ナイフで襲いかかる男、その手はマリナに払われ地面に落ちる。
それからも男の攻撃を受け流し、地面に倒し続けるマリナ。
時にはパンチとキックを交えて柔軟に戦うが、何回も攻撃の応酬を繰り返す度に少しずつ疲れが出てきた。
時が経つ毎にそれは顕著になっていく。

(はあ、はあ……おかしいわ。こんなに早く疲れるなんて……訓練より激しく動いているから……?)

疑問と疲労を頭の中で振り払おうとするが、一瞬のモーションの鈍さを男は見逃さなかった。

「もらったぁぁ!!」

「しまった!」

男は逆にマリナを投げ飛ばすとナイフを拾い、コートを縦一閃に切り裂いた!

「いやぁぁ!」

「ほお、皇女、いいもん着てるじゃねえか。」

コートの下にはあのビキニ状スーツを来た姿。 アクバルが心配で急いでコートを羽織ってきた。

「どれ、どんなかんじなのかねえ、マリナ様の素肌……」

「いや、やめて!」

震えている様は普通の女だった。もはやあの冷静さは吹き飛んでいる。
体力の減少も止まらず、息が激しくなっている一方だ。

「はぁ、はぁ……」(さっきより疲労が酷くなってきてる……)

「やめろ!マリナ様に酷いことするな!」

そこにやってきたのはアクバルだった。

「アクバル、なぜここに!?」