膀胱との間で、膣をサンドイッチしており、まるで、
ウンチとオシッコが隣り合わせのような状況です。
この人の下腹部では、こんなにもオシッコとウンチが
同居してパンパンに詰まっているのです。
そう思うと、何かヘンな気分になってきました。
自分の下腹部にそっ、と手をあてます。
あぁ、もしかしたら、今の自分もこんな風な状況なのかもしれません。
でも、この状況は悟られない方がいい、となぜか
直感的に思いました。
あんなCGを見せられていたからか、気のせいかオシッコの出口と
ウンチの出口がむずむずとします。
さらにこの画面の片隅には、こんな表示がありました。
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| 推定滞便量=832g
| 推定滞尿量=535cc
| 最終排便日=----/--/-- --:--:--
| 最終排尿日=20XX/04/06 07:53:49
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「あれ? 今度は推定“排便”量じゃなくて、
推定……たいべん量?」
私が不思議そうに読み上げると、先輩がまた凄い勢いで
解説を始めてくれました。
「よく細かい違いに気付いたわね。
そう、お腹の中に溜めている状態の量が滞便量や滞尿量で、
出してしまった量が、排便量や排尿量ね。
これは、お腹の中の便や尿の形状を三次元的に計測することで、
体積を求めているの。オシッコの量はこれで十分ね。
便の場合は、その体積に平均的な密度を掛ければ、
お腹に中に溜まっている量、というか重さが求まるでしょ?
そして、排泄前の体内量から、排泄後の体内量を
差し引くと、オムツの中に出してしまった量が出る、というわけ。
簡単な算数ね。」
“算数”というにはむずかしすぎます。
それにしても、ウンチやオシッコを我慢して溜めている量、
そしてそれをお漏らししちゃった時の量まで、
みんなバレちゃうんです、このオムツ穿いていると…
確かに穿いてる人のプライバシーもへったくれもありません。
とんでもないオムツです。
「それにしても、800オーバーって半端じゃない量ね。
健康に良くないわ。」
(ホント、凄い量…この子、私みたいに我慢しているのかな…?
それとも酷い便秘なのかな…? 私もこんなに一杯溜めちゃう前に、
なんとかどこかで出さないと…)
香澄先輩がこの画面をダブルクリックすると、
パスワード入力画面が出てきました。
目にも止まらぬ速さでパスワードが入力されると、
今度は、小さなダイアログで個人名が表示されました。
そこには、見慣れた名前が表示されていました。「花嶋睦姫」、と。