「このままセックスをしても構いませんか」

 彼女は笑顔で頷く。

 むしろ、彼の固い一物が体に当たっている時点で自分から言い出そうと思っていたくらいだ。
 このままだと辛いだろうから。

 道路の端にある標識の棒を握り締めると、丁度良い高さになる様に体をかがめ、お尻を突き出す様な格好を取る。
 彼はそのまま彼女のパンツを下ろし、一物をあてがう。先ほどの行為が前戯となったのかスムーズに挿入出来た。

 パンパンと小気味良い音が辺りに響く。
 彼女は一突きされる度に、より深く挿入出来る様に腰の高さを変えて見たり、腰をくねらせて見たり、彼が興奮する様に喘ぎ声をあげてみたりした。
 全ては彼の為だ。

 そんな彼女の気遣いが功を弄したのか、ピストンのスピードは徐々に早くなっていった。
 最後に一際強く押し付けられると、どくどくと彼女の中に精子が注がれる。
 彼がペニスを抜くと、彼女は綺麗にする為にフェラチオをし、最後にハンカチで丁寧に拭いてあげる。

「ありがとうございました。最後に写真を撮らせてもらっても良いですか」

 ここまでして上げたのだからついでの様なものだ。
 フェラチオをしている最中の顔、グラビアポーズや、笑顔で両手でピースサインなど、求められるままに撮らせてあげる。
 最後に服を一旦全部脱ぎ、あられもない姿で女性器を強調させるポーズを何枚か撮ると、彼は今日一番の笑顔で感謝を述べる。

「いやー本当に助かりました。またお願いするかもしれませんが、その際にはよろしくお願いします」

 彼女が服を着終わるのを見届けると彼は去って行った。
 時計を見ると一時間近く経過していた。完全に遅刻だ。
 このまま会社に行ける訳もないので、一度トイレで身だしなみを整える必要もある。

 でもまあ、いっか。彼女は思った。
 何せ親切をしてあげたのだ。1日くらい遅刻したって構わないだろう。

 とはいえ、まずは会社に謝罪の連絡を入れなければならない。既に上司はカンカンだろうけど。
 彼女は鞄から携帯を取り出しながら、彼の最後に見せた、本当に嬉しそうな表情を頭に浮かべると、ふと思った。
 今日は良い事があるかもしれないな。

終わり