泉のお陰かなぁ〜!美人の湯だからね・・・」

可南子は我に返ったように、手でパタパタと顔を仰ぎながら照れている。

「可南子、すっごく長く入ってたね」
「え、そう?波留が早すぎなんでしょ?せっかく来たんだから堪能しなきゃ」
「そっか」
「そうだよ・・・ここの温泉、お肌つるつるになるんですよ。後でまた入ろ・・・」
「・・・ふーん」

「朝風呂も入んなきゃ・・・」とかぶつぶつ言いながら、可南子が歩き出す。
・・・・・だめだ、またニヤける。
お肌つるつるか・・・いや、俺のためなのかなぁ・・・まいったな・・・。
だらしなく緩んだ頬を叩いて顔を戻してから、可南子の後を追った。
0250はじめての夜 22012/09/26(水) 22:21:23.45ID:sozeJzsY

「あっ、あれカワイイー!」

可南子が遊戯場の店の前で中を指差している。

「どれ?」
「ほら、あれ・・・あの一番上の猫の・・・」

射的の景品の、猫のぬいぐるみが気に入ったらしい。
・・・どうやら、俺の見せ場が来たようだ。ガキの時から、こういうのは得意だからな。

「獲ってやるよ」
「え・・・でも難しそう・・・大丈夫?」
「任せとけ・・・」

颯爽と店に入り、空気銃と玉を物色して・・・邪魔な羽織の袖をまくる。
・・・それにしても目の据わった、なんか不適な顔をした猫だな・・・このトラ柄、どこかで見たような・・・
狙いを定め、試しに一発撃ってみて様子を見る。
少しかすめて外れたのを見て、がっかりする可南子。
まぁ待てって・・・勝負はこれからだ。
挑むように見つめてくる猫の顔を睨みつける。
負けねぇからな・・・可南子の前で、ビシッと決めてやる。
二発目は命中・・・人形はぐらりと揺れ、奴の視線が俺から反れた。
ここまできたら、もらったようなもの。
祈るように応援してくれている可南子に笑みを向けてから・・・三発目を撃つ。
0251はじめての夜 32012/09/26(水) 22:24:17.17ID:sozeJzsY

「やったー!すごーい!」

店の中に響く鐘の音と拍手・・・決まった・・・やるじゃん、俺。

「ありがとうー!嬉しい・・・」
「おうっ」

景品を受け取ってはしゃぐ可南子を見つめながら、小さくガッツポーズをした。
宿に戻る間も、歩きながら可南子は嬉しそうにぬいぐるみを手に何度も頬ずりしている。
俺が勝ったはずなのに、この状況は・・・奴が羨ましいじゃないか。

「そいつ、可愛いかぁ?」

憎まれ口の一つも言いたくなる。

「えー?可愛いよぉ・・・一目惚れ・・・」

あー・・・キスまでされて・・・でも人形にまで嫉妬するなんて、俺そんな男だったっけ?
それもこれも、可南子が可愛すぎるからだな。
だから・・・俺だけのものにする。今夜は、全部俺のものだ。
可南子の肩に腕を回して、ギュッと抱き寄せる。

「・・・歩きにくいよ・・・」

そんな抗議には耳を貸さず、くっつきすぎてよろけた可南子を抱えるようにして歩く。
澄んだ夜空には星が瞬いていて、夜道を明るく照らしているように思えた。
0252はじめての夜 42012/09/26(水) 22:27:06.51ID:sozeJzsY

宿に着き、ぬいぐるみを二人で弄り、じゃれながら部屋に入る。
照明を点けると・・・部屋の真ん中に布団が二組ドーンと敷かれていた。

「・・・・・」
「・・・・・」

これから起こる、リアルな生々しさが襲ってきて、突然の気まずさに言葉を失う。

「あっ・・・そうだ、私もう一回お風呂入ってきますけど・・・波留は?」
「え・・・そっか・・・俺は、いいや」
「そう?じゃぁ・・・これ・・・」
「おう・・・行ってらっしゃい」

俺にぬいぐるみを手渡して、そそくさと部屋を出て行く可南子。

(やっぱ緊張するよな、初めてってのは・・・お互いいい歳してなんなんだけどさ)

布団を見下ろしながらボリボリと頭を掻く。
もうすぐここで、可南子を抱ける・・・思い描けば嬉しくて、どうにかなりそうだ。
でも、この前家でしでかしてしまったような、あんな余裕のない状態になるわけにはいかない。
あれは・・・カッコ悪かった・・・・。
今日は決めなきゃな。
可南子にも、大事な想い出の夜にするって言ったしな・・・うん。

「よし・・・」

軽く気合を入れて、準備に取り掛かる。
掛け布団をめくって・・・二組の間の、10センチほどの隙間が気になりくっつける。
空調を調節し、照明を消して・・・スタンドの灯りをともす。
オレンジ色の光が、部屋の空気を甘くした。

「・・・あ、そうだ」

革の上着の内ポケットから、四角く連なったビニールの薄い包みを取り出す。
ピリピリと破りながら・・・1個2個・・・いや、もしもの3個かと思案して・・・とりあえず2個を布団の下に忍ばせた。

「んーと・・・ティッシュは?」

部屋を見回し、ティッシュケースを見つけ、枕元に置いてみる。
それから布団の上で胡坐をかいて、セッティングした状態を見渡した。
0253はじめての夜 52012/09/26(水) 22:30:34.56ID:sozeJzsY

「・・・・・」

・・・なんか、やる気満々だな、俺。
いや、満々なんだけど・・・この張り切り具合は、可南子に引かれないか?
ちょっと露骨すぎる気がして、ティッシュケースを遠ざけてみる。
・・・なんなんだ、俺・・・かなりテンパってるよな・・・どうした?
一人苦笑していると・・・布団の脇に転がった、ぬいぐるみの奴と目が合った。

「・・・何見てんだよ」

そんな、人をあざ笑うような冷めた目で見るなよ。
わかってるよ・・・しょうがないだろ?
男ってのはこういう時、滑稽で情けない生き物なんだよっ。
奴を手にとって、ゴロリと布団に寝転がる。
・・・やっぱお前・・・どこかで見たような気がするな・・・。
まじまじとぬいぐるみの顔を見て、記憶をたどる。

「あー・・・お前、ノラ助に似てんな・・・」

思い出した・・・小学生の頃・・・神社に棲みついていたトラ柄の猫だ。
ふてぶてしい、全然愛想の無い野良猫。
親父に叱られて一人泣いている時も、今みたいに据わった目で凝視されて・・・
そのせいか、いつもいつの間にか涙は止まっていた。

(あいつ、どこ行ったんだろうなぁ・・・)

最後に見たのはいつだったか・・・思い出せない。
憶えているのは、神社の軒下にこうやって寝転がって、木漏れ日の先の空を眺めていた事だ。
ノラ助はいつも知らない間にそばに寄って来て、俺の隣にデーンと寝そべっていた。
あの頃・・・うまく笑えなくなった時、人の気持ちが見えすぎて苦しいとき、ただ寂しくて気持ちのやり場が無いとき・・・
日が暮れるまでそうやって、ただ一人ボーっと神社で過ごしていた。
いや、一人と一匹で、だな。
そんなときもこいつは余裕たっぷりに・・・『まだまだ甘いな、お前は』って顔してた。
そうやって過ごしていると必ず親父が迎えに来てくれて、それが嬉しくて次の日はまた頑張れたんだっけ・・・。

(こんなときに、何でこんなこと思い出してんだ?)

変な事を思い出したせいで、ふっと体の熱と緊張が抜ける気がした。
急に眠気が襲ってくる。
昨日・・・あんま眠れなかったからな・・・。

(遠足前のガキかよ)

ノラ助がまたあざ笑うように見ている気がして、俺はふて腐れて目を閉じた。
0254はじめての夜 62012/09/26(水) 22:33:23.81ID:sozeJzsY

緊張する・・・。
やっぱり、緊張する・・・。

「・・・どうしよう〜・・・」

白く濁った湯の中で、何度も深呼吸を繰り返す。
わかってますよ。覚悟、してきましたよ。逃げませんよ。
しますよ、ちゃんと・・・うん。
何度も一人頷いて、気持ちを落ち着けようと言い聞かせる。
あの部屋に戻ったら・・・波留はどんな風に触れてくるんだろう。
この前の・・・あの波留の家での時みたいになるのかな・・・。
あの時の波留の瞳と・・・激しいキスと・・・荒い息遣いと・・・強い力・・・
何度も思い返した。
今度はちゃんと受け止めたいから、何度も波留を想った。
その度に波留が恋しくて・・・あの時と同じように胸が高鳴って、体が熱くなった。
波留に抱かれたい・・・と思う。
でも、やっぱり怖い。
行為そのものも久しぶりすぎて不安だけれど・・・それだけじゃなくて・・・
好きだから・・・嫌われたくないし、がっかりもされたくない。
ちゃんと、全部受け止めてもらえるのかな・・・こんな私でいいって、波留は思ってくれるんだろうか・・・。

(自信ないよ・・・)

波留と出会う前・・・いつ以来だっけ・・・こんなことって。
一哉と別れてから・・・もう3年近くになる。
一哉とは、お父さんが亡くなった後偶然再会して、付き合うようになって・・・そういう関係にもなって・・・
でも、もともと気の合う友達だったからなのか、こんなに緊張するっ・・・てことは無かったように思う。
もちろんドキドキしたけれど、嫌われるかも・・・とか、そんな不安は感じなかった。
一哉は何も言わなくても、いつも悔しいくらい私の気持ちをお見通しで・・・だから、大事にしてくれた。
お父さんがいなくなった家に、明るい笑いを運んでくれた。
お互い20代の、一番仕事にも必死な時だったから、たくさん支えてもらった。
自信家で、何かにつけてカッコつけすぎだけど・・・優しくて頼もしい人。
なのに・・・人生を共にしようとは、どうしても思えなかった。
支えてもらったけど、私が彼のために出来る事は少なくて・・・
彼の隣に自分の人生は無いように思えて、どうしてもその先には進めなかった。
友人であり、兄のようでもあり、恋人でもあり・・・
でもずっと、恋人であり・・・って所が、一番しっくりこなかった気がする。

『なーんか、いつかこうなるような気がしてた』

別れを告げた時、一哉はそう言って笑った。
0255はじめての夜 72012/09/26(水) 22:36:22.40ID:sozeJzsY

波留は・・・一哉とは全然違うタイプの人だ。
今まで出会ったことの無い、第一印象ヘンな男。
何を考えてるのか解らない事はしょちゅうだし、趣味も違うし、頼りになるのかならないのか・・・
マイペースで、ちょっとやんちゃで、掴みどころのない男。
でもハードな見た目とは違って、優しくて穏やかで・・・とても純粋な人だと思う。
なんでこんなに好きになったのか・・・考えたってわからない。
こんな気持ちは、初めてだ。

(もう行かなきゃ・・・波留が待ってる)

またついついあれこれ考え過ぎてしまう。
納得しないと前に進めなくなる・・・つくづく面倒くさい性格だ。
でも波留といると、不思議といつも知らないうちに進んでる気がする。
なんだか・・・新しい自分になれている気がする。
それがとても心地よくて楽しくて・・・ずっと一緒にいたいと思える。

(きっと大丈夫・・・波留となら・・・)

ようやくなんとか踏ん切りをつけて、風呂から上がる。
部屋に戻り、ドキドキしながら襖を開けると・・・波留が布団の上に横になっていた。
猫のぬいぐるみを手に、スースーと穏やかな寝息を立てて眠っている。

(待たせすぎちゃったかな・・・)

申し訳なく思いながら、ちょっと拍子抜けして笑えてくる。
波留の傍に座って、寝顔を見つめた。
髭が生えているのに、子どもみたいで可愛い・・・とか思ってしまう。
いつも固めている髪が、今はフワフワしていて、顔にかかった前髪に触れると柔らかい。
自分の彼氏ながら、整った綺麗な顔だなぁ・・・と思う。
さっき射的をしてる時は、鋭い目つきと得意げな笑みがカッコイイ・・・なんて見惚れてしまった。
どうしよう・・・もう笑っちゃうくらい、波留が好きだ。

(あの時も・・・お父さんが獲ってくれた)

ぬいぐるみを手にとって、子どもの頃・・・家族で来たときのことを思い出す。
お父さん、また来たよ・・・一番大切な人と・・・。
0256はじめての夜 82012/09/26(水) 22:39:17.64ID:sozeJzsY

・・・鼻がムズムズする・・・なんだ?顔の前のこの毛むくじゃら・・・
薄目を開けると・・・ノラ助のどアップ・・・

「!?・・・わぁっ!!」

驚いて、飛び起きた。
・・・どれくらい時間がたった?まさか・・・もう朝か!?
瞬きを繰り返し、寝ぼけた頭を始動させる。
目の前には可南子がいて、クスクスと笑っている。

「え・・・今何時!?」
「たぶん・・・10時くらいです」
「あー・・・そっか、良かったぁ・・・」
「あんまり気持ち良さそうに寝てるから、起こそうかどうしようか迷ったんですけどね」
「え・・・何言ってんの、起こしてよ」

そんな・・・あのまま朝目覚めてたら、俺もう立ち直れねーよ。

「ごめんなさい・・・お待たせして・・・」

可南子が正座をして謝ってくる。

「いや・・・俺も寝ちゃって・・・」

なんか改まった空気になって、俺も姿勢を正す。

「・・・バイクの運転で、疲れてたんじゃないの?」
「ん?・・・ああ、そうかな・・・」

これくらいの遠出はなんでもない。
ただ昨日興奮しすぎて寝不足だったからなんだけど・・・ま、そういうことにしておこう。

「・・・・・」
「・・・・・」

ここに来て、また会話が途切れる。
えーっと・・・あれ・・・どう進めればいいんだ?
可南子を喜ばせたいけど・・・だからといってロマンチックにカッコよく決めたいなんて思っても、どうしていいかわからない。
しまった・・・俺がこれまで脳内で繰り返してたシュミレーションは、もうちょっと先のアレコレな訳で・・・。
0257はじめての夜 92012/09/26(水) 22:42:37.75ID:sozeJzsY

「えっと・・・・・じゃぁ・・・・・」

やっと出てきた言葉に、自分でも呆れてしまう。
じゃぁってなんだよ、じゃぁって!
情けなくて、カッコ悪くて、もう笑ってごまかすしかない。

「・・・なにが、おかしいんですか?」

可南子も小さく笑ったけれど、目は少し不安そうだ。
この前みたいに・・・怖がらせるような事はしたくない。
あくまで優しく・・・そこだけは、最後まで死守しなければ。

「ごめん・・・なんか緊張しすぎて・・・あー、もうなんて言ったらいいかわかんねーや」

・・・あっさり、正直になってしまった。

「・・・私もです・・・私もしてます・・・緊張・・・」
「・・・そっか・・・そうなんだ・・・」

目と目を合わせると・・・今度は本当にこの状況がおかしくて、二人で笑った。
笑顔を見ると、ただ嬉しさがこみ上げてきて、可南子を抱き寄せる。

「嬉しい・・・」

心の中に浮かんだ想いを、そのまま伝える。

「私も・・・」

いつもみたいに、可南子が応えてくれる。

「好きだよ・・・可南子」

きつく抱いて、何度も伝えて繰り返す。
可南子の体の硬さが、言葉を重ねるごとにほぐれていく気がした。
これから俺は・・・言葉以外の方法で、この溢れる想いを伝える・・・。
0258はじめての夜 102012/09/26(水) 22:46:12.73ID:sozeJzsY

可南子の唇を、ついばむように優しく食む。
舌を絡めて掻き混ぜて・・・また柔らかく吸い付いて・・・可南子も唇を動かして、俺に応えてくれる。
キスだけでこんなに気持ちがいいのに、いったいこの先どうなってしまうのか。
思うまま・・・どうにかなってしまいたい気持ちが湧きあがるのを、何度も抑え込む。
大事にしたい・・・優しくしたい・・・あぁ・・でも可愛くてたまらない。
甘い匂いの髪を撫で・・・頬に指を滑らせる。
食べてしまいたいくらいすべすべと柔らかそうで、唇を移し吸い付いた。
頬を擦り合わせ、耳元やこめかみに何度もキスをすると、可南子の息が耳をくすぐった。

「いい匂い・・・ほんとにつるつるだね」

耳元で囁くと、可南子が体を震わせキュッと抱きついてくる。
俺もギュッと抱き返した後・・・そっと体を離した。
もっともっと・・・可南子の肌に触れたい。
羽織に手をかけ可南子を見つめると、悟ったように小さく頷く。
脱がせて、浴衣の帯にも手を掛ける。
スルリと解いて抜き取って・・・ゆっくりと合わせを開いた。
白い肌と・・・豊かな二つの膨らみ。
可南子が腕で隠そうとするのをさえぎって、そのまま浴衣を肩からずらし、上半身を露にした。

(・・・・・やべぇ)

女の裸なんて、もう何度だって見てきたし触れてきた。
でも目の前にいる可南子は、俺の中に幾重にも作ったはずの理性の壁を、一気になぎ倒すほどの破壊力で・・・
俺が描いた仮想も、脳内で繰り返したシュミレーションも、これまでの実績も
すべて吹っ飛ぶくらいの・・・・・とにかく、たまらなく綺麗で・・・・・

「・・・あ・・・」
「・・へ?」

可南子の声で我に返る。
・・・・・自分の指先が、勝手にその胸に触れていて・・・可南子は驚いたように小さく身を退けた。
あわてて手を引っ込める。
まずい・・・今俺は、可南子の胸に誘われるまま、完全にどっかに行ってた。

「そんなに見たら、恥ずかしい・・・は、波留は、脱がないの?」

消えそうな声でそう言って、ずれた浴衣を抱え込む可南子。

「あ・・・そうだよな、ごめん・・・」

決まった手順なんて無いはずなのに、なんだか間違ったように思えて謝る。
浴衣を脱いでいると、可南子は俺から目を反らすように布団の中に潜りこんだ。
気持ちを落ち着けようと、可南子に悟られないようにゆっくりと大きく息をする。
0259はじめての夜 112012/09/26(水) 22:49:31.72ID:sozeJzsY

全部脱ぎ捨て、可南子の隣にもぐりこむ。
顔を覗き込むと表情がこわばっていて、緊張しているのが伝わってくる。
俺だって余裕なんて無いけど、なんとか安心させてやりたくて・・・
優しくしたい気持ちを込めて、額や頬にキスをしながら髪を撫でた。

「・・・怖い?」

尋ねると、可南子の目が潤んだ気がして・・・焦る。

「え・・・もしかして初め・・て・・・?」

急によぎった思いを、まさかとは思いながら問いかけると、可南子はハッとしたように小さく首を振った。

「そっか・・・(だっ、だよな・・・)」

ホッとしたけど・・・なんだかモヤモヤするような、変な気持ちが残る。

「・・・ごめんなさい」
「え?何が?(初めてじゃなくてってこと?)」
「嬉しいのに・・・やっぱり不安で・・・いい歳なのに・・・」
(あ・・・そういうことね)

初めてじゃないにせよ、久しぶりで怖いのかもな。
それなのに俺・・・あんなにがっついちゃったし・・・。

「この前俺ん家で怖がらせちゃったからかな・・・ごめんね」
「ううん、そうじゃなくて・・・」

可南子が焦ったように見つめてくる。

「・・・ん?」
「・・・波留に・・・嫌われたくない・・・」
「・・・・・」

・・・一瞬意味が解らなかった。
可南子を嫌いになるなんて・・・俺の中では想像すらしたことがない感情だったから。
でも・・・可南子が向けてくれるその気持ちは、俺の中にも同じようにある・・・。
0260はじめての夜 122012/09/26(水) 22:52:19.81ID:sozeJzsY

可南子の上に覆いかぶさるようにして、体を重ねる。
華奢な肩を包むように、ギュッと抱いた。
切なげに揺れる可南子の瞳の奥を覗き込む。

「そんなに・・・俺が好き?」

丸い大きな瞳から、一筋涙が零れた。

「うん・・・泣きたいくらい・・・」

・・・俺まで泣きたくなった。
腕の中で、俺が好きだと涙を流す可南子に・・・想いは溢れるのに、かける言葉が見つからない。
どんな言葉も足りないように思えて・・・

「・・・ありがと」

ただ見つめて・・・それしか言えなかった。
それでも可南子の瞳から、またポロポロと涙が零れる。

「泣くなよ・・・まだなんにもしてないのに・・・」
「へへ・・・だって嬉しくて・・・」

今度は泣き笑いかよ。

「大丈夫だよ・・・嫌いになんて、絶対ならない」
「・・・うん」
「大事にする・・・優しくするから・・・」

本当は、優しく抱ける自信はなんて無い。
でも、そうしたいと思う・・・強く、想う。
0261はじめての夜 132012/09/26(水) 22:55:33.32ID:sozeJzsY

可南子に触れる。
すべすべと滑らかな肌・・・唇で・・・掌で・・・触れる全てが柔らかい。
中でも胸は・・・もう指が吸い込まれるようで・・・俺は何度も何度もその感触を味わった。

「はぁ・・・んっ・・・」

恥じらいながら感じる可南子は、息を震わせ声を堪えている。

「大丈夫・・・声、聴かせて」

そう言って声を掛けてから・・・胸の頂を口に含んだ。
舌で弾いて硬くして、円を描くように舐め回す。
可南子の体がビクビクと震え、抑えきれない甘い声が漏れる。
初めて聞く・・・可南子の嬌声・・・
胸への愛撫を繰り返すと、高い声が苦しげに途切れる。
頭の奥が痺れて・・・もっと鳴かせたくて・・・力が入ってしまう。

「・・・痛・・・」
「ごめっ・・・」

ハッとして可南子の顔を見ると、目を閉じたまま、大丈夫・・と伝えるように首を振っている。
でも、吸い付いていた可南子の胸には、鬱血した濃い跡が出来ていた。
可南子に痛い思いをさせたのに、その様に満たされている自分がいる。

(だめだって・・・)

紅い印に、いたわるように精一杯優しく口づける。
可南子にもっと感じて欲しい・・・こんな気持ちで抱いちゃいけない。
それなのに、気持ちの余裕が無いばかりでなく、体の余裕なんてもっとやばい状態になってきた。
完全に勃ちあがったそれは、可南子の体に触れるたび、俺を急かす。
可南子はどうなのか・・・確かめようと腿の間に手を這わせていく。
0262はじめての夜 142012/09/26(水) 22:58:38.59ID:sozeJzsY

「・・・あっ・・・」

そこに指が近づくと、可南子はしがみつくように抱きついてきた。
そんな姿が愛しくて・・・包むように肩を抱いて、キスを繰り返す。
なかなか開かない脚の間に俺の膝を割り込ませて・・・柔らかな茂みの奥に辿り着く。
そっと撫でると指先にぬめりを感じた。
秘唇の間を掬うように上下になぞると、可南子は俺の肩に吸い付くようにして呻いた。

「・・・濡れてるよ・・・」

嬉しくなって解らせたくて、耳に声を吹き込んだ。
何度もなぞり、濡れた指を滑らせて、少し上の突起を弾いた。
急な刺激が辛いのか、可南子の脚に力が入り、俺の膝を強く挟み込む。
逃れようと身を捩る可南子を、抑えるように強く抱いて、指を震わせる。

「うぅー・・・んーっ・・・」

赤い顔を歪めて、呻く可南子。
達してしまいそうな顔だとわかる。
見ていられない・・・視覚からの刺激にも、俺の体はもう耐えられそうもない。
目を閉じて・・・刺激を続けながら、中指の先を沈めてみる。
ゆっくり指を進めると、少しざらりとした粘膜の襞に触れる。
きつい・・・可南子のために、少しでも中をほぐさなければ・・・

「可南子、力抜いて・・・」

声をかけると・・・強張る体で抱きつく可南子が、脱力しようと深い息を繰り返した。
内壁を撫でながら、指を上下に何度か往復をさせると、クチュクチュと溢れる水音が聞こえてくる。
自分の掌にも蜜が垂れてくるのが解る。
可南子の切なげに喘ぐ荒い息と声が・・・俺の耳に吹き込まれる。
次第にほぐれて、かすかに蠢いて・・・どんどん熱くなって・・・この中に入れるのかと思うともうたまらなくなって・・・
0263はじめての夜 152012/09/26(水) 23:01:48.92ID:sozeJzsY

「・・・ちょっと、待って」

可南子から離れて、忍ばせていたゴムに手を伸ばす。
濡れた手のせいなのか、焦っているからなのか、少し手こずりながら包みを破って、痛いほど張り詰めた自身に被せた。

(落ち着けって・・・)

息を整えるように深呼吸して言い聞かせて・・・
ぐったりと荒い息をしている可南子の脚を開いて持ち上げ、位置を定めた。
何度か擦ってぬらりと蜜を絡ませる。

「・・・入れるよ?」

返事は待てなかった。
グッと先端を沈めると、可南子の体が強張る。
進めようとしても、可南子は息をするのも忘れたように身を硬くしたままで・・・
俺は慰めたくて可南子に身を重ねる。
肩を抱いて髪を撫で・・・でも逸る気持ちは抑えられず、うながすように額や頬を可南子の顔に摺り寄せた。
・・・もう、だめなんだ・・・だから俺を受け入れて・・・

「はぁ・・・波留・・・」

可南子の声がして、俺の背中に腕がきつく回された。
赦されたような気がして・・・一気に貫く。

「うぁっ・・・」

可南子の尖った叫び声と白い喉・・・熱い締め付け・・・煽られて気持ち良くて、このまま果ててしまいそうだ。
すんでの所で踏みとどまったが苦しくて・・・なんとか気を紛らわせようと、俺は可南子から目を反らす。
0264名無しさん@ピンキー2012/09/26(水) 23:03:23.08ID:sozeJzsY
すみません、真っ最中なんですが一旦切ります
日付が変わる頃にまた…
0265名無しさん@ピンキー2012/09/27(木) 00:19:44.39ID:yr0cc8iT
続きいきます
話を少し巻き戻して、可南子目線からスタートです
0266はじめての夜 162012/09/27(木) 00:22:10.49ID:yr0cc8iT

波留が浴衣を脱いでいく。
浅黒い肌と、男らしい胸板が目に飛び込んできて、ドキリと大きく心臓が跳ねる。
苦しくなって、逃げるように布団に潜り込んだ。
胸が高鳴りすぎて、どうにかなってしまいそう・・・
裸になった波留が触れるほどの距離に来て、ドキドキしすぎて苦しくて、また進むのが怖くなる。
私を覗き込む波留の顔が、困惑しているのがわかる。
心配して、声をかけてくれるけど・・・
違う・・・そうじゃない、そうじゃなくて・・・今の波留を、失うのが怖いだけ・・・

「・・・波留に・・・嫌われたくない・・・」

抑えきれずに気持ちを伝えると、肩を抱いてくれた。
温かくて大きな体に包まれて・・・澄んだ瞳が見下ろしてくる。

「そんなに・・・俺が好き?」

うん・・・好き・・・ずっとこうやって、その瞳を見つめていたい。
どうしようもなく波留が好きで・・・勝手に涙が溢れてくる。

「・・・ありがと」

キラキラ光る波留の瞳が綺麗で・・・優しすぎて・・・嬉しいのに泣けてくる。
波留が微笑みながら、涙を拭ってくれる。
おかしいね・・・笑っちゃうよね。
波留の笑顔を見ると安心する。
ありがとう・・・欲しい言葉をくれて。
優しいキスをいっぱいくれて。
波留・・・信じてる・・・。
0267はじめての夜 172012/09/27(木) 00:25:04.93ID:yr0cc8iT

波留の手が体を這う。
触れられるたびに甘い痺れが全身を駆け巡って・・・体の中心に集まっていく。
肌に唇が触れると髭があたって、誰に抱かれているのかを思い知らされるみたいだ。

(波留なんだ・・・)

胸に吸い付く波留を見つめる。
逃すまいとするように掴んで頬を摺り寄せて・・・いっぱいに含んで・・・
無我夢中といった感じの表情はどこか楽しげで、やっぱり子どもみたいだと思ってしまう。
胸が締め付けられるような愛しさと、増していく波留の愛撫の激しさで、体が熱く疼いていくのが解る。
波留に言われたまま・・・声を抑えることも出来なくなって・・・
自分がどうにかなってしまいそうで怖いのに、感じてもっと欲しくなる。
もっともっと触れて欲しくて・・・

「・・・あっ・・・」

一番感じるところなのに、波留の指が触れると体が強張る。
知られてしまう・・・もう熱くなっているそこに触れられれば、止められなくなる。
やっぱり怖くて、波留に抱きついた。

「・・・濡れてるよ・・・」

体中に波留の声が響いて・・・その言葉と音の低さに体が震えた。
的確に捉えてくる指の動きに翻弄されて、感じて感じてたまらなくて・・・

「可南子、力抜いて・・・」

さっきから何度も波留の硬さが腿に触れる。
この熱さを受け入れて、波留にも感じてもらいたい・・・
深く息を吸い込んで、力みを逃して波留に委ねた。
0268はじめての夜 182012/09/27(木) 00:28:44.85ID:yr0cc8iT

波留が・・・入ってくる。
指とは比べ物にならない大きさ・・・受け入れたいのに、体の力が抜けない。
そんな私に気付いた波留が、体を重ねて優しく抱いてくれた。
私の体をいたわろうとしてくれる優しさが伝わる。
一方で摺り寄せてくる波留の頬と、顔にかかる耐えるような深い息が熱くて・・・強く求めてくれているのもわかる。
全部、ちゃんと受け止めたい・・・波留の背中に腕を回して、気持ちを伝えるように力を込めた。

「ああっ・・・!」

次の瞬間、鋭い力に貫かれて、頭が真っ白になった。
強く押し広げられる圧迫感に、繋がった部分が痺れる。
何度か深い息を繰り返すと、波留の大きさに慣れてくるようで・・・受け入れた安堵感からか、少し余裕ができた気がした。
目を開けて、じっと動かない波留を見ると・・・部屋の何かが気になるのか、どこかを見つめている。

「・・・波留?」
「・・・え?」

問いかけるように呼びかけると、少し焦った顔でこちらを向く。

「どうしたの?」
「ん?・・・なんでもない・・・ごめん」

波留も、深い息を繰り返している。

「痛くない?」
「うん・・・大丈夫・・・」
「そっか・・・良かった・・・」

お互いホッと安心したように額を合わせて・・・一つになれた嬉しさで、そのまま抱き合ってキスをした。
しばらくそうしていると・・・波留の腰が深く繋がったまま、うねるようにゆっくりと動き出す。
体の一番奥の、感じるところを波留のもので擦られて、ビリビリと電流が走るように疼く。
密着した波留の下腹部にも秘部全体が刺激されて・・・また急激に熱くなって、キスを交わすのが苦しくなる。
動きに任せて、高まっていく快感に身を委ねていると・・・急に波留の動きが止まった。
0269はじめての夜 192012/09/27(木) 00:33:23.20ID:yr0cc8iT

「はぁ・・・ごめん・・・待って・・・」

荒い息をして、眉間を辛そう寄せている。
苦しげな表情を見ていると、切なくなる。
波留はまた息を静かに吐きながら腰を揺らすけれど、すぐに動けなくなった。

「やばい・・・俺・・・」

波留がどういう状態なのか・・・わかる。
私のために、もっと長くこうしていたいと思ってくれている。
そんな風に耐えている表情が切なくて、でも色っぽくて・・・たまらなく愛しいと思えた。
私だって同じように、波留にいっぱい感じて欲しい。
どんな波留も、全部受け止めたい・・・。

「波留・・・いいよ」
「・・・え?」
「私なら大丈夫・・・嬉しいよ」
「・・・・・」
「・・・だから・・・動いて・・・」

戸惑う波留の頬を両手で包んで・・・想いを込めて口づけた。
ぐっと歯を食いしばって・・・波留がまた動き出す。
強く深く、揺さぶられると・・・甘い痺れが背中を駆け上がっていくように感じた。
大好きな人が目指すものに応えたい。
波留を誰よりも一番近くに感じて・・・その気持ちで満たされる。

「・・・くっ・・・ぅ・・・」

波留が小さく呻きながら、大きく打ち付けた腰を奥で留めた。
一瞬・・・波留のものが一回り大きくなったように感じた後・・・中でビクンと何度も脈打つように跳ねた。
跳ねるのに合わせて、不規則に荒い息を震わせている。
苦しげに歪んだ顔が、しだいに解放されたように緩んでいく。
はじめて見る表情・・・自分の体で感じてくれたことが嬉しくてたまらない。
ゆっくりと脱力していく汗ばんだ体を、ぎゅっと抱きしめる。

(愛してる・・・)

嬉しくて、幸せで・・・波留が、私だけのものになったように思えた・・・。
0270はじめての夜 202012/09/27(木) 00:37:18.60ID:yr0cc8iT

「・・・だから・・・動いて・・・」

可南子からの言葉と口づけに・・・懸命に繋ぎとめようとしていた気持ちが切れた。
怒涛のように押し寄せる欲求と、感情と、快感の波にのみ込まれる。
もう何も考えられず、ただ一点に登りつめようと可南子を貪った。
何度も突き上げ・・・もうだめだと感じた瞬間、自身が掴まれるように中が締まって・・・そのまま連れていかれる。
可南子につつまれながら・・・長い吐精感を味わう。
白んだ意識がだんだんと戻ってきて・・・ゆっくりと力が抜けていく。
可南子が背中を擦ってくれていて・・・優しさを嬉しく感じながら、一方でそんな可南子の冷静さを空しく思う。

(・・・やってしまった・・・)

我に返ると、情けなさが襲ってくる。
途中から訳がわからなくなった・・・こんなことは、いつ以来だ?
こんな歳にもなって、我を忘れて自制が利かなくなるなんて、覚えたてのガキじゃあるまいし・・・
可南子が可愛すぎるからって、気持ち良すぎたからって、赦してくれたからって・・・

(こんな大事なときに、何やってんだろうなぁ・・俺は・・・)

気持ちとともに萎えていく自身を感じ、事後の後始末をしようとティッシュケースに手を伸ばすが・・・
あの時遠ざけてしまったために、あと少しのところで届かない。
あんなに気合十分で臨んだのにこの結果・・・自分で自分に引いてしまう。
無意識に大きくため息をつき、可南子から体を離した。

(お前、ここにいたのかよ・・・)

布団の陰にノラ助が転がっている。
可南子に入れてやばいと思って、気を紛らわせようとこいつを探したけど、その時は見当たらなかった。
こいつを見れば気持ちが落ち着くと思ったのに・・・何もかもうまく運ばない気がして、またため息が漏れる。
始末を終え振り返ると、可南子はまた布団に潜って、落ち着かない様子で睫毛を震わせていた。

「・・・ん」

隣に潜って、腕枕に誘う。
可南子が顔を寄せてきて・・・すっぽりと腕の中に収まった。
0271はじめての夜 212012/09/27(木) 00:40:10.42ID:yr0cc8iT

「・・・・・」
「・・・・・」

沈黙が続く。
俺が発している空気のせいに違いないのは解っている。
俺のために・・・緊張しつつ受け入れてくれた可南子に、気持ちを伝えなきゃいけないのに、また言葉が見つからない。

「なんか・・・ごめん・・・」
「・・・え?」
「ん?・・・いや、俺一人で、その・・・盛り上がっちゃって・・・」
「そんな・・・そんなことないです」
「・・・いいよ・・・気を使わなくても」
「・・・・・」

だめだ・・・この空気・・・どんどん嫌な方向へ向かっているのが解る。
またしばしの沈黙・・・気まずい・・・
先に口を開いたのは、可南子だった。

「そんな・・・大丈夫です・・・私、全然気にしてないです」
「・・・俺は、するよ」

この返しは悪い方向きなのに、なぜか止められない。

「・・・どうしてですか?」
「どうしてって・・・記念すべき初めてのエ・・・夜なのに・・・」
「・・・・・」
「可南子・・・ずっと憶えてるだろ?」
「・・・あ・・・まぁ・・・はい・・・」

自分で言っときながら、またため息が出る。

「あの・・・そんなに気にするような感じじゃ、なかったと思いますけど・・・」

また可南子が気を使ってくれているのに・・・それが優しさからだと解っているのに・・・
悪い方向へ向いた俺の心には、あらぬ感情まで湧いてくる。
モヤモヤとした・・・男として最低の感情・・・

(昔の男と比べてんのかよ・・・)

今、可南子の中にその男が浮かんでいるのなら、こんなに情けないことは無い。
0272はじめての夜 222012/09/27(木) 00:44:42.28ID:yr0cc8iT

「だから、気ぃつかってくれなくていいって」

イラついた心で発した言葉は、自分でも驚くほど冷たかった。
もう、最悪だ。
これ以上、俺は何も言えない。
肌と肌で触れ合って、抱き合っているのに、可南子を遠くに感じる。
ついさっき、あんなに熱い想いで抱いていたのに・・・なんでこんな事になったのか。
一番大切な人の前で、なんでこんな小さな意地を張っているのか。

「・・・なにそれ・・・なんでそんなこと言うんですか?」

腕の中の可南子から響いた声は、怒っているように聞こえた。

「気なんか、つかってませんよ」

可南子が顔を上げて、真っ直ぐに俺を見つめてくる。

「波留は・・・私の気持ちを全然わかってません」

・・・この台詞は・・・過去に何度か言われてきた言葉だ。
苦い想いが蘇る・・・結局俺は、可南子にも同じ思いをさせてしまっている。

「・・・・・悪かったよ」

傷つけてしまった・・・心から謝りたいのに、態度が素直になりきれない。
ふて腐れた、ガキみたいだ。

「・・・波留・・・私の言う事が信じられないの?」
「・・・・・」

可南子の声が震えている。

「嬉しかったのに・・・波留が求めてくれて・・・さっきも・・・それから、この前波留の家であんな風になった時も・・・
 それって私のこと、想ってくれたからですよね?・・・それだけで十分なのに・・・すごく・・嬉しいのに・・・」

目を潤ませて、一生懸命気持ちを言葉にしてくれた可南子が、涙が零れるのを隠すように背を向けた。
0273はじめての夜 232012/09/27(木) 00:48:20.02ID:yr0cc8iT

(俺・・・最低だな・・・)

さっきだって、涙を流しながら俺が好きだって伝えてくれたのに。
耐えている俺を、優しく赦して受け入れてくれたのに。
こんな俺を、いつもこんなに想ってくれているのに・・・。

(ほんとに、ガキの頃のままだ・・・)

可南子を信じてない訳じゃない。
でも・・・どこか信じられないんだとも思う・・・
こんなに人に想われてるってことが・・・愛してもらえてるってことが・・・
愛する人に、俺の全部を受け止めてもらえるってことが・・・

「・・・ごめん・・・可南子・・・」

背を向けた可南子に、恐る恐る後ろから腕を回す。

「・・・ごめんね・・・」

それしか言えなくて・・・可南子の頭に額を摺り寄せた。

「・・・謝ってばっかり・・・」

鼻声の可南子が、俺の腕を抱きかかえるようにギュッと握り締めた。

「うん・・・ごめん・・・ごめんなさい」
「・・・・・・ふふっ・・・」

やっぱりそれしか言えなくて繰り返すと、可南子が小さく笑って・・・俺もホッとして、少し笑った。
暫くそうやって可南子を背中から抱いていると、だんだんと交じり合う体温に気持ちが癒されていく・・・。

「波留・・・」
「・・・ん?」
「まだ・・・夜は終わってないよね・・・」
「・・・え?」
「私たちの・・・記念すべき、初めての夜・・・」
「・・・うん・・・そうだね」

また可南子が、俺に深い優しさをくれる。

「可南子・・・もう一度、抱いてもいい?」

可南子は頷いて・・・愛しげに俺の手に唇を這わせた・・・。
0274はじめての夜 242012/09/27(木) 00:52:00.39ID:yr0cc8iT

また・・・可南子に触れる。
可南子も俺の体に触れ、目が合えばキスを求めてくれる。
紅く濡れた唇と、甘く絡む舌を何度も吸って・・・柔らかく優しい体を力いっぱい抱きしめる。

「・・・ごめん」

壊してしまいそうだと思っても、止められなくて・・・俺は言い訳みたいに謝った。

「もう・・・また謝る・・・」

可南子はとがめるように膨れるけれど、俺の髪を鋤いてくれる指の動きが優しくて・・・

「だって・・・優しくできそうにない」

甘えた事を言ってしまう。
わかっていても可南子に溺れて、止められない。

「いいよ・・・」

可南子が微笑んで、甘やかす。

「波留の・・・したいようにして」

ああ・・・もう、これ以上ない程の甘やかしだ。
だけど自分でそんな事を言って煽っておきながら、可南子は恥ずかしさに動揺している。
だからブレーキの緩んだ俺は、その可愛い困り顔がもっと見たくなって、また・・・

「・・・無理してる」
「し、してません」
「そんなこと言って・・・どうなっても知らないよ?」
「え・・・・・そんな・・・」

可南子・・・なんでそんなに可愛いんだよ・・・なんでこんな気持ちにさせるんだ?
冗談のつもりで言ったのに・・・もう、我慢できない。
0275はじめての夜 252012/09/27(木) 00:55:38.33ID:yr0cc8iT

「可南子、好きだ・・・」

それからは・・・どれだけを声にして、なにを心で叫んだか、わからない程で・・・
今はどんな想いも、言葉も、俺の欲をぶつける言い訳にしか思えなかった。
自分だけに見せる表情を、声を捕まえたくて、体中を支配する欲求のままに可南子を貪り続けた。
味わうように舌を這わせ、白い肌を舐め上げて、吸い付いては紅い印を残す。
全部見たくて。
全部知りたくて。
何度快感に震える姿見ても、今の可南子を壊して、もっともっと俺だけのものにしたくなる。
こんな気持ちは初めてだ。
可南子でないとだめで、可南子しか欲しくない。
この想いを伝えたい・・・共に、感じたい。

「波留・・・もう・・・・・だ・・め・・・」

繰り返される秘唇への愛撫に苦しげに喘ぐ可南子が、もう何度目かの訴えを口にした。
濡れた口元拭いながら、可南子を見つめる。

「・・・嫌?」

俺の何度目かの問いに、やっと首を小さく横に振る可南子。

「も・・・お願い・・・」

涙を滲ませ、何度も達して溶けた瞳が、俺を見つけて切なげに揺れる。
この顔が・・・見たかったんだ。

「・・・俺が欲しいの?」

俺の言葉に一瞬顔をきつくして、恥ずかしさに歪める。
それでももう抗えず、首に腕を回して、絡むように抱きついてきた。
0276はじめての夜 262012/09/27(木) 01:01:38.71ID:yr0cc8iT

「・・・もう・・波留がいい・・・波留じゃないと、イヤ・・・」

甘い声で、うわごとのように繰り返す。

「うん・・・俺もだ・・・」

首に絡む可南子の手をとって、俺に触れさせる。

「・・・可南子のだよ」

耳に囁くと・・・重ねた掌の中で、可南子の指がゆっくりと俺をなぞる。
そうしながら、これから起こる快楽への期待に二人高ぶって・・・
行為を思わせるように舌を絡め合う、淫靡なキスを交わした。

「はぁぁ・・・」

準備をして、あてがった自身をゆっくり沈めると・・・可南子からたまらないといった切ない吐息が漏れる。
さっきよりもうんと熱く、ほぐれて蠢く中が気持ちよくて、俺もまたしばらく動けなかった。
ゆっくり・・・うねるように腰を揺らしていくと、可南子の口元がほころんで、かすかに笑みが浮かぶ。

「・・・そんなに・・いい?」

尋ねると、首に腕を絡ませて、顔を隠すように抱きついてくる。
その手を解いて掌を合わせ、指と指を絡ませて・・・押さえつけて動けなくした。

「だめだよ・・・可南子の顔が見たい」

羞恥にキュッと結んだ口が、抑えられない喘ぎになまめかしく開き・・・赤く上気した表情は、乱れて女の顔になる。
動きを緩めると、俺を求めて腰がうねり、脚が体に強く絡む。
より深く繋がろうと仰け反る腰を掴んで、何度も何度も深く貫いた。
可南子の中に俺が沈み込む様を見つめ・・・満足して、吸い込まれるような抵抗を感じながら、酔いしれる。
悦びを与える可南子の体が愛しくて、愛しくて・・・俺の熱で溶かしてしまいたいと思った。
互いの汗と、可南子の愛液と、俺の唾液にまみれた体を
境がわからなくなるほど強く抱いて・・・快楽の波に無抵抗でのみ込まれていく。
こうやってどこまでも、何度でも溺れたい・・・ずっと、二人で・・・。
0277はじめての夜 272012/09/27(木) 01:04:45.17ID:yr0cc8iT

熱にのみ込まれ果てた体を布団の上に投げ出して、二人でしばらく動けずにいた。
でもこのまま寝てしまうのはまずいと思い、可南子から体を離す。
二度目の始末をして可南子を見ると・・・体を起こして浴衣に手を伸ばし、着付けようとしていた。
もう着ちゃうのか・・・とか思いつつ、汗をかいた体が冷えてきたようにも思えて、自分も羽織りながら様子を眺める。
体が軋むのか、力が入らないのか、可南子の動きは緩慢だ。
表情も疲れていて、少し辛そうに見える。

(・・・したいようにしてと言ってくれたからって、いきなり激しすぎたよな・・・)

今日の俺は、どうしても加減ってものができないらしい。
大事にするとか、優しくするとか言って・・・この結果だ。

「体・・・つらい?」

今更心配してもしょうがないのに申し訳なくて、浴衣を着付けるのを手伝う。
可南子はそんな俺の気持ちを察したのか、否定するように首を振った。

「大丈夫です」
「でも・・・やっぱちょっと乱暴だった。ごめんね」
「大丈夫」

笑顔を作って首を振る可南子の声が掠れていて・・・いじらしい姿が愛しくて、抱きしめながら体を擦った。
自分の思うままに痛めつけておきながら、罪悪感に捕らわれて・・・
いたわりたいと想っても、慰めたいと想っても、こうやって抱きしめる事しかできない。
そうして可南子を腕の中閉じ込めて、赦されたような気になって・・・そうやって結局俺は、可南子に甘えているんだと思った。
0278はじめての夜 282012/09/27(木) 01:07:35.25ID:yr0cc8iT

また落ち込みかけた俺に気付いたのか、可南子が心配そうに顔を見上げた。

「気にしないで。あの・・・波留のせいじゃなくて・・・もともとスポーツとか、苦手なんです」
「・・・・・」

・・・ん?・・・スポーツって・・・激しかったのは解るけど、俺のやりかたってそんなに体育会系か?
そんな風に喩えられるというのは、可南子にとっては苦痛だったのかな・・・それともセックス自体が苦手なのか?

(でも・・・めちゃくちゃ感じてたと思うんだけどなぁ・・・)

ちょっと考え込んでいると、可南子は自分の言ったことのおかしさに気付いたように、慌てた。

「あ、そうじゃないよね。なんていうか・・・運動不足というか、体力がないって意味で・・・
 嫌とかそんなんじゃないんです、全然・・・むしろ・・・だ、大丈夫でした・・・」
「・・・そうなんだ」
「気なんか、つかってませんよ」
「うん・・・ありがと」

また焦りつつも一生懸命言葉を紡いでくれる可南子。
そんな姿は本当に可愛くて・・・ほっとしつつ笑ってしまう。

「俺も・・・もっとゆったり?というか・・・普通にも、できますよ」

・・・何が普通なんだ?俺まで何を言ってんだか。

「あ・・・じゃぁ・・・今度はそんな感じで、お願いします・・・」

可南子からの、今度・・・という言葉が嬉しい。
これから先もずっと続いていけると思える事が、嬉しくてたまらない。
可南子はいつも、俺の気持ちを前に進めてくれる。

「はい・・・またよろしくお願いします」
「・・・こちらこそ」

二人で笑い合う。
俺達って、いい歳して変だよな。
俺は舞い上がって、独りよがりでダメダメだし、可南子は泣いたり怒ったり笑ったり・・・いろいろ忙しい。
でも、ちゃんと前に進んでるんだよな・・・可南子とだから・・・二人だから・・・きっとそうなんだ。
0279はじめての夜 292012/09/27(木) 01:10:40.75ID:yr0cc8iT

「可南子・・・ずっと一緒にいような」

言いたかった言葉が、自然と口を突いて出た。

「・・・はい・・・」

あたり前のように頷いて、フワリと笑った可南子が綺麗で・・・
今まで感じたことの無い感情がこみ上げてきて、胸が詰まった。
目の前が霞む。
俺は・・・泣きそうなんだ。
さんざん情けない姿をさらした上に、泣き顔まで見せるなんて耐えられなくて
自分の顔を隠すように、また可南子を腕の中に閉じ込めた。
・・・ふと脳裏に、あの木漏れ日の先の空が浮かんでくる。
あの空を思い出したから、こんな気持ちになったのか・・・。

「・・・離さないよ」

声が震える。
俺を離さないで。
ずっと離れないで。
誰よりもそばにいて、そうやって笑ってて欲しい。

「・・・離れないよ」

可南子の声がする。
腕が精一杯の力で背中を抱きしめてくる。
俺の全部を・・・優しく包んでくれる。
こんな温もりがあるなんて、初めて知った。

(可南子・・・愛してる)

涙が溢れて、もう声にはできなかった。
俺には・・・可南子がいる。
0280はじめての夜 302012/09/27(木) 01:14:15.21ID:yr0cc8iT

布団の中で向かい合って、可南子の顔を見つめる。
髪や頬を撫でていると、瞼がトロンと重くなって・・・閉じようとすると振り切るように瞬きをする。
眠いのを我慢している姿がおかしくて可愛くて、笑ってしまう。

「可南子、寝ていいよ」
「だって・・・もったいない」

それはわかる。俺だって同じ気持ちだ。

「でも疲れただろ?明日バイクの後ろで居眠りされたら大変だし、ちゃんと寝ないと」

諭すように言うと、つまんないとでもいうようにため息をついた。

「楽しかったし・・・嬉しかったな・・・」
「うん・・・」
「いろんな波留が見られて」
「・・・・・」

悪戯っぽく笑う可南子・・・これはいつもの仕返しか?
思い返したくない今夜の俺の醜態を、また思い出してしまったじゃないか。

「・・・いろいろ・・・忘れてください」
「憶えてるよー」

可南子は楽しげにクスクス笑って、うなだれる俺を慰めるようにポンポンと頭を撫でた。

「あ・・・あれ取って」

指をさす先には、転がった猫のぬいぐるみ。
取って手渡すと、また「可愛い」と言いながら嬉しそうに笑う。

「これ・・・嬉しかった」
「そっか」
「波留・・・カッコ良かったよ」
「・・・おう」

単純すぎる。その言葉だけで、もうニヤけてしまう俺。

「ずっと憶えとく・・・大事な、想い出の夜だもんね」
「うん・・・」
「波留・・・ありがと」

そう伝えると、可南子は満足したように瞳を閉じた。
俺の心も満たされて・・・言葉の変わりに想いを込めて、そっとキスを落とした。
0281はじめての夜 312012/09/27(木) 01:17:25.41ID:yr0cc8iT

可南子の寝顔・・・スースーと寝息をたてて、安心したように穏やかだ。
いつもよりうんと幼く見えて、守ってやりたいという気持ちが湧く。
俺も今日・・・ほんとうにいろんな可南子を見た。いろんな可南子をもらった。
こんな風に夜を重ねて、朝起きたらあたり前のように可南子がいて・・・可南子の笑顔があって・・・
そんな目も眩むような幸せがあるなんて、こうやっていても信じられないほどだ。

(結婚か・・・)

可南子と結婚したい。いや、する。
それはもう決めている。
本当は今日のうちに口に出してもかまわなかった。
でも・・・今夜の俺はダメダメだ。
焦って突っ走ると碌な事がない。
今度こそ手順を踏んで、ちゃんと、しっかり可南子にプロポーズしなければ。
そもそも結婚とは現実で、幸せに目が眩んでばかりもいられないわけで・・・
結婚式とか、新居とか、挨拶とか、仲人とか・・・・・あと、なんだ?

(あー・・・俺、いっぺんにいろいろ考えらんねぇからな・・・)

少し頭がグルグルして不安に思っていると・・・またあの視線を感じた。

(・・・甘ちゃんだって言いたいんだろ?)

ノラ助のやつが、またあざ笑うように俺を見ている。
・・・よし、見てろよ。
一個一個クリアして、可南子と最高の結婚をしてやるからな。
可南子を喜ばせて、二人で今よりもっともっと幸せになってやる。
心の中でそう誓って、またノラ助を挑むように見た。

(お前、大丈夫か?)

・・・とでも言いたげな、力が入った俺をなだめる様な呆れた目つき。
そうだ・・・気合が入りすぎると碌な事がないと、今反省したばかりだったのに。

(今夜はもうダメだな・・・)

俺は苦笑して考えるのを止め、可南子を抱き寄せ瞳を閉じた・・・。
0282はじめての夜 322012/09/27(木) 01:20:06.74ID:yr0cc8iT

・・・なんか甘い匂いがする・・・なんだ?この俺の顔に触れる柔らかくて優しい・・・
薄目を開けると・・・可南子が俺にキスをしている。

(・・・!・・・可南子っ!)

夢じゃなかったことも、可南子がキスをくれたことも嬉しくて・・・
きつく抱きしめて、俺は寝起きとは思えない勢いで唇を貪った。

「!・・・んーっ・・・波・・・苦し・・・」

可南子は驚いてバタバタともがいている。
でもそうしているとすぐに大人しくなったので・・・甘いキスを堪能してから唇を解放した。

「おはよう・・・」
「お、おはようございます・・・」

初めての朝・・・可南子のキスで目覚めるなんて、最高すぎる。
調子に乗った手が背中をまさぐって、唇は可南子が弱い耳元へ・・・

「あ、あの・・・波留さん?」
「・・・ん?・・・」
「起きないんですか?」
「起きてるよ・・・」
「・・・そうじゃなくて、着替えとか・・シャワーとか・・・」
「んー・・・」

手が胸に辿り着くと・・・

「いてっ!」

抓られてしまった。

「だめです、着替えて下さい。8時に朝食の予約がしてあるでしょ」
「えー・・・」

やっぱりかとは思ったが・・・がっかりして少し冷静になって可南子を見ると、着替えも化粧も済ませている。
0283はじめての夜 332012/09/27(木) 01:23:04.95ID:yr0cc8iT

「可南子着替えちゃったの?・・・そうだ、朝風呂は?」

それを聞いた可南子の顔がだんだんとしかめっ面に変わり・・・うらめしそうに睨んでくる。

「入れるわけないじゃないですかっ」

怒って、シャツの襟元を閉じるようにキュッと掴んでいる。
そうだった・・・あれだけ跡がついてたら、入れるわけないよな・・・。

「そうですよね。すみませんでした」
「・・・もう・・・今度はもっと控えめにしてください」

膨れながら、「せっかくの温泉だったのに・・・」とかぶつぶつ文句を言っている。
可南子・・・また自分が何を言って、どれだけ俺を喜ばせてるか解ってるか?
あー・・・ほら、だから調子に乗っちゃうじゃん・・・

「また来よう」
「うん・・・きっとですよ?」
「はいはい・・・だったら今度はさ、露天風呂付きの部屋にすればいいじゃん」
「え?・・・あ・・・・・・・・エッチ」

確かに俺は今、アレコレ考えながらニヤニヤしている。
でも、可南子だって顔が真っ赤だ。

「へへ・・・でも可南子も今、エッチな事考えただろ?」
「・・・・・」

言葉が出ずに、プイと怒って背を向ける可南子を抱きしめる。

「こら・・・起きて・・・」
「わかってる・・・あと5分だけ・・・」

朝日が目に沁みる・・・最高の朝だった。
                                    END
0284名無しさん@ピンキー2012/09/27(木) 01:29:56.58ID:yr0cc8iT
以上です。ここまで読まれた方、お疲れ様でした。
ありがとうございました(汗)
長すぎで、いろいろ雑ですみませんでした。
「はじまりの夜」で書いてしまった、波留さんが思い返したくないような初Hってどんなだ?
と考えたあげく、こんな結果に…(涙)
ここの方は可南子のようにおやさしいので、甘えて投下させて頂きました。

241さん、続きをお待ちしています!ありがとでした
0285名無しさん@ピンキー2012/09/27(木) 06:39:39.97ID:4Kuiy4J1
ふおぉ…
萌えたああ
いろいろと余裕のない波留さんが可愛すぎるw
0287名無しさん@ピンキー2012/09/27(木) 12:49:39.15ID:w8zO0MLY
>>284
二人の初めてがほんとに読めて嬉しいです
テンパってる波留や初めての結末に落ち込む波留が可愛い
でも2度目はしっかり男を見せてくれましたw
あ〜よかったと読んでて幸せな気持ちになりながらも可南子は猫のぬいぐるみ
見ても覚えてないんだなとせつなくなってしまいました
>>284さんの描かれる二人が本当に大好きです
無理なリクエストに答えてくれてありがとう
0288名無しさん@ピンキー2012/09/27(木) 13:11:06.11ID:wXr8bkuI
>>284
すっごいよかった!!
ありがとう〜そしておつかれさまです
本当に、>>284さんの描く世界は、二人の表情や様子がどんどん頭に浮かぶので読んでいて萌えまくりますわ〜
ノラ助いいですね♪
目つきの悪い猫のぬいぐるみの顔を、顎を少しあげて目を細めて睨む波留さんの様子が想像できて、笑ってしまいました
可南子も、波留に感じすぎる自分を持て余してて、むしろ波留の激しさが嬉しいのに、それが全然わかってない波留がまた可愛いし・・・
結婚への決意もなんか波留らしくて、本編で波留が「誓います!!」って大声で叫んだ時の気持ちに自然につながりますね
エロパロなんだけどさ、なんかもうプロファンのみんなに読んで欲しいよね
0289名無しさん@ピンキー2012/09/27(木) 21:17:26.50ID:Z9M8fZ0u
>>284
ありがとうございます。
ノラ助かわいい
幸せな波留と可南子を見られて嬉しいです

0296名無しさん@ピンキー2012/10/05(金) 17:08:11.62ID:7UK0MLeC
>>240からの続きです
翌朝、波留は飛び起きた。
慌てて寝室の扉を開けた
可南子の姿はなかった。夢だったのか?
そこへ可南子が息を弾ませ入ってきた。
『おはようございます…あの?…朝食の材料を買いに行って来たんです…迷惑ですか…』
『いや、嬉しいよ!うん嬉しい』
『材料が余り売ってなかったので大したものは出来ませんが…待っててください』
『いや、ありがとう』
可南子は、何かしたかった…
昨日荒れた部屋を見て不自由な思いをさせてしまったと改めて思った。

波留は毛布を片付け奥の部屋で着替えた

可南子がいる。気持ちが暖かくなっていく
0297名無しさん@ピンキー2012/10/05(金) 17:31:14.09ID:7UK0MLeC
波留はずっと可南子の方を見ていた
可南子は、真剣に朝食作りに向き合ってる
波留
『大丈夫?手伝うよ』
『大丈夫です…もう出来ますから』
まもなく食卓に朝食が並んだ
ご飯 なめこのみそ汁 卵焼き ハムとキュウリのサラダ
『すみません…こんなものしか用意できませんでした…』

『うまそう〜早く食べたい!!』波留のリアクションに
可南子からやっと笑みがこぼれる
波留も頭をかきながら笑う

波留が食べてると可南子が心配そうに見てる

『味どうですか?』
『美味いよ!可南子も食べようよ』
『はい いただきます』

0298名無しさん@ピンキー2012/10/05(金) 18:58:42.73ID:7UK0MLeC
食べおわり可南子が食器を洗ってる近くで波留が珈琲を入れてる
珈琲をテーブルに置く
『可南子こっちに座って』
可南子を呼ぶ波留
『はい…』
ソファの方が柔らかいからここにと可南子を自分の横に導く
可南子は静かに座る
『色々やってくれて洗濯まで…ありがとう。外もまだ寒かったろう?』
首を横に振る可南子
波留の熱い視線を感じ珈琲を急いで飲みむせてしまう可南子
『可南子っ大丈夫!?』
波留は可南子の背中を優しくさする
『ケホッケホッ…波、波留さんがずっと見つめてるから…』
可南子が涙目で波留を見る
『可南子…初めて俺の名前を呼んでくれたね』波留はソッと可南子の真っ白な手を大きな手で包みこむ
『!?』
可南子は不安げな瞳で波留を見る
『しばらくこうしていたい。…それ以上は何もしないから…こうしていたい』
波留さん…の大きな手…前にも?あるの?
波留が頷く
『…波留さんの手とても暖かいですね…』
波留が優しく微笑む

休日の朝の光が2人を包みこんでいた

0299名無しさん@ピンキー2012/10/05(金) 19:05:44.09ID:7UK0MLeC
以上です。
エロも全くなく本当に本当にすみません…。
0300名無しさん@ピンキー2012/10/05(金) 21:32:44.14ID:BslVQrEw
波留さんを早く幸せにしてあげたかったんですかね
3話のラストの波留さんの表情、切なかったもんなぁ…
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