ガンダムヒロインズMARK ]Y [無断転載禁止]©bbspink.com

1名無しさん@ピンキー2016/02/13(土) 12:36:34.15ID:P5MOE7O9
語るも良し!エロパロ書くも良し!
ガンダムの娘ッ子どもで妄想が膨らむ奴は集え!

ガンダム以外の富野作品やGジェネ、ガンダムの世界観を使った二次創作もとりあえず可!
で、SSは随時絶賛募集中!

■前スレ
ガンダムヒロインズ MARK ]X
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1385961055/

■関連スレ
ガンダムビルドファイターズでエロパロ
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1381888018/

148フェニックステイル第26話前編2017/01/29(日) 11:48:21.66ID:qcBib1Lw
「キャアアアアアアーーーッ!!」
 反地球連邦組織エゥーゴが誇る最新鋭の航宙戦闘艦、アイリッシュ級戦艦《ジャカルタ》。その艦内通路の一角に今、絹を裂くような娘の悲鳴が響きわたっていた。
「い、イヤーッ! け、ケダモノーッ!! ああ、誰か! 犯されてしまいますわ! ひとたまりもなく孕ませられてしまいますわ!! 誰か、誰か助けてくださいましいいい〜〜〜ッ!」
「やかましいわ!! さっきから延々と、エロい雌の身体なんぞ見せつけおって! 戦場で雄を誘う喜びを知りおって!!」
 リフトグリップを頼りに無重力の艦内通路を必死に逃げ惑うのは、柔らかな栗色の髪をポニーテールにまとめた小柄な童顔の美少女が一人。若くみずみずしい四肢を、袖のないエゥーゴ制服でほぼ剥き出しにしている。
 その体躯はまるでジュニアハイかエレメンタリーの学生かと見間違うほどに小さい。しかし同時にその胸元や腰つきは、豊かに成熟した女の肉感を伴っている。
 ノースリーブの脇からちらつく白いブラジャーや、同じく白のサイハイソックスとミニスカートのかすかな隙間から覗く太腿の眩しさが、アンバランスで背徳的な魅力を醸し出していた。
 そして必死に逃げる彼女へと通路内を追いすがるのは、濃緑色の影――ジオン公国軍の一般的なパイロットスーツ。髭をたくわえた禿頭の巨漢が、もはや狂獣じみた異様な光をその双眸に宿らせながら迫っていた。
 速い。
 通路内の壁や天井、リフトグリップまでをも自在に蹴飛ばして三角跳びの要領で迫る巨漢の動きは、まさに彗星がごとし。もはや人間離れした通常の三倍以上の速度で巨漢は迫り、逃げる美少女の背中へと距離を詰めて肉薄する。
「ハッ!?」
 少女が振り向いて背後を確認しようとしたとき、そこに男の姿はない。その瞬間にはもう、男は少女の眼前へ瞬間移動したかのように回り込んでいたのだ。
 敵戦艦のブリッジ前へ迫ったザクのモノアイのごとく、巨漢の眼光が異様に輝く。
「はッ、速いッ!?」
「なんじゃそのエロ制服はっ!? 軍艦の中でパンチラブラチラ見せつけとるような痴女はなぁ!! こうじゃッ!!」
「イヤーーーッ!!」
 禿頭の巨漢がその豪腕を振り上げ、そして不可視の速度で振り下ろした。
 それだけで童顔の美少女がみずみずしい肢体を包んでいた、ノースリーブのエゥーゴ制服は破り裂かれて消し飛ぶ。
 ブラジャーまでもが制服もろとも千切れ飛び、幼い顔立ちや小柄さと不釣り合いにたっぷりと実った乳房が二つ暴れて弾け飛ぶ。少女の肌に残ったエゥーゴ制服と下着の切れ端も、濡れ紙のように素手でことごとく破り捨てられた。
 だが白く柔らかな餅のごとき二つの乳房の頂に、桜色の可憐な乳輪を曝させられても、少女に隠すすべはない。
「ああ……! いやぁ、お願い、離してぇ……!」
 巨漢は制服の切れ端を少女の両手首へ巻き付け、さらに壁面構造物に巻き付けて拘束したのだ。さらに自らの巨体で彼女の両足を押し開きながら、そのまま床へ押しつけた。
 そして裸身に剥かれた少女の眼前に、血管浮き立つグロテスクな黒の肉棒が天突くようにボロンッとそびえ立つ。
「あ、ああ! く、黒い、大きいぃっ――そんなの、入らなっ」
「連邦雌の運命(さだめ)はひとつ……ワシのチンポの、専用鞘じゃあっ!!」
「んほおーーーッ!?」
 あまつさえ何の前戯もなく、ぶぢゅううっ! と男は剛棒直入した。
 特筆すべきはその注挿速度。巨漢は最初からトップギアだった。
 犯されることを覚悟した瞬間、自身の膣を保護すべく本能的に愛液が溢れてはいたが、男が叩き込んだ剛棒の威力はさらに大きく許容量を遙かに超える。
 結合部から激しく鮮血が飛び散るが、少女は最初から単なる苦痛ではなく謎の快楽に導かれていく。

149フェニックステイル第26話前編2017/01/29(日) 11:49:30.46ID:qcBib1Lw
「ああ、あああああ……ッ!? な、なにこれ……っ、しゅぅ……っ、しゅごっ、いいぃ……っッ……」
 少女がこれまでに知るいかなる性の悦びとも異なる、生命の躍動に溢れた壮絶な交合。それはまさしく身食らう蛇のごとき、人が知るべきでない禁じられた果実の味わいだった。
「どや! 身食らう蛇のように、抉りこむ突きッ! これがジオン幻の漢体決戦性器、ヨガルンチンポじゃッ!!」
「そ、そんなぁ……っ、ぜ、前戯もなしで、こんなぁ……ッ……こんなのぉッ……!」
 少女の膣内をその動きは拡張しながら確実に最深部まで抉りこみ、しかも毎回必ず最奥のGスポットを微妙に異なる角度と強さで狙撃していく。性の大量破壊兵器を無差別投入する電撃戦は、まさに一週間戦争のジオン軍のごとし。
 少女の肉体は何の対応も出来ないまま、ただ快楽の波に蹂躙されていくしかない。
「やかましい! 射撃諸元なんぞ送られてくるの待っとったら、会戦なんぞ終わっしまうわ!! 男は黙って直接照準、直接射撃! これで決まりやッ!!」
 言いながら男はさらに加速し、その腰の回転速度を高めていく。パイロットスーツを脱ぎ捨てた男の裸身からは大量の汗が放散され、空気中に一瞬留まっては消えていく。
 巨漢の形を伴った男汗の霧は、あたかも質量を持った残像のように見えた。
「ッ!? こ、腰使いがぁっ、アムゥッ、激し、すぎてぇ……ああんッ! おじさまがぁっ、三人にぃっ、見え、るぅ……ッ!?」
「どうや!! 見たか!! これがワシの三位一体! 一本のチンポで女を三倍ヨガらせる、黒いチンポの三連性! 夜のジェットストリームアタックじゃあああ〜〜〜ッ!!」
「あああああああッ、いいいいい〜〜〜ッ!!」
 回転はさらに高まる。ついにはザクマシンガンの最大連射速度にも匹敵しようかという高回転で、巨漢は少女を犯し続けた。
「フンフンフンフンフンフンッ!!」
「アッ! アッ! アッ!! アアア〜〜〜っっ!!」
 二人の結合部から溢れ出る雌の愛液と雄の先走り汁が溶け合うように混じり合い、膣奥から子宮口へと突き抜けていく熱い衝撃波が少女の性感を、そしてその意志までもをぐずぐずに溶け崩させていく。
「こっ、こわれりゅっ……こわれりゅぅっ、わらくひのおまんこ、おまんここわれりゅううう〜〜〜ッ!」
「なに言うとるっ!! もうお前のオメコはぐっちょんぐっちょんじゃろがぁっ!!」
「身体が……身体が熱い……すごい……嘘、こんな……無理矢理ですのに、どうしてぇ……っ……」
「やかましいわっ!! オーストラリアは今は夏やぞ!! ここがお前のシドニー湾ッ!! これがホンマのコロニー落とし……乾坤一擲、プリ乳ッシュ作戦じゃあ〜〜〜ッッ!!」
「クッ、アウウゥッ、すっ、しゅごっ、いいい〜〜〜ッ――!」
 コロニー落とし。史上最大の大量破壊兵器になぞらえた自称にも決して恥じることのない威力で男が腰を落とせば、宇宙移民の怒りを乗せた極太コロニーが恥丘を超えて子宮を突く。
 そして八年前に地球へ落とされたコロニーが数千万の人間を育んでいたように、いま少女の恥丘へ落とされ続けている肉コロニー棒も、雄から雌への植民者たる数億の精子を送り込む威力を秘めているのだ。

150フェニックステイル第26話前編2017/01/29(日) 11:51:04.76ID:qcBib1Lw
「チンポはこのまま! 雌パイロットの膣内で出さしてもらうッ!!」
「あ、ああ! だめぇ、だめですのぉっ! なかで、膣内で射精されたらっ! わらくひっ、はらんでぇ、こどもがぁぁあ――っ」
「ソロモンの、白き子種汁! 白漏、出るゥッ!!」
「いやあああァ〜〜〜ッッッ!!」
 最後の突きを膣奥で受け止めたその瞬間、少女の脳裏で閃光の嵐が溢れた。
 リズミカルに突き続けるどびゅうううっ、と女の腹の奥から異音が轟く。
 消化用ホースの尖端を押し込んで最大出力で放水したかのような圧力が、少女の下腹で一気に弾けた。
 ジオン伝説のエースパイロットの熟練技に突かれ続けていた子宮口から、ゆうに五十億を超える精子が狩るべき獲物を目掛けてなだれ込んでいく。
 そして極太のペニスに押し開かれた合体部からその周囲へと、大量の白濁液が溢れて飛び散る。その激しい精液の漏れ具合は、まさに魔法王に仕える白き狼が射精したがごとしであった。
「どうや……! ワシの特濃ジオン優良子種汁は、ティッシュの屑になど成らん! 雌の腹で成就するのや!!」
「…………あ、……あ、……う、……あ……っ……」
 最後の一滴までの濃厚な膣内射精を終えた、深い満足感の中で巨漢は叫ぶ。そして犯された少女は、その意識を未知の快楽の中で真っ白に宇宙へ飛ばしたまま、放心とともに見開いた瞳から、つう、と二筋の涙を流している。
 コロニー落としの衝撃は地球の地軸を歪め、自転速度という地球のリズムまでをも狂わせたと言われている。それと同様に巨漢が叩きつけた巨根と性技も少女から生理のリズムを狂わしめて、子宮からその排卵を強制していたのだ。
「…………、あぁ……っ……」
 そして少女はその見開いた虚ろな瞳の奥底で、子宮口を抜いた精子の群れが通常の三倍以上の速度で迫り来て、そして無防備な卵子に次々と結合――受精する瞬間を、確かに『見た』。
 それを認識した瞬間、少女の乳房に急激な変化が生じはじめる。
 可憐な桜色だった乳首に色素が急激に沈着し、どす黒いほどに染まっていく。同時に乳輪に浮かぶ乳腺のひとつひとつから白い液体が染み出していた。
 男のごつく大きな掌が左右の乳房を乱暴に握りつぶすように搾ると、黒い乳輪からは新鮮な母乳が無数の飛沫となって放出された。
 ただ数分の交わりと一度の膣内射精だけで、ジオン残党兵の巨漢がもたらした超絶の交わりは無垢な巨乳美少女の肉体を、一瞬にして妊娠と出産を待つだけの妊婦に作り替えてしまったのだった。
「フム、……ええ乳になったやないか……!」
 巨漢は強引な性交の渇きを癒すように両方の乳首を口に含むと、凄まじい勢いで蓄えられた母乳をあらかた吸い尽くした。乳
 首から唇を離すとその尖端を軽く舌で突つき、さらに大きく勃起してきた乳首から、ぴゅっと母乳が一筋跳ねるのを満足げに見下ろす。
「これでお前はワシのもんや……産めよ、国民! 元気な赤ん坊、産んでもらうでぇ……!」
「……しゅごっ、……いい……ぃ……っ」
 これが一年戦争緒戦からその後の掃討戦までを力強く生き延びてきた、真のジオン残党兵の生命力。
 地球連邦の三十分の一とも言われた国力で五十億人を焼き滅ぼした、地球人類のより良く支配してその再生を導くべき「優良種」。自分は今、その優良種を宿す母となったのだ。
「ジーク、……ジオン……」
 力なく震える唇でそれだけようやく呟くと、少女の意識はどこまでも深い闇の底へと墜ちていった。

151フェニックステイル第26話前編投下おわり2017/01/29(日) 11:51:52.80ID:qcBib1Lw
今回はここまでです。続きは近い内に。

152名無しさん@ピンキー2017/01/29(日) 13:07:26.61ID:si9u9xmv
乙です!
毎回楽しみに読ませてもらってます!

153フェニックステイル第26話後編投下準備2017/05/21(日) 13:11:04.06ID:BsC3UQfO
区切りが今一つですが、あまり先延ばしするのもなんなので投下します。

154フェニックステイル第26話後編2017/05/21(日) 13:12:40.92ID:BsC3UQfO
「…………」
 禿頭にびっしりと浮かぶ脂汗が、薄暗い照明の下で鈍く光る。
 巨漢の眼前には少女趣味の手書き文字で綴られた、可愛らしい意匠の日記帳。
 震える指でページを繰る端から浮かび上がる、猥雑奇怪な性妄想――その文面の一語一語から漂う言い知れぬ迫力を前に、ジオン残党兵ドッツィ・タールネン少佐は打ちのめされ、ついにその禿頭を抱え込んだ。
「なんや、……これ……」
 ドッツィが巨体を丸めてうなだれているこの場所は、エゥーゴ戦艦《ジャカルタ》居住区の士官個室である。
 つい数時間前、連邦軍巡洋艦《トラキア》MS隊と交戦の末に撃破されたドッツィ率いる三機のMS小隊は、あわや連邦軍による鹵獲寸前のところでジャカルタ隊の介入に助けられた。
 小隊の機体はいずれも手ひどく大破し、反地球連邦組織《エゥーゴ》の擁する新型戦艦ジャカルタへと収容された。
 部下も戦闘で一人が気絶したまま覚醒せず、ドッツィはやむなく残る一人に機体を託し、戦艦ジャカルタ艦長デミトリ・スワロフ中佐との会見に臨んだのだ。
 そこで要求されたのは、ドッツィがいま所属するジオン残党組織《ルスラン・フリート》と彼らエゥーゴの、反ティターンズ闘争における同盟。そしてドッツィに、その交渉のパイプ役だった。
 今や地球圏を席巻する巨大勢力と化した、地球連邦軍特殊部隊《ティターンズ》。ドッツィたちも今までその一部と交戦する機会は何度かあった。
 しかし本格開戦ということになれば今までのように、新サイド4などという見捨てられた辺境暗礁宙域とその周辺ばかりで行動しているものとは違ってくる。
 だが急激に変化していく地球圏の情勢の中、スペースノイドの大勢を基盤として台頭するエゥーゴと結ぶことで得られるだろう、外界とのパイプと新技術は間違いなく魅力だ。
 うまくすれば地球圏の大勢に影響を与え、巨大な権利を手にすることすら出来るかもしれない。
 その判断は無論、組織全体の運命を左右しかねない重大局面である。ドッツィは即答を保留したが、課せられた判断はあまりに重かった。
 スワロフ中佐は返答の保留を受け入れるとともに、ジャカルタにおいてドッツィらに個室を貸し与え、彼ら三人を客分として遇することを約束した。
 そしてドッツィはその個室まで、連邦軍との戦場で彼の機体を確保・曳航した女性パイロット、リアンナ・シェンノート少尉に案内されたのだ。
 案内されたのだ、が。
「ふんふん、ふふ〜ん……」
「…………」
 奥の磨り硝子の向こうに、湯煙を帯びた影が見える。未成熟なローティーン以前の少女のように小柄ながらも、その身長とは裏腹に要所要所へと豊かな量感をたっぷりと蓄えた、トランジスタ・グラマーを感じさせる女体の影。
 そして響く流水音に絡み合いながら、甘く鼻にかかった少女の歌声が届いてくる。
「うふふ。おじさま、本当にいいお湯ですわよ。ご一緒いたしませんこと?」
「ファッ!?」
 彼女が目の前で脱ぎ捨てていったEカップのブラジャーを握りしめながら、ドッツィはビクンとその場に跳ね上がった。
 股間の息子も一緒に跳ね上がっているが、応じられるわけがない。今の彼は組織間の重大交渉を控えた身だ。

155フェニックステイル第26話後編2017/05/21(日) 13:14:29.68ID:BsC3UQfO
「や、やめとく……遠慮さしてもらうわ……。あのな、少尉……それより、ここから、出し……」
「あら、ご一緒しませんの? ふふ。でも、そうですわね……おじさまは汗をかかれたままの方が、残党狩りの七年間を生き抜いてこられた獣の野性を、これから存分に味わえますものね。
 ……うふふ……今夜は思いきり内から外から私を汚して、いちばん奥まで濃厚な、おじさま色に染め上げてくださいましね……」
「…………。……アカン……」
 まったく要領を得ない受け答えに、ドッツィは頭を抱えてふらつく。この境遇で、あの幼さと豊満さを具備した背徳的な美少女と同じシャワー室に入るなど、どう考えても社会的自殺行為以外の何者でもない。
 そしてエゥーゴは間違いなく、その行為の一部始終を録画するだろう。外部組織の女性と肉体関係を持った男など、誰が信用するだろう?
 そうなってしまえばこのあと組織へ戻った後も、ドッツィはエゥーゴの便利な傀儡として動かざるを得なくなる。
「あ、アカン! アカン!! ワシが! ワシとしたことがっ!! 男をハメさせる罠にっ、ハメられてしもうたっ!!」
 気づいたときには遅かった。リアンナはドッツィを部屋へ導き入れるや、即座に内鍵を掛けて閉じこめ、そのままノースリーブの大胆なエゥーゴ制服を一気に脱ぎ捨てたのだ。
 その流れるような一連の動きは、ただ見事な早業と言うほかなかった。
 美少女の汗と体温の気配を残したブラジャーとショーツが無重力の空間を泳いでドッツィの顔面へ掛かると、リアンナは惜しげもなくその美しい裸身を晒してシャワー室へ消えた。
 全裸のリアンナをシャワー室から腕ずくで連れ出してドアを開けさせることも出来ず、ドッツィはただ美少女の下着を握りしめたまま震えるだけである。
 傍目にはもはや単なる変態親父なのだが、その内心には組織と直属の部下たちを憂うるジオン公国軍将校としての高潔な精神と、そして本能には勝てずに勃起する股間のジャイアント・バズがせめぎ合っていた。
 と、ガラスの向こうで流水音が止まった。無重力下のシャワールーム用のマスクを壁に掛け、バスタオルで髪や体を拭きはじめている。間もなくここまで戻ってくるだろう。
「あ、あああああ……! ワシは! ワシはっ……どないすればええのやぁぁぁあああ!!」
 頭を抱えたドッツィは、ついにゴロゴロと床へ転がりはじめた。ブラジャーはまだ握っている。
 このままリアンナの妄想日記に描かれた変態絶倫親父のごとく、開き直って彼女を犯せば良いのだろうか?
 股間のタールネンJr.はその方針を熱烈支持しているが、しかしドッツィには自分を『兄貴』『兄ィ』と慕う二人の部下がいるのだ。己の欲望のために彼らを裏切る真似は出来ない。
 それに、妄想日記に描かれた怪人並みの超人絶倫種付けテクニックで、あの頭のネジが外れた妄想日記を書き上げた彼女を満足させられる自信も、ない。
「うッ……うおおおおおおーーーッ!! イーデン! デティ!! マイ・サン!! ワシは、……ワシは、どないすればええのんやァーーーッ!!」
 みっともなく喚き散らしながら、ドッツィは美少女士官の個室内で激しく上下左右にのたうち回る。ブラジャーとショーツを握りしめたまま。
 巨漢変態中年男性が暴れ狂う、もはや動物園の檻にも等しい魔境と化した室内へと、シャワー室からドアが開く。
「ホアッ!?」
「うふふ……お待たせいたしましたわ、お・じ・さ・ま。さあ、……私を食べてくださいまし……」
 溢れる湯気の中、上気した肌にバスタオル一枚だけを帯びた美少女は、獲物を狙う雌獣の表情で舌をなめずった。

156フェニックステイル第26話後編2017/05/21(日) 13:15:23.46ID:BsC3UQfO
『――兄ィが危ない』
『お、おう……なんや、デティ。いきなりどうした』
 戦艦ジャカルタ、MS格納庫。
 ドッツィからMSの見張りに残されていたデティ・コイヤー軍曹は、自らの愛機MS-21C《ドラッツェ》のコクピット内で慄然と呟いた。
 連邦軍との戦闘で敵機にコクピット・ハッチを強打されたきり気絶していた相棒、MS-09R《リック・ドム》パイロットのイーデン・モタルドゥが目覚めて間もない。
 彼に対する通信越しの状況説明もそこそこに、デティは顔を上げるやそう不意に呟いたのだ。苛立たしげに続ける。
『イーデン、お前には……! お前には、なんも感じられへんかったんか!? 兄ィがいま腹ン底から振り絞った、助けを求める静かな声(サイレント・ヴォイス)が……お前には、なんも聞こえへんかったんか!!』
『いや、……特に、なんも……』
 イーデンは若干引き気味に答えたが、デティはひとり思い詰めた表情のまま、その妄想を加速していく。
『――アイツや……。最初に出てきたエゥーゴの、あのチビのくせに乳と尻だけデカいメスジャリや……兄ィにふざけた色目使いよってからに……!
 アイツは最初から、兄ィの肉体を狙うとったんや! アイツはいま兄ィを暗がりに連れ込んで、身体を貪っとるんや……!!』
『お、おう……さ、さよか……』
 ぶるぶると拳を震わせて力説するデティの瞳は、MS格納庫の外壁を射貫かんばかりに睨みつけ、遙かその先を見通している。彼が人の話を聞きそうな気配は、無い。
『星屑帰りの辻斬りドラッツェ』ことデティ・コイヤー軍曹は細面の、女性――それも美少女と見間違わんばかりの、端整な顔立ちの美少年である。
 色黒で髭面強面のイーデンとはまったく対照的な容貌だったが、しかしデティはどこか独特の『スイッチ』を有しており、それが入ったときの押しの強さは圧倒的だった。こうなるともう誰の言うことも聞かない。
 三人の出会いは三年前、デラーズ・フリートによる連邦軍観艦式への襲撃時に遡る。
 宇宙要塞コンペイトウ周辺の戦闘で被弾損傷し、ドラッツェで漂流していたデティを、宙域周辺で火事場泥棒に勤しんでいたドッツィとイーデンが救助したのだ。
 その後すぐ作戦第二段階へ向けて転進したデラーズ・フリート本隊にデティは復帰できず、以来三年、行き場のない三人は《キャリホルニヤの悪夢》として行動している。
 決して楽な日々ではなかった。草創期のティターンズが主導した残党組織への激しい掃討戦で、三人は幾度となく死線を潜った。そして力を合わせて乗り越える度、戦友の絆を深めていったのだ。
 だがイーデンとドッツィはその三年間で、デティのある特徴に気づいていた。
 ドッツィがたまに女がらみの下卑た冗談を言うと、デティは赤面しながら露骨に機嫌を悪くした。
 またデティは決して人前で肌を見せず、個室以外では共用シャワーも浴びず、不自然なほど薄着になろうともしなかった。
 逆にドッツィやイーデンが鍛えられた肉体を露わに晒していると、彼はひどく居心地悪そうに意味ありげに視線を動かし、やはり赤面しながら席を外してしまうのだ。
 それらの繊細な仕草は戦いの時に彼が見せる、狂獣じみた猛加速でドラッツェを操る戦闘技術とはひどくかけ離れたものだった。
 ともに数々の苦闘を乗り越え、戦友としての絆が日々深まっていく中でもデティのそうした反応は続き、イーデンはある日とうとうドッツィへ疑念とともに問いかけた。

157フェニックステイル第26話後編2017/05/21(日) 13:16:09.56ID:BsC3UQfO
『あのな、兄貴……ワシ思うんやねんけど、……デティな、あいつは、……実は……』
『ええ。ええのや、イーデン』
 重い口調で口を開いたイーデンを、ドッツィはすうっと片手で制した。すべて分かっている、みなまで言うな――そんな調子を言外に強く宿した言葉に、イーデンは静かに震える。
『兄貴は、……兄貴は最初から、分かっとったんか』
『……デラーズ・フリートは男所帯や。ガラハウ中佐みたいな指揮官級はともかく、あそこは昔の公国軍ともまた違う、徹底的な男社会や。
 ――そこでデティが一兵卒として生き残るために、どんだけ自分を殺さなあかんかったか――ワシはそれを思うだけで、胸が詰まる』
『兄貴……!』
 同質的かつ戦闘的な環境に放り込まれた少数者が受ける、異端者としての境遇。
 遠く地球のアフリカに生まれ、地球連邦からの民族独立を求めて一年戦争前に単身ジオン公国へ留学したイーデンは、そうした少数者の辛さを身に染みて理解していた。
『イーデン、ワシはデティのすべてを受け入れるで。ワシらは戦友や。戦争が終わって祖国はワシらを裏切ったが、ワシは戦友を決して裏切らん。あるがままのアイツを、ワシは戦友として尊重する』
『兄ィ、……そこまで……!!』
 ドッツィの吐露した熱い想いに押され、イーデンはこみ上げるものをこらえてきつく拳を握りしめる。ドッツィはフッとニヒルに笑い、そして遠い目で呟いた。
『まあ、……アイツがどうしてもワシを掘りたい、と言うてきたら、……そん時は、……そん時、やな――』
『……お、おう……。せ、せやな……』
 信じて戦場で背中を預ける美少年に寝室で組み敷かれ、半裸で背後から己を貫かれる光景を想像し、二人はぶるり、と背中を震わせた。
 イーデンとしてはドッツィがエゥーゴの女とよろしくやろうが、この状況では特に問題は感じない。むしろ相手から求めてくるのなら、応じてやればよいとも思う。
 エゥーゴの仕掛けたハニートラップという線は捨てきれないにせよ、自分たちが支えるドッツィの度量なら、それも巧みに巻き取り乗り越えていってくれるとイーデンは信じているのだ。
 だからこそ、今のデティが示す反応は過剰に思えて、そして遠い日にドッツィと交わした会話を思い出させもしたのだった。
『イーデン……ワシは行くで。エゥーゴのクソ女の毒牙から、兄ィを守りにな! お前はここでワシらのMSを、しっかり見張っとってくれや』
 そこまで思っていながらも、モニター越しに爛々と光るデティの目は獲物を狙う野獣のそれで、イーデンはきゅっと尻に力を入れて巨躯を縮こまらせてしまうのだった。
(すまん、デティ……やっぱりワシはまだ、お前に掘られる覚悟は出来とらん……!!)
『お、おう……デティ、気ィ付けて行けよ……』
『お前もな。頼むで!』
 言うやドラッツェのコクピットハッチを開き、素早くジャカルタ艦内へ消えていくデティを見送りながら、イーデンは戦友を信じる覚悟を固めきれない己の浅はかさを一人呪った。
「行ってしもたか。……せやけど、兄貴……修羅場になってまうんとちゃうか、……これ……」

158フェニックステイル第26話後編投下終了2017/05/21(日) 13:18:31.15ID:BsC3UQfO
今回は以上です。
これよりpixivとハーメルンに26話の挿絵を多数掲載します。
そちらも合わせてお楽しみいただければと思います。

159名無しさん@ピンキー2017/06/15(木) 19:27:29.76ID:FNjv/C6/
このスレを私物化してコロニー落としばりに荒廃させた
ISAPのクソ信者どもが全身から血を吹き出して死にますように…

160名無しさん@ピンキー2017/06/15(木) 19:33:41.13ID:2ln4JpGp
>>158
乙です!

161名無しさん@ピンキー2017/06/17(土) 18:56:30.41ID:y94ozgDU
>>159
よくわからんが、このスレって荒廃してるの?
とりあえず定期的な投下はあるようだが

162名無しさん@ピンキー2017/06/20(火) 16:49:22.70ID:hCImE1Ki
現状は投下してくれるのが>>158さんだけの過疎スレ
最近はほぼないけど以前はもっと昔に投下してくれてた
ISAPさんて人を引き合いに出して>>158さんを腐す奴がいただけ

163名無しさん@ピンキー2017/07/22(土) 06:54:45.50ID:OGTg/epW
髪コキください
ルールカの髪コキください

164名無しさん@ピンキー2017/07/25(火) 06:14:33.22ID:RAp4laex
https://youtu.be/89dPkOm-t1Y
大阪日本橋オタロード【ガンダム】コスプレ野郎

165フェニックステイル第27話投下準備2017/08/13(日) 18:59:20.92ID:DITG7GxE
フェニックステイル第27話を投下します。

166フェニックステイル第26話後編投下終了2017/08/13(日) 19:07:04.66ID:T9VPRf8x
『兄貴! このドラッツェの奴、まだ生きとるでっ!』
『ほんまかイーデン!』
 闇の戦場。戦死者たちの呼び声が今もさざめく古戦場、かつて宇宙要塞ソロモンと呼ばれた宙域の片隅に光が瞬く。
 外部操作。コクピットハッチ強制開放。
 傷ついた機体でひとり漂流していた自分に差し伸べられた、ジオン軍パイロットスーツの逞しい大きな手。バイザー越しに霞んで見えた、髭をたくわえた力強い笑顔。
『み、味方か……。助けて、くれたんか……?』
『坊主、もう大丈夫やで。機体の方も――、まあ、すぐに誘爆はせえへんやろ。……動けるか?』
 応急手当と応急修理。
 かろうじて動けるようになったMS-21C《ドラッツェ》がMS-06F《ザクU》とMS-09R《リック・ドム》に導かれながら動き出したとき、彼らは遠く離れたソロモンに広がる巨大な核爆発の閃光を見た。
『なんや、あの光!?』
『あ、ああ……! ガトー少佐……さ、作戦の第一段階が……あかん。もう艦隊が、転進してまう……! 今なら……いま行けば……いま行けばまだ、『星の屑』に間に合う!
 フリートの皆と一緒に、連邦に一太刀浴びせられる……! おっちゃん、おおきに! ワシは行くで!!』
『このアホッ!!』
『ぐっ!?』
 急加速しようとした瞬間、鈍い衝撃が傷ついた体にまで突き抜ける。ザクUがドラッツェへ組み付くようにして止めていた。
『お前みたいな死にかけ坊主がっ、そないボロボロな機体と身体で何するつもりや! デラーズの旦那がこのうえ何するつもりか知らんけどなっ、こんだけ派手にやらかしてもうた後や、連邦軍はここから本気で殺しに来るで!
 そないな鉄火場へ、坊主みたいなくたばり損ないが今から行っても、ただ犬死にに行くだけやぞ!!』
『せ、せやけどっ。今……今戦わな、もう連邦は倒せへん! ここで……ここで戦わんかったら……死なへんかったら……ワシは、……ワシは今まで、何のために――』
『覚えとけ坊主ッ!』
 ザクUの両手がドラッツェの両肩を握って止める。モノアイの光がモニター越しに真正面から瞳を射貫いた。
『ええか。死ぬことが戦いなんとちゃう! どんなキツうてもな、苦しゅうてもな――生きることが、最後の瞬間まで生き抜くことが戦いやねん!!
 その戦いの意味が、今の坊主にはまだ分からちゅうんなら……坊主のその命、……ワシが預かるっ!!』
『兄貴! それは!?』
『ええのや! イーデン、ええのや!!』
 言を半ばで制止しようとしたリック・ドムのパイロットを振り切り、ザクUのパイロットは思いをそのまま吐き出していく。
『もうな、ワシは……ワシはもう、沢山やねん。こんな坊主が、わざわざ好んで死にに行くような……そんなんはな、もう、ええねん。三年前に、終わっとるねん……死ぬための戦争は……もう、終まいや』
「――おっちゃん……?」
 自機の両肩を握りしめたザクUのマニピュレーター越しに、接触回線とモノアイカメラに映る装甲板の向こうで、微かに震える嗚咽の影を、そのとき確かに感じた。
 同時に警報が鳴り響く。レーダーが迫る多数の機影を捉える。コンペイトウ方面から、怒濤のごとく押し寄せるMS隊――艦隊を焼き払われ、復讐の怒りに燃える連邦軍MS隊だ。まともに戦えるような数ではない。
「…………」
 今あそこに飛び込めば、確実に死ねるだろう。うまくやれば、一機や二機は道連れに出来るかもしれない。
 その方向へメインスラスターのスロットルを開こうとしたとき、再び衝撃がドラッツェの機体を揺らした。
 ドラッツェに右手はない。整備所要が大きい脚部とともに右前腕部は省略され、40ミリ固定機関砲に置き換えられている。原型機であるザクUF2型同様に残っているのは左手だけで、ザクUがその左手を掴んでいた。力強く。

167フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:05.01ID:T9VPRf8x
『来い! ワシらと! 戦え! 生きるために!! イーデン!!』
『応!!』
 リック・ドムが二門のジャイアント・バズを両肩に構える。迫り来るジム改の編隊を目掛けて、矢継ぎ早に380ミリ砲弾を叩き込んだ。
 すべてを呑むほどの巨大な閃光が爆ぜた。つい今し方、核の炎が要塞外縁と受閲艦隊を焼いたばかりだ。すわ第二の核攻撃か、と連邦軍MS隊が怯んで編隊を乱す。
『やかましいわおんどりゃあ!!』
 先陣を切って突撃したRGM-79N《ジム・カスタム》が、照明弾の閃光の中から頭部を蹴り潰されて吹っ飛んだ。
『今や! 撃ちまくれ!! 退けや雑魚どもおおお!!』
『いでもうたるどごるぁぁぁ!!』
 文字通りにジム・カスタムを蹴散らしながら、ザクUに続いた二機は薄れゆく閃光の中で無茶苦茶に乱射した。
 ジム・カスタムは頭部を潰されながらも、それでも盾でザクUの胴を殴りつけた。だが半端な打突は撃力が足りず、盾の爪部も装甲を破れない。逆にザクU左肩のスパイクアーマーを食らって、機体ごと跳ね飛ばされた。
 隊長機の頭部を潰されて混乱する連邦軍のRGM-79C《ジム改》が90ミリのジム・マシンガンで、これまたデタラメに応射してくる。
 だが三機は一気に敵陣へ突き刺さっていた。連邦軍の応射は数発がジオン機を掠めてその装甲板を穿ったが、それとほぼ同じ弾数が取り囲む友軍機へと突き刺さっていた。それだけで数機が損傷し、後方へ沈んで戦列を離れる。
『アホが見るぅぅぅ、豚のケツぅぅぅぅぅッ!!』
 指揮系統の混乱と同士討ちに怯んだ連邦軍MS隊のただ中を突き抜けて、三機は暗礁宙域を全速力で突破していく。
 編隊にスナイパータイプのジムがいたらしく、数発のビームが機体の真横を追い抜いて掠めた。回避が一瞬遅れれば爆散していただろう。
 ビームの追撃もやがて途切れ、追いすがる熱源も消えた。助かったのか――誰もがそう思いかけたとき、ザクUが不意にガクンと速度を落とした。編隊から脱落していく。
「なっ!?」
『あ、兄貴!?』
『――アカンな、これは。どうも、さっきの打たれ所がアカンかったらしいわ』
 連邦軍が乱戦の中で叩き込んできた、90ミリ弾幕。その一弾が超硬スチールの装甲を破り、機体内部の流体パルス構造を傷つけていたのだ。
『ああ。これは、もう――アカンかもわからんのう』
 コクピットであらゆる緊急対処手段を試しながら言ったその声は、ひどく平板なものに聞こえた。

168フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:10.56ID:T9VPRf8x
 そして同時にザクUから、機銃弾の破孔が火を噴いた。脚部推進材タンク付近。ザクUはそこからパイロットの操縦を無視して最大出力を全開、軌道を大きく捻って明後日の方向へ飛び去っていく。
『兄貴! 脱出してくれ!!』
『いや、これもアカンな……さっき盾でブン殴られたとき、ハッチの装甲が歪んでしもうたんやの』
「そんな――」
『まあ、ええわ。最後の最後に、坊主を一人拾えたしな――ま、こんなもんやろ。ほな、達者でな』
 ドラッツェは、その瞬間にスラスターを開いていた。
 簡易MA級とも言われる巨大な加速力を全開し、制御を失ってネズミ花火のように暴走するザクUへ一気に食らいつく。同時に左腕部の小型ジェネレータが唸り、固定式のビームサーベルを発現させた。
 一撃離脱、光刃一閃。
 ドラッツェのビームサーベルは一刀にして、正確にザクUの胸部装甲を焼き切っていた。そのまま飛び去っていくドラッツェの後ろへ追従し、リック・ドムがその手を開く。
『兄貴、今やッ!!』
『――!』
 ボルト爆砕、座席射出。
 サーベルが切り裂いたギリギリの隙間を縫って、射出座席が吹き飛んだ。相対速度を合わせたリック・ドムがその掌中に収めるや、機体を回してザクUに背中を向ける。
 ついに機体中枢まで火が回ったザクUが爆散したのは、まさにその瞬間だった。
 破片と爆熱がリック・ドムの装甲を叩き、跳ね返っては冷たい宇宙へ拡散していく。
『兄貴……?』
 リック・ドムの十字レールを動いたモノアイが、恐る恐るに自らの掌中を覗き込む。
『――やれやれ、イーデン。どうやらワシは、また死に損ねてしもうたらしいのう』
『兄貴!!』
『いやあ、助かったわ。九死に一生得てしもうた。坊主――いや、もう坊主とは呼ばれへんな。やるやないか。名前、なんちゅうのや』
「……デティ。……デティ・コイヤー軍曹や……」
『そうか、デティ。ようやってくれたの。ワシはドッツィ。ドッツィ・タールネン少佐。人呼んで《キャリホルニヤの悪夢》や。せやけど、階級はええねん。もう、ええねん』
 ドラッツェがリック・ドムと機体を並べる。リック・ドムの誘導に従って彼らの母船を目指しながら、今まで感じたことのない不思議な安らぎを覚えていた。
『デティ。ワシら、もう兄弟やで。桃の畑はあらへんけど、今日からお前も義兄弟言うやつや。イーデン、ええな?』
『おう。なんも異論ないで』
「――兄弟……?」
『せや。これからは、兄弟のために生きる。デラーズ・フリートのデティ・コイヤー軍曹は、今日で戦死や。今日からお前は、キャリホルニヤの悪夢の末弟、デティ・コイヤー軍曹なんやで』
「兄弟、か……」
 次第に爆光と火線の勢いも静まって遠のいていくソロモンと、未だ青い光をたたえる地球を交互に見ながら、デティは解き放たれたようにふっと優しく微笑んでいた。
「……おう。分かったわ、……兄ィ」

169フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:32.56ID:T9VPRf8x
 デティ・コイヤー軍曹のヘルメットは、あの日からずっと同じものを使い続けている。膝の上でバイザーに映りこむ自分の姿も、三年前と同じに見える。
 だが、違うのだ。
 三年前の自分に無く、今の自分にあるもの。
 自分は今から、それを守りに行く。
「イーデン……ワシは行くで。エゥーゴのクソ女の毒牙から、兄ィを守りにな! お前はここでワシらのMSを、しっかり見張っとってくれや」
『お、おう……』
 勢いよく啖呵を切りながら、デティは自身の足下を見下ろした。行動方針は決定した。勢いに任せた激情から、冷静さを取り戻しながら呟く。
「さて、……どうするか、やな」
 連邦軍との戦闘に敗れてから収容されるまでの間に、デティは戦艦ジャカルタの威容をその目に留めていた。ジャカルタはマゼラン級をも上回るであろう大型艦である。極端な省人化が進んだ形跡もない。
 つまり全体の乗員は相当数に達しており、なおかつ誰もが互いに顔見知りというわけではないということになる。
「こいつの出番やな……」
 愛機のリニアシート下からデティが取り出したのは、地球連邦軍の制服一式だった。少し嫌そうな顔でデティはそれを見る。
 万一の潜入工作用に常備していたものだ。ジオン出身者も少なくないとはいえ、それでもやはりエゥーゴは連邦軍系の組織らしい。格納庫内にも連邦軍の制服姿がちらほら見える。これで紛れ込むのは容易だろう。
 艦内へ潜入さえ出来れば勝機はある。
 だが当然ながら、ジオン残党軍のMSパイロットとして損傷機に残された自分たちは注目の的だ。監視も付いているだろう。まさか連邦軍制服のままここから飛び出し、そのまま監視を誤魔化して潜入するわけにも行くまい。
 どこかコクピットの外で着替えて、しかも監視を誤魔化しきれるほどに印象を大きく変える必要がある。
「…………」
 思案の末、デティが次にごそごそとシート下から取り出したのは、長い赤毛のかつら――女性用ウィッグだった。
 先ほど連邦軍制服を取り出したときよりも、さらに嫌そうな顔をしながら、それでもデティは意を決したように顔を上げた。

170フェニックステイル第27話2017/08/13(日) 19:09:49.67ID:T9VPRf8x
 湯煙の中を熱いシャワーが、白い女体のみずみずしい肌に弾け散っては流れ去る。
 湯浴みするのは金髪の美しい娘だ。均整の取れた長身はよく鍛えられて引き締まり、それでいて女体の要所要所には、余りあるほどに豊かな雌の甘みを蓄えている。
 殊にひときわ目を引くのが、胸元でたわわに実る巨大な乳房だ。文字通り男の手にすら余るその巨乳に、いま彼女自身が自らの手を掛けていた。
 女性としては長身である彼女の掌であっても、乳房はさらに大きく重く、とうてい包みきれず両手に余る。
 その白い柔肌の巨大な乳房に、彼女自身の十指が重く沈み込んでいく。
「……んっ、……」
 張りのあるたっぷりの乳肉が歪み、わずかに甘い痛みが乳房の芯から彼女を刺した。だが彼女は構わず、己が双球を握りしめていく。
 彼女の乳房をその見事な大きさよりも際立たせているのは、白肌と鮮烈なコントラストを成す黒褐色の乳輪だった。
 ほんの昨日までみずみずしい桜色をたたえていた左右の頂は、今や黒々とした褐色に染まっていた。あまつさえその全体にぶつぶつと浮き上がった腺の数々が、わずか一夜の情事が彼女にもたらした決定的な肉体の変化を何より雄弁に物語っている。
 それはあたかも胎内に子を宿した、妊婦の乳首のそれだった。
 握力を強めるに従い、黒い乳輪の中にぷつぷつと何か、白い汁が滲み出てくる。
「……んっ、……」
 彼女がさらに掌へ力を込めると、ついには張りつめた果実を握りつぶしたかのように、黒い乳輪から白い母乳が噴き出した。
 堰を切ったように溢れる母乳が、乳輪から迸ってはシャワーに洗い流されていく。自らの乳房を強弱を付けながら何度も握り、尽きることなく溢れる母乳をただひたすらに搾り出しながら、金髪の美女はひとり呟く。
「……ちくしょう」
 彼女の脳裏に蘇るのは、魂にまで焼き付いた二つの光景。
 憎き地球連邦軍の標準的量産MS、RGM-79R《ジムU》。その一機とビームサーベルを抜き払っての格闘戦の最中、彼女をコクピットもろとも貫いたメガ粒子の奔流。
 灼熱の中で塵も残さず蒸発したはずの彼女は、無傷で目覚めた。そしていけ好かない男と思っていたMS隊長と、自ら望んで男女の交わりを果たしたのだ。
 それは彼女にとって鮮烈な恐怖と、そして何よりも屈辱の記憶だった。それ以外の何者であるはずもない。
 だがそれらの瞬間を思うとき、彼女の股間で女陰が甘く疼いて啜り泣くのだ。
 本来であればその圧倒的な物理力で、彼女の肉体と生命を宇宙の塵に還していたはずのメガ粒子の暴威。
 確かに彼女のパイロットスーツを瞬時にすべて焼き尽くした閃光の中で、そして処女を奪われながら膣内で爆ぜるように放たれた大量射精の中で、彼女は確かに絶頂を迎えた。
 倒錯した、究極の快楽。
 あまりに鮮烈なその残滓が、今も彼女の雌を疼かせるのだ。
 対流のない無重力空間でシャワーを循環させる風圧の中で、青い瞳の眦に光る滴も流れ去っていった。魂の奥底から、彼女の搾り出す言葉とともに。
「ちくしょう――」

171フェニックステイル投下中断中2017/08/14(月) 01:38:58.61ID:Ome7d6RV
中途半端な位置での停止、申し訳ありません。
しばらく投稿しない間にまた連投規制が強化されたようで、現状ではお手上げです。
そろそろ2chでのSS投下も潮時なのかもしれません。

172フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:03:09.86ID:TZ37+qF0
 マイン・ハフナーが目覚めた場所は、戦艦《ジャカルタ》に複数存在する医務室の一つらしかった。戦闘後に艦内へ収容され、そして隊長との情事の後、再び気絶した自分はここへ搬送されたようだ。
 彼女が気づいたとき、すでに室内は無人だった。体調も悪くはないように思えた。どす黒く変色して母乳を滲み出させる乳輪と、飲ませる赤子のあてもない母乳をひたすら作り出しては溜め込むように変わり果ててしまった乳房以外は。
 備え付けのシャワー室で母乳の処理を済ませたマインは、誰かが室内へ用意してくれたらしい衣服を身に付けた。
 下着にはご丁寧にブラジャーもあった。ただしMSパイロットである彼女が常用するスポーツタイプのものではない。妙にパッドの分厚いそれは授乳期の母親向けのそれだったが、あらかじめ測っていたかのようなジャストサイズでマインの乳房を包み込んだ。
 ただし上着として用意されていたのは、意匠が気に食わず、彼女が今まで決して着ようとしなかったノースリーブの女子エゥーゴ制服だ。
 少し嫌そうな顔をした後、他に選択肢がないことを確認してから、やむなく袖を通す。とにかく人前に出られる格好になったマインは部屋から出ようとした。
 医務室のドアを開けた瞬間、目の前に若い女が立っていた。
「おはよう、ハフナー少尉。意外と早いお目覚めね」
「――シャノン……っ」
 視界へいきなり飛び込んできた女の顔を、マインはきっと睨みつけた。
 額できれいに切り揃えた黒い前髪と眼鏡の下の、冷たい知性を宿した青い瞳は鉢合わせに驚いたような様子も見せない。ただ、どこか突き放すような距離感を持ってマインを見つめている。
 単純に上の視点から人を見下すだのといったものともまた違う。マインにとって彼女のそれは、実験動物を見る研究者の無感情な視線に思えた。
 シャノン・ヒュバート少尉は、リアンナ・シェンノート少尉率いる戦艦ジャカルタ第二MS小隊所属の女性パイロットである。そして彼女はMSパイロット資格と同時に医師資格を持ち、戦艦ジャカルタの軍医を兼務するという異色の才媛であった。
 年はマインとそう大きく離れていないはずだ。しかしその感情を他者に感じさせないほどに抑えた仕草が、マインをしてシャノンをいけ好かない女に思わせていた。
 そしてビームサーベルにコクピットごと貫かれながら生還したマインを診断したのも、彼女だった。マインの肩越しに室内の机上を見やり、シャノンはそこに置かれたままの診断書に大げさなため息を吐いてのける。
「『2月26日から三日間は面会謝絶で絶対安静』……私はそう診断書を出しておいたはずだけど?」
「はっ。三日だぁ? おいおい勘弁してくれ、あたしはそんなに寝てたのかよ。道理で体が鈍ってるわけだ。先生どいてくんな、リハビリにちょっくら一汗流してくるよ」
 そう軽口を叩きながら脇を抜けようとしたマインの前を、無言のままでシャノンが塞いだ。面倒くさそうにマインが睨む。
「ハフナー少尉。今日はまだ2月26日よ」
「あたしの三日は早いんだよ」
 二人はそのまま温度の噛み合わない視線で睨み合う。痺れを切らしたマインが次の動きへと移る手前で、シャノンが腕組みしながら身を引いた。
「止めないのか?」
「止めて聞きそうな気配がないもの。私もここで病院送りにされたくはないからね」
「――そうかよ」
 道を開けたまま肩を竦め、くすり、と微笑むシャノンを、マインはいっそう強く睨みつけた。勢いよく床を蹴り、リフトグリップを掴んで身を委ねる。

173フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:04:33.82ID:TZ37+qF0
 無重力の通路を泳いで流れ去りながら、しかしマインは次に行くべき場所を決めかねていた。
 指揮系統上の上官であるMS隊長、ベリヤ・ロストフ大尉への報告は必要ないだろう。彼とはつい先ほど最低の形で言葉と、そして肉体と欲望を交わしたばかりだ。
 自身の膣奥深くに放たれた、白く粘ついた熱い欲望。それを子宮で受け止めながら達した、精神を狂わせるほどの快楽の極致。その片鱗を思い出してマインは震える。
 ――少なくとも今はまだ、あの男と会いたくない。
 会えば自分がどうなってしまうのか、マインはそのときの自分の姿がまったく想像できなかった。それは彼女に芽生えた、また新たな恐怖だった。
 といって、ティターンズと連邦軍の攻撃で壊滅した故郷の資源衛星から一緒にエゥーゴへ参加した、彼女を『姉御』と慕う二人の舎弟のところへ行くのもはばかられた。
 マインら三人は同じく復讐を誓う同郷の同胞として団結し、ベリヤ率いるジャカルタMS隊主力に対抗心を燃やしていた。
 だが連邦軍ジムUとの一対一の戦いで無様に敗れたうえ、自ら望んでベリヤに犯され、あまつさえ昨日まで処女であった自分が乳房から母乳を噴き出す体にされてしまっているのだ。
 合わせる顔がない。
 今の自分にはどこにも行くべき場所がないことに気づきながら、しかし一カ所に留まることも出来ず、マインはただ人の気配を避けるようにジャカルタの艦内を漂っていく。
 そんな彼女のくすんだ視野に、見慣れない女性士官の姿が不意に飛び込んできたのはそのときだった。
 長い赤髪を泳がせる、地球連邦軍制服の可憐な美少女だ。程良く膨らんで制服の上衣を押し上げる胸元といい、しなやかに伸びた健康的な四肢といい、男たちの視線を集めるには十分以上の魅力を発揮している。
 だが何より強く男たちを魅了するであろうものは、その可憐な仕草だった。
 いかにも自信なさげに伏し目がちな表情、震える睫毛、弱い自らをなんとか守ろうと抱きしめるような腕の動き。
 それらは強い男たちの庇護を必要とする、か弱い女のアイコンをひどく直接的に表現しており、それゆえ目ざとい男たちを惹きつけずにはおかない。
 それらすべてが、現状に直結していた。
「君さ、ホントに可愛いねー。この艦にまだ君みたいな美少女がいるのを見落としてたなんて、俺らもほんとチェック不足だったって言うか、申し訳ないねー」
「あ、あの……っ、こ……困り、ますっ……わ、わたし……今から、行かなきゃ……いけない、ところが――」
「へー、どこ行きたいの? 俺らが連れてったげるよぉ」
「…………」
 マインの視線の先で、その美少女士官に二人の男が絡んでいる。彼らも連邦軍士官制服だが、こちらも見慣れない顔だ。少なくともMS隊の所属ではない。
 二人は彼女の退路を塞ぎながらパーソナルスペースを潰して大きく押し込み、少しでも顔を背けて逃れようとする彼女に、耳元へ息のかかる距離から話しかけている。
「じゃあさ――ちょっと俺らの部屋、寄っていこっか」
「――えっ」
 笑顔のまま、男たちが切り出した言葉。その裏に潜む意味を悟って、少女がさっと青ざめる。咄嗟に逃げようとした彼女の退路を、一人が即座にさっと塞いだ。
「俺らの部屋、すぐそこだから。熱くてクセになるドリンク出してあげるよ。ちょっとだけ、ちょっとだけ休憩していこうよ」
「やっ、やめっ――」
 一人が手首を掴んで拘束し、一人が手際よく部屋のドアを開ける。彼女が恐怖と絶望に涙を浮かべたとき、マインは一歩を踏み出していた。
「おう。お前ら、ドコの者だ?」
「――何?」
「あっ――」
 長身の金髪美女から凄みを乗せて話しかけられ、男たちは明らかに鼻白んだ。目を瞬かせた後、一人が相方に耳打ちする。
「マイン、……マイン・ハフナーだ。第三MS小隊長の」
「じゅ、『十人殺しのマイン』か!? さっきの戦闘で、死にかけてたんじゃ――」
 編成間もないジャカルタ隊にあっても、マインたちの無鉄砲なまでの喧嘩っ早さは広く知れ渡っていたらしい。二人が怯んだところへ間髪入れずに畳みかけた。
「あっ!?」
 マインはぐい、と少女の腕を掴み取るや、自分の方へと奪うように引き寄せる。彼女を抱き寄せながら、ドスの利いた声とともに男たちを睨んだ。
「ウチの者に訳の分からんちょっかいかけてんじゃねぇよ。失せろ」

174フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:05:30.44ID:TZ37+qF0
「い、嫌だなハフナー少尉、……MS隊の子だったんですか……早く言ってくださいよ」
「知るかよ、阿呆。おい、行くぞ」
「あ、――は、はいっ」
 あっさりとマインの眼光に押し負けて、男たちが道を譲る。少女の手を強引に引きながら角を曲がるとき、彼らの悔しげな舌打ちが遠く聞こえた。
「クソッ。なんだよ、見ない子だなと思ったらMS隊かよ」
「でも、だったら逆に良かったな。だってMS隊の女って、全員『大尉のお手つき』なんだろ。そんなのへうかつに手出しせずに済んで、命拾いだぜ」
「…………」
「……あ、あの――っ」
「――ん?」
 その声も遠ざかって聞こえなくなった頃、少女が上目遣いに見つめているのにマインは気づいた。たどたどしく話しかけてくる。
「た、……助けてくださって、ありがとうございます。は、ハフナー少尉? が、助けてくださらへんかったら、……私、今頃――」
「もう普通に喋っていいぞ。あたしは別にジオンなんざ何とも思ってないからな。そのジオン訛り、無理に消そうとしなくていい」
「あうっ……!」
 必死の演技もマインにたやすく見破られて、少女は涙を浮かべたままきゅっとその場に縮こまる。
「お脳とチンポが直結してる猿でもなけりゃ普通に分かる。お前、さっき収容したジオン残党のパイロットだろ。なんで連邦の制服なんか着て、こんなところをうろついてる?」
「あ、あの、……その、こ、これは――」
「ハッキリ喋れや!!」
「はううぅっ!!」
 はっきりしない仕草で、我慢の限界へたやすく達したマインの拳が壁を叩く。少女は自分が殴られたように縮こまった。
「あたしはなぁ! お前みたいな、いちいちハッキリしない女が一番嫌いなんだよ!!」
「う、うう……堪忍、……堪忍や、お姉さん……ぶたんといて……ぶたんといて……」
「分かったよ。殴らねえから、さっさと言えって。……言えっつってんだろうが!!」
「ひっ――ひいいっ!! あ、あんな……う、うち、実は――」

175フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:06:53.60ID:TZ37+qF0
「――なるほどな。長年世話になった隊長のオッサンが、ジャカルタの艦内でどうも危ない。そういう虫の知らせがあったと。んで、チビのくせに乳だけデカい栗毛の女が怪しいから、まずはとにかくそいつのところに行きたい。
 それでわざわざ連邦軍に変装したうえ、さらに女装してまでやってきた、と」
「……せ、せや……」
「そうか。……まったく、義理堅いこったな」
 マインが受けた説明をまとめたところ、デティ・コイヤー軍曹と名乗った連邦軍女性士官の正体は、ジオン残党軍の男性パイロットらしい。連邦軍装も女装も、艦内への潜入工作のための偽装だそうだ。
 ただ連邦軍装の方はともかく女装の方は、顔立ちも体格もすべてがあまりに自然すぎて、まったく変装に見えないのだが、本人がここまで必死に言うのだから女装なのだろう。
 とりあえずそういうことにしておける度量の広さがマインにはあった。
「よし。とにかく分かったぜデティ。お前が言ってるのその女ってのは、ジオン残党のむさいおっさんに興味津々な変態マニアのエロ女なんだろ? そんな救えねえ奴、ジャカルタ広しといえど一人しかいねえ。案内してやるよ」
「え、ええの……?」
「おう。任しとけ」
 どうせ他に行くところもないしな。
 言葉の後半を飲み込みながら、マインは目的へ向かって身を翻した。
「こっちだ。来いよ」
「おおきに、……おおきに、姉さん!」
「いいってことよ。気にすんな」
 涙混じりに微笑むデティへさっぱり笑って手を振りながら、ところで今、マインが気にしていることが一つある。
 涙を拭きながら可憐な希望の笑顔を浮かべる、女装美少年コイヤー軍曹の顔面から、マインはそっと視線の高さを下げる。
「…………」
 連邦軍制服上衣の胸元でたゆんと揺れる、二つの膨らみがそこにある。
 上官をしてジャカルタ最大級とまで言わしめた、マインの巨乳に比べれば二周りは小さい。それでも一般的な尺度にすれば、男の掌に包んでもたやすく溢れるだろうその大きさは、見事な実りであるに違いなかった。
 こんな余計な主張をするものさえ胸にぶら下げていなければ、先刻の男二人に捕まることもなかったのでは、とも思えるほどだ。
 ――だが女装ってことは、これも作り物なんだよな。パットか?
「あ、姉さん? ――ひあうぅっ!?」
 だからマインはデティが通路の交差点で止まったとき、背後からその二つの膨らみを両手に大きく握りしめていた。
「…………」
 生っぽい。柔らかい。もちもちの弾力がぎっしり詰まったたっぷりの肉感が、人肌の温もりを添えながら食い込む指を跳ね返してくる。
 制服の下にはブラジャーのたぐいまで身につけているらしい。本格的だなと感心しながら、マインは手を休めることなく二つの膨らみをさらに揉みしだいていく。
 つい先ほど、マインが自らの巨乳から母乳を搾り出していた時の手つきで揉み搾る。本物の乳房なら乳首があるはずの位置を探ると、確かにそこには小指の先ほどの突起を捉えた。
 マインはそこを指先の腹で擦りあげ、摘みあげるようにして指で左右とも責めたてる。耐えかねたように切なげな声を上げながらデティが左右に身をよじった。
「あッ――あ、ああ……っ、あああああ……っ! あ、ふぅ……ッ。あ、あかん……お姉さん、あかん……こ、こんなん……っ、うち、うち、もうあかん……! 堪忍や……堪忍してぇな、……いやぁ、やめてぇ……!」
「ん、……んん? おう、悪い悪い。でもな、これパットだろ? なんでお前が変な声出してんだよ――あ」
 言いながらマインは、自分の巨乳もデティの背中で大きく潰れていたことを思い出す。
 今はこんな見た目でも、彼は男――なるほど、こっちか。
「悪かったな。その偽乳がどういう風になってんのか、ちょっと気になっちまったもんでな。しかしそれ、ずいぶん本格的な質感と感触だな」
 さっと身を離したマインの前で、半ば膝から崩れながらデティは喘いだ。焦点の合わない瞳にいっぱいの涙を溜めて、怯えきったように説明する。
「……せっ、せ、せやろ……? あ、あんな。うちもな、変装用にな、……よそのサイドでそこらじゅう探してやっと、この偽乳パッド見つけてきたんやねんで……?」
「へえ、そんなにか。すげえ情熱だな」

176フェニックステイル第27話2017/08/14(月) 22:07:00.64ID:TZ37+qF0
 真っ赤に赤面して少し涙目になりながら、それでも必死の早口でデティはまくし立てた。だが、デティの胸の膨らみを貪り尽くしたマインは素直に納得してただ頷く。
「そうか、最新技術はすげえな。それ、あたしの本物の乳と大して変わらねえぞ」
 あたしの乳を背中から押しつけただけでここまで興奮するような童貞じみた反応をするようでは、その偽乳も普段はさぞ良からぬ別目的で使っていたのではないかともマインは思ったが、わざわざ口には出さないことにした。黙って認識を書き換える。
 デティ・コイヤーとかいうこのジオン兵は、相当重度の女装マニア(童貞)なのだな。
 世の中にはいろんな人間がいるのだ。そしてこちらに害がない限り、マニアと変態は放置するに限る。
 しかし、となれば事は変態対変態である。こいつならあのリアンナとも、案外いい勝負が出来るのでは無かろうか。残念ながら、自分はそんな戦いには到底ついて行けそうにないが。
 それにしても。
「最近の女装道具ってのは、ずいぶん出来が良いんだなあ」
 どうでもいいことに感心しながら掌をにぎにぎと動かすマインは、きゅっと肩を縮めて胸元と股間を守ろうとするデティを連れて、リアンナの私室方向へと流れていった。

177フェニックステイル第27話投下終了2017/08/14(月) 22:07:19.61ID:TZ37+qF0
今回は以上です。

178名無しさん@ピンキー2017/08/16(水) 12:07:15.90ID:+2oGhDNz
乙です!

179名無しさん@ピンキー2017/08/18(金) 23:03:32.55ID:lluI54dB
ルールカかルイスの髪コキください

180名無しさん@ピンキー2017/08/20(日) 18:53:00.25ID:rFBttAR7
カールルイスなつかしいな

181名無しさん@ピンキー2017/08/20(日) 19:39:38.61ID:ZXGoec4b
カールルイスで髪コきって物理的に出来るの?
かなり短髪だったような気がするんだが

182名無しさん@ピンキー2017/10/01(日) 07:17:18.54ID:s4xxSE81
カールルイススレに迷い込んでしまった

183名無しさん@ピンキー2017/11/21(火) 03:19:37.38ID:17rFs6Dd
カールルイスそろそろ髪が伸びたかな

184名無しさん@ピンキー2018/01/20(土) 19:09:27.86ID:uUbThqr6
ルー・ルカの髪コキみたい!!

185フェニックステイル第28話投下準備2018/03/01(木) 00:28:54.29ID:pVlbX2Og
お久しぶりです。
連投規制でどこまで投下できるか分かりませんが、ひとまずやってみます。

186フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:31:50.64ID:pVlbX2Og
「さて、――仕上げですね」
 多数のモニター群が一面の壁を埋め尽くす密室。そこに余すところなく映し出されているのは、エゥーゴ戦艦《ジャカルタ》艦内の各所だ。
 通常であればここは、艦内の保安警備要員によって操作されるべき場所に思える。
 しかし今それらのモニターを見つめているのは、ジャカルタ本来の保安警備要員ではない。
 ここにいるのは、思い思いの姿勢を取ったMS隊のパイロットたち――それも、全員が若く美しい女性たちだった。
 そもそもこの部屋自体が正規の《アイリッシュ》級戦艦の規格に含まれておらず、艦内図にも載せられていない。
 ここはジャカルタ乗員の中でもごく一部の限られた者たちだけが存在を知る、言うなれば秘密の小部屋であった。
「あらあら、メイヴ。またリアンナの悪い癖ですか」
 真っ直ぐの豪奢な金髪を靡かせながら呟いて、華やかな影が室内前方をすうっと過ぎる。
 均整の取れた肢体に豊満な甘みを宿した美女は、画面群の一室に蠢く二人の影を眺めて悪戯っぽく微笑んだ。
 二つ連なった画面には、ブラジャーを掴んだままプルプル震える旧ジオン公国軍パイロットスーツ姿の巨漢と、
その磨り硝子のドアひとつ隔てた向こう側で気持ちよさそうにシャワーを浴びる童顔の巨乳美少女が映し出されている。
「――彼女が志願してくれたおかげで、我々は《ルスラン・フリート》と交渉するための『裏口』を容易に入手できます。
 リアンナの奇矯な趣味も、今回ばかりは我々の利にかなうということですよ、ルチア」
 室内後方のコンソールに付いていた、メイヴと呼ばれた褐色の女性が口を開いた。
 その胸元は慎ましやかだが、すらりとした群を抜くほどの長身と、南方系の涼やかな美貌は同じく目を引く。
 メイヴは何の感情を見せることもないまま、ただ画面群をじっと見ている。
 いずれ劣らぬ美女美少女たちの中、輝くばかりの金髪に豊満な女体を併せ持って正面に立つルチアと、黒髪黒肌にすらりとした長身で陰に控えるメイヴ。
 二人の美女はさながら、ジャカルタMS隊に輝く太陽と月である。
 寡黙で感情と存在感を表に出すことは少なくとも、彼女ら一党の背後で必要な動きをことごとく掌握しては細やかにこなすメイヴが、
半ば畏敬を込めて『メイド長』と渾名されているのも、至極もっともな説得力があることだった。
 そしてメイヴが『メイド長』なら、ルチアはたとえ直接にそう呼ばれることはなくとも、間違いなく『第一夫人』だった。
 この一室に集う女たちの間で、その序列は鮮烈に刻みつけられている。
 ジャカルタ軍医を兼務する第二小隊パイロット、シャノン・ヒュバート少尉はそんな二人を視界の隅に留めつつも、画面の中で沈痛な面持ちのまま通路を流れていく戦友、マイン・ハフナー少尉を追っていた。
 マインは二人の舎弟を従えてエゥーゴに参じた、旧ルウム宙域の鉱山衛星出身の荒くれ者だ。
 顔立ちは整ってはいるがとにかく目つきと態度が悪く、それでいていっそ下品なほどに乳房は大きい。
 ルチアの豊満なバストをも上回るそのインパクトで、艦内の男たちから下賤な話題を一身に集めていたのがマインだ。
 もっともそんな軽口が本人の耳に入れば、胸倉を掴み挙げられ、物陰へ連れ込まれて痛い目に遭わされることになっただろうが。
 そんな彼女は先日のMS戦で、自機のコクピットを敵機のビームサーベルに貫かれた。
 機体の誘爆こそ免れたものの、リニアシートを含むコクピット主要部は完全に蒸発。通常であれば金髪の爆乳美女の肉体は、メガ粒子の奔流の中で骨も残さず塵に還っていただろう。
 だが、そうはならなかった。
 マインに秘められたとある特殊な因子の発動が、彼女の肉体と生命を、ガンダリウムγ合金すら蒸発させる超高熱の中で守り抜いたのだ。
 そして、その反動で彼女は発情し――嫌ってさえいた男に自ら懇願して処女を貫かれ、さらに想像を超える快楽の絶頂で、その膣内へと大量の射精を受け止めた。
 シャノンはその情事の一部始終を観察し、記録し、分析していた。何の感情もなく、ただ淡々と――その事後の状況も含めて。それが彼女の使命だからだ。
 そんなシャノンの柳眉が、ぴくりと動く。薄い唇が言葉を紡いだ。
「ん、……あの連邦制服の少尉、――見ない顔ですね」
 マインの行く手でジャカルタの男性士官二人に絡まれていた、長い赤髪の少女だ。連邦軍士官制服を着ている。彼女もまた、この部屋に集った女たちに劣らぬほどの美貌を備えていた。
 マインは男たちから彼女を助けて連れ出し、二人はそのままリフトグリップで流れていく。

187フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:32:22.34ID:pVlbX2Og
「確かにそうですね、シャノン。密航者? ――いや、……」
 言いながら端末を操り、メイヴはMS格納庫を拡大する。満身創痍で収容されたジオン残党MS三機のうち、コクピット内にパイロットを残すのは一機だけになっていた。
 電話を取って現場の整備兵に聞いてみれば、ドラッツェのパイロットがどうも腹の具合を悪くしたという。
 そして少し目を離した間に、マインと謎の少女士官は意気投合したらしかった。二人揃って再びリフトグリップを握り、進路を変えながら移動していく。
 その二人が向かう先に、リアンナの居室はあった。メイヴはひとり得心し、静かに頷く。
「――なるほど。繋がりましたね」
「どうしますか?」
 話の流れを読んだシャノンが、素直にメイヴへ質問を投げる。
 保護したジオン残党兵の少佐を色仕掛けで落とす、などというリアンナの計画は馬鹿馬鹿しくなるような代物ではある。
 だがその手の技能は彼女の十八番でもあり、また古典的なだけに一定の効果は確実に期待できる手段だ。
 ここで邪魔を入れられるのは、決して面白い話ではない。
 さて、どうするか――
 ルチアの口元に不敵な笑みが浮かんでくるのを横目に、シャノンはふっと息を吐いた。

188フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:33:51.49ID:pVlbX2Og
「ふふ、おじさま。いいお湯でしたわ――」
「は、はおっ。はおおおおおーーーッッ!!」
 剥き出しの肩から湯気を溢れさせながら、栗毛の美少女は禿頭の巨漢を狙って迫り来る。
 幼ささえ感じさせる肢体へアンバランスに、そして豊かに実った胸元の果実がふたつ、歩を進めるたびたわわに揺れる。
 白い肌を湯上がりの熱に火照らせながら、無防備な女体にバスタオルひとつ巻き付けて迫り来るリアンナへ、ドッツィは両手を振り回しながら悲痛に叫んだ。
「あ、アカン!! 頼む、服着て! 後生やから!! まず服着てや!! 湯冷めして、風邪っ! 風邪引いてまう!!」
「あら? おじさまの方こそ、殿方の大切な部分が、こんなに大きく熱くなってしまっておりますわよ。
 いけませんわ、お風邪を召されてしまわれたのではなくて? ああん……早く、何とかしませんと……」
 リアンナは蠱惑的な視線を向けつつ、今やノーマルスーツの上からもその存在を確認できるほどに堅く盛り上がったドッツィの巨砲に舌をなめずる。
 互いに息のかかる距離まで追いつめ、そっと手を伸ばしてきた。
「ハオーーーッ!!」
「あぁんっ!?」
 蛇に睨まれた蛙と化したドッツィは、それでもその手を跳ね除けた。声を絞り出しながら、迫る少女を押しとどめる。
「あ、アカン! アカン……こ、こんな、会うたばっかりのオッサンに、いきなり……いきなりは、アカンっ。
 あのな。お、女の子は、もっと、自分を大切にせなアカン……!! せ、せやないと。せやないとな……」
「くすくす。そうでないと、――どうなりますの?」
「……せ、せやない、と――」
 そうリアンナが問うた瞬間、風が揺れた。
 巨獣のごとき身のこなしで跳躍するや、ドッツィは瞬時に少女を壁際へ組み伏していた。巧みに関節を極めて完全に動きを封じ、彼女の死命を制する位置を確保している。
 ドッツィはその耳元から、今までの狼狽具合が嘘のようにドスの利いた声を吹き込んだ。
「世の中、まともな男ばっかやあらへん。――何されてまうか、わからへんのやで」
「あら、あら。うふふ――」
「一年戦争の時分、ワシは地球方面軍におった」
 腹の奥底深くで澱のように溜まった、決して溶け出すことのない何かを搾り出そうとするかのようにドッツィは言った。
「北米や。荒れ果てた戦場で生きる術をなくした地元の女の子が無理に稼ごうとして、荒んだ兵隊にほんまに惨い目に遭わされるところも、嫌っちゅうほどなんべんも見たわ」

189フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:34:38.53ID:pVlbX2Og
 乾いた大地に広がる爆撃の瓦礫。コロニー落としが遙か高空まで巻き上げた塵に覆われ、晴れることのない曇天。
 HLVから荒野に降り立つ軍靴。故郷を遠く離れた地球の重力、コロニーの人工環境とはかけ離れた荒れ狂う天候に戸惑う公国兵たち。
 敵地。
 ゲリラ化した連邦軍の残存部隊と、市民に溶け込む地元民兵の抵抗。突然の狙撃で倒れる戦友、脈絡なく炸裂する仕掛け爆弾で消し飛ぶ車列。見えない敵が神経を苛む。
 自宅も家族も失い、焼け出された少女たちが夜の街頭に立つ。傷ついたジオン兵たちへ向けられる、強ばりを隠しきれない笑顔。兵士たちに誘われ、一人二人と連れ立っては闇に消えていく。
 そして風の冷え切った夜明け頃にもまだ、路傍に姿を留める少女たちがいた。
 ある者は廃屋に高く吊され、またある者は裏路地に捨てられたまま冷たくなって。
 大地へコロニーを落とした侵略者に媚びる売女。もしくは物陰から自分たちをつけ狙い、情報を聞き出すゲリラの一味。
 あるいは、理由など何でも良かったのかもしれない。弱く孤立して狙いやすく、壊して楽しい手頃な獲物でありさえすれば。
 そうして少女たちを殺し続けていた自軍兵士のひとりを、かつてドッツィは追いつめた。銃撃戦の末に横たわった彼の死に顔は、まだ幼くあどけない少年のそれだった。
 戦場という状況の巨大さを前にして、たかが一士官に出来ることなど何もなかった。だからただ、彼はそれを見ていた。その狂気に呑まれぬよう、必死に自分を保ちながら。

190フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:36:22.29ID:pVlbX2Og
「――せやから、な。後生やから、そういうの、やめや」
 無重力ゆえドッツィの巨体に伸し掛かられても、リアンナがその体重そのものに圧されることはない。それでも彼女は必殺の位置を取られたまま、身じろぎひとつも出来ずにいる。
「あら。私、殿方に無体に嬲られるのは、慣れておりましてよ?」
 そしてリアンナは、にっこり微笑んで話し始めた。
「だって私、もとから箱入りの性奴隷でしたもの」
「――は?」
 居室の窓から覗く暗礁宙域。一面に漂うスペース・コロニーのデブリ雲から照り返す月光の下で、リアンナは今までと寸分変わらぬ笑みを浮かべていた。
「宇宙移民から一代でのし上がった、立志伝中の実業家。彼が自身の欲望を満たし、そして権力者たちの欲望までをも抱き込んで己の権勢を拡大するために築いた、最高級の性奉仕に勤める少女たちを箱詰めで育てる学園。物心付いた頃には私、もうそこにおりましたの」

191フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:37:13.96ID:pVlbX2Og
 すえた臭いの広がる、コロニー内の裏通り。ゴミ箱を漁る幼い孤児たち。
 その一人の幼女の腕を、不意に男が高く引きずり上げた。汚れた顔を値踏みするようにまじまじと見て、合格、と呟いてニヤリと笑う。
 彼女が男にそのまま荷物のようにエレカの荷台へ放り込まれても、気にする者は誰もいなかった。そういう場所だった。
『学園』へと拾われてから、少女の生活は一変した。
 清潔な衣服、温かい食事と寝床。まだ両親が生きていたときですら、これほどの贅沢は味わえなかった。
 洗練された知的な女性を育て上げるための、充実した教育。各種の学問、高度な礼儀作法――そして大人たちと密室で肌を合わせて喜ばせるための、様々な技術と実践。
 それらの中でも何より重視されたのは、『先生』の偉大さだった。
『先生』と呼ばれる創業者にして学園創始者がどれほど慈悲深く、学園へ集められた少女たちにとって、心より深く感謝しなければならない絶対の存在であるか。
 幼い心へ無条件に刷り込まれた絶対の忠誠の中で、『先生』から『夕食会』に呼ばれることは少女たちにとって最大の名誉であり幸福であり、彼女たち自身の序列を決定するものだった。
『夕食会』の相手は『先生』本人ではないことも多かったが、『先生』が選んで示した相手を全力で喜ばせることも、また少女たちにとって無上の喜びであるとされていた。
 たとえ夕食会の夜を共にした大人から、どれほどの苦痛と暴力を恐怖とともに刻みつけられるとしても。
 夕食会に連れ出されたまま二度と帰らず、そのまま存在そのものを消される少女たちがいても。
 ここは変だよ――そう言った少女がいた。
 何がきっかけだっただろうか、その頃に仲良くなった少女だ。心の底からは周囲に馴染めなかった少女に、初めて出来た友達。そう。友達、だった。
 大人たちが近くにいない時、彼女はいつも学園の外の世界の話をしていた。決して越えられない学園の壁の向こう、もう戻れない世界の話を。
 そして初めて呼ばれた『夕食会』の後、二人だけになったとき彼女は泣き出し、少女の手を強く掴んでそう言い出したのだ。
 ――逃げよう。
 だが少女は、彼女のその手を握り返せなかった。
 泣いた彼女は、その翌日に姿を消した。
 人づての噂で『再教育』と称して、校舎や寮から遠く離れた建物の一室へ閉じこめられたとも聞いた。学園を囲む森の中で、野犬のように殺されたとも。
 真相は分からないままだ。
 少女の隣にぽっかり空白を残したまま、何事もなかったように、日々は続いていく。
 繰り返される夕食会。全身を這い回る舌と手。打擲。首を締め上げる手。薄れる意識。侵入と汚濁。



「でも、――そんな日々は突然に終わりましたの。あの日。U.C.0079、1月15日――」

192フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:37:51.92ID:pVlbX2Og
 ルウム戦役。
 艦隊戦が始まる前からすべてを呑み込んでいた大混乱の中、本社からの連絡も途絶して、ただ右往左往する学園の教師たち。
 理事長ら学園幹部はお気に入りの少女たちを連れて、とうの昔にコロニーから逃げ出していたらしかった。残されたのはコネも権限のない、見捨てられた大人たち。
 そして教師たちからの指示なしでは自ら避難することすら出来ず、ただ呆然とコロニーの河から見える光の瞬きを見上げることしかできない少女たち。
 そんな箱庭の世界を貫く、巨大な火柱。コロニーの外壁を撃ち抜いたメガ粒子砲の火線だ。吸い出されていく空気に、遠く離れていても学園の木々がざわつき、あざ笑うように窓が鳴る。
 戦闘中にも関わらず破孔を塞ごうと、コロニー公社の作業ポッド群が必死に作業するのも間に合わないまま、艦砲射撃はなおもコロニーへ弾着し続け、その一弾がついに学園の本部校舎を直撃した。
 孤児だった少女をこの学園に拾い上げて衣食住と教育を与え、何度となく性の奉仕を求めて幼い心身を貪り、外の世界での自由を求めた少女たちを厳しく罰してきた大人たちは、灼熱の劫火に焼かれて一瞬にして塵に帰った。
 今までずっと手足を、そして魂までをも戒めていた、見えない枷が燃え尽きたことを少女は知った。
 そして風が激しさを増した空を見上げたとき、少女は破孔の先で宇宙に浮かぶ単眼の巨人を見た。
 肩に負った重厚な砲身を彼女へ向けて身構える、緑色の機体。その力強く神々しいまでの美しさに、ああ、そうか、と少女は悟った。
 やはり『先生』よりも偉大な『神様』は、この世に在るのだ。
 MS-06C《ザクU》はコロニー外壁に開いた破孔を精確に狙い、ザク・バズーカから280mm径の核砲弾を発射した。
 箱庭は消えた。
 同じ軌道でその日同じように燃え尽きた、二十億の人間と同じように。

193フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:38:57.49ID:pVlbX2Og
「ジオンのザクは、私の解放者でしたわ」
 華やかな満面の笑みを浮かべ、リアンナは恍惚と語る。
「ジオン軍はあの腐りきった世界を焼き払って、私を解き放ってくださいましたの。――そうして世界の汚れた半分を焼き滅ぼした後も、おじさまは戦い続けた。
 やがてザビ家の公国が敗れても、連邦が放った無数の追っ手を討ち平らげながら、絶えることのない戦いの中を生き延びてきた……」
 ドッツィに手足を戒められたまま、リアンナは唇に舌をなめずる。獲物を狙う蛇のように。
「あの破壊と殺戮と闘争の中で、極限まで研ぎ澄まされてきた戦士の魂が放つ、溢れんほどの生命力。私は何よりも、それが欲しいんですの。
 金と権力だけが取り柄の、薄っぺらな男たちとは違う――あの戦争に磨き抜かれた本物の『男』だけが持つ力と欲望を、……私のいちばん奥に刻みつけて、……私を完全に、壊してほしいんですの……」
「…………」
「おじさまなら、今の私を壊してくれる。そのためでしたら私、何でもいたしますの。何をされても、構いませんわ……――おじさま?」
「すまんな」
 くすくすと笑うリアンナの四肢を戒める力が、不意に緩んだ。それと同時に、ドッツィの巨体が彼女に重なる。リアンナを力強く抱きしめていた。
 ようやく、始まる――今まで何度となく重ねてきた、しかし待ち望み続けてきた初めての情事を思って微笑みかけたリアンナの耳に、耳慣れない音が聞こえた。
 それは巨漢が全身を震わせて泣きむせぶ、嗚咽だった。
「すまんなあ、――すまんなあ。ワシら大人が、不甲斐ないばっかりに。お嬢ちゃんみたいな子らに、……えろう辛い思いばっかりさせてもうて……」
 言葉を何度も詰まらせながら、ドッツィはリアンナをその腕の中へと抱きすくめる。
「辛かったやろ。怖かったやろ。堪忍な。堪忍してや、……ほんまに、すまんなあ……」
「……おじさま? 嫌ですわ。私、辛いことなんか、何も、……何も――」
 言葉のやりとりは、そこで止まった。
 身動きも出来ないまま、ただドッツィの嗚咽と互いの呼吸と心音を聞くだけの時間が流れる中でリアンナは不意に、その懐かしい感覚に気づいた。
 ずっと遠い昔。まだ彼女が物心つく前に死に別れた――父親の、記憶。
 学園で過ごした日々も、その後の八年間も、一度も得られることのなかったもの。
 啜り泣くドッツィの腕の中、その懐かしく暖かな温もりのなかで、リアンナは戸惑う。巨体を押しのける力もなく、何よりもその意志が出ないことに。
 そんな彼女たちの頭上に、間の抜けた呼び鈴が鳴る。
 最初の一度から少し間を置き、続けて何度も。
 それでも二人がそのまま動けずにいると、異常に強烈な金属質の打撃音が、二人の背後――部屋のドアから響きわたった。

194フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:41:23.94ID:pVlbX2Og
「オラァーーーッ!! 出てこいリアンナァァァーーーッ!!」
 ガゴーン! ガゴーン! と戦艦ジャカルタ居住区の回廊に炸裂する、工事現場のごとき破壊的騒音。
 その正体は長身の金髪爆乳美女が鉄パイプを振り上げて繰り出す、異様に腰の入った強烈無比なフルスイングだ。一撃ごとに火花が飛び散り、頑丈そうなドアが凹む。とんでもない腕力だった。
「居留守ブッこいてんじゃねぇぞオラァ! いるのは分かってんだよ! 観念しやがれ、出てこいリアンナッ!!」
「ご、後生やから止めてっ、止めてや姐さん! なんか、ウチが思ってたんと違う!! こんなん、ポリが! ポリスメンが出てきてまうッ!!」
「じゃかぁしぃッ、何がポリだ! ポリ公で済むならエゥーゴは要らねェんだよ!! あたしは今最高にムカついてんだ!
 オラァ、いつまでも暢気にシカトぶっこいてんじゃねぇぞリアンナァ!!」
「あ、ああ……っ、あああああ、あああああああ〜〜〜!!」
 自信満々の態度で、目指すこの部屋までデティを導いてきたマイン。
 彼女は秘密の合鍵を持っているなり、あるいは巧みに交渉するなり、いずれにせよもっとソフトでスマートな方法を用意しているものとばかりデティは想像していた。
 だが今のデティはあまりに原始的かつ衝撃的な光景を前に、もはや為すすべもなくか弱い乙女となって立ち竦むだけだった。
 到着当初に数回ほど呼び鈴で穏便に呼びかけた後、内側からの反応なしと見るや、マインはどこからともなく取り出した謎の鉄パイプで猛然と破壊工作を開始したのだ。
 デティが止めに入れる暇など、無かった。
(終わった)
 極めて的確に現状を把握しながら、さりとてもはやデティに出来ることは何もなかった。
 下手をすれば、いやしなくとも、もはや現状は既に艦内破壊工作である。こうなれば破壊工作共犯の罪状までは被るとしても、当初の目的であったドッツィの救出だけは完遂するしかない。
 というか本当にもう、それ以外にない。
 ここまで来ればデティとしては運を天に任せて、マインが扉をこじ開けてくれるのを待つほか無いのだった。
 今はただ、せめて艦のMP(ミリポリ)が殺到する前に、ドアが叩き壊されることを祈るのみ――
「ドラアアァーッ、――おおおッ!?」
 その猛然と乱打していたマインが鉄パイプを振り上げたきり、突如として破壊の手を止めた。
 ドアが開いたのだ。
 打撃でフレームが歪んでいたためかドアはレールの途中で止まったが、とにかく人が通るには十分だった。
「あっ、兄ィーーーッ!!」
「ケッ、手こずらせやがってっ」
 デティは思わず叫びながら、それでも咄嗟に室内へ飛び込んでいた。マインも悪態を吐き捨てながらそれを追う。
「――ひッ……きゃっ、きゃあああああーーーっ!!」
「おい、どうしたデティ――おおッ!?」
 そして真っ先に飛び込んだデティは、絹を裂くような悲鳴を上げて立ちすくんだ。瞬時に沸騰するように真っ赤になった顔面の前を両手で隠す。
 追ったマインが何事かと見れば窓の下、全裸のリアンナを禿頭巨漢の中年男性ジオン兵が組み敷いていた。
 どう見ても強制性交罪による現行犯逮捕待ったなしの事案だったが、ドッツィはなぜか赤く泣き腫らした顔をしており、リアンナの方も涙の粒を浮かべたまま、狐に摘まれたような顔で二人の乱入者を見ている。
「あ、あの、ど……どちらさん、ですやろか……?」
 鉄パイプを肩に背負って睨みつけてくる凶暴そうな金髪の長身爆乳美女と、きゃあきゃあと叫びながら赤い長髪を振り乱して恥じらうだけの、見慣れない連邦軍士官の美少女。
 いずれとも面識のないドッツィは、すわ美人局ヤクザの襲撃かと身構えつつも、美しい娘二人の微妙な場違い感と『らしくなさ』に気圧され、リアンナを守るように抱きしめたままその場に竦む。
 そんなドッツィの戸惑いをよそに、リアンナが平然とした口調で問いかけた。
「――あら? マインさん。どうされましたの? ずいぶん乱暴なノックですこと」
「うるせえよ。お前のお目当てのオッサンの子分が、兄貴を助けてくれってうるせえからよ。ちいっと手伝いにきてやったのよ」
「あ……っ、あ、兄ぃ……な、なんも、されとらへん? え、……えっちぃなこと、……まだ、なんも……されとらへん……?」
 マインに紹介されながら、しかしデティはまだ両手を顔の前にかざしたままで、あられもない二人の現状を直視できずにいる。

195フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:42:34.33ID:pVlbX2Og
「え……? お、……おまえ、まさか、デティ、……か……?」
「あ、……あううぅ……っ……」
 ドッツィの目の前に現れた気弱でいっそ儚げな美少女と、命知らずの義兄弟の印象はまったくと言っていいほど一致しない。
 しかしよくよく見てみれば、その顔立ちは確かにデティのような――
「あああああーーーっ!!」
 まじまじと見つめられたデティは内股でもじもじした挙げ句、急に奇声を発して近くのトイレへ飛び込んだ。
 呆気に取られた一同が見守る中、ガタガタと狭い空間で暴れるような騒々しい音がしばらく響き、やがて再びドアが開く。
「フッ、……ハハハハハッ! 待たしたな兄ィ! デティ・コイヤー参上や! 助けに来たでぇッ!!」
 そして勢いよく飛び出てきたのは、ドッツィと同じジオン軍パイロットスーツ姿の美少年――デティ・コイヤー軍曹だった。ビシイッ、とリアンナの顔面を力強く指さして挑発する。
「もう大丈夫やで兄ィ! このワシが来たからには、もはや淫乱ロリ乳クソ雌ビッチ風情の好きにはさせへんで!!」
「おおおおお……? おい、デティ……お前ってこっちの、……こういうのが素なの……?」
 今までの気弱さが嘘のような豹変ぶりにマインは一瞬戸惑ったものの、すぐにただただ感心し、その豊かな胸を持ち上げるように腕組みした。
「ヘッ、やるじゃねぇか……お前、なかなかの役者だな。気に入ったぜ!」
「おう、世話になったわ姐さん!! ほんじゃあの、ビッチ姉ちゃん。うちの兄ィは返してもらうで!」
 二人の闖入者は互いにニヤリと笑い、サムズアップを交わし合う。
 置いていかれたままのドッツィはぐいぐい押し込んでくるデティ相手に、それでも必死に説明を試みようと口を開いた。
「お、おい、デティ。なんかいろいろ誤解しとらへんか? ちゃうねんで。この子はな、シェンノート少尉はな――」
「結構ですわ」
 だがドッツィが試みようとした弁明を、リアンナが横からぴしゃりと断ち切った。にべもない口調で、誰とも視線を合わせずにデティへ続ける。
「残党軍の方ですのね? お望みでしたら、このまま連れ帰ってくださいまし」
「ぬっ……?」
「おい。いいのかよリアンナ?」
 どこか拍子抜けしたように怪訝に睨むデティの脇で、リアンナの執着を知るマインが質しても、彼女の態度は変わらなかった。
「ええ、結構ですわ。興醒めですもの。私――もう、その方には興味ありませんの」
 ドッツィから解放されて立ち上がるや、リアンナは髪をいつものポニーテールにまとめていく。
「しょ、少尉!」
 その裸身をかろうじて隠すバスタオルが剥がれ落ちそうになるのを、ドッツィが慌てて押しつける。
 だがリアンナはそれにも興味なさそうに受け取るだけで、淡々と着替えの下着を取り出しにかかりながら言い捨てた。
「お返ししますわ。お引き取りくださいまし」
「少尉……」
「はっ、そうかよ。そりゃあ良かったな。お前の吠え面が見れただけでも、あたしは今夜の飯がうまいぜ」
 何か言いたげなドッツィをよそに、マインは機嫌良さそうに笑ってみせた。デティの肩をばんと力強く叩く。
「良かったじゃねぇかデティ。お前の大事なおっさんは傷物にされずに済んだってよ」
「おおきにな姐さん! ほな、兄ィ。行くで!」
 リアンナの知己らしいエゥーゴの爆乳美女と親しげに渡り合いながら、デティは未だ状況へ追いつけないままでいるドッツィの手を取った。
「い、いや、行く言うてもなデティ。人様の艦で勝手に、どこ行くいうねん――」

196フェニックステイル第28話2018/03/01(木) 00:43:29.86ID:pVlbX2Og
「あ、あの――」
「ん?」
 そのとき半開きのドアから、室内へと新たに声が掛けられた。
 立っていたのは赤毛を後ろで短く一本に括った、エゥーゴ制服の少女だった。
 リアンナほどではないが小柄で、その胸元は慎ましやか。マインやリアンナのような華やかさには恵まれずとも、素朴な清純さがある可愛らしい少女だった。
 おずおずと小動物のように室内を覗き込んでいる。
「あぁ? なんだケイティ。お前、何しに来た」
「は、ハフナー少尉……」
 マインから苛立たしげにその名を呼ばれて、可憐な少女はひっとその場に立ち竦んだ。それでも勇気を振り絞るように室内へ入ると、ケイティはドッツィへ向き直った。
「ど、ドッツィ・タールネン少佐と、お連れの方でいらっしゃいますね……? 本艦第二MS小隊所属、ケイティ・ブラウン伍長と申します。本艦MS隊長、ベリヤ・ロストフ大尉より伝言です」
「!」
 その名にマインの肩がぴくん、と跳ねるのも構わず、ケイティは恭しく続けた。
「たいへん申し訳ございません。お部屋の手配に手違いがございました。新しいお部屋をご用意させていただきましたので、そちらにご案内させていただきます」
「さ、さいでっか……え、えらいとこに来てもうて、すまんのう……」
「おう、大儀じゃのう」
 常識人然とした少女を混沌とした状況で迎えて申し訳なさげに答えるドッツィをよそに、デティは腕組みしながらさも偉そうにふんぞり返る。
 そんな二人に苦笑しながらも、ケイティは次に視線をマインへ移した。
「あ、あははははは……それと、――ハフナー少尉。今の体調と、その、ドアの件で……隊長のところまで、私と来ていただけますか」
「――あん?」
 マインは恐ろしげな表情でケイティを睨みつけたが、少女はその圧力をぐっと堪えた。しばらくガンを飛ばしたのち、マインは舌打ちして自身の金髪をくしゃくしゃとかき回した。
「あー……、ちっ。わーったよ。いいぜ、野郎の面ァ拝みに行ってやる。ちょうどスッキリしたとこだしな――あたしもいろいろ言ってやりたいことがある。ありがとよ、デティ」
「姐さん……! なんや、出入りか? 大丈夫なんか! 加勢しよか!?」
「バーカ、要らねえよ」
 マインはさっぱりとケイティへ答えると、肩を回しながら血気盛んに詰め寄る、もはや誰の舎弟なのかもよく分からなくなってきたデティを軽くいなして笑った。
「だがありがとよ、お前のおかげで元気が出たぜ。オッサンもこれに懲りたら、もう悪い女に引っかかんなよ。また後でな!」
「お、おう……」
「で、では皆様、こちらへ……私がご案内いたします。シェンノート少尉、失礼します」
 わいわい騒ぎながら狭いドアから一人ずつ退出していくと、闖入者たちの気配はすぐに遠のいた。
 遠隔操作でドアを閉めきり、再び一人だけになった自室の中で、リアンナはベッドにうずくまりながら、監視カメラの死角で小さく呟く。
「――おじさま」
 ドッツィの匂いと体温がわずかに残るバスタオルを裸身に強く抱きしめながら、リアンナはそっと瞼を閉じた。

197フェニックステイル第28話投下終わり2018/03/01(木) 00:44:36.00ID:pVlbX2Og
今回は以上です。
挿絵の準備完了後、pixivとハーメルンにも投下します。
次回は濡れ場になる予定です。

198名無しさん@ピンキー2018/03/01(木) 21:02:38.23ID:082G7mSI
>>197
乙ガンダム!

[PINK][/PINK 26/30]
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