この世の全てを手に入れたかのような、圧倒的な……鹿屋の絶頂の声は、まさに万感の想いが込められた雄叫びだった。
 1センチでも1ミリでも、彼女の腸の、奥の奥まで。
 彼女のあの大量便を、自分の精液で白く染め上げるくらいの気持ちで、最後にもう一度大きく突き上げた。
 一滴残らず、本当に己の全てを絞り尽くした。
 幸せだ……。

 そしてそのまま……鹿屋の意識は遠のいていく。
 なぜか身体が上手く動かなかった。
 快楽の海に、どこまでも沈んで、目の前が暗くなって、息まで出来なく――

「…ちょっ!? カノさん! 沈んでるよ! しず……寝てるの!? 危ない!」

「あぶっ… ぷへっ!? うべっ……! えぅぇっ……!?」

 最後の最後、もし富士谷が蕩けたまま気付かず、助け上げなかったら、本当に鹿屋は彼女のうんこに溺れていた。
 危ないところであった。

「死ぬかと思った……」
「危なっかしい人。でも好き。でも……うん。先にキスしといて良かったね、これ」

 今度こそ、本当に頭の先まで汚物まみれ。
 顔が分からない。
 まだ後ろの穴で繋がったまま、彼女は笑った。
 そして、富士谷は用意してあった濡れタオルを取り、顔を拭いてあげたのだった。