ある日、突如自宅のPCの前に現れたサキュバスに「外見だけ女性」化させられた「HN.鴨女=死刑執行人」

 「な!?何じゃこりゃあッ!!?」
 パッと見は、背中に届く長い黒髪のポニテ、30代半ばくらいの普通のOLみたいな姿だった。
 いや、顔立ちについては普通より整っている方だと言えた。はっきり美人だと言えるくらいに。
 (こ、これ…俺か?!…)

 しかし。

 「ウフフ。中々どうして、可愛い姿になったものねぇ、貴方」

 「くッ?!…今の俺のふざけた姿は、お前の仕業か?!」
 HN.鴨女が目の前の女悪魔・サキュバスに、声を荒く訪ねる。外面的には女性化してるため、その声は若干甲高いが。
 「そうよぉ〜私ぃ、サキュバスちゃんの仕業なのぁ〜!すごいでしょ〜!」
 「…こ、この…!?」
 妙に明るく、間延びしたかつ甘ったるい響きの声。しかし、その声には聞く者の意識を眠くさせるどころか、
心臓を鷲掴みにされたような、凍りつく恐怖を呼び覚ます感覚も伴っていた。
 (あ、悪魔か…本当の)

 「しかし、だったら何故―」
 「何故、なぁに?」

 鴨女は一呼吸置いて。

 「下半身に、アレだけ残ってるんだよおおおおぉぉッ?!」

 力一杯叫んだ。