「ごめんね……私が寝ちゃったから……」
「ううん。ボクだって、気持ち良かった……何だろう、お姉ちゃんとセックスしてたときは貪ってる感じだったのに、翼とのセックスっていつも愛されているなぁって感じた。
まあ、人によっては刹那的って言うかもしれないよね……子供作れないし……」
 刹那的。愛があれば関係ないと私は思いたい。だけど、優の場合は少しだけ大人だから、色々と知ってることがあるのかもしれない。
たぶん、私はそういうものにきっとたくさん出会っていくのかもしれない。
 由香子さんが帰ってきて、最初の反応は私の雰囲気が何か違うということだった。経緯を説明すると目を丸くして驚いた。
「……トランスジェンダーの友達でも、なんて言うのかな? そういう劇的な変わり方ができた人なんていないわ……
やっぱり、翼ちゃんが言っていたことがある意味では、説得力のある答えね……優とわたしは別れてしまったと思っていたけれど、
ひとつになるってのも上手くいかないものなのね……ところで……お祝いはいつする?」
 それは嬉しいけれど、まだ早い気がした。私にはやり残して、これから続けないといけないことがあるから。
「……それは、私が男の人に抱かれても平気になるまで待ってください」
「了解……」
 さすがの由香子さんも無理強いはしなかった。そして私が部屋を出るときに、
「今度、一緒に買い物行きましょう。それから、静さんのお店に行って、今のあなたを見せてあげたいから……」
「ずるいよ、お姉ちゃん。翼とデートするのはボクなんだから」
「一緒に、行くってことでどうでしょう?」
「「賛成!」」
 この姉妹はいつも楽しいね。