子供を身籠ると女という生き物――律はアンドロイドだが――は
これほどまで淫乱になるものなのだろうか。
イトナはイトナで、美少女妊婦の痴態を下からまじまじと観察し
再び彼女の奥で愛を解放したい衝動を募らせていく。

「あっ……♪」
イトナは律の妊腹に手を伸ばした。
重量感に満ちたそのフォルムを、薄く浮き出た妊娠線がより妖艶に魅せている。
表面を撫でているだけで優しい気持ちになれるこの暖かさは一体何なのだろうか。
例え相手がアンドロイドで、ここが電脳空間だとしても感じる
この逃れようのない責任感と高揚は一体何なのだろうか。
イトナはそんな考えで頭の中をぐるぐるとさせながら
連結に絡みつく肉悦プログラムに心を溶かしていった。

「イトナさん……」
「ん、何だ」
動きを止めた律はその場で新しいフォルダを作成し
それを下腹へとスライドして埋めた。
「イトナさんの赤ちゃん、作らせてくれませんか……?」
「お腹の子供は?」
イトナが腹をもう一度指して言った。
「この子は仮想サンプルなんです。プログラム通りに動きますが自我を持たない
 スピーカーから音声の出るぬいぐるみのような存在なんです」

律はイトナの暖かい手をぎゅっと握った。

「これが恋愛というものなんでしょうね……
 イトナさんとリアルタイムで赤ちゃんを作りたいって……
 そんな気持ちが全然抑えられなくって……」
「律……」
「ねぇ……イトナさん。律のエッチなワガママ、聞いてくれますか?」
元より、イトナに異論はなかった。
この湧き起こる情愛は若さも手伝って抑え難い熱量を帯びていた。
彼は熱情に突き動かされるまま仰向けにした律に覆い被さり、攻守を逆転させて痴犯の限りを尽くした。
避妊など一切考えなくてもいいセックス。
今この瞬間眼前の美少女を孕ます事の圧倒的興奮。
それが少年を夢中にさせた。
ひたすら腹下にいる律に対して、彼は持ち前の性槍を突き立てまくる。
律の麗膣はより良好な遺伝子情報を選出するために一層緊々とし彼から一滴残さず絞り抜こうとしていた。
さっきから先端をくすぐる桃色の穴窪、そこに思いっきり濁精を注ぎ込めば授精は完了する。
有機生命体が誕生して以来不変の方法で今、彼は
恋と母性に目覚めたこのアンドロイドを孕ませるのだ。

「あはぁ……! イトナさんっ……下さぁい!
 私の新品子宮ディレクトリに貴方のDNAを……子作り.exe をインストールしてぇ――っ!!」
イトナはたまらず高粘度の青春エキスを律に猛注した。
高速で解析された彼の遺伝子が.exeとして彼女の下腹フォルダ容量をみるみるうちに満たしていく。
やがて全てが胎内にダウンロードされた時、律は盛大に電子の潮を噴いてその終了と喜びを恋人に伝えた。

   #  #  #

「殺せんせー」
殺せんせーによる特別冬期講習を受けていたイトナは
一緒に下山する時、その触手教師に話しかけた。
「暗殺する前に教えてもらいたい事がある」
「ヌルフフフ……良いですよイトナ君。どの教科の事でも答えましょう」
「いや、勉強の事じゃない」
そこでイトナは今までひた隠しにしていた律との関係を打ち明けた。
生徒同士のゴシップの好きな下世話な殺せんせーも
彼の真剣な悩み相談に対しては真摯に耳を傾けていた。