ここまで言われているのに余裕も拒否感も少しも沸き上がらなかった。これには私も驚きがあるけど、それを見透かされたくないから強く冷静を装った。
 左腕で鎖骨の高さに回し、右腕でブレザーのリボンを取られる。
 ブラウスのボタンが見えるようになったから、そのまま脱がされるのかと思ったら、袖口のところから手を突っ込まれて触ってくる。
「……思ったよりも大きいな……」
「んっ……大きい方が好きですか?」
「いいや、人それぞれだ」
 そのままブラウス越しに胸をまさぐられる。少しもどかしい。そんなことを考えているうちにブレザーのボタンが外されていく。
 左腕はいつのまにか腰に回されて、少しずつ衣装を脱がせていく。
 ブラウスのボタンを外されていくと、少し動きが止まる。
「外見が女子高生なのに、なんてブラジャーしてるんだよ……」
 男の人は分かっていない。女子高生だって、それなりに下着にはこだわってる。
 Tバックとかまではいかないけれど、あの子だって私のためにちょっと奮発してシースルーのブラジャーを用意していたりする。
 何を着ているかなんて脱がせる人しか分からない。
「……女の子の下着にまでこだわるタイプですか?」
「いや……俺が若い頃はそんなに派手な下着がなかったからな……変な違和感が」
 それを聞いたら先輩たちは幻滅しちゃうよ。シースルーどころか、マイクロビキニみたいな上下セットしているんだもん。
 あれは、私なら絶対に着たくない。
「……自慢じゃないけど、私はこのお店で最年少みたいだから、ジェネレーションギャップがあってもおかしくないかも……」
「ちょうど二十歳の奴らがいたが……彼女らは大人しめだったんだがな……」
「他の子と比較しないでください……」
 そういうところを比較されるとあまり面白くない。優とのことは別に構わないのに。少し不思議。
「まあ、どっちにしろ脱がすがな」
 ブラウスのボタンが外され、身体が離される。そして向かい合いになってブレザーとブラウスを脱がされていく。
「スカートもだ」
 上半身は脱がすのを手伝ってきたのに、下半身は触れないのに意味はあるのかな。
 よくわからない。プリーツスカートを脱ぐと上下セットの下着姿。やっぱりこういう格好は恥ずかしい。
 下着のときってなんで裸より恥ずかしいときがあるんだろう。本当に不思議。