(…ッ!…今は、頷くしか…)

環は、現状ではどう足掻いても、この雄二に反撃する力もなく、手段も思いつかなかった為、
首を縦に振るしかなくて―

「ゆ…ご、ご主人様…どうか、私を…存分に可愛がって…ください……」
「ああ、可愛がってやるとも」

雄二はそう言いながら、裸体の環を力任せに抱き寄せて、接吻して舌を絡ませながら、
ここまでなっても、この姉の心の中、芯となる部分には、まだ正気が残っている事に気づいていた。
(ま、身体を汚されたくらいで折れる器(タマ)じゃねえってのは、薄々察しがついてたが…
我が姉ながら、つくづく超人だなぁ、て思うわ)

雄二のその思惑は当たっており、結果的に何度も蘇生できてた事、させた事が、
ここに来て僅かに環の心に開き直り的余裕をもたらして、自らの肉体を
雄二にいかに恥辱的に貪られようとも、いつか反撃の時が来る、その機会を得るのだ、と
野心を密やかに燃やしつつ、今はまだ、淫乱で、精神崩壊した哀れな痴女―を演じるのだ、と結論していた。

「き、気持ちいい…ですか?……ご、ご主人様ぁ…」
だが、雄二の方も、それをただ待つばかりではなかった。

「悪いな、オレ様は今日はもう店仕舞いなんだわ」
「…はあ…はあッ………は?」 ぽかん、とする環。

(さあて、「切り札」を使わせてもらうか)
雄二の方もまた、密かにタマ姉への「秘策」を隠し持っていた―