寝ている連のベットの横に医者と、そして銀色のトレイに1本の注射器が置かれていた。
中身は銀色と黒い螺旋模様の液体だった。
「これより、青木恋の改造手術を始める。」
汗びっしょりで医師が告げた。緊張からでない。やはり緊急で運ばれた少女の改造に関わっていたので、慣れている。
彼の緊張する理由ー手術室の上部、硝子越しの部屋で手術の模様を眺めている女性に対してだ。
彼女は桜花女学園小等部教頭の三津子であった。桜花女学園は桜花記念病院の母体組織とはいえ、三津子はただの教頭である。
何故に緊張するかと言うと、彼女は桜花女学園小等部教頭という地位は表向きで、その正体は<神の結社>古参幹部の女王蜂女だったからだ。
三津子が桜花記念病院で改造手術を見に来ることは滅多にない。当然、他の<御歴代>と呼ばれる幹部も、
首領も、である。
それだけ今回、持ち込まれた特殊細胞への期待が大きいのだろう。
「メス」
看護婦に指示するその声は、心なしか震えていた。大幹部の前で手術の失敗は許されない。
それはお掃除される事を意味するからだ。数か月前、別の病院から来た医師の事が、彼の脳裏を過った。
かれは医者としての腕は良かったが手癖と女癖が悪く、ある日、看護婦に盗んだ睡眠薬を飲ませ妊娠させるという不祥事を働いた。
それから三日後の夜、<神の結社>に属する医師(桜花記念病院の医師や看護婦のなかには<神の結社>の事さえ知らされず、働いている者もいる。)
や看護婦を集めて行われた、その医師へのお掃除は凄まじかった。50人の蜂女や蝉女、飛蝗女が交互に10擦りずつ男を射精させた。
そして半死半生の医師に三津子が跨り、ひと擦りで残った精液を総て搾り尽くしミイラにするのだ。
さらに全員でミイラになった男を取り囲み溶解尿で溶かすのだ。まだ彼の鼻腔に溶けていく酸っぱい匂い、男の断末魔の悲鳴が鼓膜に残っていた。
ああなりたくない!