表通りでは朝の通勤ラッシュ真っ只中だろう頃合いの、どこかアンモニア臭い繁華街の裏路地に建つ、小汚い雑居ビルの二階。
 ビデオ販売店―――まあ場所柄相応に偏った品揃え、かつ売り場面積の半分以上が『関連グッズ』で占められているような店の奥。
 非常階段の影が窓にかかる、この店のオーナー兼『情報屋』の男の居住エリアに、しぐれはいた。

「んっ!んっ!―――ぅん…っ!ん、ぁ…!ん!っんん…っ!」

 荒い息遣いと衣擦れ、肉同士がぶつかる湿った音を伴奏に、しぐれの鼻にかかった囀りが響く。

 ステージはやや雑然とした部屋の扉の前、食卓と兼用らしい応接セットのガラステーブル。
 天板に片膝を突き、肩まで肌蹴た着物と捲り上げた鎖帷子の間からまろびでた乳房を、背後から鷲掴みにされている。
 乳肉を容赦なく握り潰し捏ね回す粗雑な掌に上体を預けて、腰を折って突き出した尻を、好き放題に打ち据えられている。

 叩きつけているのは、浅黒く筋張った、男の腰。
 股布をずらされたしぐれの女性器に男根が突き立てられて、荒々しく抽迭されている。

「ん!ぁ!ぁ!ぁっ!―――ぁ、あぁあ…あっ!!」

 掴んでいた男の前腕に爪を立てながら、しぐれが一際甲高く、大きく鳴いた。
 ぶるぶると胴震いしながら顎を突き上げ―――がくり、と脱力する。