それから授業は淡々と終わり
(はーあ❤今日もやっと終わったぁ……)
ホールルームも終わり生徒達は次々と教室を出て行った。残ったのは自分と瀬田の二人だけ。響は安堵の溜息を吐ついた。
(えーとぉ〜後は学級日誌を書いて先生に提出するだけかぁ……。そのくらいは、私がやらないとね……)

 響は学級日誌を書き始めた。日直当番としての仕事は殆ほとんど瀬田がやってしまったので、響も気を使う。
「えーと5時間目は体育だったっけ…後は……」一応科目は書き込んだが……
「あれぇおかしいなぁ?今日はどんな事やったのだっけ……」

 授業内容で響は今日やった授業内容が、思い出せなかったのは今日一日何時も以上に胸を詰られたりしたためだろう。
「どした響?日誌てこずってるみたいだけど」
「あっ瀬田君……」
響の様子を見かね瀬田が助け船を出して来た。
「今日やった授業の内容おぼろげしか憶えてないのか?」
「ゴメンなさい……色々あって」
響は顔をうつむき…内心
(あーあ……また「胸の大きい娘は、頭が悪い」とか瀬田君も思っているのだろうな)
などと響は心の中で溜息を吐ついた。

実際響は成績自体下から数えた方が速く、運動神経も鈍臭い方である。
ただそれは胸が大きくなる前からその調子で…別に胸が大きくなってから途端に成績が落ちた訳でも運動神経が悪くなった訳ではない。

(あーあ……やっぱり胸なんか大きくなっても全然良い事なんて無いや……)
響はほとんど口癖の様に、その言葉を心の中で何度も繰り返した。
が…そんな響の暗い気持ちを察して、瀬田が響の顔を覗き込んで来た。

「音倉さっきからなんか暗い顔している…元気出せよ」
「あ……な……大丈夫だよ瀬田君何でも無いから」

響は慌てて明るく取り繕う。元々響は可愛さに加えて明るさから周囲のムードメーカーだった事から男子に元から人気があった。
しかし急激に成長した胸の所為で性的な魅力からの人気が高まってしまっていた。
それまで普通に友達として接して来た男子が、皆一様に響の胸に熱い視線を送り…夜のおかずにするようになったのだ。
(あーあ……私は胸しか取り柄が無いのかなぁ……)
響は再び心の中で溜息を吐いた。

「やっぱり…また暗い顔スンナって!似合わねえから」
「あ……瀬田君大丈夫。何でも無いから」
響はまた慌てて取り繕ったが、今度は瀬田も引かず響に話しかける
「最近何か暗い表情すること多くなったし…悩みあるのだったら俺が相談に乗るぜ」
「そんな事無いよ……私大丈夫だから…」
「だから!いつも明るいお前が暗い顔するから変だって言っているのだ!俺に気を使うな!」
その様子に響は瀬田の印象を改める
(瀬田君。本気で私の事心配してくれているのだ)
響は瀬田の本気で悩みを相談すると言う言葉が嬉しかった。「爆乳娘」としてでなく、ちゃんと「明るい娘」として見ててくれた事を……。