強制的に知能低下する女の子の小説
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0001名無しさん@ピンキー2012/09/23(日) 16:59:59.86ID:q9tAuZYe
生まれ持っての才能をもった
成績優秀な女の子の知能がみるみる低下してしまうシチュって
すばらしいと思うのです。
0872名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 10:49:51.97ID:xPt884HB
あんな事信じられるわけ、、
そう思いながらも心に引っかかりが残る智美は女児向けグッズを捨てられずに居た

限界なんか信じられない
彼女はそこから今まで以上に勉強に取り組んだ
アニメグッズはしまったまま

しかしやはり知識が頭にどうやっても入らない
寝ても覚めても勉強
覚えたと思った事でも後から見返すと何も頭に入っていない
覚えたと言う記憶だけが残っているだけ

落とせない大学の試験が差し迫っていた
「あれを使えば何とか成るのだろうか」
追い詰められたら彼女はしまっていたそれを取り出す

こんな物を使うなんて気恥ずかしい
こんなので、勉強が出来るわけが、、
そう思いながらも鉛筆を削り、ノートを開く
線も何も付いてない自由帳
下敷きも敷いて、、、

何で?胸が高まる
嬉しい、ワクワクしてしまう
そのまま教科書を見ると輝いて見える
今までは教科書がくすんで見えていた事を自覚した

何をどうやって読み解けば良いのか分かるのだ
勉強が進む。鉛筆がスラスラ動く
一瞬詰まっても女児アニメのキャラを見ると、教えてくれている様な気がしてしまう
鉛筆が可愛くて嬉しい
紙を通してうっすら見える下敷きのキャラクターが自分を応援してくれている気がする
嬉しい
色鉛筆も削って下線を引くと、絶対に忘れられない気がする

智美が気付くとノートや筆箱や鉛筆を抱えるように寝ていた


「ヤバい!寝てしまった」
ノートを慌ててみるとノートは勉強の跡でびっしり埋め尽くされていた
見ると全てを覚えてるのが分かる
見なくてもノートの中身が鮮明に思い出せる

「何よ、これ」

女児アニメのキャラを見ると、自分に微笑みかけている気がした
そうして嬉しくなる
「ありがとう」
智美は無意識につぶやいてしまう
つぶやいた自分に気恥ずかしくなる

今日は試験だ
0873名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 11:17:36.21ID:xPt884HB
急いで出掛ける準備をする
勉強の成果のノートと筆記用具を手にしかけ、、

私、何を?
こんなの大学に持っていける訳がない
試験にこの鉛筆を使う?無理無理
試験前にこのノートをみんなの前で開く?
出来るわけがない

それに目をつぶれば勉強の成果が頭に溢れ出す
持って行く必要が無く感じた
でも、、、これを持って行きたい
ずっとこれを手にしてたい

感情がそれに支配される
それでも彼女は持ち前の我慢強さで持って行くのを我慢した
心残りを持ちながら


大学につき、試験の時間が迫る
「奨学金詐欺が来てるじゃんw試験受けても受けなくてもどうせ同じ赤点でしょ?来る意味あんの?」

うるさい
いつもの弄りだ
あんなのほっとけ、私は勉強したんだ

でも、やっぱり不安
物足りない、何かが足りない気がする
本当に大丈夫?
目をつぶるとノートの中身が鮮明に見える気がする
「あの部分は」そう思うとアニメキャラがページをめくって教えてくれる気がする
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫
0874名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 11:18:18.72ID:xPt884HB
試験の用紙が配られる
試験の開始
用紙をめくると問題が頭に入ってくる
一緒に答えも答えへの道筋も全てが分かる

これなら、、これなら!
そうしていつも使っている無機質なペンを手にした途端


それが全て消えていく
あれだけ鮮明だった勉強内容が頭から消えていくのが分かる
「ま、待って」
それだけじゃない
昨日、あれだけドキドキワクワクで女児アニメのキャラクターと一緒に勉強をした事を思い出して気持ちが悪くなる
私、何であんな事を
恥ずかしい、何してたの
何であんなことに喜んだの

子供の頃を思い出して、子供っぽい行動に恥ずかしくなるあの気持ちが心を襲う
それもそれを良い歳して、、気持ち悪い
急に引き戻された趣味年齢が智美を襲う


智美は吐いた
試験は一旦中止
吐いたものに倒れ込んだ智美は会場を出されて救急車に乗せられた

心配している人もいれば、智美の醜態にクスクス笑う者も居た
0875名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 12:00:26.27ID:xPt884HB
智美が目を覚ますとそこは病室だった
智美は状況判断に苦労した
徐々に思い出す
いつものペンを手にした途端に気持ちが悪くなって、、勉強内容も全て忘れて、、

智美の異様な光景に大学の教授は慌てた
保健室に運ぶのではなく救急車を呼んだのは吐いたからだ
勉強の為だと言ってドラッグを使う馬鹿者が定期的に現れるからそれを懸念しての事だった
病院での検査では何も異常が無く、落ち着くまでの検査入院であった

個室の病室に一人
徐々に記憶が戻ってきて悔しくなる
「何でなのよ!!」
「如何でしたか?」

叫ぶと同時に男が現れて智美に声を掛ける

「あなた!私を騙したの!?」
「とんでもない。事実、あなたは勉強がとても捗ったでしょう?あれは私の能力のおかげです」
「でも全部忘れたわよ!」
「だから言ったでしょう?お試しだと」
・・・
「あなたの趣味に関する精神年齢を下げた。そのおかげであなたの能力値が上がった。でも、あなたは私が渡した女児向けアニメグッズ拒否してしまった。だから【お試し期間】が終わって精神年齢が戻り、知識の能力値も戻ったのです」
「そんな、、」
「証拠にあなたは強烈な拒否反応を起こした。元の精神年齢が自分の行動を理解できなかったんでしょう。そうして今ここに居るわけです。」

理屈は通る
智美の中では納得してしまう
何せ、実際に自分が体験したら事なのだから

「これで分かったでしょう、能力値の限界の話と私の能力の事。理解できたのなら、もう諦めて地道に生きるのがあなたの為ですよ」
「どうすれば、、」
「はい?」
「どうすればあのままで居られるの?!」

女児アニメに胸が高ぶった記憶は今でも吐き気がするほど嫌悪感が有る
だけど、あの「勉強がすらすらと自分の為になる感覚」
あんな気持ちの良いものは無い
自分が高まる事が好きな智美にはたまらない幸せだった
0876名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 12:01:26.19ID:xPt884HB
「オススメ出来ませんが」
「じゃあ、なんでこんな事をしたの?!」
「それは、もう努力が無駄だと信じて頂いて、地道に生きて貰う為です」
「無理よ…もう。私の幸せはあっちの世界。もう何も自分の中に新しいものが入ってこない何て耐えられないのよ」

能力の限界でも、智美の中の知識欲はまだまだ貪欲だった
何も前に進もうとしない母親に反抗するように前に進むことが生きがいの智美
もう前に進めない自分が許せなかった

「そうですね、、お試しだった幼児趣味を固定化させれば知識の能力値は伸ばしたままで居られますが、、」
「他の事じゃ駄目なの?」
「出来ますが、それが一番効率的です。余分に才能を下げたくは無いでしょう?」
「分かったわ、お願い」
「やれやれ」

男が智美に手をかざす
頭がぐちゃぐちゃに成るのが分かる
書き換えられる知美の能力値

「出来ましたよ」
「え、これだけ?」
「ええ、あなたの知識を詰め込む能力は人よりも格段に優れて居ます。幼児趣味へと引き下げられた引き替えにね」

男は手に、あのアニメキャラの人形を出し、智美に差し出す
智美は目を輝かせて、思わず手に取り、じっくり眺めると、ぎゅーっと抱きしめる

「これで分かったでしょう。あなたは幼児趣味に固定化されました。趣味年齢が大幅に下がりました。これは限界値を引き下げたので、もう元には戻りません。
あなたは幼児が使うもの・喜ぶものが欲しくて欲しくてたまりません。手放せません。
買い物に行けばついでに玩具の置いてあるコーナーに足が向かい、一度欲しくなったものはどうしたって欲しくなります。買えなければあなたは幼児のように涙が出るほど悲しくなります。
勿論、私が渡したキャラクターだけではなく、幼児が好き好みそうな物なら何でも欲しくなるしいっぱい知りたくなって、、って。それどころじゃないみたいですね」


智美は人形を手放さない
頭がそれに恋い焦がれて話さない
ぎゅーってしたり話し掛けたり眺め続けて
お人形遊びに夢中だった
0877名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 12:17:43.03ID:xPt884HB
試験は追試と成った

次こそ試験を乗り越えないと
ノートと筆記用具を買い込む
もちろん、幼い子供が好き好んで買うような物

それを買うついでに智美は自然と玩具のコーナーに立ち寄ってしまう
何て素敵な空間なのだろう
沢山のキャラクター達が智美に話しかけてくる
話しかけてくる気がするのだ
夢中に成ってお店中を駆け巡る

大人が大はしゃぎをしている様に店員は警戒をしていたが、智美は夢中で気が付かなかった
それどころか近寄ってきた店員に
「すみません、店員さん。あれって、中にお人形を住まわせる事が出来るんですよね?」
と、馬鹿げた質問をしてしまった
そんなのは分かってるのに、誰かにこの気持ちを共有して欲しくてたまらなかったのだ
怪訝な顔の店員をそのまま連れまわしてはあれこれくだらない質問をしてお店を回って
財布に入れていたお金すべてを使って玩具や日用品を買い込んでしまった
本当はもっと欲しかったのにな

お金が無いと買えない
大人の感覚が自分を引き留めて、今買える物だけを買った
買った後も本当は欲しかった物の場所で立ち止まって目に涙を浮かべながらお店を後にした

誕生日みたいだ
そう心が弾みながら大量の幼児向けの物を手に抱えてウキウキしてにやにやしながら一人暮らしの家に帰る
そんな智美を通りすがりに人は不審がっていた

家に着く
そこは本来の智美の落ち着いた大人な趣味の物だらけ
不要なものは置いておらず、必要な物だって主張は激しくない


部屋を見渡すと嫌な気持ちになる
何でアニメキャラが何もないんだろう
可愛くない
楽しくない

買ってきた物を部屋に広げる
何て幸せなんだろう
0878名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 12:22:59.12ID:xPt884HB
そこから勉強するまでが大変だった
何せ、大好きな玩具をお預けにして勉強するなんて、今の智美には耐えられなかった
一通り遊んで、気持ちを切り替えて勉強をし始めても
頭は玩具でいっぱい

チラチラおもちゃの方を見てしまう
でも、大丈夫
だって、私にはお友達が付いてるんだもん
沢山買い込んだお勉強グッズに応援されている気持ちになった智美は応援されるがまま、勉強をした
それでも対価の為かどんどん知識が頭に流れ込んでいく
疲れたら○ンパンマンチョコが待ってるんだ!
そう思いながら勉強をする智美だった
0879名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 12:36:27.19ID:xPt884HB
追試の日
智美は可愛らしい筆記用具を手にして幼児趣味なノートを広げて追試の会場に居た
同じく追試を受ける数人の人達は怪しんだりクスクス笑ったり様々

試験開始の時間
「そこの君、それは何だね?」
「私のお勉強グッズです。」
教授の顔が崩れる
「あー、そう言うのは大学には持ってこないように」
「何でですか?私、これがないと駄目なんです」
「そ、そうかね。だとしても試験中はきちんとした筆記用具を、、」
「何で、、、?」
お友達と一緒に居られない事に悲しくなって涙が出てくる
たじろぐ教授
「柄が付いているとカンニングの恐れが、、」
「そんなのしないもん!カンニングなんてしないもん!だって皆は正義の味方なんですよ!」

持ち物を検査され、ノートこそ一時期的に回収されたが
筆記用具類はカンニングの可能性なしとみなされて使うことを許可された
アニメキャラと簡単なひらがなやカタカナぐらいしか書いてないのだから当然だ

嬉しそうに筆記用具を手に握り締めると、配られた試験用紙の下に大好きな下敷きを敷くとにやにやと笑いながら問題を解いていった


その後の追試も全てその筆記用具ですらすらと解いていった
おかしくなったと感じた教授はどうせ追試は通らないだろうと退学にさせるつもりだったが
追試の結果は全科目満点だった


彼女の奇行は学校中に知れ渡った
0880名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 13:00:16.87ID:xPt884HB
彼女も自分の行動に違和感を感じたが
自分が好きなものを手にしてて何が悪いんだ、と頭の中で反論をした

皆だってアイドルのグッズとかこっそり持ってるじゃないか
それと同じだ

大人の自分が幼児趣味の自分を肯定する
不思議な感覚


通常授業
いつも自分を「奨学金詐欺」とバカにしてくる女が智美の近くに来る
「ねぇねぇ、あんたさ、とうとう本当のバカに成っちゃったの?w大学は遊ぶところじゃないんでちゅよー。さっきからダサい人形にぶつぶつ喋ってさ、マジきもいよ?」
「ちょっとよしなよー、本当のこと言ったら可哀想じゃん。ククク」

教室中が小さな笑いに包まれる
皆、言いたくても言えなかったこと
それを言ったことで、「笑っちゃかわいそう」と「おもしろすぎて耐えられない」の二つがせめぎ合い、みんなが含み笑いをする

「何が面白いんですか?!」
智美が睨む
「いや、だって大学生にも成ってそんなのさw」
「人が何を好きであろうとも良いはずです。何が問題なんですか?あなたはイケメン俳優さんが好きでいつもその話をしてますよね?スマホにも写真を貼ってるじゃないですか。それと何が違うんですか?」
智美の反撃に教室がどよめく
「いや、だってそう言うのは普通幼い子供が、、」
「幼い子供にしか駄目なのは何故ですか?教えて下さい。そう言うのって差別的ではないですか?【男性は女性を好きでなくてはいけない】と言ってるようなものじゃないですか?男性が男性を好きだって問題ないし、大人が子供向けの物を好きでも何の問題も無くないですか?」

「いや、、だって、、」
言葉に詰まる
「そ、そうだ。そんな事よりあんた追試はどうだったのよ?また落第点取ったんじゃないの?そんな人が何を言っても説得力無いわよ!」

カバンから追試の結果を取り出して差し出す
答案用紙は全て満点であった
「こ、こんなのインチキよ!そう、そうだわ。試験では体調不良を装って追試で何か不正をしたのよ!そうに決まってる。奨学金詐欺の智美に満点なんておかしいわよ。」
「そう思うならこれからも試験結果全部見せてあげるわよ。問題があれば言えば良い。今はあなたに構ってる暇は無いの」
「何よ、この、、、」

それ以上言い返せなかった
今までの智美では無かった
突然の反撃にそれ以上何かを言う言葉が無かった

智美から離れた席に彼女は逃げた
ブツブツ文句を言いながら


智美はお気に入りのお人形さんをぎゅーっと抱き締めて呟く
あなたのお陰よ
だって、37話の【私とあなたの幸せの形!みんなが違うからみーんな素晴らしい!】を見てたから勇気を出して言い返せたのよ
0881名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 15:24:01.13ID:xPt884HB
二年が過ぎて智美は大学3年生に成っていた
彼女は大学ではすっかり浮いた存在

それもそうだろう。何せ大学には幼児向けアニメのお人形を片手に肌身放さず握り締め、暇さえあればお人形にブツブツ声を掛けたり抱き締めたり
鞄もこの頃は可愛いうさぎの耳が付いたのがお気に入りらしい
そこには可愛い幼児向けアニメのキーホルダーがジャラジャラと音を鳴らして付いている
ズボンのお尻にはくまさんのワッペン
服はさすがに幼児服じゃないけども、ガーリーな派手な服をいつも来ていた
もちろん授業は可愛いアニメの筆記用具

それなのに彼女は筆記で学年トップなのだから皆驚き

一人暮らしの部屋は日々玩具が増えていて、青と黄色のはっきりした単色のかご付きの棚に沢山しまわれており、それだけでは足らずが部屋中に綺麗に置かれている
日用品も幼児グッズで埋め尽くされており
布団カバーは可愛らしい昔ながらの子供向けキャラ
洗濯機や冷蔵庫など、場所が有ればベタベタとシールが貼られている
わざわざ購入した子供が好みそうな学習机もあちこちシールだらけだ
お風呂には玩具が入ってるバスボムで頻繁に遊ぶ
シャンプーもボディーソープもアニメキャラの柄の物
一人暮らしの部屋はまるで子供部屋だ

そんな彼女だが
一つの悩みがある
筆記試験では優秀なのだが、身体が追い付かない
要は「身体が自然と覚える」と言うことがない

バイトであったり大学での実技であったり
アニメキャラで縁取られた可愛い便せんに書かれたメモを頭に浮かべて行動をする
なので人よりもいつもワンテンポ遅れる
思い出してから動くのだから当然だろう
しかも便せんのアニメキャラが智美に語りかけてくれる妄想をしてしまうので余計にテンポが遅れてします

この先、このままで私はちゃんと生きて行けるのだろうか
0882名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 15:50:21.36ID:xPt884HB
バイトで一つのヘマをした
時間に追われていると言うのに彼女はぼーっとしてしまった
頭の中で行動の整理をしている内に頭の中の【お友達】と会話を始めてしまったのだ
とは言ってもそれはいつものこと
いつもの事だから、とうとう店長にクビを伝えられたのだ
更衣室でお人形さんに顔を埋めて泣いていた
お人形さんに慰めて貰っていたのだ

学費と最低限の生活費は奨学金と祖父のお金で何とかは成るけど
それだと来月発売されるお人形さんの為のおうちセットが買えなくなる
それは今の智美には耐えられない事だった

「どうすれば良いの」
そうつぶやくと目の前にあの男が現れる
「お困りのようですな」
「何言ってるの。どうせあなたのせいでしょう?」

少し驚きはしたが、前にも経験している
何より子供向けのアニメに沢山触れたせいか、こういった不思議な光景に違和感を感じなく成り始めていた

「言い掛かりですな。これはあなたの限界です。もうあなたの体はあなたの思い通りには覚えてくれませんよ」

智美には覚えがあった
子供の頃に沢山身体も動かした
自転車や一輪車はもちろん
学校で習うスポーツは人並み以上に努力をしたし、自分に納得ができなければ独学で学んだ
独学は身体の能力値のリソースを多く使う
智美は勉強だけでなく運動も頑張りすぎていた
幼女趣味が板に付いてからはテレビで流れる子供向けのダンスも本気で取り組んでしまった

とどめに、身分証が欲しいからと乗る予定のない自動車の免許まで取ってしまった
それで智美の身体の才能は打ち止めだった

「何よ。またどうにかしてくれるっていうの?」
「はい、お望みならば」
「こんな身体は嫌だわ。するなら早くしてちょうだい」
「分かりました、それでは身体の覚えの才能の代わりに、、」
「良いわよ。何でも良いわ。この幼女趣味だって今は自分に馴染んでるの。むしろ今が楽しい。もう何でも良いからあなたの好きにして」
「そうですか。それでは、、」


また頭がぐにゃりとした感覚に陥る
すると身体に何かがみなぎる
身体が何だか軽くなっていく気がした

「さぁ、店長に謝って、もう一度チャンスを貰ってきてごらんなさい。きっと、、いや、絶対にうまく行きますよ」

そう言うと男は消えた
店長に謝り頼み込んで後一日チャンスを貰った
そもそもその日は猫の手も借りたい状態
「今日のバイト代は要りません」の一言で渋々許した

最初は動きが遅かった
でも、段々と要領が良くなり、最後には誰よりも早く気付き動いていた
「これが身体が覚えるって事か」

バイトのクビは免れた
0883名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 16:02:23.87ID:xPt884HB
一体私は何を対価にしたのだろうか
勢いに任せて何でも良いと言ってしまった
説明ぐらいは聞いておくべきだった

お人形を片手に歩く帰り道
もう片方の手に持つ袋の中にはアニメキャラをかたどったケーキが入っていた
ついでに買った食玩の車も一緒に


家に帰ると智美はお気に入りのお人形さん達にただいまを言うと、ご飯の用意をする
ハンバーグと甘く煮付けた野菜とご飯を可愛いアニメキャラの一枚プレートに載せる
それに加えてレトルトの離乳食を加えて、可愛いマグカップにリンゴジュースを入れれば出来上がり
今日は可愛いケーキも有って楽しみで仕方がない

お風呂では玩具を浮かべて水鉄砲で遊ぶ


異様な光景だがこれは今の智美の日常
楽しい楽しい日常だ
大きなくまさんの人形を抱えると、アニメキャラの布団の中で就寝

何て幸せなんだろう
最初は幼女趣味なんてあり得ないと思っていたけども
こんなに幸せなら何の後悔もないよ
そう、頭の中のお友達とお話ししながら智美は眠った
0884名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 16:20:15.27ID:xPt884HB
「朝だよー朝だよー!早く起きなきゃノッロラーに身体を乗っ取られちゃうぞぉ。朝だよー朝だよー!早く起きなきゃ、、、」
アニメキャラに起こされて目覚まし時計を押す
「起きれてえらい!今日もきっと良い日だね!」

アニメキャラに誉められて嬉しくなる
ついつい買ってしまった目覚まし時計
何度聞いても嬉しくなる
毎日大好きなキャラクターに起こされてほめてもらえる幸せ

さぁ、起きなきゃ
布団をめくる

「え、、、?」
何かがおかしい
股間が冷たい
臭いもする

目線をそこに向けるとうっすらと濡れていた
「ヤバいっ!」
お尻を上げると布団には染みが出来ていて、染みの具合からそれはすでに乾き始めていた

「これっておねしょ?何で、、、?幼児趣味のせいなの、、、?」

困惑していると男が現れた
「きゃっ!何よ。私の部屋にまで来ないでよ。」
「はぁ。」

男の目せんがおねしょに濡れた布団と股間に向かう

「いや、見ないで。早く出て行ってよ!」
「いえ、やはり説明しないと何かと不便かと思いまして」
「説明?」
「はい。あなたの身体の覚えの限界値を上げる為の代償がこれでして」

智美が布団で隠したそれの場所を指差して男が告げる

「これって、、おねしょの事?」
「そうです。あなたの下のコントロール能力と引き換えに身体の方の能力を各段に上げたと言うことです」
「そんな、、そんなの、、」
「もちろん、これは不可逆ですよ。いくら訓練をしても今が限界値なのでおねしょは一生治りません。さすがに毎日はしないでしょうが、、水分を取りすぎていたり疲れている日は失敗してしまうでしょうね」
「そんな、の、、有り得るわけが、、」
「そうなのだからしょうがありません」
「元に戻してよ!!」
「それは無理な相談ですな。一度下げたものは上げることが出来ませんので」

おねしょだなんて
そんなのこれからどうやって生きれば、、毎日寝るときにおむつを履くの?
大好きなお布団カバーを汚すなんて私は嫌よ
0885名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 16:29:20.58ID:xPt884HB
その日、彼女は帰りにドラッグストアに寄った
もう仕方がない。おむつを履くしかない

大人用のおむつを手にする
でも、目が幼児向けのおむつにいってしまう
どうせ履くならあっちが、、、
いや、でも、、
幼児向けのおむつのパッケージを見ていると、今自分が手にしている成人向けのおむつに嫌悪感を感じるようになる
「これは私が履く奴じゃない」
そう頭が訴えかけてくる

智美は自分でも履けそうな一番大きな子供用のおむつを買った
帰り道は少し恥ずかしかったけど、お人形さんが智美を励ましてくれたので大丈夫だった

いつも通り楽しい時間を過ごす
昨日は感じなかったが、トイレに行く回数がやたらと増えていた
膀胱が小さくなってるとか我慢が出来なくなってるとかなのだろうか
楽しいアニメの録画を見ている途中で度々トイレに行くのがわずわらしかった

はぁーあ。今日は神回だったな
まさかあの敵の幹部が仲間に成るだなんて、、
そんな事を考えながらおむつを履いて布団に入ると眠気に襲われた
何だか良い夢が見られそうな気がするよ、、、
0886名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 16:50:56.47ID:xPt884HB
「裏切り者には罰を与えなければならない!」
「くっ!辞めろ。メアリーは正義の心に目覚めたんだぞ!」
「それはお前が望む正義だろう。私が望む正義はお前とは違う。私がこの世の中を乗っ取り管理する。それが私の思う正義だ」
「そんなの、正義じゃない!皆それぞれが自分の思う幸せを追い求める事が出来ない世界なんて、誰も幸せには成れない!」
「そんな事はない。幸せは私が与える。それで充分なのだ」

悪の大親分が二人を捕らえていた
縛られて動けない
仲間に成ったばかりの元悪の幹部のメアリーの足元には大量の爆弾
火の付いた導火線がジリジリとメアリーに近づいていく

「辞めてーー!!」
智美は泣きながら叫ぶ
「ふははははは。お前のような幼い人間に何が出来ると言うのだ」

気が付くと自分の身体はとても小さくなっていた
いつも着たいと思っていた幼児向けの服を着て、智美は泣き叫んでいた
「出来るよ!私のお友達は凄いんだから!私のお友達を馬鹿にしないで!ともみちゃんならきっとメアリーを助けられるんだもん!」
「ふんっ!子供に何が出来る。幼き者よ。人間が自分で幸せを掴めるのだと言うのであれば、お前の邪魔はしないでやる。何とかしてみるんだな。」

「私の為に無理はしないで。私は所詮、元悪の幹部なのよ」
助けるべきか戸惑う。戸惑っているとメアリーが仲間に成った話が頭に流れる
不幸なメアリーは幼い頃に悪の幹部に拾われて従い続けた
それが正義だと信じて
それでも、私のお友達との戦いを通じて、本当の強さと優しさを知って、メアリーはとうとう悪の幹部を辞めて真の愛と正義に目覚めて、3人目の仲間として魔法少女に変身することが出来たのだ

メアリーを放っておけない!私ならやれるんだ!
でも、どうしたら良いのか分からない。足がくすんじゃうよ

「ともみちゃん!あなたならきっと出来る!だってあなたは私の大事なお友達なんだから!」

そうだ。私はお友達なんだもん。絶対に幸せを掴めるはず
メアリーを救えるはず!

ゆっくり進む導火線、、
そうだ!火を消すのは水だ!
周りを見渡すけど水もないし容器も無い
どうしたらどうしたらどうしたら

そうだわ、私さっきリンゴジュースを飲んだのよ
それを今、体から取り出せば良いんだわ
取り出すには、、そうだわ!ズボンを脱いで、、、

「朝だよー!朝だよー!早く起きなきゃノロッラーに、、、」
0887名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 17:09:50.46ID:xPt884HB
智美は目覚まし時計の声で目が覚める

あれ、メアリーはどこ?私のお友達は?
頭が寝起きでぼやーっとする
それに自分がいま、おしっこをしている事に気が付く
えっと、おしっこでメアリーを助けてるんだった
あれ?メアリーってアニメでしょ?アニメと現実は違うんだよ
ああ、そうか夢か。楽しい夢だったな

あれ、何で私おしっこしてるんだろ
ここっておトイレなのかな?
でもお布団が体に掛かってるから、、

「ああっ!」
智美はおしっこが殆ど出終わってからようやく事態に気が付いた
目が覚めてたのにおしっこをそのまましちゃってた
恥ずかしい恥ずかしい。顔が熱くてドキドキする
こんな失敗しちゃうなんて、、
でも、楽しい夢だったな、、、わたしがメアリーを助けてさ、、

あっ
また幼女趣味の妄想に浸っている事に気が付く
お布団干さなくちゃ
あ、でもおむつして寝たんだった
だから大丈夫、、、

お尻を上げるとぐしょっと音が鳴る
おむつはパンパンに膨れ上がっていた
パジャマも染みていてお尻を上げると昨日よりも小さいおねしょの後が出来ていた

大人のおねしょじゃ吸収しきれなかったんだわ、、、

智美は呆然としていた
どうしたら良いんだろう
どれだけ考えても、頭の中の大人の自分がいくら説得をしても
大人用のおむつを買う事を幼児趣味の智美が拒んだ

きっとお店に行っても買えないだろう
買えたとしてもあの無機質なオムツを履くのはきっと今の智美には不快感でしかない

智美はその日の帰りに赤ちゃん用品店で可愛いキャラクターのおねしょシーツを買った
他にも沢山の幼児向けの玩具を買って
袋を揺らす度にガラガラと鳴る赤ちゃんの玩具に心を踊らせながら、この先の不安も感じながら
0888名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 17:22:28.93ID:xPt884HB
更に一年とちょっとが過ぎた
最初は恥ずかしいばかりだったおねしょも段々と慣れてきた

何よりもおねしょをするときは高確率でお友達と会えて、寝起きのぼんやりした頭で自分の妄想の中のお友達がおねしょも全て肯定してくれていた
大好きなお友達は私のおねしょ癖も個性だから気にしなくて良いんだよっ!
とおねしょをする度に言ってくれた
それはもちろん智美の頭の中だけの話で
恥ずかしさから逃げるための現実逃避なのだが

それがいけなかった
おねしょを楽しいものだと心のどこかで勘違いをしてしまった
表面的には辞めたいと思っていたのだけど
心の奥底ではおねしょをする自分を誉めてくれるお友達が居るからと、喜んでしまっていた
毎日おむつをするのが当たり前になった
最初こそ悩みながら履いていたけども
おむつには可愛いキャラクターが待ってくれているのだから

身体も覚えて、それが日常になった
おねしょも「あーあ」と思いながらもどこか喜んでいる事に智美も感じていた
そして頭の中のお友達とおねしょおむつのままお喋りをするのだった

最初こそ控えていた寝る前の水分もいつしか気にしなくなった

どうせ頑張ってもおねしょは治らないんだ
いくら頑張ったって無駄だから
それならいっそ楽しんだ方が良い

努力は無駄だって言うとお友達は怒るかもだけど
「いっそ楽しんじゃおっ!」はお友達の口癖なのだから
0889名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 17:40:40.96ID:xPt884HB
筆記だけでなく実技も難なくこなせるように成った智美は大学でもトップクラスだった
もう誰も表立って智美を馬鹿にしない
「奨学金詐欺」と言ってきてたあの女も、私を見ると避けるようになっていた

もちろん、日々ヒドくなっていく幼女趣味に関しては陰で笑いの種に成っていたが
毎年2月の終わり頃には大学の隅で変身ステッキを振り回して呪文を唱えて居るらしいと噂になっていた
更衣室ではクマの柄の下着を履いていたとかおむつを履いていた、何て噂話も

今日はアニメグッズのバッヂを胸に付けて嬉しそうにしていた
あのバッヂ付けたまま大学まで来たんだろうか、、


彼女はバイト先ではすっかりバイトの中核であった
言われたことは何でもこなしてしまう
しかも誰よりもテキパキと
バイト中は何とか幼児趣味を隠そうとはして居たが
従業員の皆にはバレバレだった
押さえきれずに更衣室のロッカーに幼児向けアニメのシールを貼ったり下着も大人の女性が履かないような物だったり
そもそも通勤時の服が少女趣味な物だった

隠してるつもりは有るのだけど、抑えきれなかった
誕生日
いつもサポートありがとうございますとケーキがサプライズで渡されたのだが
そのケーキには大好きなお友達の絵が描いていて
「わぁぁぁぁぁぁ!」と思わず目を輝かして叫んでしまった

途端に恥ずかしくなったが、皆はイヤミではなく、喜ぶ私を本当に嬉しそうに見ていたので
それからは隠すのを辞めた
時間が有ればお店の皆にアニメの話やお友達の凄さを喋ってた
話を合わせてくれる皆がとても好きになっていた
0890名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 17:52:34.69ID:xPt884HB
卒業
長いようで短い大学生活も、伸びた能力と頭の中のお友達と一緒のおかげで
楽しく卒業を迎えた

バイト先では卒業後に社員に成らないかと言われていたが、より高みを目指す性格の智美は断った
とても楽しい職場だったけど
それならわざわざ難しい大学に行く必要は無かったのだ

智美は誰もが知る大企業への内定が決まっていた

後は卒業をして会社つとめをして、わたしは私の幸せを掴む、、


そう思った矢先だった
携帯が鳴る
母親からだ
なんて珍しいんだろう。一度も電話なんかしてこなかったのに
不機嫌そうに電話にでると、、
「父親が、突然倒れてしまった。もう長くないらしい。良かったら帰っておいで」

そんな
尊敬するおじいちゃん
私をこれまでずっと支えてくれてたお爺ちゃん死んじゃやだ!
泣き叫びながら電車に乗り込んで言われた病院に向かう

「お爺ちゃん!お爺ちゃん!おじいちゃん!」
病院では意識のないおじいちゃん
おじいちゃんベッドで泣き叫ぶ

それに驚いたのは母親とおばあちゃん
何せいつものあの格好
あの子供の頃から大人じみていた智美が人前で出るのも恥ずかしい格好でやってきて泣き叫んでいるのだ
「なんて格好をしているの!」
祖母に怒鳴られた
母親はうなだれていた
0891名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 18:03:51.08ID:xPt884HB
病室を追い出され
祖母に連れられ車に入れられた智美は事情を聞かれた
きっと何かよほどの事が有ったのだと祖母は信じた

普段から「嘘はぜーったいに駄目なんだよ。」とお友達に言われている智美は真実を話した
祖母は沈黙した後、泣き出した
「あの智美がおかしくなってしまった」

本当なのに
なんで信じてくれないんだろう?
アニメにどっぷりハマった智美には祖母が信じてくれないことが不思議だった
お人形さんをぎゅっと握り締める

「智美。お前には心配させるわけにはいかないから言ってなかったのだけど。私もガンが進行しているの。その看病と仕事でおじいちゃんは、、、。あなたの母親も何もしないし。もう、うちの家族は終わりだわ」
そんな、、、涙がでる
「挙げ句にあなたまでそんな、、。」
「どうすれば良いの?」
「あなたに何が出来るって言うの?」
「私なら出来るよ。だって何でも出来るしお友達だって居るんだもんっ!」

お人形を祖母に見せる
祖母はうなだれた
「無理よ、、」
「そんな事ない!」

「無理よ、、。智美の優しさには感謝するけど。おばあちゃんもおじいちゃんも、治らない病気じゃないけど私たちにはもうお金がないの。お金がないのだから生きられる治療ばかり受けられない。私達はあなた達親子を残して死ぬしかないのよ」

「そんな、そんなの!」
周りが白くなる
気が付くと隣にあの男性が座っていた
0892名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 18:12:25.79ID:xPt884HB
「お困りのようで」
「あなた、、これは一体?」
「ここは隔離された世界。あなたのお友達が言うところの【お茶会広場】ですな」
なる程。今の智美には分かりやすい説明だった

「それで、現れたって事は私を助けてくれるの?」
「いかにも」
「どうやって?」
「あなたは今、お金でお困りだ。なのであなたに大金を稼ぐ能力を上げてあげます。これも才能です。運とかそういうのが絡んでくるんですけどね」
「それで、対価は?」
「あなたの殆ど全てですかね。あなたには元々お金を稼ぐ才能が殆ど有りませんでしたので」
「そう、、」
「承諾するのであれば今すぐに闇金からでもお金を借りてきなさい。あなたが勤めるはずだった会社の信用が有れば借りられるでしょう。なぁに、どれだけ大金でも今のあなたが借りられる学なら数年で返せますよ」

自分が助けられる命を見過ごすなんて出来ない
お友達がいつも言っている事だもんね
智美の決断は言うまでも無い
0893名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 18:29:49.52ID:xPt884HB
さて、智美さんのその後ですが
いえ、ともみちゃんとお呼びした方が良いですね

ともみちゃんはあらゆる才能が下げられました
まずは一目で分かるのが身長
背の高さも幼児レベルまで落としました
せっかく上げた物覚えの良い身体も今では貧相な身体になりました
お腹もすこしぷっくりしていて子供らしいですね
言語能力も子供に戻ってしまった彼女は犬の事をわんわん、ネコの事をにゃんにゃん、車の事をブーブーと言うように成りました
知識の才能はそのままですが、言葉は上手く喋れません
わんわんが人間の言葉を理解できても喋れないのと同じですね

精神年齢も大幅に引き下がっていつもそばに誰かが居ないと心細くなってしまう様に成りました。
常に何かに頼らなければ不安に成るのです
ちょっとした事でも驚いて泣いて
何かが出来たら自慢げに周りの人に話すのです

大学生でもそんな事をする人は居ませんね
人をからかう程度なら年相応と言えるでしょうが
ここまで人の事より自分を優先する大学生はまず居ませんね

彼女じゃ毎日可愛いものに囲まれて玩具で遊んでテレビアニメを見ては一緒に動いて踊って叫んでいます
言語能力は先程言ったとおりですが
身体の動きはさすが高い能力値の持ち主
少し見ただけで完璧に真似っこが出来てしまいます

物は沢山食べられず、すぐに吐いてしまう
今では味の薄いお菓子と離乳食を少しと
戻さないようにゆっくり飲めるようにほ乳瓶で水分を取っています
基本は粉ミルクでたまにご褒美としてリンゴジュースを渡すと、小走りで喜んで、素敵なダンスを披露してくれます

おむつももちろん継続中
それでも幼児向けの小さなおむつをしたって溢れ出しておねしょシーツを汚すことは殆ど無くなりましたけどね
変わりに、おねしょだけではなく、起きているときのお漏らしもするように成りました
お漏らしをするのはおしっこだけでは有りませんけどね
0894名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 18:47:55.30ID:xPt884HB
肝心の「お金を稼ぐ能力」ですが
これは本当になんでもありでした
彼女のこんな愛くるしい日常風景をカメラに収めて動画にすると再生数が一気に伸びてあっと言う間に借金を返してしまいました
それだけではありません
彼女の人気にあやかって彼女に玩具を渡して遊ばせて
所謂ステマをしようとしたのですが

舌っ足らずで説明がな下手な彼女は玩具に対して何かを会社の人間に伝えてきました
後から録音したその音声をじっくり読み解くと、おもちゃの改善するべき所
どうすれば面白くなるかを一生懸命語っていました
その通りに改善すると全国的な大ヒット
親が喜ぶ商品ではなく、ともみちゃんと同世代の、、
おっと失礼
本当は20代の女性でしたね

ともみちゃんと見た目と精神年齢が同世代であろう子供達に大ヒット
ともみちゃんを知らない人まで世界中で大ヒットに成りました
それはおもちゃだけでなく様々な幼児向けの物で同じ事が言えました
ともみちゃんの指摘は誰も気づかなかった斬新な物で、しかも簡単な改善だったのです

今日も彼女はお母さんに甘えながらおむつを代えてもらって一緒に遊んで
眠たくなったら眠っておねしょをして
遊びたくなったら起きてアニメを見たり玩具で遊んだり

彼女の一番の才能であった「努力をする才能」も最低まで下げてしまいましたので
これからあなたがどれだけ願おうとも、自分から何か行動をする事は無いでしょう
まぁ、したところで何の意味も有りませんけどね

何しろこれがもう不可逆な彼女の姿です
どうかあなたの幸せを掴んで、、、

おっと一つ下げるのを忘れていました
性に関する興味のバロメーター
これも子供を作るための能力として人間に備わっているのですが、、
彼女は幼い身体と精神ですが大人の盛んな女性のままですね


まぁ、私にはもう関係有りません
私の目的
彼女の「努力をする才能」は私のものですから
0895名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 19:11:48.65ID:xPt884HB
ともみはいつもの楽しい夢を見ていると下半身の違和感で目が覚める
まただ
おねしょだけでなくうんちまで漏らしてしまったともみは目が覚めて悲しくなる
なんたってどうしたら良いのか分からない
自分で何とかしようとする気力も湧かない
「ママー!ウンウンなのー!」
すぐ近くにママが居ないのが悲しくて
お世話してくれないことが悲しくて泣き叫ぶ
すぐにママがおむつを持って走ってきた
そしておむつを外して気持ち悪いところを綺麗にしてくれておむつを履かせてくれる
この時にたまに我慢しきれなくてママの顔に目掛けておしっこをしちゃう
それがおもしろくてたまらないのだ
面白くてたまらないから我慢が出来ない

ママは嫌がることなく、怒るふりをして笑ってくれる

ママはともみの本当のママ
あれだけ何もしなかったママは私のお世話をいっぱい楽しそうにしてくれる
もしかしたらママの望みはこんな日々だったのかもしれない
色々大変だったからそれが出来ず、気が付いたらあんな生活に成ってしまっていたのかもな
そんな事を考えているとママがほ乳瓶を口に入れてくれた
ママに抱きかかえながら飲む粉ミルクはとっても美味しい

ミルクを飲んで満足して
気が向いたら遊ぶ
最初の頃こそ今の現状を脱出しなきゃとか考えていたけども
私は何も出来ないし何をしたらいいのかさっぱり分からなかった
何よりも今の生活が最高に幸せだから

たまに知らないおじさん達が玩具や日用品を持ってくる
楽しくなるのも有るけど、気に入らないことがあったらおじさん達に伝えるの
だって、自分好みの物になったら最高でしょ?
0896名無しさん@ピンキー2021/11/07(日) 19:13:44.73ID:xPt884HB
遊んでいると気が付かないうちにおむつが湿っている
また無意識なうちにお漏らししちゃった
おしっこだけで湿ったおむつが何だか楽しくて仕方がない
大学生の時、時々してたな、これ
今の彼女の楽しみの一つ

誰にも言ってなかったけど
もちろん言えるわけ無いけど
湿ったおむつであそこをゴシゴシするのが気持ちいいの
ああ、良いの気持ちいい。いっちゃいそう

身体が幼くなった彼女は愛液も出なければいくことも出来ない
いく気持ちよさを知っているのに永遠に解消されない大人の性欲
成長できない彼女はもう一生いけないだろう

それでも性器いじりは楽しい
どきどきする
特におしっこで濡れたおむつでするのが大好きなの
大学生の頃、おねしょの後はほとんど毎回していた悪い癖

ママに見つからないようにするのがとっても楽しいんだ
でも、他のことがしたくなったらそれをするんだけどね
あ、ほら。いつものアニメの時間だよ

母親はそんな悪癖も全てお見通しでほほえましく見守っていた
あの子の密かな楽しみを邪魔しちゃ悪いもんね

ふふっ
ほら、アニメみながら我慢できないでオマタを触ってるよ
あれで隠してるつもりなんだから、可愛いよね
最高の私のともみちゃん
あの子の為なら私はどんな努力もするわ
0897名無しさん@ピンキー2021/11/12(金) 22:56:05.20ID:DQHEHinE
乙乙
一応は自分の意志で堕ちていかせているのが秀逸だ
0898名無しさん@ピンキー2021/11/17(水) 11:21:42.03ID:oQscm4Ey
シコ度は低いけど面白かった
不思議と記憶に焼き付く感じ
特に幼児趣味にどっぷりに成る所とか
0899名無しさん@ピンキー2021/12/16(木) 11:55:44.61ID:hxhwV/1L
がん関係の記事読んでたら
肝臓の機能低下から来る肝性脳症ってのが有って
時間や場所が分からなくなったり、ものを取り違えたりするらしい

病魔に冒されて衰弱していく中で知能低下していくってのもいいなと思った次第
0900名無しさん@ピンキー2021/12/19(日) 16:44:30.00ID:SOLPgQO0
むしろ、運動音痴だけど頭がいい女の子が
脳筋になっていくたびに知能低下する方が好き
0901名無しさん@ピンキー2021/12/20(月) 14:39:31.44ID:3gWQTPVP
ティーカップマンさんとかyumuさんに永遠と課金してでも書いてもらいたい…
0902名無しさん@ピンキー2021/12/20(月) 19:10:30.64ID:oMXSNkl8
×永遠と
○延々と

お前が知能低下してどうするんだよ……
0903名無しさん@ピンキー2021/12/25(土) 08:56:09.37ID:kWsfLz1B
それ間違ってるのは永遠「と」の方だろ
永遠「に」が正しい
0904名無しさん@ピンキー2022/01/24(月) 18:38:56.77ID:Gi8CXsI1
ほんと、ここに書き込まれてる小説って
yumu先生以外しょうもない
特に一番最新の奴なんか長ったらしいだけで全く面白くない
0906名無しさん@ピンキー2022/04/05(火) 15:59:57.31ID:Gu/Y0fWA
優等生がわざと問題を間違うよう強制されて最終的に本当に知能低下しちゃうみたいなシチュ誰か書く気ありませんか?
ギャル化エンドよりは見下してたギャルにも嘲笑されるようなお馬鹿になったくらいの終わり方がいいです
0907名無しさん@ピンキー2022/04/11(月) 15:58:18.74ID:H9CPBPVo
>>906
渋にあるKGMさんの作品がおすすめです
0908名無しさん@ピンキー2022/05/28(土) 23:32:45.00ID:QQtYmgbB
今まで努力は早くにした方が得だと思い小さな頃から努力をし続け、有名大学に受かった女の子。
勉強する努力。スタイルを維持する努力。対人関係をうまく回す努力。おしゃれをする努力。遊びを我慢する努力。
これらの努力を少しずつしなかったことに改変していく…。
みたいなやつ思いついたけど長文で書いてくれないかしら。
0909黄色い水溜り2022/05/31(火) 02:52:20.43ID:+mn1ANYl
2030年

立花智美22歳

彼女は今から輝かしい未来に向かって進んでいくのだ



有名高校に進学し、有名大学に入学した彼女は大学の制度を使って海外の大学に一年間の留学も経験した

頭脳明晰・品行方正・スポーツ万能

まるで非の打ち所の無い彼女は当然のように一流の会社への就職が決まった

今日はその入社式



一部の人の妬みやっかみはあれども

彼女を心の底から嫌いだという人は聞いたことがない

まるで違う次元の人のようで、やっかむだけ無駄な事だと誰もがすぐに理解する

それに誰に対しても優しく陰口のネタすら見つからない彼女に誰が悪口を言えるだろうか



見た目も女性ですら息を飲む美人

元々のものも有るかも知れないが、保たれた美貌は幼い頃から保たれたものに他ならない

美は一日にして成らず

一度でも崩れた身体はどうしても「一度崩れた事がある身体」なのだ

彼女にはそれがない



いったい彼女は彼女自身を磨き上げるのにどれだけの努力をしてきたのか、、、

だからこそ誰もが彼女を羨んでも憎むことは無かった

例え妬んだりやっかんだりしても彼女を見れば見るほど別次元の存在だと認識して憎めなくなってしまうのだ





一流会社の入社式

新入社員も勿論日本の宝のような若者ばかり

そんな中でも一番期待されているのは立花智美であった
0910名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 02:56:02.01ID:+mn1ANYl
2060年

早草谷子 75歳


彼女は今、病床に伏せて病院の一室に居た

身体の節々が常に痛く、起き上がる事すら困難



医者に処置して貰った痛み止めで何とか精神を保っていられる状態

病室はとても質素で、小綺麗にはされているがあちこちにボロが来ている

医者も一流とは言えないごく一般的なお医者さん



勿論、感謝はしているのだが、、、

彼女の経歴からすればあまりにも虚しい最後の一時

家族の居ない彼女にお見舞いに来る人だって居なかった





痛み止めの影響からか病気の影響からか意識が朧気に成りながらもベッドの近くに置かれた小さなテレビを見つめる

いや、視力も覚束ない彼女はもはや聞いてると言った方が正しいかも知れない



テレビから聞こえてくるアナウンサーの声



「あ、出てきました!彼女こそが日本初の女性総理大臣・立花智美、52歳!

国民からの支持は絶大!数々の大臣を歴任し、日本の政治を変えてきた彼女がとうとう総理大臣に就任しました!

あ!所信表明がいよいよ始まるようです!いったい彼女は日本をどの様に、、、」





聞こえてくるあの憎き女の麗しい声

そして盛大な拍手とかつての仲間達の歓迎する声





「本当なら私があそこに立っているはずだったのに」

そう、彼女もかつては人気の有った政治家であった
0911名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 02:56:47.54ID:+mn1ANYl
それが今ではこんな有り様

全ては20年前の話

谷子が55歳の頃



政治家として彼女が政治家仲間から支持を得るにはほの暗い事もしなくてはいけなかった

一蓮托生

政治が事を成すには誰かが埃を抱え込まなくては成らない

彼女も皆と同じ様に埃を抱え込んでいた



ある種の共犯関係というか

皆で日本の未来のための叩くと出る埃を叩かれないように抱え込んでいた

だからこそ何かの時に協力関係に成れる





それを許さなかったのがあの智美だ

あろう事かその埃を大々的に公表しやがったのだ



まだ新人だった彼女はそれをきっかけにマスコミと国民から絶大な人気を得ていった

今までの政治ならそんな彼女を許せるはずもなく政治家からの指示も得られず消えていくだろうと思っていたのだが

彼女は今、テレビの中で輝かしく日本の未来を語っている
0912名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 02:57:20.19ID:+mn1ANYl
それに比べて私はと言うと

沢山の埃にまみれて窮地に立った私は皆のために彼女を排除しようと動いていた

それが余計にいけなかった



その事がマスコミの恰好の餌食と成って辞職へと追い込まれてしまった

共犯関係であったかつての政治家仲間達にまで自己保身の為に裏切られ、、





20年で彼女の生活と性格はすっかり変わってしまった

智美憎しの人生



再起をはかろうとした政治活動もことごとく失敗に終わって財産も殆ど残っていない

仲間なんてもはや居ない

残ったのは智美への憎しみだけ



彼女に復習出来るのであれば何だってするのに。。。
0913名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 02:58:34.70ID:+mn1ANYl
谷子がテレビを睨みつけていると視界がぼやける

元々ぼやけていたがそれとは違う、何かモヤの様な物が見えるような感じ

モヤは段々と集まっていって具現化していく


そこには人がいた

「どうも。ご要望が有ればお聞きしますよ」



モヤが話し掛ける

谷子は最初、テレビから流れてくる音かと思った

でも、違うようだ

誰かが居る



「誰?誰かいるの?」

「あー、少々不便な様で」



男が手をかざすと視界がはっきりしてくる

男がはっきりし始めたのではない

彼女の視力がはっきりし始めたのだ

よく見えなかったテレビ画面もはっきり見えてきてあの憎き智美の麗しい顔が見える

何だ、まるであの頃と見た目が変わって居ないじゃないの



どこか壁一枚隔てて聞こえているようだったテレビの音もはっきり聞こえはじめ、煩く感じた





「これは一体??」

「一時的に私の視覚と聴覚を共有したまでですよ。先程のままだと会話に成らなそうだったので」

「あなたは一体何なの?」

「私ですか?まぁ、人ではない何か、ですね」



超常現状など信じ無かった彼女も

視覚と聴覚をいきなり戻されては信じるほか無かった
0914名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:00:34.60ID:+mn1ANYl
「それで?私に何か用事でも?」

「あなたはテレビに映っている彼女を相当憎んでいる様で。そんなあなたのお手伝いが出来るのではないかと思ってやってきたのです」

「手伝い?彼女をころしてくれるとでも?」

「いえいえ、それはさすがに出来ません。私に出来るのは過去を遡って努力数値を弄るくらいで」

「努力数値?」



「ええ、人間は努力を自分の成果だと思い込んでいますがね。努力も生まれ持った才能なのです。あらゆる事において努力が出来るか出来ないかは最初から決まっていましてね」

「そんな事、、、」

「信じられませんか?」



人成らざる何か

その男が何か人間とは違う存在なのは分かる

信じるほか無さそうだ



「何でそんな事をしてくれるの?」

「まぁ、私どもの余興みたいなものです。勿論、代償は頂きますけどね」

「代償?代償なんていくらでもくれてあげるわよ。彼女を貶められるならね」

「そうですか。それでしたらお手伝い致しましょう」

「それで?どうすれば良いの?」



「あなたは要望を言っていただければ結構。後はこっちで処理致しますので。努力値を下げると言っても一律では有りません。様々な事柄に努力値が決まっているのです。
勉強する努力。スタイルを維持する努力。対人関係をうまく回す努力。おしゃれをする努力。遊びを我慢する努力。などなど」



なるほど

さて、どうしたものか

そもそも彼女が居なければ私はこんな事には成っていなかった

彼女が政治家に成っていなければ私は今頃。。。

高名な家系でも政治家の子供でもない彼女が政治家に成れたのは他でもない、勉強が出来たからだ

勉強をする努力を奪えば、、、


「決めたわ。智美から。立花智美から勉強をする努力を奪って頂戴」
0915名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:01:39.61ID:+mn1ANYl
2030年

入社式も終わり、午後からはこれからの研修についての説明と会社の案内

難しい入社試験を突破してきた彼ら彼女らにとっては退屈だけど大事な儀式みたいな物

人事部の人達もそれを分かっていて新入社員の若者達を試すつもりだった

研修の出来如何でこれから先の配属部署が決まっていく



出世コースかそうでないか



お昼ご飯を新入社員の皆と社食で食べる

やはりみんな優秀だ



彼女の求めていた高い次元の会話を皆がしている

勿論、会話の中心は智美だった

会社の未来・日本の未来・世界の未来

そして私達の、、、





智美の視界が突然歪む

まるで何かが自分の中で変わっていくような、、、





「立花さん、どうかされましたか?」

「あ、いえ、何でもないです。ちょっと疲れたのかも」

「新しい生活の始まりですからね、しょうがないですよ」

「ええ、そうかも知れませんね」
0916名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:02:20.24ID:+mn1ANYl
「所で話の続きですけど。やはり日本がこれから世界と渡り合うには金融でのまやかしではなく世界に認められる商品作りとサービスだと思うんです」



金融?金融って何だっけ?テレビで見たような

ああ、金融ローンって事か



「ええ、そうね。借金何て良くないですもんね」

「え?借金?」

「え?」

「ああ、まぁ、そうですね。国の借金は良くない事ですけど、、それで社会が回ってる部分も有りますから、、、」



あれ、困惑させちゃったのかな?と言うか国の借金って何?変なのそんなのさー



「国がお金作ってるんだからお金どんどん刷っちゃって借金返せば良いと思いませんか?」

「は?」



場が凍りつく

智美は自分がおかしな事を言ってしまったのが分かる

でも、何がおかしいのかまるで分からない

何が間違っているのだろう





「はい、新入社員の皆さん。お昼休憩はおしまいです。これから各部署へのご挨拶に行きましょう」



この場は解散。皆立ち上がる

良かった、これ以上さっきみたいな空気は耐えられなかった

何も間違った事は言ってないはずだもん



先程会話をしていた人達は智美を避けるような素振りを見せていた
0917名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:03:05.39ID:+mn1ANYl
「こちらがこの会社の本拠地ともいえる部署です。勿論、会社は色んな仕事が有るから回っては居ますが、この部署無くしてこの会社は成り立ちません」



「お、毎年恒例の新入社員行脚か」

「よろしくお願いします」



皆が口を揃えて挨拶をする

「で、そちらの美人さんが例の?」

「ええ、そうです。歴代トップの成績と面接での好印象で入社された立花さんです」

「あ、立花智美です。よろしくお願いします」

「あはは。緊張してます?まぁ、君ならきっとこの部署に配属に成るだろうから今のうちに成れておくように」

「え、あ、はい。よろしくお願いいたします」



智美に嫉妬の目が向けられる

特に先程話していた人たちの目線が痛いくらいだ



「で、勿論この部署が何をする部署なのかは知っているよね?」



当然だ。知ってるからこそこの会社に入ったのだ。

これから先の日本を変えていく会社の主要な仕事

それは、、、



「えっと、、、」

あれ、出てこない。知ったから入ったのだ。知ってて当然

昨日までの私はこの会社の素晴らしさをあれほど雄弁に語っていたはずなのに、、、



「えっと、確か物を作る過程でサービスをこーちく?するみたいな。えっと、、つまりは地軸を想像して地球を支えるための、、、」

「君は何を言ってるんだ??」
0918名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:03:33.70ID:+mn1ANYl
部署の先輩の表情が変わるのが分かった

軽蔑をしている目だ

どうしよう、、何で?こんな筈じゃないのに。何がどうなってるの



「良いですか!」

「後ろの君、どうした?」

「彼女の変わりに私が説明させて頂いてもよろしいでしょうか?」



先程会話をしていた同じ新入社員の彼だ

「彼女が言いたいのは地球を支えるための地軸、、、ではなく、この地球の、つまりは人類の安定的な平和の軸となるサービスの構築が大事という話だと思います」

「ふむ。続けて?」

「つまりこの部署、、と言うよりこの会社の目指すのは、、、」





智美には彼が何を言っているのかがまるで分からなかった

しかし彼の発言の後に部署の人がやたら感心していた

だからきっと正解なのだろう





どういう事なのだろう

彼女にはまるで訳が分からなかった
0919名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:04:50.60ID:+mn1ANYl
2060年

早草谷子の病室


いつの間にか寝ていた谷子が目を覚ますと病室の様子が違っていた

やたらと小綺麗で染み一つ無い

まるで作られたばかりのよう病室

はっきり見えない視力でも部屋が豪華なのが分かる



これは一体

近くの椅子に男性が座っている

首が傾いているので寝ているのだろうか

男に話し掛ける



「ねぇ、これは一体どういう」



男がハッと目が覚める

「ああ」

涙声で振り絞った様な声

「お目覚めですか!今すぐ皆さんをお呼びします!」



そう言うと男は駆け出す

「あ、ちょっと、、、」



谷子の声を聞く間も惜しいのかすぐに病室を出て行ってしまった

あの男は、、、そうだ、長年私の秘書をやっていた男だ

もう15年は会っていなかったので忘れていた

はっきりは見えなかったが15年分きっちり年を取っているような感じだった



数十分後

病室に沢山の人がなだれ込んでくる

「総理!ご無事でしたか!」
0920名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:06:11.86ID:+mn1ANYl
谷子には訳が分からなかったが、話を合わせるとこんな感じ

私は公務の途中で倒れて長い間意識不明だったらしい

そんな私は総理大臣

いや、倒れてからしばらく後に解任されて今は元総理大臣だそうだ

やってきていたのはかつての政治家仲間達

世界が変わっている

変わっていないのは私の記憶だけ

これはどういう事なのだろう



静かになった病室で一人ぼーっとしていると視界がぼやける

モヤが近付いてくると視界が若い頃のように見えるように成る





「如何でしたか?」

「あなたね。これは一体どういう事なの?」

「今のこの世界はあなたが望んだ立花智美が勉強をしなかった結果の世界です」

「でも私の記憶には無い世界だわ」

「それはそうです。あなたはそのまま、世界だけが変わったのです」

「そんなの、、そんなのって無いわ。それじゃあ私の過ごした悔しい20年はそのままじゃない」

「そう言うことに成りますね。でも、こればっかりはどうしようも有りませんので」

「そう、、諦めるしか無さそうね。これから先のことを考えて、、、」

「それも無理な話です」

「え?」

「あなたの寿命はもうすぐ終わりです。これは宿命ですから」

「じゃあ、、、私の中で何も変わってないのと同じじゃない!」

「でも、誰からも忘れられて死ぬのと沢山の人に囲まれて死ぬのでは全く違うのでは?」

「そんなの、、、そんなのどうだって良い。私は総理大臣としてしたい事が沢山、、」

「それはこの世界のあなたがきちんと成されました」

「それは私じゃない。私じゃない私がした事よ!」

「どうやらお気に召さなかったようで、、、でも、復讐は果たされたかと」
0921名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:07:14.83ID:+mn1ANYl
男が手をもう一度かざすと智美の人生が見えた

彼女の入社式の日のあの失態

良い気味だわ


「でも、智美は勉強をしなかったのにあの会社に入社してるのはどう言うこと?」

「原理はあなただけがこの世界に居るのと似たような感じです。勉強の努力をしなかった結果だけを22歳の彼女に与えたのです」



ふーん。よく分からないけどそういうものなのね





そしてその後の彼女の生活、、、

「は?何よこれ!」



彼女は幸せな人生を送っていた

会社をクビに成ったものの、あの時の新入社員の男性と結婚

多くの子供にも恵まれ、男性は心から智美愛して今も幸せに暮らしていた



お馬鹿だけど誰からも愛される女性

私の20年を奪った彼女が一生の幸せを手にしている

許せない



「どう言うことなのよこれは!」

「彼女の魅力は勉強をしなくなっても失われなかった様ですね」

「どうにかしてよ!」

「これで満足される方があなたの為かと」

「そんな訳無いじゃない!」

「しかし続けるとなるとその分代償も、、、」

「どうせ私は死ぬんでしょ。代償なんてどうだって良いわよ!」



「そうですか。それでは次はどの努力値を奪いますか?」

「それは勿論、スタイルを維持する努力よ」
0922名無しさん@ピンキー2022/05/31(火) 03:08:19.27ID:+mn1ANYl
2030年

立花智美は入社をしたのは良いものの、すっかりお荷物社員

社内抗争に負けた人たちや損害を与えたもののしぶとく会社に残り続けている人達が所属する有閑部署

他の部署の雑用だけをするような部署のお茶くみ係の様な仕事をしていた



皆にお茶を汲んで部屋の掃除をしてすっかりやることもなくなって席にただただ座っていた

他の人たちも特にする事が無さそうだった



智美の一日は、後はお茶を入れ直すか頼まれて他の部署に資料を届けるぐらい

退屈な日々

たまに見かける同期は楽しそうに仕事をしている

私もあっちに行きたい

そう思って色々勉強をしようと思うのだけどのいつも気が付いたら寝ていたりテレビや動画をぼんやりと見てしまう日々

気が付けばもうすぐ夏も終わる





そんな智美だけど、社内の男子には人気者だった

何たって見た目が良かった

最近ではあの時の同期の男性と良い感じ



智美の最近の楽しみ彼と会う事

今日はそのデートの約束もしていた





「立花さん、ちょっとこれを届けて来て貰っても良いかな?」

「分かりました!」



届け先はこの会社一番のあの部署

しかもあの彼に届ける事に
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。

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