「あうぅっ! く…うぅぅっ…!」

「うっ!、うおおおおっ!? すっ…凄い……!!」

 ついに待ち望んでいた排泄が始まって、鹿屋は歓喜の声を上げた。
 まず……落石のような、塊の排便があった。
 山道を走っていて、崖からゴロゴロと茶色い石が転がり落ちてきたような。  
 いきみと共に、急激に拡がった彼女の排泄口、そこから硬い便の塊がいくつも次々に滑り落ちてきたのだ。
 彼女の直腸に溜まっていた先っちょの方、秘結した部分だ。
 でかい。
 産卵にも似た産みの苦しみで、富士谷の小さな体がのけぞる。
 こげ茶色で、ごつごつとして、それも一個一個が大人のこぶし大はある……。
 あの小さな肛門がよくここまで拡がったものだ。
 何個かは鹿屋のたるみかけた腹を転がり落ち、ごろん、とバスタブの底で重い音を立てた。

「で、でか……! これが本当の……女の子の……! 感激だっ……!」

 身体で受け止める鹿屋は、自らの腹部に感じるその重さ、その温度、そのざらざらした便の感触に、素直な感動を漏らす。
 空いた左手でその便塊を一個掴んで、玩ぶ。
 力を入れて、握りつぶしてみた。
 更にもう一個も。
 小学校の工作の思い出、紙粘土を思い起こす触感だ。
 よどんだ中年の瞳ではない。
 まるで、小さな子供が欲しかったオモチャを手に入れた瞬間のように、彼の眼は輝いていた。

「その小さな腹に、よく溜め込んでたなぁ……! 最高だよ……!」
「はぁっ、はぁっ… は……何言ってんの、まだまだよ、まだ……これからが本番なんだから……!」
「……え?」


   …むちゅっ!  ……ぶ、ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!! べちゃっ!!!

    どぶりゅっ!!

     にちゅちゅっ! むちゅっ! むちゅちゅちゅちゅっ……!!