「は〜……。しかしこんな、気持ちいい物だったんだな……かわいい女の子に出して貰ったうんこで入る風呂って。辛いことも何もかも、どうでも良くなってく……」
自分の願いが具現化したバスタブだ。
底なし沼のように溜まった便に、もう一度鹿屋は全身を横たえた。
泥と同じ、抵抗の大きな流体なので、徐々に身体が沈みこんでいく感覚が楽しい。
まさに夢にまで見た、大量少女のうんこ風呂だ。
もともと人間の体温と同じ熱しかないはずだが、何故だろう。不思議とあたたかく、冷める様子がない。
あまりの興奮でそう感じるのか、それとも彼女の出すモノが特別なのか……。
しかし、どんな高級旅館や秘境の温泉より、価値のある湯であることは間違いなかった。
「そんなに、私のうんち気持ちいい?」
「麻薬みたいだ。……って言ったら危ねぇけど……。本当、死ぬのが嫌になる。身体が若返ってくみたいだ」
本物の温泉に浸かっているかのように、鹿屋の声はゆるんでいた。
“生きるのが嫌”だった1時間前と、全くの逆。
凄まじい効能である。
「こんな気持ちいいこと、一回きりなんて勿体ない……あっ」
「何?」
「富士谷さん、そう言えば、これ……この大量のうんこ、終わったらどう片付けるんだ?」
「ああ、それはね。簡単。いっぱいお湯足して割って、ゆる〜く溶いてから栓抜けば、なんとか流れてくから。まぁ常にかき混ぜてないといけないけど。で、あとは掃除するだけ」
鹿屋の顔を覗き込みながら、富士谷は答えた。
風呂の床に女の子座りで、バスタブの縁に両腕と上半身を預けている。
「ええ… このドロドロのうんこ……うんこだぞ? 風呂でそのまま流して大丈夫なのかよ」
「ちゃ〜んと、私調べました! 実はトイレもお風呂も、流れてく先は同じなのです! 結構びっくりでしょー? だからお風呂でうんちしてもオシッコしても、全然平気なのですよ! あとで掃除すれば!」
得意げに胸を張る。
潔癖症の人間が聞いたらショック死しそうな事を、高らかに謳う富士谷であった。