「……絶景だ」

 少々逆光になるが、彼女の大事な部分が全て、鹿屋の眼前に晒された。
 胸はもちろん、あまり使いこんでいない様子の、清楚なアソコも。
 どのくらい出してくれるのか、これから主役を張る予定の、すぼまった肛門も。
 このまま彼女が排便してくれたら、ヘソの辺りに湯気の立つ大便を感じることになるだろう。
 鹿屋にとって、天国の情景であった。

「……あと一つ断っておきたいんだけど…。こんな事するの、カノさんが初めてだよ。初体験。……うんこ浴びせよう、なんて」
「そりゃ……光栄だな。でも、そんなタイミングよく、うんこ出るのか? イチヂクとか要らない?」
「うん…大丈夫。私ね、最近こういうの、少しコントロール出来るようになったから。じゃ……いい? うんち出して……いい?」
「夢みたいな台詞だな。……ああ。頼む」


「バケモノ、なんて言わないでね……」


 ぽつりと、富士谷は呟くように言った。
 その一言は違っていた。
 酔っ払って、ふざけた口調だった、先程までとは。

「……? 意味が… 何を言って……」
「あっ… あ、あの橋で、あんな事を叫んだカノさんが悪いんだからね……! んっ…! 私の溜まってたやつ全部……! 受け止めてもらうよっ……!!」
「悪い? えっ、ええ?」
「うぅっ… くっ…! そ、それと……本当に溺れて、死なないでよ……!!」

 バスタブに跨って排泄姿勢を取る、彼女。
 いきみ始めたのか、小柄なその身体がぶるぶると震え出した。
 だがそれ以上に、明らかに彼女の雰囲気が変わった。
 ……何か。
 何か思い出すのは、日本昔話とかの、美女に誘われてホイホイ着いて行ったら、実は妖怪で喰われそうになりました……というお話。
 いや、まさか。