「認めなさいケイン。あなたは身勝手で仲間のことなんか本当は何とも思っていないエゴの塊。
犯されて殺された女に欲情してるくせに、悪夢を見て自分に言い訳をしている未練がましくて情けない男。
そして何の誇りも信念もなく、命惜しさに仲間の仇の言いなりになる無力で哀れな最低のクズよ」
『やめろ!!やめろ!!もうやめてくれえええええ!!!!』

女の言葉は容赦なくケインの本性を暴き、醜い真実を突きつける。
女の声を遮ることも止める力もないケインはただ煩悶し、あがき、のたうち回るしかなく。
耐え難い現実にケインの精神が限界にきたその時だった。


「───だから私が抱いてあげる」


『───え…?』
女の言葉が、ケインの狂乱を一瞬で鎮めた。

『なんで、だ…』
「言ったでしょう、あなたは本当は仲間のことなんかなんとも思っていない。
それはカリーナを殺した私への憎しみもニセモノということよ。
そして何よりあなた、私をずっと物欲しそうに見てたわよね?」
『うっ…!』
「もうニセモノの憎しみなんて捨てなさい。そして私と愉しみましょう……人でなしのケイン……」