中に入ると、部屋の一番奥、生徒会長専用の席にその人はいた。
私の一学年上、三年生の先輩。女性ながら生徒会長の座に就いて、スポーツ万能、成績優秀。学校内だけでなく他校からの人気も高い。
才色兼備とはこの人のためにある言葉だろうと思う。
「あら?今日は何か手伝いを頼んだかしら」
いつ見ても奇麗な人だなぁ。
「いつまでもそこで立ってないでこっちに来て座ったら?」
ボーッと見とれていたらそんなことを言われて、なんだか恥ずかしくなった。
もしかして変な娘だと思われちゃった?
とりあえず、先輩に近い椅子に座れることになった。
"アレ"を使うには絶好のポジションだ。
「何か用があるのかしら?」
私が何をしようとするかも知らずに訊ねてくる先輩。
これから私が、先輩を思い通りにするんだ。
みんなが憧れてる先輩を私だけのものに…。