【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part25.5【改蔵】
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0001名無しさん@ピンキー2012/06/16(土) 20:30:16.00ID:TXd/1uhd
前スレ
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part25【改蔵】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1281192383/

これまでに投下されたSSの保管場所
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/

あぷろだ(SS保管庫付属)
http://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/sslibrary/index.html

===スレに投下する際の注意===

・SSの最後には、投下が終わったことが分かるようにEND等をつけるか
 後書き的なレスを入れてください。
・書きながら投下はルール違反です。書き終えてからの投下をお願いします。
・前書きに主要登場キャラ、話の傾向を軽く書いておいてください。
・鬱ネタ(死にネタなど)、エロなし、鬼畜系、キャラ崩壊、百合801要素などは
 注意書きをお願いします。
・ただし、完全に女×女や男×男のネタなら百合板、801板の該当スレで。
・過度な謙遜、自虐は荒れる原因になるので控えてください。

書き手にもルールがあるからといって必要以上に
気負わずにみんなと楽しくやっていきましょう。
0103名無しさん@ピンキー2012/08/30(木) 18:19:52.74ID:brrQnhev
以上です。

陸さんものを書いてみたくなったのですが、なんだかホラーな感じに…
それでは失礼します。
0107名無しさん@ピンキー2012/09/04(火) 23:27:14.14ID:VvubSj/n
臓物島の屋敷には、何気に智恵先生も混じってそうなきがしてきた。
そして可符香覚醒時にはセーラー服を着用する智恵先生…
0109名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:26:38.23ID:Boa9Z+ks
「約束」
今日も話しかけられなかった…

この島に来てもう一週間が経つ。
そしてこの一週間、僕は誰とも会話をしていない。
いや、それどころか存在を認知さえされていないだろう。
今だって狭くて薄暗い部屋にひとりきりだ。
そもそもこの屋敷には人が多すぎる。
そのせいで僕は物置で眠らなければならない。
教師が若い女学生を家に住まわせるなんて、破廉恥極まりない!
明日こそは行動を起こそうと心に決めて、僕は眠りについた。
0110名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:28:28.67ID:Boa9Z+ks
この島の朝は早い。
島の周辺に潮の流れがぶつかる場所があるため良い漁場となり、朝になると港に漁師が帰船するのでその汽笛とサイレンが聞こえるのだ。
今朝もいつもと同じように、その音で目を覚ました。
僕は部屋を出て、洗面所に寄ってから縁側に向かった。
そこには早起きした少女たちが、集まって雑談をしていた。
そして僕の視線の先には彼女がいた。
彼女とは小節あびるさんのことだ。
何を隠そうこの僕は、彼女に付いてこの島に来た。
僕が守らなければいけない人。彼女を守るためにこの島に来た。
今決心がついた。
僕は右手を強く握って、先生の部屋を目指した。
0111名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:30:53.23ID:Boa9Z+ks
やっぱり無理だ。
いざ部屋の前に立つと、襖を開けられずにいた。
今日はやめて明日にしy
「そこにいるのは誰ですか?」
突然部屋の中から声がして、僕は飛び跳ねた。
額から嫌な汗が吹き出る。
「今開けますから」
まずい、今見つかるわけにいかない。
隠れる場所を探したが、近くにそんな場所はなかった。
ガララッ「おや、誰もいませんね」
存在感の薄さが幸いして、気づかれることはなかった。
0112名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:33:51.07ID:Boa9Z+ks
しかし目の前にいる元担任教師は、僕の大切な人を誘拐したうえに、今も監禁している。
そう考えたらこの男を許せなくなった。
「先生、ここです」
僕は頭からかつらを取って言った。
「どうして君がここに?」
「先生に話があります」

「とりあえず座ってください」
僕は広い座敷に通された。
「わざわざ来てくれたのですから、まぁゆっくりしていってください。おい、倫!」
ガラッ「どうしました、お兄様」
後ろの襖が開いて、和服の女性が入ってきた。
0113名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:35:13.30ID:Boa9Z+ks
「お茶を淹れてきてください」
「分かりましたわ、お兄様」
そう言うと、すぐにそそくさと出て行った。
「それで話とはなんでしょうか?」
僕は息を吸い込んで、それから話し始めた。
「小節さんを、小節あびるさんを連れて帰ろうと思います。」
精一杯毅然とした態度を装って続けた。
「彼女はこの島にいては、幸せになれません。彼女だけじゃありません、この屋敷に住む生徒はみんな家に帰るべきです。」
「それはできません」
答えは無情なものだった。
0114名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:37:09.32ID:Boa9Z+ks
「彼女たちは私の妻です。それにこの屋敷に住んでいるのも、彼女たちの決めたことです。それがあの子達の幸せなのです」
「お茶がはいりました」
倫が僕の前にお茶を置く。
僕は立ち上がり言った。
「それでも諦めませんから」

その夜、僕は物置で考えていた。
今彼女が幸せならば、それを壊さないことが本当の優しさなのかもしれない。
だけど僕はこの手で彼女を抱きしめたい、この手で彼女を幸せにしたい。
いったい僕はどうすればいいのだろうか。
そんなことを考えていると、部屋の外から足音が聞こえてきた。
その音はどんどんこの部屋に近づいてくる。
僕は身をかがめて音が通り過ぎるのを待った。
0115名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:38:31.40ID:Boa9Z+ks
ガチャ
部屋の扉が開いた。
さらに近づく足音。
「臼井くん」
顔を上げるとそこにはあびるさんが立っていた。
「あびるさん、ど、どうしてここに?」
僕は心底驚いていた。
なぜ彼女がここにいるのか。
なぜ僕のことが見えるのか。
「先生から聞いたのかい?」
僕は出来るだけ嫌味を含まないような言い方で聞いた。
「違うの。私の話を聞いて欲しくて」
悲しげな顔で彼女は言った。
そんな表情を見ていると、僕も泣きそうになって「…うん」と答えるので精一杯だった。
0116名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:39:22.61ID:Boa9Z+ks
「臼井くんはもう帰ってしまうの?」
「えっ、どうしてそう思うの?」
「今日、廊下ですれ違った時悲しそうな顔してたから」
彼女には僕が見えていたのか。
それを知らないで、僕は結果的にこの子を無視していたのか。
「…ごめんね」
「えっ、じゃあやっぱり帰るの?」
「うん、その前に聞かせて欲しいんだけど、君は今幸せかい?」
僕はこの質問の答えに、運命を委ねることにした。
数秒の沈黙の後に彼女は口を開いた。
0117名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:40:27.96ID:Boa9Z+ks
「とっても幸せ。たくさんの友達と一緒に暮らして、順番待ちは辛いけど先生にも愛してもらえて、あなたにもまた会えて。臼井くんは幸せ?」
「もちろん。僕ほど幸せな人はいないかもしれない」
(なぜなら、あびるさんが幸せだから)
「ははは、じゃあもっと幸せにしてあげるね」
そう言うと彼女は、僕の頬にキスをした。
「じゃあまたね」
彼女は早足で物置を後にした。
0118名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:41:10.66ID:Boa9Z+ks
夜が明けて僕は港で船を待っていた。
もうこの島に未練はない。
水平線を眺めていると、後ろから声が聞こえた。
「間に合いました。もう帰るのですね」
「先生、今日は僕が見えるんですか」
「ええ、それにしても今日はいい天気です」
先生は目を細めて、空を見ながら口を開いた。
「彼女は、いえ、彼女たちは必ず私が幸せにします。だから安心してください」
「もちろんです。泣かせるようなことがあったら、すぐにとんでいきますから」
快晴の下で僕たちは誓い合った。
もうすぐ船が来る。


0119名無しさん@ピンキー2012/09/08(土) 23:48:16.77ID:Boa9Z+ks
最終話に出てこなかった臼井くんが、報われればと思い書きました。
以上です。
0121名無しさん@ピンキー2012/09/18(火) 23:05:14.87ID:vGyvIWPt
片思い相手を教師に盗られて傷心のオシャレ未来人と未来泥棒少女の話を希望age
0122名無しさん@ピンキー2012/10/05(金) 21:43:18.62ID:6iem4V4A
纏「あんっ!先生っ!先生っ!いいっ!あんっ!イクうっ!あああああ!!!」プシャー

望「!?」ビュクビュクッ

纏「あっ…!中で…出てる…」

望「…シてたんですか」

纏「ええ、ずっと」
0124名無しさん@ピンキー2012/10/07(日) 20:09:06.68ID:WupZldFs
『尻描き佐平次』1/2

手虎「秋ねえ」
キグ「秋ですねえ」
マリー「つまんねーこと言ってんじゃねーよ!」
苦来「秋といえば、芸術の秋ねえ。」
マリー「話聞けよ!」
丸京「我々も伝統芸能に携わる身、某黄色い師匠を見習って芸術活動に携わろうじゃないか」
手虎「芸術活動って、例えば?」
キグ「一番手っ取り早いのは、お絵かきじゃないですか?」
苦来「でも、描くっていっても何を描くのよ」
丸京「…」
マリー「…おい、何で私を見るんだよ…おいちょっとやめろ、ちょ、待て、服を脱がすなあ!」
丸京「さあみんな、マリーさんを描こうじゃないか」
マリー「何で脱がす必要があるんだよ!」
手虎「まあ、モデルっていったらやっぱりヌードだからね」
マリー「じゃあ、せめて真正面から描け!後ろにばかり集まるな!」
キグ「マリーさんといったらやっぱりお尻だからねえ」
マリー「やらしい言い方をするな!」

キグ「描けましたー」
マリー「尻と手足しかないじゃないか!私は春日部の幼稚園児か!」
キグ「ええー?じゃあ、顔を描き足しますよー」
マリー「私の尻に直接描くな!」

丸京「描けましたー」
マリー「私の尻はそんなにでかくて丸くない!度が合ってないんじゃねーかのバイオレンスメガネ!」
丸京「そんなことはないよ」
マリー「痛っ!?何故尻を叩く?ちょ、痛っ、ひぎゃっ、ひぎゃん、いやあん」
丸京「ほら、モデルのとおり描けている」
マリー「腫れ上がって大きくなったんだよ!」
キグ「うわ、マリーさんのお尻、真っ赤っか」
0125名無しさん@ピンキー2012/10/07(日) 20:16:45.42ID:WupZldFs
『尻描き佐平次』2/2

苦来「描けました…」
マリー「何だよその抽象画は!?どこの海洋生物だよ!?もはや尻ですらねーじゃねーか。」
苦来「ちゃんとマリーさんを描いたわよ、ほら」
マリー「ちょ!?何故私を四つん這いにする!?」
苦来「これが尾骨、これが菊門、これが大臀部、これが蒙古斑、これが大陰茎、ほら、モデルと同じ」
マリー「そんなどアップで描かれたら判んねーだろ!ってか何を描いてるんだよ!」
苦来「じゃあ判るように注釈入れとくわね」
マリー「だから入れるなら絵にやれ!私の尻に書き込むな!」
丸京「あ〜あ、マリーさんが暴れるから、字がぐちゃぐちゃじゃないか」
キグ「あ〜あ、まるでどこかの古代文字みたい」
マリー「私が悪いんかい!」

手虎「うーん」
丸京「あれ?手虎はまだ描けてないのか?」
手虎「描いてるうちに、モデルがどんどん変わっていっちゃったからねえ」
マリー「だから私のせいじゃねーだろ!」
手虎「もう、めんどくさいから写真にしちゃおう」
丸京「まあ、写真も芸術活動だからな」
手虎「はーいマリーさん笑ってー、そうそういいわよー、じゃあ次は脱いでみよっかー」
マリー「お前はアラー○ーか!ってか、もうとっくに脱いでるよ!」

手虎「写真プリントアウトしてきたわよ」
丸京「うーん、これはもう、マリーさんだと判らないな」
手虎「ちょっとアップで撮りすぎたかな?」
苦来「というか、お尻だって言われてもそうと判らないわね」
三浦氏「こ、これは新しい!」
手虎「え?」
三浦氏「このアートは新しい!そうだ、せっかくだから客にも見せよう!」
マリー「おい、やめろ!」
三浦氏「そうだ、拡大コピーを襖に張って、高座の後ろ一面に並べよう!芸術の秋だし!」!
マリー「やめろおおおおお!」
0127名無しさん@ピンキー2012/10/09(火) 19:31:57.92ID:i+EImkuH
やっぱりじょしらくだと官能は難しいのかな。
0128(前書き)2012/10/13(土) 05:08:18.93ID:3qx3GZAn
失礼します。単発のSS書きです。

じょしらくのウザンヌ・マリーさんのエロパロSS投下させていただきます。
以下、SSに関する注意書きになりますので、ご一読ください。

・長さは20レス分です。
・ウザンヌとマリーさんの百合描写を含みます。
 苦手な方は、お手数ですがスルーまたはNG指定していただくよう、お願いいたします。
0129『ウザや火事』(1/20) 2012/10/13(土) 05:09:04.80ID:3qx3GZAn


 ――えぇ、本日もいっぱいのお運び、ありがとうございます。

 ……我々のように、言葉を扱う事を生業としておりますと、折に触れ感じるのが、言葉の有りようってのは時代につれて、実に
めまぐるしく、移り変わっていくものだなぁという事でございます。

 有名なところでは「役不足」なんて言葉がございますね。
 昨今では、「ある役割に対し、それを務める人間の能力が不足している」という意味で使われるのが一般的ではありますが、
もともとは全く逆の意味で、人間の技量の方を高く評価する意味合いの言葉であった、という、まあ知られた話でございます。
 よく「あのキャラクターにあんな素人声優当てるとか役不足だろwwwスタッフわかってねぇwwwドゥフフwww」とか、
したり顔でのたまう輩がおりますが、そういう手合いに聞かせてやりたいもんですな。

 ……閑話休題。

 えー、「ウザい」なんてのもそんな言葉の一つですね。
 もともとは「うざったい」だったのが、短くなって「ウザい」になったわけなんですが、最近の若い方々の中にはそもそも
「うざったい」という言葉をご存じなく、初めから「ウザい」という日本語だと思い、使ってらっしゃる方もいるとかいないとか。
 さらに語源をたどりますと、江戸時代の中ごろ、邪魔くさい様子をあらわす、「うざうざ」という言葉から変化した、なんて説が
あるようですので、あながち「ウザい」という表現も間違っちゃあいないのかもしれませんが、これなんかも、時代による変化かと。
 何でもかんでも、短く縮めて、簡単に。そういう方向に、時代が進んでるってことなんでございましょうねぇ。

 ……とある演芸場の楽屋。ここに、五人の女流落語家がおりました。
 この面々、普段はまあ、実につまらない話をしてヒマをつぶしておりますが、今日は何やら調子が違う。
 どうも、この場にはいない、最近仲間に加わった、新入りの話をしているようです。
 女性が三人以上集まれば、姿の見えない者の、あることないこと言いたい放題が始まるのは世の常。別段珍しい事じゃあ
ございませんが、どうやら今回に限ってはその新入りも、たいそう問題のある人物のようでして……

0130『ウザや火事』(2/20) 2012/10/13(土) 05:10:00.77ID:3qx3GZAn


 「……ああ、もう、ウザいったらありゃしない!」
 
 すうっ、と襖を開け、楽屋に一歩踏み込むなり、蕪羅亭魔梨威――マリーが、不機嫌さを爆発させるような声音で叫んだ。
 「何が? 蚊?」
 「近所の子供?」
 「エウリアン?」
 「わかりきった事聞くなよ! アイツだよ、アイツ!」
 ちゃぶ台の前にどっかりと腰を下ろしたマリーが、同じ卓を囲んでいる仲間の質問に、がぁん、と拳を叩きつけながら答える。

 「ウザンヌの事に決まってんだろ!」

 ――宇座亭ウザンヌ。かつて、一日入『楽』を許された見習いとして楽屋に現れ、その、あまりにウザいキャラクターにより、
マリー達五人を散々に振り回した人物である。

 「……そう言えばあの後、マリーさんの師匠の所に、正式に入門したのよね」
 「で、何やかんやで、今はマリーさんの付き人として、カバン持ちをしてるとか」
 湯のみに注がれたお茶をずず、とすすりつつ、防波亭手寅と空琉美遊亭丸京が会話を続ける。
 「アイツのどこがカバン持ちだ!」
 マリーが乱暴な動作で、茶受けとして用意されていたせんべいを一口かじり、ばりぼりと音を立てながら怒鳴り散らす。
 「そもそもアイツ、何で私のこと『マリーさん』って呼ぶんだよ! 付き人なんだから、そこは『師匠』って呼ぶべきだろう!」
 「それはまあ、マリーさんはマリーさんだから……」
 「そうそう、師匠とか弟子とか、そういう関係を超越してるもんね、マリーさんの場合」
 怒りの収まらないマリーをなだめるように、暗落亭苦来と波浪浮亭木胡桃が優しく言う。だが、マリーの不満は未だ
冷めやらない。
 「その上何度注意しても、『ご苦労サマンサ!』だの『ご苦労サマルトリア!』だの挨拶ひとつロクにしやがらないで!
  おぼっちゃまくんかよ、アイツは! 大体この間だって……」

 ――その後も、マリーによるウザンヌへの愚痴は留まる所を知らず、延々と続くのであった。
0131『ウザや火事』(3/20) 2012/10/13(土) 05:10:39.96ID:3qx3GZAn

 ――三十分後。

 「ったく、ホントに……どうしようもない奴だよ、アイツは」
 ひとしきり当り散らしたのち、ようやく落ち着きを取り戻したマリーが、はぁぁ、と大きなため息をつく。
 「たまには一回くらい、ガツン、と懲らしめてみたら?」
 「やっぱ、そうするしかねーのかなぁ……私、そういうの苦手なんだけど……」
 手寅の言葉に、なおも嘆息したマリーは、お茶を一口がぶりとあおると、心底困ったという表情で、楽屋の中空を見据えた。

 「……だったら」

 その時、『懲らしめる』という手寅の台詞に、丸京と苦来が素早く反応した。
 握り拳を固め、懐からわら人形と五寸釘を取り出しつつ、両者が低い声でマリーに囁きかける。

 「――ボコるか?」
 「――呪いますか?」

 「い、いや……誰もそこまでやるとは言ってないけどさ」
 シャレで済みそうもない二人のテンションを察知したマリーが、冷や汗をたらりと流しつつ、あわてて発言を打ち消す。と、

 「こらしめるなんて、そんな、ヒドいです! みんな、もっと仲良くしましょうよ!」

 突然立ち上がった木胡桃――「キグ」が、ウザンヌをかばうような発言をし始めた。まっすぐにマリー達に向けられた瞳には、
一点の曇りも浮かんでいない。

 「キグ……そうは言うけどな」
 「やっぱり、悪いことしたら叱らなくちゃ、ね?」
 「キグはホントに優しいなぁ」

 その瞳に、マリー達はすっかり毒気を抜かれてしまい、キグの頭をよしよしとなで回す。

 (……こらしめるとか生ぬるい事言ってないで、さっさと潰すべきだろ。ホント私とキャラ丸かぶりなんだっつーの)
 その一方、心の中で、キグが激しく毒づいている事には、誰も気付いていなかった。
0132『ウザや火事』(4/20) 2012/10/13(土) 05:11:21.56ID:3qx3GZAn

 「まあ要するに」
 ばっ、と扇子を広げると、若干、得意そうな顔をしてマリーが言う。

 「このマリー様の付き人を務めるにゃあ、ウザンヌは役不足ってこったな」

 「……マリーさん、それ、使い方間違ってるから」
 「え? どこがだい?」
 丸京の指摘に、きょとん、とした顔で、手のひらの中の扇子をためつすがめつするマリー。

 「でもまあ」
 その様子を完全にスルーした上で、手寅が、ゆっくりと口を開いた。
 「あの子がマリーさんを本当に尊敬してるのかどうか、確かめてみる必要はあるかもね。……ね、こういうのはどう?」
 「ん、何か、いい考えがあるってのかい?」
 四人はその場に座り直し、手寅の方へ注目する。
 「うん、あのね? まず、あの子がすごく大事にしてるものを、申し訳ないけど、わざと壊しちゃうの」
 「おいおい、なんだか穏やかじゃないね。……で?」
 「で、それに関係して、マリーさんが何か危ない目にあった、って事にする」
 「ふんふん、それで?」
 「そんな場面に遭遇したとき、マリーさんと自分の宝物の、どちらを心配するか試してみる、っていうのはどうかな?」
 手寅が話し終えると、四人はそれぞれ神妙な面持ちで、「う〜ん」と唸った。

 「……何だか、どこかで聞いたような話だね」
 「うん、確かにどこかで聞いたような話だ」
 「でも、一体いつどこで聞いたのか」
 「さっぱり思い出せません……」

 が、終いには四人そろってけろっと笑顔になり、

 「ま、いっか」

 とうなずき合うのだった。
0133『ウザや火事』(5/20) 2012/10/13(土) 05:12:04.74ID:3qx3GZAn

 「しかしまあ、何だか面白そうじゃないさ」
 マリーが扇子をばちんと畳む。
 「ようし、そうと決まりゃあ、アイツの大事なものを探すところからだな。ええと……」
 ぐるり、とめいめいに楽屋を見回す五人。部屋の中には、いろいろな物が乱雑に散らばっていた。
 「つーか……改めて見ると、この楽屋、いつの間にかアイツの私物だらけだな」
 「だね……着替えや化粧品に、マッサージ機まで置いてあるぞ」
 「完全に、自分の部屋と同じ感覚で使ってますね……」
 そんな会話をしつつ、あれこれと探し回っているうちに、キグがすっとんきょうな声を上げた。

 「あれれ? これ、何ですか? 私、見覚えがないんですけど」

 どれどれ、と覗き込んできた他の四人に向けて、キグは、楽屋の一隅に置かれていたそれを手にとって見せる。
 そこにあったのは、表面に、黒くて大きな耳を持ったネズミのキャラクターがデザインされている、小さな絵皿だった。

 「ああ、それもアイツのだよ」
 得心がいった、という風に、マリーが何度も頷いてみせる」
 「今朝、『やぁっとポイントたまったんですぅ〜』なんてはしゃいで、見せびらかしてきやがった」
 「ポイント……ああ、今、コンビニで、買い物するとたまるポイントで、もらえる景品でしたっけ」
 苦来の問いかけに、隣で一緒に絵皿を覗き込んでいた手寅が答えた。
 「そうそう、商品についてるシールを集めて、交換用のシートに貼っていくの。私も集めてるよ」
 そう言って、手寅が自分の荷物にごそごそと手を突っ込み、「ほら」と、一枚の紙を取り出してみせた。きちんと四つに
折りたたまれたそれを広げてみると、表には、今まさに目の前にある絵皿と同じ見本が載っており、裏側には、「1点」や
「2点」と書かれた10枚程のシールが、きれいに整列している。

 「私ももう少しで、交換できるポイントまでたまるんだ。……そう言えばあの子、そのシリーズのキャラクター好きだよね。
  バッグとか携帯にも、いっぱいストラップぶら下げてるし」

 「……ほほう」
 何気なく手寅がもらしたその一言に、マリーが、ニヤリ、と意味ありげにほくそ笑んだ。
0134『ウザや火事』(6/20) 2012/10/13(土) 05:14:18.41ID:3qx3GZAn

 「え? マリーさん、まさか……」
 「その……まさかだっ!」

 そう言うが早いか、マリーが、キグの手から素早く絵皿を取り上げる。
 「ちょ、ちょっと、マリーさん!」
 あわてて止めようとするキグにも構わず、マリーはぶうん、と勢いをつけて、絵皿を床に向かって叩きつけた。

 がちゃん!

 という金属音を立てると、絵皿はたちまち、細かい欠片をまきちらしつつ、三つに割れてしまった。

 「……あ〜あ」
 「……いいの? 簡単に手に入れられるものじゃないんでしょう」

 やっちゃった、という空気が楽屋に広がる中、マリーだけは平然としており、苦来のじろり、という上目遣いにもしれっと
答えてみせる。
 「いーんだよ、これくらいやらなけりゃ、アイツは本心を見せやしないだろ」
 そして、畳に散らばった絵皿の破片をちらりと見やり、ふんっ、と鼻白んで言葉を続けた。
 「それにそもそも、これを交換するためのポイントだって、私がアイツに頼んだ買い物でためてたんだよ? もちろん、
  金の出所だって私の財布からだ。言ってみりゃ、半分ぐらいは私にも、好きにする権利があるってもんさね」

 「……そうかなあ」
 「後でちゃんと掃除しとかないと、また席亭に怒られちゃいますね」

 そんなマリーの、むしろ堂々とした態度に、苦来とキグは、そろって首をかしげるのだった。
0135『ウザや火事』(7/20) 2012/10/13(土) 05:14:58.44ID:3qx3GZAn

 「さて、次は……」
 
 それまで、黙って事のなりゆきを見守っていた丸京が、突如、のっそりと動き出し、マリーの背後へと近づいた。

 「これに関連して、マリーさんが危ない目に会わないといけないわけだが……その辺は、私に一任してもらおうか」

 「お、おい……あくまで、フリでいいんだから、な? フリで」
 その様子に、どことなくイヤな予感を感じたマリーが、ぷるぷると震え出す。
 「いやいやぁ……ウザンヌの本心を引き出すためには、フリだなんて甘っちょろい事を言ってる場合じゃない……だろっ!」
 「おわぁっ!?」
 すぱん! と、いきなり足払いを食らわされたマリーが、前のめりにずっこける。
 そこを逃さず、丸京が素早くマリーの下半身をがっちりと押さえ込み、着物をはだけさせにかかった。
 「やるからには、徹底的にやらないと! とりあえず、ケツを出せ、ケツを!」
 「ちょ、ちょっと待ちな! いくら何でも、脈絡がなさすぎやしないかい!?」
 「ああ、それなら大丈夫よ」
 必死で抵抗するも、徐々に着物を脱がされてしまいつつあるマリーの訴えに、隣でにこにこと微笑んでいた手寅が、
あっけらかんと答えた。
 「その辺はまあ、後で適当な作り話をでっち上げておくからね」
 「……という事だ。さあ、観念してもらおうか、マリーさん!」
 丸京の眼鏡がきらり、と光る。
 その奥の瞳が、ドSの輝きで満ち溢れているのを察したマリーが、心の底からの叫び声を上げた。


 「か、勘弁してくれぇぇっ!!」


 その悲痛な願いはしかし、続いて響く、すぱぁん! という、乾いた小気味よい打音によって、空しくも打ち消されてしまうので
あった。

0136『ウザや火事』(8/20) 2012/10/13(土) 05:18:33.97ID:3qx3GZAn

 ――そして。

 「――ごっ苦労サマージャンボぉ!」

 珍妙な挨拶とともに、襖がたあん、と音を立てて開き、その向こうに、珍妙なポーズで宇座亭ウザンヌが姿を現した。

 「みなっさんお待ちかね、ウザンヌちゃんのご登場! でーっす! あれあれ? どうしたんですかぁ? みなさんお揃いで
  辛気臭い顔しちゃってぇ。ほらほらもっと笑ってないと、幸せが逃げてっちゃいますよ? なーんちゃって! じゃあいっつも
  笑顔なのにぜーんぜん幸せになれない私って何〜、みたいな!? でもまあ幸せの形っていうのは人それぞれで違うものって
  言いますから………ん? んん?」

 いつも通りの超ハイテンションでまくしたてるウザンヌではあったが、皆の様子がいつもと違う事に気付いたのか、はたと
動きを止めた。
 そして、楽屋内にすうっ、と目を走らせ、畳の上に散らばっている白い破片を捉えると、飛び上がらんばかりに驚いた。
 「ああっ!? せっかくもらった私の大事なお皿がぁっ!」
 ばばっ、とその場にしゃがみ込み、破片を手に取って確かめるウザンヌ。その合間に、さりげなく視界の端に飛び込んできた
光景に、またも驚きの声を上げた。
 「その上マリーさんが着物をひん剥かれ、お尻には平手打ちをしこたま食らったような跡が! 一体、何があったんですか!?」

 「……話すと長くなるんだけれど……」

 真剣な表情で、手寅が語り出す。
 それに耳を傾けるウザンヌもつい釣り込まれ、らしからぬマジメな顔つきになってしまう。
 「あなたが楽屋に置いていった絵皿を、マリーさんがうっかり取り落として、割ってしまったの。…そうしたら突然、
  謎の一団が楽屋へ現れて……」
 「な、謎の一団って……?」
 ごくり、と息を飲むウザンヌに対し、手寅はそこで、すっ、と言葉を切る。
 代わりに、傍らで、録音モードになっていたラジカセの再生ボタンを、ぱちん、と押した。


 『…ハハッ、やぁ、お皿を割ってしまった悪い子はキミかな?』
 『グワッ、グワァッ!』
 『アッ、ヒョ!』
0137『ウザや火事』(9/20) 2012/10/13(土) 05:19:12.15ID:3qx3GZAn

 「こ……これは……!」
 
 ラジカセに残されていた、この世のものとは思えない異形の声に、ウザンヌが戦慄する。

 「私たちも、必死で応戦したんだが……何しろ、多勢に無勢でな」
 「マリーさんにお仕置きをくわえると、楽屋の外に停めてあった、やたらと大きくてぴかぴか光る乗り物に乗り込んで、
  あっという間に飛んでってしまったんです!」
 「……多分、方角的に見て、千葉県の方向に……」

 残る三人も、口々に惨状の様子を語る。
 それを聞くウザンヌの表情には、怯えとも羨望ともつかない色が、ありありと表れていった。

 「……まあ、そんなわけで」
 どういうわけだか分からないが、丸京がすっと立ち上がった。マリーを除いた三人も、それに続く。
 「私らはちょっと席亭に報告をしてくる。ウザンヌは楽屋に残って、マリーさんの面倒を見といてもらえるかな」
 「りょ……了解しました……です」
 そして、マリーとウザンヌを二人きりで楽屋に残し、ぱたん、と静かに襖を閉めた。


 (……おい、どっから持ってきたんだ、あの音源)

 楽屋前の廊下に出た四人は、その場で立ち止まり、ひそひそとささやき合う。
 (どう、似てたかな? ついさっき、自分で声マネをして、吹き込んでみたんだけど)
 (おお、さすがは芸人)
 (しっ、静かに……)
 すっ、と唇の前で人差し指を立て、苦来が、今閉めたばかりの襖にそっと指をかけ、ほんの隙間の分だけ開く。

 中の様子をうかがうと、マリーがむっくりと起き上がるところであった。
0138『ウザや火事』(10/20) 2012/10/13(土) 05:20:51.57ID:3qx3GZAn

 「あいてて……まったく、ひどい目にあったよ」
 
 着物の乱れを整えると、よっこらせ、とばかりにマリーが畳の上に座り直す。
 そして、改めてウザンヌと割れた絵皿に視線をやりつつ、軽い調子でしゃべり出した。
 「おう、ウザンヌ。悪かったな、せっかくの景品だったのに壊しちまって」
 わざとけらけらと笑い、ウザンヌの気に障るような謝り方をしてみせる。ひょっとしたら、怒り出してしまうかもしれないが、
それはそれで、ウザンヌの本心を引き出すという目的にかなっていると言えるだろう。
 「まあ、また一からポイントためて、交換すりゃあいいやな。今日のところは、水に流しとくれよ」
 あっはっは、と笑い続けるマリーの正面で、ウザンヌは、畳の上に膝をそろえて、じっと口をつぐんでうつむいている。その
様子を観察していたマリーは、内心不安になってきた。

 (ヤバいな……うんともすんとも言いやしない。こりゃ、マズい事しちまったかね……)

 息苦しい雰囲気に耐え切れず、マリーがすっ、と笑いを引っ込めた、その瞬間。
 ウザンヌが、ばっ、と顔を上げた。
 
 「……!?」

 その顔を目の当たりにしたマリーが、驚きに目を瞠る。
 何故なら、ウザンヌは、その大きな瞳いっぱいに、湛えるように涙を浮かべていたから。
 そして。

 「ごめんなさいっ!」
 「うわあっ!?」

 その涙が一滴、ぽたり、と落ちるのと同時に、ウザンヌがマリーに向かって、がばっ、と抱きついてきた。
0139『ウザや火事』(11/20) 2012/10/13(土) 05:21:27.55ID:3qx3GZAn

 「お、おい、一体なんだってんだい!?」
 突然の事態に、思わずうろたえてしまうマリー。
 だが、ウザンヌの取り乱しようは、マリーのそれを遥かに超えていた。
 「本当に……本当にごめんなさい! 元はと言えば、私が、楽屋にあんなものを置きっぱなしにしてたのが悪いんです!
  マリーさんは何にも悪くないのに、それなのに、こんなひどい目にあって……!」
 そう言って、ウザンヌはさらにマリーにむしゃぶりついて来る。がっしりと抱きすくめられ、マリーの背骨が悲鳴を上げた。
 「い、痛たた、とりあえず、落ち着かないかい!」
 「はっ! す、すみません!」
 あわててウザンヌがぱっと身を離す。ようやく解放されたマリーはほうっと一息つき、改めてウザンヌと向かい合った。
先程より落ち着きを取り戻してはいるものの、一度その顔に浮かんだ、申し訳なさそうな表情は残ったままだ。
 「ふう……じゃあ、何かい? お前さん、私が皿を割っちまった事に関しては、怒ってないっていうのかい?」
 「……そりゃあ、残念な気持ちはありますけど……」
 口元でごにょごにょと呟いた後、ウザンヌが決然とした態度で言い切る。

 「でも、そんなのはマリーさんが言うとおり、もう一回もらえばいいだけです。…それよりも、マリーさんに何かあったらと
  思うと、私、とてもじゃないけど耐えられないんです!」

 「………」
 まっすぐな瞳で、まっすぐに自分を見つめてくるウザンヌに耐えきれず、マリーはつい、助けを求めるようにちら、と、
襖の向こうへと目をやってしまう。


 (……めちゃくちゃいい子じゃないか)
 (何か……だんだん、悪い事してる気分になってきました)
 (確かに、胸のあたりがちくちくと……)
 襖の外側では、一同が、苦虫を噛み潰したような顔で立ち尽くしている。
 が、キグだけは一人、相変わらず楽屋を覗き込んだまま、噛み付きそうな形相でウザンヌを睨み付けていた。

 (――普段ウザキャラなのに素の顔がイイ子ちゃんとか、キャラ被りどころか真逆じゃねえか――!)

 (……ん? どうしたの、キグちゃん?)
 (へ? あ、いや、何でもないですよ、何でも!)
0140『ウザや火事』(12/20) 2012/10/13(土) 05:22:05.57ID:3qx3GZAn

(こりゃ、参ったね……どうも)

 襖の向こうの四人と同じく、事の当事者であるマリーもまた、すっかり困り果てていた。
 今さら、実はこれこれこういうわけで、とネタばらしをしてしまえば、それこそ本気で傷つけてしまいかねない。かといって、
このままウソを突き通してごまかすのも、それはそれで、良心の呵責に苛まれるだろう。

(一体、どうしたもんかねえ……)

 うんうんと、難しい顔でマリーがうなっていると、ウザンヌがぽつり、と小さくつぶやいた。

 「やっぱり……そうですよね」
 「え?」
 よく聞き取れなかったマリーが訊き返すと、ウザンヌは弱々しげに言葉を紡ぐ。
 「私の、普段の様子があんな風ですから、急にこんなこと言ったって、信じてもらえないの、当然だと思います」
 「あ……いやいや、別にそういうんじゃ……」
 「わかりました!」
 あわてて手をひらひらと振り、その言葉を否定しようとするマリーに対し、ウザンヌが、その場にやおら立ち上がった。
 「だったら私、証明してみせます! 私が、マリーさんをどれだけ大事に思ってるか!」
 「お、おい、ちょっと……!」
 慌てふためくマリーにも構わず、ウザンヌがその身を再び、マリーの側へぐいっと寄せる。
 ――そして。

 「ふんむっ!?」

 そのまま顔を近寄せると、マリーの唇にキスをした。

0141『ウザや火事』(13/20) 2012/10/13(土) 05:22:43.43ID:3qx3GZAn

 (……こ、コイツ、何やって……!)

 すっかり混乱したマリーの頭の中で、思考が激しく渦を巻く。
 だが、ウザンヌの行動はそこで留まらず、吸い付いた唇に、ぺろり、と舌を這わせてきた。
 「んちゅ……はぁ……マリー、さぁん……」
 鼻にかかったウザンヌの声が、マリーの耳をそっとくすぐる。ウザンヌの舌は熱く火照り、ぴちゃり、ぴちゃりという微かな
水音を立てて、マリーの唇を塗らしていった。
 「んっ……はふっ、おっ、おい、あんまり先輩をからかうもんじゃ……うわっ!?」
 つつぅ、という光の糸を渡しながらも、何とか唇を引き離したマリーが文句を言おうとした、その時。
 ウザンヌはさらに身を乗り出し、マリーにのしかかると、畳の上へと押し倒してしまった。元々体格に優れているわけでもない
マリーであり、ウザンヌに完全に組み敷かれてしまう。
 「お、おいコラ、一体どういうつもりなんだい!? 何でこんな事……」
 身動きが取れないながらも、なんとかじたばたともがき続けるマリー。
 そんなマリーを真上から見下ろしつつ、ウザンヌが、落ち着き払った声で言う。

 「別に、深い意味はありませんよ? 私はただ、先輩方にお願いされただけですから」
 「お、お願いって……」

 そして、天井の照明から落ちた影の中で、ふふっ、といたずらっぽく微笑んだ。

 「――マリーさんの、面倒を見るように、ってね」
0142『ウザや火事』(14/20) 2012/10/13(土) 05:23:16.23ID:3qx3GZAn

 「こ、こら、どこに手をやってるんだい……!」

 着物の懐に、するりと手を差し込まれ、マリーがウザンヌに抗議する。だがその声には、いつもの覇気が微塵も感じられない。
 「怖がらないでください、大丈夫……」 
 「べっ、別に怖がっちゃ……ひゃっ!」
 子供をあやすようになだめられた事に、ムキになって反論しようとするマリー。だが、胸元にひたり、と添えられたウザンヌの
手の、ひんやりとした感触に、思わず高い声を上げてしまう。
 「どうですか……? 気持ちいいでしょう?」
 「あ……んっ、やめっ……!」
 すりすりと、ウザンヌがマリーの胸をなで回す。さらには下着の中へと指を差し入れ、さほど盛り上がってもいないその丸みを
手の平ですっぽりと覆ってしまった。
 くにくにと揉みほぐされるたび、マリーの胸が形を変える。それと同時にウザンヌは、手の平の中央にほんの少しだけ力を込めて、
二つの小さな突起をつんつんと刺激していった。
 「うふっ、マリーさんのおっぱい、可愛いですね……」
 くすくすと微笑むウザンヌに、マリーの顔がみるみる真っ赤になっていく。
 「くそっ……アンタまで、人の事を子供扱いしやがって……」
 「子供……? そんな事ありませんよぉ、だって、ほら……」

 すうっ、と、ウザンヌが片手をマリーの胸から引き抜く。そしてその手を、ゆっくりとマリーの着物の帯の結び目へと持って
行くと、器用な手つきで、あっという間にするすると解いてしまった。
 「ちょ、ちょっと……!」
 「こっちはもう、こんなに……」
 露わになってしまったマリーの下半身へと、ウザンヌが手を差し伸べる。
 下着越しに、くちゅぅっ、という淫らな音が響き、ウザンヌの指先を透明に汚した。


 「……オトナ、ですもんね?」
0143『ウザや火事』(15/20) 2012/10/13(土) 05:23:57.29ID:3qx3GZAn

 「あふっ……んっ……どうですか? 気持ちいいですか、マリーさん……?」
 
 にちゃにちゃと、粘り気のある音を立てながら、ウザンヌがマリーの陰唇を弄ぶ。さらには自らも半裸になり、空いた手で
自分の体を慰めながら、マリーに訊ねてきた。
 「くぅっ……! ん、んんっ……つ、つまんねー事……!」
 聞くなよ、とマリーが言おうとした矢先、つぷり、とウザンヌの指がマリーの中へと挿入された。その爪の先端が、わずかに
マリーの感じる部分をこりっ、と刺激する。
 「はぁんっ!」
 「んふっ……ココがいいんですか? だったら思いっきり可愛がってあげますね。ほら、ほらぁ……」
 二度、三度とウザンヌの指が、マリーの中で往復する。つぷり、つぷぅっと出し入れされる度、マリーの感じる快感は増し、
次第に息が荒くなり出した。
 「ああっ、ふぁぁんっ!」
 喘ぎ声を上げるマリーを見下ろし、ウザンヌがぞくぞくと身を震わせる。
 「マリーさん、ホントに可愛い……。これからもずっと、私が面倒見てあげますからね……?」
 そして、再び顔を近づけ、唇を交わらせる。
 そんな柔らかな刺激の波に翻弄されながらも、マリーの心の中は、悔しさと情けなさでいっぱいになっていた。

 (――くそっ、こんな小娘にまでバカにされて……! あたしゃ一体、どうしたら……)

 その時。
 マリーの脳裏に、不意に、誰かの声がよみがえって来た。


 (――たまには一回くらい、ガツン、と懲らしめてみたら?)
0144『ウザや火事』(16/20) 2012/10/13(土) 05:28:24.70ID:3qx3GZAn

 その声が、萎えかかっていたマリーの意志に火を付けた。

 (……そうだ、もう、苦手だの何だの、四の五の言ってる場合じゃない……!)
 マリーは五体にぐっ、と力を込めると、がっしりとウザンヌの肩に手をかける。
 そして、全力をもって、自分の体から突き放した。

 「へ? ……きゃあっ!」
 
 突然の反撃にあったウザンヌは、抵抗する暇もなく、畳の上に、仰向けに引っくり返ってしまう。元々乱れていた着物はさらに
はだけ、ほとんど全裸に近い格好になってしまった。

 「……いつまでも、調子くれてんじゃないよ……!」

 その足元で、マリーがゆらり、と立ち上がる。
 その全身から立ち上る、尋常ならざる雰囲気に、ウザンヌが思わずぞくっ、と身をすくめた。
 「マ、マリーさん……?」
 「あたしの方が、お前より立場は上なんだからな……だから……」
 そう言って、傍らの畳に転がっている物を、おもむろに手に取るマリー。
 「そ、それ、私の……! まさか……!」
 マリーが手に掴んだのは、ウザンヌが楽屋に投げ出していた、マッサージ機だった。
 かちん、とスイッチを入れると、その先端がぶるぶるぶる、と激しく痙攣し始める。
 その手を大きく振りかぶりながら、マリーは叫んだ。


 「――お前の面倒は、あたしが見なきゃなんないんだよ!!」
0145『ウザや火事』(17/20) 2012/10/13(土) 05:29:48.21ID:3qx3GZAn

 勢いよく、マリーの手が振り下ろされる。
 その手の先のマッサージ機が、ウザンヌの股間へ、ぴったりとあてがわれた。

 「あっはぁぁんんっ!」

 ぶぶっ、ぶぶぅっ、という小刻みな振動が性器全体に広がり、ウザンヌの体を激しく刺激する。元々、自慰によって
高められていたその性感は、いともたやすくその刺激を快感へと繋げていった。
 「ああっ! ダメっ、ダメですぅっ! これっ、気持ちよすぎぃっ!」
 体裁を取り繕う余裕もなくなってしまい、辺り構わぬ大声でウザンヌがむせぶ。だが、マリーは全くその責め手を緩めようとは
しなかった。
 「ほらっ、ほら、どうだい! ちょっとはあたしを敬う気持ちが出てきたかい!?」
 「はぁぁんっ! そんなのぉっ、そんなの分かんないですぅっ!」
 甲高い嬌声の合間に、途切れ途切れにウザンヌが答える。
 「だったら、体で覚えさせてやるよ! ほら、ほらぁっ!」
 マリーがなおも、マッサージ機を強く押し当てる。その一部が、ウザンヌの陰核に、つん、と触れた。
 その途端、「あひぃん!」とウザンヌが一際大きく叫び、その身をびくん、と弓なりに反らせる。
 「ほらほら、ココがいいんだろ、どうなんだい!」
 その反応を見逃さず、マリーが重点的に陰核を攻め立てる。緩急を付けて一定のリズムで刺激するうちに、ウザンヌの呼吸が
はっ、はっ、と早まっていく。
 「あっ、はぁっ、マっ、マリー、さぁんっ、私っ、もう……!」

 うるうると潤んだ瞳で、ウザンヌがマリーを見上げる。何かを懇願するかのようなその目付きに、マリーは自分の体の芯が、
ぞくり、と震えるのを自覚した。
 「何だい、もうイッちまうのかい?」
 「はっ、はいぃっ! 私、もうダメですぅっ!」
 「全く、こらえ性のない奴だねぇ……いいさ、あたしがきっちり見届けてやるから、派手にイッちまい――なっ!」
 その言葉と共に、ぐりん、とマッサージ機が強く押し当てられた。

 「はっ、イっ、イくぅぅっ!!」

 その瞬間、ウザンヌの全身は電流が駆け抜けたように細かく震え、股間からは、びしゃあっ、と盛大に潮が吹き上げられた。
0146『ウザや火事』(18/20) 2012/10/13(土) 05:31:01.52ID:3qx3GZAn

 「はぁっ……はふ……っ」

 息も絶え絶えで、ぐったりと、畳に全身を投げ出すウザンヌ。
 そんな彼女に、マリーがすっ、と、一枚の手ぬぐいを差し出した。
 「マリー……さん?」
 「ったく、全身汗まみれで、なんてえザマだい、見ちゃいらんないよ。これでとっとと体を拭きな」
 「あ……ありがとう、ございます……」
 ようやく息を落ち着けたウザンヌが、渡された手ぬぐいを広げる。
 すると。

 「え……」

 その表面には、絵皿と同じ、黒い大きな耳を持ったネズミの絵柄が縫いこまれていた。

 「これ、って……?」
 思わず、マリーの方を振り返るウザンヌ。
 マリーはそっぽを向いたまま、いくぶん恥ずかしげに顔を赤らめていた。
 「……あー、ちょっと前に、差し入れでもらったモンなんだけどさ。あたしにゃあ、自前のがあるから……」
 そして、ちょっと口ごもってから、ほとんど投げ出すようにして、ぶっきらぼうに言った。

 「……その、何だ、アンタにやるよ。大事にしなくちゃあいけないよ?」

 「……!」
 見る見るうちに、ウザンヌの表情がぱあっと輝いていく。
 「ありがとうございますっ、マリーさん!」
 喜びでいっぱいの声色で感謝を伝えつつ、ウザンヌがマリーに抱きついてきた。
 「こ、こら、はしゃぐんじゃないよ! 全く、子供みたいな奴だねえ」
 「えっへへー、それ、マリーさんには言われたくないでーす♪」
 「何だとー!?」と返しながら、マリーが笑う。それにつられて、ウザンヌもさらに笑う。

 (――にぎやかな弟子がいるってのも、案外、悪くないもんだねえ――)

 二人の大笑いは、いつ果てるともなく、延々と続くのであった。
0147『ウザや火事』(19/20) 2012/10/13(土) 05:32:15.37ID:3qx3GZAn


 (……どうする)
 (……どうするも何も)
 (流されやすいなあ、マリーさん)

 ――その一方で、すっかり置いてけぼりを食らっている、襖の向こう側の四人。

 (まあ、ここはとりあえず……)

 物音を立てないよう、一同はそっと楽屋を離れる。
 そしてそのまま演芸場の表へ出ると、そろって同じ方角を向いたまま、路上に整列した。

 「一同、千葉県へ向かって……!」

 丸京の号令で、四人が一斉に深々と頭を垂れる。

 「礼!」
 「ありがとうございましたー!」


 ――夕暮れ空の向こうから、『ハハッ』という、甲高い笑い声が聞こえたような気がした。

0148『ウザや火事』(20/20) 2012/10/13(土) 05:33:13.89ID:3qx3GZAn

 ……さて、そんなこんなで時は夕刻。
 楽屋の窓の外――どこの街並みやらわかりかねますが――とにかく、建物の立ち並ぶ合間から、一日の終わりを告げる夕日が
差し込み、仲睦まじく寄り添う二人を、まるで一揃いのさくらんぼのように、真っ赤に照らし出しておりました。
 「しかし……何だねえ、あたしゃアンタのことを誤解してたみたいだよ」
 しみじみとそう呟くマリーに、ウザンヌが、きょとんと目をしばたたかせます。
 「誤解?」
 「ああ、まさかアンタが、あたしをそれほど大事に思ってくれてるとは……これからも一つ、よろしく頼むな」
 そう言って、にかっと笑いかけるマリーさん。
 それを受けてウザンヌも、お天道様のような満面の笑みでもって答えました。
 「そんなの、当たり前じゃないですか! だってマリーさんが居てくれないと……」
 そこでウザンヌ、自分のカバンから、まっさらの景品交換用シートを取り出して、一言。


 「明日っから、くまの●ーさん絵皿のポイントが集められやしませんので」


 ……おあとがよろしいようで。

0149(後書き)2012/10/13(土) 05:35:18.85ID:3qx3GZAn
以上、お目汚し失礼いたしました。
楽しんでいただければ幸いです。

また、下記のスレでもじょしらくのエロパロSSを投下させていただきましたので、
もし、興味がおありの方がいらっしゃれば、ご覧下さい。

ドラ○もんの道具を悪用してエロ小説 11
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1265796157/447-
01501492012/10/13(土) 05:36:31.00ID:3qx3GZAn
大変申し訳ございませんでした。
テンプレの百合板への誘導を見落としておりました。

スレの皆様に迷惑をかけてしまい、本当にすみません。
0153名無しさん@ピンキー2012/10/14(日) 19:56:32.40ID:jsYHoJ0m
>>149ぱちぱちぱちぱちぱちぱち
 ぱちぱちぱちぱちぱちぱち
 ぱちぱちぱちぱちぱちぱち(拍手)
0154名無しさん@ピンキー2012/10/16(火) 03:00:24.27ID:d3SzIAWz
カフカ?「嫌だなあ。私が先生の子供を妊娠してないわけがないじゃないですかあ」
0155名無しさん@ピンキー2012/10/16(火) 12:40:39.36ID:5NrHE9y9
望「また急に何を言い出すんですか!」

霧「最終回の流れかと思いきや」
晴美「その実、普段通りの流れの上でだったりして……」
まとい「先生の御子は私が妊娠するのよ……!」
あびる「っていうか可符香ちゃんなら普通にコンドームに切れ目とか入れてそう」
千里「……(ピキピキ」

望「せっかく美しくエンド迎えたんですからその流れ蒸し返すのやめてくださいほんとに!」
0156名無しさん@ピンキー2012/10/16(火) 17:05:30.30ID:d3SzIAWz
命「望、それで結局、孕ませたのはどの可符香さんなんだい?」
0157名無しさん@ピンキー2012/10/17(水) 12:33:02.88ID:VU7HxExJ
可符香「もちろんまぐわった全員ですよ。part25のリレー大乱交からいい感じに日にちも経ちましたし、みんなだんだんお腹が大きくなってきたんじゃないですか?」
0158名無しさん@ピンキー2012/10/17(水) 19:26:57.50ID:Jo5Dxlde
並「お腹がまん丸になっちゃったじゃないですか!もーどうしてくれるんですかー先生!」
望「貴女は腹っていうか全身まん丸じゃないですか!」
並「えー!?だって最近酸っぱいものが食べたいですしー」
望「サムラータンの三杯目を食べながら言わないで下さい」
0160名無しさん@ピンキー2012/10/18(木) 18:13:56.04ID:tF4L5Ucn
マリア「ていうかリレー乱交では奈美ちゃんアナル姦だけだったナ」
0161名無しさん@ピンキー2012/10/29(月) 00:28:16.89ID:9xJT7gmW
晴美「子宮でなくても妊娠できます(ふんばっ」
望「あぁ、男が……」
0162名無しさん@ピンキー2012/11/05(月) 17:16:18.74ID:DGskno6/
奈美「妊娠してますよ! ほら見てくださいこのお腹!」
千里「まぁ、この時期だからね」
0165名無しさん@ピンキー2012/11/16(金) 10:13:08.63ID:WFTwhJ1k
既成事実って言わない?
既存事実って言い方初めて聞いたわ
0166名無しさん@ピンキー2012/11/18(日) 02:29:59.46ID:TjwnVjay
あびる「既存の事実だから間違っている感じはしないけど……」
マ太郎「ただの誤字だロ」
普通「まといちゃんはお手付きね」
カエレ「いやあんたが言えることじゃ……」
0167名無しさん@ピンキー2012/12/05(水) 20:55:31.87ID:BzBxwXHh
突然だか、
久米田殿の次回作はどんな少女が出るのだろうか…?
0170名無しさん@ピンキー2012/12/29(土) 09:09:00.68ID:ZAZsXjuY
読み切り結構面白かった
0173名無しさん@ピンキー2012/12/30(日) 21:27:03.76ID:YHF9Dz7K
まとめにあった 
絶望戦隊ノゾムンジャーの
続編が読みたい
0176名無しさん@ピンキー2013/01/24(木) 17:01:52.72ID:Fei8ODjC
一巻から読み直したけど愛ちゃん可愛すぎて最終回が来たことがいまだに辛い
0177名無しさん@ピンキー2013/01/26(土) 15:34:27.51ID:BTOAMigi
>>176 俺も…。
久米田殿の最新作で再登場してくれないかな
0179名無しさん@ピンキー2013/01/30(水) 22:03:55.94ID:y/K/5JjU
俺はまといちゃんと霧ちゃんが恋しい 絶望先生はいろんなニーズに応えててヒロインそれぞれに良さがあったのが改めて分かる
0181名無しさん@ピンキー2013/01/31(木) 20:49:03.16ID:YQbZM31Z
我が青春の大草さん 麗しき倫様 そして悩ましきマ太郎・・・
0182名無しさん@ピンキー2013/02/02(土) 22:11:49.24ID:+8dWt/wS
絶望少女たちよ帰ってきてくれ
0183名無しさん@ピンキー2013/02/02(土) 22:40:25.06ID:4oN3Pn4t
彼女たちには帰る場所がある 俺達のいるここじゃない
いいじゃないか見送ろう 彼女たちは先生の胸に背に戻ったんだ その去りゆきし姿に感謝を
そして祈ろう 彼女たちの魂の、安らかならんことを
0185名無しさん@ピンキー2013/02/08(金) 00:01:40.83ID:PzH7xsxh
名前:零崎 ◆mdzHN7.opY [sage] 投稿日:2013/02/07(木) 20:11:14.91 ID:7vIrTZOZ0 [2/8]
>>262
>そしてなにより可符香は「物事を何事もポジティブにしか取れない少女」を演じているのだから

断じて演じていねえぞ?役不足だ!!!
そんな最初の設定や表面上の肩書きにいつまでテメェらは囚われてんだ???
ポジティブじゃねえだろ?
可符香は無敵で最強ですげえ頭がいいんだよ。腹黒でずる賢いんだよ!!ポジティブ思考で不幸な過去と戦ってるか弱い少女じゃねえんだよカス!!
どう考えても弱者を虐げる強者だろが!!!!!

「物事をポジティブに捉えなければならない少女」?「物事をポジティブに捉えないと生きていけない薄幸の少女」?
大概にしろ!!!そういうテメェ勝手な理想や悲壮感の押し付けを見るたびにに吐き気がする。
エロパロやpixivでそういう趣旨の2次創作を見ると本気で吐き気がする。
そんなにテメェらは可哀想な人間が好きなのかよ?そういう憐みは完全に「見下し」だからな!!


>とりあえず設定上間違いなくポジティブということでいいんじゃないかな?
>遺伝子まで持ち出して久米田はそれを推したのだから

あんな久米田の適当なこじつけを本気にしてんのかよ???マジもんの地沼だな。
0187名無しさん@ピンキー2013/02/17(日) 18:21:05.94ID:n7PIIz7Y
>>183
やだやだー、30X話嫌いな俺は彼女達に是非小石川に
戻って来て欲しい・・・せめて俺の嫁だけでも帰ってきて、
先生の事千里やあびるら程好きじゃないんだからさ
0188名無しさん@ピンキー2013/02/19(火) 21:27:33.91ID:MRcAzEvn
最終回がきれいに決まったのはそれはそれで好きなのだが
このスレで以前あった「可符香=売春とか無理やりさせられて辛い過去を送ってきた赤木杏を捨てた少女」説が未だに好きだったりもする
0190名無しさん@ピンキー2013/02/25(月) 17:12:19.47ID:tdDhU5V4
エロパロの新作が出るの7ヶ月ぶりって・・・
0193名無しさん@ピンキー2013/03/28(木) 09:24:34.31ID:taEXhXQd
保守
0194名無しさん@ピンキー2013/03/28(木) 22:21:50.02ID:taEXhXQd
手元にエロなしのがある。
投下していいですか?
0196名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 21:53:20.42ID:0WndzBiW
では投下します。
・エロなし
・木野→加賀メイン。後半加賀さん視点
・キャラの呼び名が一貫してない。
0197名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 21:54:41.38ID:0WndzBiW
加賀愛は迷っていました。
「いいですか?バケツを持って廊下に立たせるという漫画によく見られる光景は、今は体罰と言って禁止されているのです」
教卓では糸色望先生が水の入ったバケツを二つ持って騒がしい講義をしています。真面目な加賀さんはまともな授業でなくてもちゃんと聞いているのですが、今はそれどころではありません。
(ダメです!今手をあげたら、授業が中断されて皆さんに迷惑をかけてしまいます!)
加賀さんはトイレに行きたいのでしたが、内気な性格と加害妄想から手をあげられずにいました。
「マリア、水こぼさないで回せるヨ」
刻一刻と限界に近付いていきます。しかし、加賀さんの不調に気づく人はいませんでした。加賀さんは窓際の席で、後ろの席はボーっとした大浦さん、隣の席は隠れて漫画を描いている藤吉さん、前の席は隠れてポチポチとメールを打っている芽留ちゃんです。
いいえ、一人いました。加賀さんを一途に想う、斜め後ろの席の木野国矢くんです。
(やっぱり手をあげましょう。高校生にもなって…皆さんにもっと迷惑をかけてしまうよりは)
しかし今度は動けなくなってしまいました。
(ああ、もう・・・)
加賀さんの机の下に落ち、広がる水滴を、木野君は見逃しませんでした。まだ誰も気づいていません。
(だめ・・・!)
「目が回るヨ〜」
「マ太郎、ちょっと貸して!」
バシャ!
木野くんはマリアに駆け寄りバケツを奪い取ると加賀さんにかけました。
0198名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 21:55:25.29ID:0WndzBiW
「き、木野君…」
びしょぬれになり、助かった、と見上げる加賀さんに、木野君がほほ笑みかけたのもつかの間。
パン!
「加賀さんに何するのよ!」
木野君をひっぱたいたのは千里ちゃんでした。彼は何も言わずうつむいています。
「加賀ちゃん、大丈夫?」
奈美ちゃんが背中をさすってきます。他の女子も一斉に集まってきました。加賀さんの下着が透けて臼井君は喜びましたが、こんな騒ぎの中誰も影の薄い彼のことなど気にかけません。
「加賀さんに謝りなさい!」
「違うんです、木野君は悪くないんです。私が…」
「加賀さんたら…相変わらず加害妄想なんだから。」
加賀さんの言うことを誰も取り合いません。
「違うんです、違うんです…」
ああ、私はなんて臆病なんだろう。真実を言えば木野君は責められないのに・・・。
「やだなあ、木野君が何の理由もなくこんなことするわけないじゃないですかあ。これは洗礼です。そうですよね?」
そう言ったのはポジティブ少女風浦可符香でした。
「皆さん落ち着いて。あなた達、とにかく加賀さんを保健室に連れて行ってあげてください」
「加賀ちゃん、いこ」
「すいません、すいません!」
奈美ちゃんたちは泣きじゃくってあやまる加賀ちゃんを連れて教室を出て行きました。
「一体どうしたんだよ木野、大丈夫か?」
心配そうな青山の横で、お気楽な声を出したのが芳賀でした。
「あれだろ、好きな子いじめってやつか?」
後ろで三珠さんがなぜかうんうんとうなずいています。
「木野君…」
望が話しかけようとしたその時、木野君はダッシュで教室を出て行きました。
「木野君!・・・仕方ないですね。あなた達、掃除をお願いできますか?」
望が加賀ちゃんの机の周りに残っていた女子にお願いすると、千里が講義しました。
「こういうことは木野君がきっちり責任とるべきなんじゃないですか!?」
「まあでも、次の授業が遅れてしまいますし…」
元々お姉さんのおかげもあって掃除に慣れている千里ちゃんです。しょうがない、というふうに委員長ぶり(実際の委員長は臼井君ですが)を発揮して皆に命令しました。
「晴美はバケツ持ってきて、芽留ちゃんは雑巾!ほら大浦さんどいて!」
「ど〜したの〜?あ、なんか濡れてる〜」
「あの騒ぎで気づいてなかったの?ホント、おおらかな子。」
0199名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 21:58:06.98ID:0WndzBiW
「木野…あの話、覚えてたんだな」
久藤くんも真実に気付いた一人でした。直接見たわけではありませんが、ずっと前木野君にこんな話をしたからです。

『おい久藤!今度こそお前を…』
あの日いつものように突っかかってきた木野君。もう久藤君の物語を聞きたいだけだとしか思えません。
『「恥ずかしがりの女の子」。あるところに…』
久藤くんもいつものように話しだしました。
気弱な女の子の授業中のおもらしをごまかすために水をかけた男の子が退学になってしまう話。木野君はもちろん号泣でした。
『また泣かされたぜちくしょー!』
『やれやれ』

「先生」
「おや、久藤くん」
「木野を裏切るみたいですけど、先生には真実を知ってもらいたいんです。空き教室に来てください」
(まさか・・・告白!?)///
「ちょっと晴美、どこ見てんのよ!」

久藤君の話を聞いた望先生は驚きを隠せませんでした。
「なるほど、そんなことが」
これは先生の声ではありません。先生は振り向きました。やっぱり、常月まといです。
「いたんですか」
「ええ、ずっと。安心してください。加賀さんの秘密は誰にも言いません」
「助かるよ、木野のためにも」

「なんだ、告白じゃなくてがっかり。でも・・・」
「晴美!掃除戻るわよ!」
「そんなことより千里…」
0200名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 21:59:31.09ID:0WndzBiW
そのころ。
「木野君にも困ったものね」
智恵先生は内心では「あの子には本当のSとは何か教えてあげなくちゃ」と考えています。
「違うんです、すみません、すみません!」
送ってきた奈美たちはとっくに教室に戻っています。今日は体育の時間はないので体操着もありません。びしょぬれで謝り続ける加賀さんを前に途方に暮れているとがらりと保健室の戸が開きました。
「加賀さん、これ!」
木野君が洋服店の袋を差し出してきます。
「加賀さん、さっきはごめん。できるだけ似あうのを選んできたんだ」
「木野君、あの…」
「加賀さん」
いいんだ、何も言わないで。木野君はほほ笑んでいました。
私は本当に臆病ものです。この期に及んで木野君の優しさに甘えてしまって…。
「じゃあ俺、教室戻るから」
お礼も言えず、木野君の去って行った方向を眺めるしかできませんでした。
さて、「似合うのを選んできた」と言っていた木野君でしたが、彼のファッションセンスはたかが知れています。
どんな服であったかはご想像にお任せしますが、その日早退した加賀さんを多くの人が「レディー・ガガだ」と指さして見ていたことだけはお伝えしておきましょう。

うつむき加減で廊下を歩く木野君。途中で望先生に出くわしました。
「あの、先生…」
先生はうなずきました。
「わかっていますよ、私は。あなたがあんなことをした理由を」
「今も、迷っているんです」
自分のしたことが正しかったのか。
「みんなにばれたら、加賀さんはその性格上恥ずかしさと、迷惑をかけてしまったことで二重に苦しむ」
だが彼女は、自分のせいできっと今三重に苦しめられている。そして、自分も迷っている。
「木野君」
望は木野君の肩をそっと抱き寄せました。
「何が正しいのかなんて簡単にわかりません。先生なんて、物心ついてから間違いだらけの人生ですよ・・・それでも、その時の木野君がそうしようと思って行動したのだから、それでいいのではないですか」
「先生」
「掃除終わり…#§&∀∞!」
運とタイミングの悪いことに、掃除を終えた教室を開け、その場面を目撃したのはよりによって藤吉さんでした。
藤吉さんは鼻を手で押さえながら奇声を上げ、「ちょっと晴美!鞄忘れてるわよ!」という千里ちゃんの声も無視して廊下をすっ飛んで行きました。その後しばらく木野君と先生が妄想のネタにされたのは言うまでもありません。
ちなみに教室は掃除している途中で千里ちゃんに火がついたらしく、「大掃除カヨ」というレベルで本格的に磨き上げられ、元の状態よりはるかにピカピカになったとか。
0201名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 22:01:37.55ID:0WndzBiW
そんなこともありました。恥ずかしい話です。
服代を返し、あれから私は木野君のアプローチを避け続けていました。本当に、最低です。
それでも木野君は私を怒ることはありませんでした。秘密をネタに私を脅すことだって可能だったはずなのに、それをしませんでした。
そのやさしさに最後まで甘えて、ああ、私はどこまで最低なんでしょう。
私は結局、先生と結婚することになりました。女子全員で、です。私たち全員でカフカちゃん、なんですから。
「加賀さん!俺…」
この期に及んで私なんかにプロポーズしてくれる木野君。返事は決まっていました。
「申し訳ありません…」
「いいんだよ。俺、加賀さんが幸せならそれで幸せだから」
どれだけ優しい人なんでしょう、この人は。
「また気に入った服があったら送るよ」
そ、それはちょっと…。
「じゃあ、もう行くから」
贓物島から船がもうすぐ出てしまいます。小さくなっていく木野君の後ろ姿に、私はたまらず土下座しました。
「すみません!すみません!」
「気持ちに応えられなくてすみません!優しさに甘えてしまってすみません!」
「あの時、本当のことを言えなくてすみません…!」
0202名無しさん@ピンキー2013/03/29(金) 22:02:38.23ID:0WndzBiW
「加賀さん…」
嗚咽する私の肩を抱いたのは常月さんでした。
「あのとき、おもらししたんだったわね」
「え・・・」
「久藤くんが先生に話してるのをストーカーして聞いたのよ。口止めされたけどね」
「私も久藤くんと先生の会話を盗み聞きしちゃった」
途中で強制的に千里に連れ戻されたけどね、と藤吉さんが笑います。
「そんな、それじゃあ先生も…」
「私たちみんな知ってるよ」
驚いたことに、日塔さんもそう言うのです。みんなもうなずきました。
「掃除したのは私たちよ。嗅覚の鋭いマ太郎がいて気づかれないと思う?」
「マリア、口止めにお菓子いっぱいもらったヨ」
「そうそう。木野君には悪いことしたからきっちりお返ししてもらおうとしたんだけど、『女子はひっぱたけない』だって。本当に優しいわね。」
「・・・・」
「代わりにって加賀さんへの告白の練習台になったの。ほぼ全パターンのプロポーズを聞かされたわ。」
木津さんは苦笑します。そんなにも、木野君は私のことを思ってくれていたのでしょうか。そしてみんなは、私のために今まで気づかないふりを――いえ、それはおこがましいことです。皆が気づかないふりをしていたのはおそらく、木野君のため。
私は木野君のために何かをしたのでしょうか。こんなにも想われて、優しくされておきながら――。
「加賀ちゃん」
日塔さんが私の横にしゃがみ、言いました。
「木野君は多分加賀ちゃんに謝ってほしいんじゃなくて、感謝してほしかったんじゃないのかな」
「いいこと言うわね。普通に」
「普通っていうなあ!」
木野君の姿は小さいけど見えている。今ならまだ間に合います。
「行っておいでよ」
それは誰が言ったのか覚えていません。もしかしたら、カフカちゃんだったのかも…。
私はみんなに深々と頭を下げ、駆け出しました。ありがとう、みんな…。

「木野君!」
振り向いた木野君に、私は深々と頭を下げました。
「ありがとう、ありがとう、木野君――!」
「加賀さん」
「ありがとう――」
最後に木野君は笑っていました。船が去った後も、私は頭を下げ続けていました。

ありがとう。
0203後書き2013/03/29(金) 22:03:40.54ID:0WndzBiW
この話は有名なコピペをヒントに書いたものです。
絶望先生等の二次小説を書いたブログサイトをやっていますが、諸事情がありこの話はブログには載せられず、自己満足ですがここに投下いたしました。
お目汚し失礼しました。読んでくださった方がいらしたらありがとうございます。
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