小品ですが一応こっちに投下しとく


「……ねぇ、今日はその……、しないの……?」
「なんだ、かけてほしいのか?」
「そういうわけじゃ、ないけど……」
「ならどういうわけなの?」
「んもう……、ぃじわる……」
「そう言われても、言ってくれなきゃわかんないじゃん?」
「……バーカ」
「素直に言えばいいのに」
「ああもうっ、今日は私に、その……いつものアレしないのかって聞いてるの!」
「してほしいんだ?」
「そ、そうよ……」
「ほらやっぱりー。ああでも、このあと出かけなくちゃならなくてさ。だから今度ね」
「こ、ここまで人に言わせといてなんなのよアンタは! 先に言いなさいよ!」
「そんなわけで相手してあげられないんだけど、でもほしくなっちゃってるんでしょ? 平気?」
「うっさい! 用あるならさっさと行けばいいでしょ」
「まーまー、ごめんってば」
「いいわよ。そうなら私も帰るから。それじゃ」
「ごめんって。ついつい可愛かったもんだから、期待させちゃったね」
「別にいいって言って――」
「そのままだとアレだしさ、――"ほら、この手を見てよ"」
「ちょ、なっ……」
「じっとしててね。それとイメージだよ。この手が、だんだん大きくなっていく。それから」
「……ぁ、…………」
「それから、ほら……、いつもの感じ。いつもの、ふわふわした感じ」