『なっ…!?』
なぜ女メイジの名前を知っているのか。動揺するケインに、女が追い打ちをかける。

「夢でうなされながらしきりに言ってたわよ。

『カリーナ許してくれ』『すまないカリーナ』『俺だって助けたかったんだわかってくれカリーナ』

カリーナって女の名前よね?そしてあの場で私が殺した女は一人だけ。
あなた、よほどあの女メイジに御執心みたいね」
『違う、俺はそんな…』
「声が出ないから誰も気づかなかっただけよ。あと、面白いこと教えてあげる」
ケインを見る女の目が悪戯っぽく笑う。

「あなたね、カリーナの名前を呼んでる間、ずっと勃っていたのよ“アソコ”が」
『なに……』

女が指でさしていたのはケインの股間だった。

『そんな、バカな、ウソだ、ふざけるな、』
「そう思いたいのは勝手だけど、あなたも見てたんでしょう、カリーナが忍者たちに犯されてる一部始終を。
そして何度も夢に見てたはずよ。そこだけ都合良く見ないなんて普通ありえないでしょう?」

『そんな そんな──』
世界が揺らぐような感覚がケインの意識を揺さぶり、忘れていた夢の記憶を呼び戻す。