どれだけ時間が経ったのだろう。
腹痛が治まり、再び訪れ、歯軋りしながら耐えて、また治まり。
僅か数分程度のことなのに、視界を奪われた恵美子は不安に襲われ、目隠しを涙で濡らす。

「お待たせしました」
(!)
「そろそろ頃合いですね、一度栓を取って排泄しましょうか。……あーあー、口元が涎でベトベトですよ。そんなに苦しいですか?」
(早く、早く抜いて欲しいの!)
「では、栓を抜きましたら私は消えましょうか」
(こ、ここにいて……!)
「しかし、人の妻の恥ずかしい姿を見続けるわけにもいきませんからね」
(いいの、見て、私の恥ずかしいところを見て、私のウンチするところを見て!)
「全く、仕方のない人ですね」

頬を、腹を、太腿を撫でられて、恵美子は緊張を緩めた。
暗に、全て見てあげますよと言われている気がしたのだ。
太腿をたっぷりと撫でられた後、尻肉を揉まれ、夫にさえロクに愛でられぬ園を指が這い、そして……

「さ、抜きますよ。しっかり出せれば、便秘も解消されますから」 

ぢゅぽんっ、と。
恵美子が歯を食い縛る間もなく、呆気なく尻穴を塞いでいた異物は取り去られ、立て続けに放屁が奏でられて。

濁流か、滝かと言わんばかりの排便が、タライに垂れ流されていく。
腹痛は治まり、解放感と安堵と快楽が恵美子の美貌をとろけさせる。
漸く出し終えた時、医師は次の準備を済ませていたのだが。

「では、もう一度浣腸しましょうか。まだ腸内に大便の残りがあります。綺麗にしてしまいましょう」
(また……栓をするの…?)
「しませんよ。入れて出しての繰り返しになります」

恵美子の目隠しが取られると、其処には下卑た微笑みを浮かべる院長の姿があって。
恵美子は、背徳の予感に息を呑むのだった。