「シーリン、からかわないで!
……あっ」

言った拍子に手を広げて、股間を見せてしまうマリナ。

「…………」

時が止まったようなムード。鳩が豆鉄砲食らったような顔になるアクバル。

「いやっ……!!」

「うわぁぁぁ!」

少年は目にも止まらぬ速さで腕を捕まれ床に転んだが悪びれる様子もなく背中を擦る。

「いてて、流石、マリナ様か……」

「ほら、行くわよ。」「はい……」

シーリンに連れられて部屋を後にするアクバル。

着替えたマリナはまた二人を部屋に入れてお茶を人数分淹れた。

「院のみんなは元気?」

「うん、みんなマリナ様が来てからもっと元気になったよ!」

「そう、良かった……私が少しでもみんなの力になれるなら……」

少年の言葉には二重の意味があったのを彼女は知らない……
シーリンだけは何かを察したのか黙ってお茶を啜っていた。