こうして何度か病院にお見舞いに行くに連れて、確実に距離が縮まる二人。
木村の突拍子の無い下ネタに呆れつつも、根はしっかりと生徒を思いやる人なんだと知る暦。
暦「何か…悪かったな、先生」
木村「何です?藪から棒に」
暦「いや…その、何つーか、先生のこと、ちょっと変た…変な人だとずっと思ってたから」
木村「?謝ることないでしょう?実際変な人だとよく言われますよ、マイワイフだってよく言ってます」
暦「自覚あったんですね…はは」
木村「でも、こうして面と向かって素直な気持ちを伝えてくれて私は嬉しいですよ」
ふっと、穏やかに微笑む木村。
木村「有難う、水原君。こうして何度も見舞いに来てくれて」
かっと暦は顔を赤らめる。らしくない。らしくないことを言うな。反則だと思った。
何だかいい感じ、というか気恥ずかしい空気を(恐らく暦だけが)感じる。
暦「お、そうだ花瓶の水でも変えてきますよ」
その空気から逃れるために、暦はベッドの反対側にある小さな棚の上に飾られた花瓶に手を伸ばす。
暦「…っと!」
と、反対側から無理矢理手を伸ばしたため、バランスを崩した。
むにっ
木村「はう!!」
見事木村の下半身に暦の上半身が横から倒れこんだ。
暦「ごめ……って」
謝ろうとした暦だが、自分の胸に妙に硬い感触が感じられて黙り込む。
暦「せ、先生…これは」
木村「ええ、まぁ、勃起というやつです」
暦「…っ、馬鹿!!何いい雰囲気に勃起なんかしてたんだよ!!」
木村「それは仕方がないのです。何せ入院中は一切発散させていませんから」
暦「なっ!!」
木村「それに君みたいな可愛い女子高生と話していたら勃起なんてしますよ!男の性です!!」
暦「ななっ!!!」