名探偵コナンでエロパロ2 [無断転載禁止]©bbspink.com
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0001sage2019/10/31(木) 13:26:14.13ID:408aKJTm
新蘭などの公式カプは勿論の事、原作ではないカプでも大歓迎!

■基本はsage
■嵐に反応するのも嵐
■人を選ぶジャンルは確認を入れること
※スカトロ、すごい鬱等
0159名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:38:53.13ID:Z4HAG09d
帝丹高校の裏門の外に、何やらコソコソと話し合っている二人の若い男が居た。時刻は午前九時を少し回った頃……ちょうど一時間目が終わるかどうか、といった処である。
二人共、同年齢くらいに見える。一人は濃いブルーのブレザーと同色のスラックスを着ている。
襟元から見える白のカッターシャツは、第一ボタンが外れていて、赤いネクタイもだいぶ緩んで掛かっていた。制服から察するに、ここ帝丹高校の男子生徒らしい。
もう一人は濃紺の学生服で、ボタンの無いファスナータイプの様だ。こちらも詰め襟のホックを大きく外し、ファスナーは胸の辺りまで下げただらしない着こなしである。
制服がまったく違うので、こっちは帝丹の生徒では無いのだろう。ただ、二人共ルックス的には悪く無く、いわゆるヤンキータイプでは無かった。
いずれにせよ、授業時間にも関わらず教室に居ないところを見ても、真面目な高校生とは思えなかった。
身長はどちらも同じくらいで、中肉中背。帝丹の生徒の方は、金メッキした様なメタルフレームの眼鏡を掛けている。
いかにもチンピラのしていそうな、レンズ部分を45度くらいに傾けた眼鏡だった。
もう一人の方は、髪型がオールバックである。高校生でこの髪型は、あまり見かけない。やはりヤンキーなのかも知れない。そのオールバック男の方は、咥えタバコのまま眼鏡の男に言った。
「……なあ、やっぱ同じ学校から二人はマズくねえか?遠藤さんも言ってたじゃねえか、あんま目立つマネはすんなって。一つの高校から二人も行方不明が出たら、さすがにヤバいだろ。サツだって感づくかもしれねえぜ?」
「そんなキモの小さい事言うなよ。それに俺には、新しい女が必要だって事は、お前だって知ってるだろ?」
眼鏡の男は、オールバック男のタバコの煙を避ける様に、少し顔を逸らせた。彼は喫煙しないどころか、タバコ自体が嫌いらしい。
しかし、あからさまに煙を嫌がる素振りをされても、オールバック男の方もあまり気にしている様子は無い。どうやら彼等にとって、これはいつもの事の様である。
「前の女は上手く処理してくれたからな。証拠も無いし、置き手紙まで作ってるんだ。親も警察には届けたらしいが誘拐じゃ無く、あくまで失踪人……家出扱いになってるらしい。
そんな案件、警察がまともに捜査なんてする筈も無いさ」
「う〜ん、そうは言うけどよぉ……」
「大丈夫だって。まあ、あの女の親は金持ちだからな。警察だけじゃなく、探偵だか興信所だかを雇って捜さしてるみたいだが……な〜に、そうそう見つかる筈も無いさ。
例え見つかったとしても、あの女はイカれちまってるからな……ヘタな事にはならないさ。まあ、その前に海外に売り払うか、海の底にでも沈んで貰うだろうけどね」
「ヘッ…まったく、おめえって奴は……おっかねえなぁ」
冷たい笑みを見せる眼鏡の男に、オールバック男は呆れた様に言った。
0160名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:41:24.19ID:Z4HAG09d
「俺だってバカじゃ無いさ。同じ場所から二人も引き込むなんてのは、危ない橋だって分かってる。けどな、それでも何とかしたい様な、すっげえ良い女なんだよ」
「ふーん……ま、面食いで女の選り好みの激しいおめえがそこまで言うんじゃ、相当ハクい女なんだろうな。前の女も良かったしよ」
「だろ?あの女は遠藤さんだって吃驚してたし、俺も随分と褒められたんだぜ。でもな、今回狙ってる女は、それ以上なんだぜ」
「マジかよ!?」
眼鏡の男が言った通り、この前誑かした女は、かなりの美人だった。少なくともオールバック男にとっては、そう思えた。
自分が誑し込んでくる女とは、レベルが違った。しかし、その女以上というのは、ちょっと信じられなかった。そんな疑り深そうな表情を受けて、眼鏡の男が笑った。
「なんだよ、その顔は?マジもマジ、大マジだってーの!何しろ、この俺が吃驚した位だからなぁ」
「そんなにすげえ女なのかよ?……でもよぉ、おめえだってここの生徒だろ?なのに今まで気が付かなかったのかよ?俺と違っておめえは学校フケる事も、あんまし無かったじゃねえか」
「まあ、そうなんだけど……あの女に集中してた事もあって知らなかったのさ。それに、その女は俺と学年が違ったから余計にな」
「もしかして一年か?」
「いや二年だ。その女は学年違うし、部活やってるもんだから、校内であまり顔を合わせる事が無かったんだよ。でもな、こないだ偶然に見掛けたんだ。それで調べてみたら、校内でもけっこう評判の美人だったんだよ」
「それでもスルーだったんか?」
「だから、さっきも言っただろ?あの女を引っ掛けて、モノする事しか頭に無かったって……アイツ、ちょっと嫉妬深いとこがあっただろ?だからさ、他の女に興味を持つ様な素振りも出来なかったんだよ」
「そりゃまた義理堅いっつうか……真面目な事で」
「そんなの、当たり前だろ?」
オールバック男の言葉に、眼鏡の男は呆れた様に溜め息を漏らし、フレームを掛け直しながら続けた。
「いいか?女を口説く時は、何時だって真剣勝負なんだ。芝居をしているつもりは無い。マジでその役になりきるんだ。だからこそ女だって信じ込むってもんなんだよ」
「それがおめえのすげえとこだよな。俺なんてバレる事を前提にしてるからなぁ。バレたらバレたで構わねえ、どっちみち犯っちまう事になるんだし、有無を言わさねえまで犯りまくって、最後には奴隷状態にしちまうんだしな」
「いやあ、俺だって似た様なもんだけどな……まあ俺はどちらかと言うと、その経過を愉しんでるってだけさ」
その言葉に、オールバック男は理解出来ないといった風情で、軽く首を振った。
「ま、何でもいいや。とにかくその二年の女を何とか出来るんだな?遠藤さんは慎重なお人だが、おめえは信頼されてっからな。止めはしないだろ」
「ああ、任せておけよ」
眼鏡の男はそう言うと、軽く手を振ってオールバック男と別れ、裏門から校内へと入っていった。
0161名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:43:28.40ID:Z4HAG09d
「遅れるよ園子、急いで」
「分かってるわよ」
二時間目の授業は体育である。どうにもこの二時間目の体育というのは、忙しなくていけないと園子は思う。どうせなら一時間目の方が、まだ良い。10分休憩の後の三時間目ならともかく、二時間目は着替えが忙しいのだ。
理想を言えば4時間目か午後の5時間目が良いのだが、残念ながら蘭達の時間割には、その時間に入った体育は無かった。今日は体育館でバレーボールの授業だから、体育館用のシューズも用意しなくてはならない。
急かされた園子が、シューズを片手に慌ただしくロッカールームから出てくると、赤いジャージ姿の蘭が、渡り廊下の真ん中辺りで校庭の方を訝しげに見ているのに気付いた。
「どしたの蘭、何かあった?」
「あ、うん。あれ……」
「ん?」
蘭の指差した先に視線を向けてみると、壮年の男女が早歩きで駐車場から玄関に向かっているのが見えた。生徒達が使っている下駄箱のある場所では無く、来客用の玄関である。
二人は何だかコソコソしている様にも見えた。特に女性は、辺りを憚るかの様にキョロキョロしている。確かに挙動不審である。
しかし、その身なりは立派に見える。男性はキッチリと高そうなスーツを着こなしており、女性の方も品の良さそうなスーツだ。
「誰だろ?」
「さあ?……でも、おかしな人には見えないよね」
昨今の物騒な事件の影響か、ここ帝丹高校でも、その敷地内に関係者以外が気軽に入って来る事は出来ない。
正門や裏門や非常門なども、しっかりと施錠されてある。さすがに正面玄関前の門は開け放たれているものの、そこには警備員が立哨している。
おかしな人物であれば、まずそこのガードマンに咎められる筈なのだ。それが無いという事は、まともな人なのだろう。すると目を凝らしていた園子が、小さく声を上げた。
「……あ」
「なに?知ってる人?」
園子は蘭の耳元に口を寄せ、小さく囁いた。
0162名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:45:01.79ID:Z4HAG09d
「あれ、西園先輩のご両親だわ」
「西園先輩?……ああ、生徒会長だった西園千秋さん?」
「そう、間違いないと思うけど」
「ふうん……でも園子、何で知ってるの?西園先輩と親しかったとか?」
生徒同士ならともかく、親まで顔見知りというのは、かなり仲が良いという事だろう。園子と蘭の関係の様なものだ。しかし園子は、小さく首を振った。
「ううん、良く知らないわよ。だって西園先輩は三年生だし、部活も華道部でしょ?接点なんて無いわ」
「じゃあ何で知ってんの?」
「お父さんの仕事関係よ。前に西園先輩のご両親が、何度かウチに来た事あるのよ。まあ西園先輩ご本人は来た事無いけどね」
「そうなんだ……あ、じゃあ西園先輩の家って、セレブなんだ」
「う〜ん、セレブっていうかさ…あんたも知ってるでしょ、ウェストパーク・ジム。あそこの社長さんなのよ」
「あー、そうなんだ」
西園千秋の両親は、米花市内にあるスポーツジムの経営者である。その社長の厚意で、帝丹高校の生徒やその運動部員達は、ジム内の施設を優待割引で利用出来る様になっていた。
「でもさ、その西園先輩のご両親が、いったい何の用だろ?」
「んー…あれじゃないかな?ほら、行方不明の件……」
「結局、未だにどこに居るのか分からないまんまなんだよね……」
千秋が突然に姿をくらませたのは、四ヵ月程前である。学校はもちろん両親も激しく動揺し、心配し、大騒ぎして捜索したが、まだ見つかってはいない。
誘拐かも知れないという事で、警察にも捜索願いを提出したのだが、あまり進展は無い様だ。
最初は警察も、親に資金力がある為、事件の可能性が高いとして捜査本部を立ち上げる処まではいった様だが、結局捜査本部は立ち上らなかった。
さらに、この件は犯罪捜査としては終了してしまっている。その理由は、千秋から手紙が届いたからであった。
そこには『外国でボランティア活動をしたいので、日本から離れる』と書かれていた。無論、両親にとっては驚天動地の事だった。
美人ではあったが、どちらかというとのんびりとしたほんわかした雰囲気の娘だったから、そんな事を考えているなどとは思ってもいなかったのだ。
少なくとも家族や友人達に、そうした話をした事は一度も無かった。縦しんば本気でそう思っていたのだとしても、何も高校を中退して行く事は無いだろう……それも突然に、しかも家出同然に。
生徒会長を遣るくらいだから成績は優秀だったし、人望もあった。せめて大学を出てからであれば、親も許したかも知れない。
逆に言えば、だからこそ、この時点でこっそりと家を出たのだとも言えるが、それなら何故そんなに急がねばならなかったのか、という疑問が残る。
0163名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:49:53.68ID:Z4HAG09d
勿論それで両親が納得出来る筈も無く、捜査続行を依頼したのだが、警察は宜も無かった。決定的だったのは、送られてきた手紙の筆跡が間違いなく本人のものだという事である。それだけは両親も認めざるを得なかった。
だが、万事慎重な娘が、こんな無茶をする訳が無い。そう警察に訴えたのだが、警察は別の事も考えていた様だった。もしかすると彼女は、どこかの男に引っ掛かって駆け落ちしたのではないか…という事である。
純真無垢なお嬢様であれば、その可能性もあろう。しかし、さすがに両親にその可能性を打ち明ける事も出来ない。
結局、失踪人としては捜索を続けるが、事件性は無いと判断したのである。警察は両親に、そう告げたのだった。
「…でも、親御さんは納得出来ないでしょうね」
「でしょうね……たった一人の娘なんだし」
事の顛末を知る園子から説明を聞いた蘭は、暗い顔を浮かべていた。
「でも、それなら今日は何をしに来たんだろう?」
「もしかしたら、退学……いえ、休学届けを出しに来たんじゃないかな?このままじゃ卒業までの出席日数が足りなくなるでしょうし、単位も……ね」
「そっか……休学扱いなら、復学すれば大丈夫だもんね」
園子の言葉に、蘭はパアッと顔を明るくさせた。するとその時、二人の後ろから声が掛かった。
「こらあ、鈴木、毛利!おまえら何してる!もう授業始まるぞ!」
突然の怒声に、二人の少女は肩を竦めた。体育館の出入り口から渡り廊下に向かって叫んでいるのは、体育教師の嵯峨島だった。
体育教師で生徒指導も担当している嵯峨島は、生徒達には蛇蝎の如く嫌われている存在だった。女子にはともかく、男子にはすぐに手を出すのだ。
怪我をさせる処までいっていないから、暴力事件沙汰にはなってはいないが、生徒だけで無く教師間でも問題視されている。
「……るさいわね。まだ時間になってないのに」
「しっ。聞こえるよ、園子」
露骨に嫌な顔をした園子を、蘭は窘める様に小声で言った。園子は、深く溜め息を漏らす。園子は彼の事が相当苦手な様子である。
「ほら、園子…いこっ」
「……はいはい」
ジャージ姿の二人の女子高生は、小走りで体育館へ走っていった。
0164名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:51:43.60ID:Z4HAG09d
「んーっ!」
軽く背伸びをした蘭は、そのままベッドに勢い良く腰を落とした。ポンと軽く身体が弾み、片手を突いて倒れるのを防ぐ。しばらくそのままの姿勢でいた蘭は、やがてゆっくりと身体を倒した。
日曜日の今日、珍しく家には蘭一人だけである。コナンは少年探偵団の面々に誘われ、遊びに行ってしまった。
父の小五郎も、何やら人と会う約束があるらしく、事務所を閉めて出掛けている。残った蘭はと言えば、滞っていた家事を一通りこなし、ようやく一息吐いた処だった。
蘭は空手部で主将を務めてはいるが、この日は練習が無い。蘭が主将になって以来、空手部は日曜や祭日の練習をしていないのだ。
これは、いくら部活に熱心だとはいえ、自分達は高校生なのだから、そればかりではいけない、という蘭の考えによるものである。
勉強も大事だろうし、友人との付き合いや家族関係もある。それら全てを犠牲にして、スポーツにのめり込むというのは、蘭には違和感があったのだ。
無論、どうしても練習したいという部員達の自主練習までは止めていない。そういう時は申し出てくれれば、体育館や武道場は開放するし、責任者として顧問や主将の蘭もつき合うのである。
しかし部員の側も、そう頻繁に蘭や教師達に迷惑を掛ける訳にもいかないと気を使う様になり、毎週出てくるのは遠慮する様になった。
そうした時は、走り込みや型の練習など、一人でも出来る練習を自宅や公園などで遣っている様である。同じ様に平日の朝練も、基本的には遣ってはいない。
他校に比べれば随分と甘い練習体制ではあるが、これで都大会でも団体戦、個人戦と共に優勝しているのだから、誰も文句の出しようも無かった。
最も、練習量を抑える事に関しては、蘭個人の事情も影響している。小五郎が妻の英理、つまり蘭の母親と別居している関係上、家事はほとんど蘭がこなしているのだ。
専業主婦では無い普通の女子高生が、毎日の家事を担当するのは、かなり骨が折れるだろう。とはいえ、小五郎は家事とは無縁だし、遣らせたら返って蘭の仕事が増えてしまう結果となる。
それにコナンは小学生であり、預っている子なのだから、それをさせるなどという事はありえないし、そんな事は蘭自身が許せない。
それでもコナンは手伝ってくれるのだが、どうしても蘭に負担が掛かってしまうのは仕方の無い事である。部員達も、その事を察してくれていて、だからこそ練習量削減を認めたのだろう。
そんな訳で、時間の無い平日には出来ずに溜めておいた洗濯や掃除、布団干しに買い物などを、休日に纏めてこなすのだ。
その家事も、予想していたよりも早く終わってしまい、これから夕食までの時間は蘭の自由時間となる。
休日だけあって、蘭もラフなスタイルである。上は半袖のポロシャツ、下はジーンズだ。シャツは以前、園子と一緒に買ったものである。
園子は盛んにアバクロを勧めたのだが、蘭はそういう古着っぽいのはあまり好みでなかった。
ニューヨーク発で、アメリカを中心にセレブ層でも大人気のブランドなのだそうだが、生憎と蘭はそうした事にあまり関心が無いのだ。
園子は、そんな蘭を見て『元が良いのにもったいないなぁ。あんたは洒落っ気が無さ過ぎる』と嘆くのだが、そうは言われても興味が無いのだから仕方がない。
結局、無難なプーマのラガーシャツを買っていた。Vネックで胸元はボタンになっている。鮮やかなレモンイエローの生地にホワイトの横縞が入り、胸元にはプーマの刺繍がワンポイントで入っている。
今日は誰も居ないので、第一、第二ボタンを外して胸元を楽にしていた。ジーンズも普通のモノで、特に古色は付けてはいない。ただ細身仕上げであり、クッキリと脚のラインを浮き出させている。
0165名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:53:58.06ID:Z4HAG09d
(……そういえば、家に自分一人だけなんて、久し振りな気がするなぁ)
考えてみると、大抵はコナンか小五郎、その両方が居る事が多いから、こうして一人っきりの時間というのはあまり無かった。
蘭は極めて陽性だから、人と接触している方が好きだ。だから、たまには一人の時間が持ちたいなんて思う事も、滅多に無い。気の許せる相手であれば、他人の存在が気にならないタイプである。
せっかくのフリータイムではあるが、特にする事も無かった。宿題はさっさと済ませてしまっているし、今から空手の自主練習をする気にもならない。蘭の場合、自主練といっても軽く走ったり、型の稽古をするくらいだ。
(何かヒマだな……園子にでも電話しようかな……)
こうなると分かっていたら、園子と買い物に行く約束でもしておけば良かったと思う。しかし、ゴロリと横になってしまうと、それも何だか億劫になってしまう。
少し疲れてもいるのだろう。若くても疲労は蓄積するものだ。蘭は日常的に暇無しで活動しているのだから、それも当然だろう。こんな風に蘭がゴロゴロしている姿など、コナン達には想像もつかない筈だ。
一度うつ伏せになり、そこからゴロリと寝返りを打って反転する。すると着ていたポロシャツの裾が、少し捲くれた。
「……ん」
蘭は殆ど意識していなかったが、そっと右手が胸へと移動していく。そして生地の上から、乳房を軽く揉んでいく。
蘭は、あまり自慰をするタイプでは無い。ただ肉体的、あるいは精神的に疲労した時、あまり意識しない状態で自分を慰める事はあった。
際立った性欲を感じる事は殆んど無かったものの、性感帯である胸や性器を弄ってしまう事はあった。
別に恥じる事では無いし、仕方の無いものだと理屈の上では分かっているが、さりとて小五郎達が居る時はしにくいものだ。
どうしてもモヤモヤが我慢出来ない時は、コナン達が寝静まった頃を見計らってオナニーをする事はあった。しかし、多少スッキリとはするものの、その後に襲ってくる罪悪感と嫌悪感がイヤだった。
だから蘭は、オナニーそのものは好きではない。好きではないが、身体が要求する事はどうにも出来ず、こうして軽く自慰する事もある。
「んんっ……」
大きめの乳房を細い指が弄り、ゆっくりと揉んでいく。生地の上からでも感じられる柔らかい肉塊が、自在に形を変えられていく。
しばらく揉んでいると、ブラ越し、シャツ越しの感覚が徐々に焦れったくなってくる。そこで蘭はシャツのボタンを全て外し、その隙間に手を入れていく。そしてブラジャーも、上へたくし上げた。
0166名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:55:32.48ID:Z4HAG09d
「んぁ……っ!」
乳房が直に指に触れた。柔らかい乳房の頂点にある乳首が、もう硬くなっているのが自分でも分かる。
シャツの上から弄って、ブラの生地で擦られた所為か、乳首は勃起まではしていないものの、キュンと切なく硬くなってしまっていた。
そこは蘭の極めて敏感な性感帯である。誰でも乳首は感じるだろうが、蘭はそこが一層に反応する。乳首を指で挟み、摘まみ上げる。その際、軽く乳首を潰す様にコロコロと転がしていく。
今までの経験から、こうすればより強く感じるというポイントや遣り方を、蘭は習得していた。
「はっ……あぁっ……」
興奮し昂ぶり始めた蘭は、もう片方の手をシャツの下から突っ込み、もう片方の乳房も揉み始めていく。
双方の乳房を愛撫し、蘭は身を捩って呻いた。両手の指がおのおのの乳首を摘み、扱いている。見る見る内に乳首は敏感に反応し、赤く充血し、さらに硬く勃起していく。
「んあっ!…く……んんぅっ……」
指先で軽く引っ掻き、ピンッと弾くと、蘭は首をクッと反らせて喘いだ。こうやって乳首を優しく虐めるのが堪らない。
敏感な箇所だから、虐められれば痛いのだが、それと同時にむず痒い様な、ピリピリする様な感覚もある。では痛いから止めたいのかと言えばそんな事は無く、何故かその刺激がもっと欲しくなってくるのだ。
「んっ……んはぁっ……」
処女独特の初々しい反応を示しつつも、蘭の表情が朱に染まっていく。いつしか蘭の両脚が、少しずつ開いていった。すると、左手はそのまま乳房と乳首を愛撫しながら、右手はジーンズへと伸びていく。
ホックボタンを片手で外し、ジッパーを下げる。そして右手は、そのまま躊躇う事無くショーツの上の裾から指を侵入させていった。それに伴い、さらに股間が開いていく。
「あうっ……!」
繊細な指が処女の秘所に到達すると、そこはすでに熱く湿っている。というよりも、しっかりと濡れていた。その指先には、粘着質の熱い粘液の感触が伝わっている。この分では、きっと下着も汚れてしまっているだろう。
指を這わせてみると、蘭の耳にクチュッ…という淫らな水音が聞こえた様な気がした。そんな自分の状態に、蘭は耳まで真っ赤になりながらも、余計に興奮させられてしまう。
「んっ……あ、ああっ…!」
声が段々と上擦ってきている。恥ずかしい声を漏らすまいと、必死に蘭は唇を噛み締める。途端に身体内に、熱い何かが溜まっていくのが自分でも分かる。
その熱さに耐えきれなくなり、つい口を緩めると、熱い吐息と甘い喘ぎとなって、身体に溜まった淫らな欲望が放出されてしまう。
0167名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 14:59:01.30ID:Z4HAG09d
「あっ……ああんっ……」
今日は誰も居ないし、窓も閉めてあるのだから、少しくらいは声を上げても誰にも気付かれはしないだろう。
だが、それでもやはり恥ずかしいのだ。蘭らしいというよりも、この年頃の少女ならば、誰でもそうなのかもしれない。蘭は恥ずかしいというより、罪悪感の方が強い様である。
性器を弄るのは、さすがにまだ少し怖いらしく、その右手は遠慮がちだが、乳房を愛撫している左手の方は活躍している。
中指と親指に摘ままれ、下から扱き上げる様にして乳首が刺激され、他の指は丸い乳房をギュッ、ギュッと押し込む様にして捏ね回していた。
「あ、あくっ!…う、んんっ……ああぁっ……!」
さらに感じ方が強くなってきている。もうやめよう、こんな事はやめよう…と何度も思うのに、その手はちっとも止まってくれない。
このまま続けたい、でもこんな事はしてはいけない…という二律背反の中、初心な美少女は淫らな一人遊びに没頭していった。
「あぁ、こんな…こんなに……ぬ、濡れてるぅ……ん、ああっ……」
膣から蜜が溢れ出て、体温がグングンと上昇してくるのが分かる。その細い指が媚肉を恐る恐る愛撫していくと、時折、太腿がピクンと慄く。
蘭は躊躇いつつも、震える人差し指を小さな膣口にそっと差し入れていく。ほんの少し指が入っただけで、愛液が零れてきた。
「あうっ!…ん、ふああぁぁ……っ!」
ようやく第一関節まで指先を膣内に埋めると、そっと内部を撫でていく。すると、ゾクゾクする様な快感が、少女の背筋を突き抜けていった。
その甘美な快感に、もっと奥まで入れてみたいという淫靡な誘惑に駆られるが、蘭はそれを懸命に振り払った。
ここまで指を入れるのだって、初めての時はかなり躊躇したのである。これ以上入れたら、どうなってしまうのか分からない。
血が出るかも知れない。痛いかも知れない。それ以上に、こんな事で処女を失ってしまうのは情けないし怖かった。
それでも、腰の奥から込み上げてくる快感は、明らかに性の愉悦だ。蘭は指を緩く回転させ、媚肉入り口や、その少し中を軽く撫で擦っていった。
「んはあっ!あ、ああっ!…ああ、どうしよう……き、気持ち…いいっ!」
蘭の指はなおもエスカレートしていき、膣に入れる指を中指に変えてから、人差し指は媚肉上部に位置する可憐な肉芽に伸びていく。
「ひゃうっ!」
自分で触れているのに、飛び上がる程の快感が走り抜ける。もうそこは充分に充血し、硬くなっていた。ほんの僅か、チョンと触れただけだというのに、強すぎる快感に身体が大きくビクンッと跳ね上がった。
頤もカクンを仰け反り、白く艶めかしい喉を晒していく。僅かに開いた唇からは悩ましい声を上げ、熱い吐息を漏らし続けていた。その瞳も潤み、全身にじっとりとした汗が浮き始めていた。
ここまで来ると、蘭も本格的に自慰に耽りたくなってくる。せっかく今日は誰も居ないのだ。いつもの様に、小五郎やコナンの存在を警戒する必要も無い。思う様に快感を貪る事も出来るのである。
0168名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:02:14.81ID:Z4HAG09d
(ちょっと恥ずかしいけど、今日は……いいよね)
蘭は意を決すると、着ていた服を全て脱ぎ捨てていく。そうして蘭は全裸になると、ベッドに身を横たえて、また自身の裸体へと指を這わせ始めていった。
火照った裸身に、外気が心地良い。こんなにも大胆に自慰に耽るのは、さすがに蘭も初めてであり、その恥辱心が、より蘭を興奮させていく。
「はううっ、いっ…ああんっ……」
蘭の指は別の意志を持ったかの様に勝手に動き、乳房を揉み上げ、膣内を掻き回し続けていく。ツツツ…と、指先が肉の割れ目をなぞると、堪らない快感が生まれる。
周囲を覆う恥毛はやや薄めで、そこはもう蜜を吸い取って濡れそぼってしまっている。こんな格好になった事で、余計に感じてしまっているのかもしれない。
膣内深くまで指先を入れてしまう事を内心恐れていた蘭は、そこから指をそっと引き抜いた。そして今度は手の平全体を使って、媚肉を上から撫でる様に擦り始めていく。
感じ方が高まり続け、このままでは抑制が利かなくなると判断したのだ。
「んっ、んんぅっ……んあっ…あぁぁっ…い、新一ぃ……」
蘭の口から、無意識の内に幼馴染みの名が漏れ出る。今、蘭の身体を弄っているのは彼の手なのだ。その手の平で秘所を撫でつつ、指は相変わらずクリトリスを触っていく。
さすがにそこは、乳首の様に捏ねたり摘んだりは出来なかった。強く刺激するのは、少し怖いからである。しかし、チョンと軽く突っつくだけの刺激でも、蘭にとっては充分な快楽を感じられるのだ。
「んんんっ……んうっ……んはっ……あぁっ、いっ…んああっ…」
指がクリットに触れる度に、そのしなやかな肢体を跳ねさせていく。右手での女性器愛撫が佳境に入るにつれ、胸を揉みしだいている左手にも、徐々に力が籠もってくる。
乳房をギュウギュウと握り潰す程では無いが、指先に力を入れてクッと丸い胸肉を絞る様な愛撫を繰り返していく。そうしてキュッと乳房を歪曲させる程に揉むと、思わず身体が仰け反る様な快感が湧き上がる。
コリコリに硬くしこった乳首を摘まみ、軽く捻ってやると、ピリリッと痺れる様な強く甘い刺激が、腰の奥にまで届いた。
「あ、はあっ……あう……あ、ああんっ……」
背中や顔を仰け反らせ、頭でシーツを擦り付ける。艶々した自慢の長い黒髪が、何度も大きく揺れ乱れ、甘い香りを発散させていく。
少女らしいあどけない愛らしさから、成熟しかかった女へ変化する兆しを見せている肢体が、女の悦びに戦慄く。
(ああ……き、気持ち…いいっ……すごく……か、感じちゃうぅっ……)
いつもとは違い、誰も居ない事で少し大胆になっている蘭は、遠慮無く快楽にのめり込んでいく。
昼間から、こんな風に全裸になって、ベッドでオナニーに耽っているいやらしい自分。その普段では有り得ない行動も、今の蘭には昂ぶる要因になっているのだ。
やがて蘭は乳房と乳首、そしてクリトリスへの責めを強め、それに呼応して性感が急上昇し、徐々に蘭の呻き声が切羽詰まったものへと変わってきた。
腰がブルブル、ガクガクと震え始め、足の指が何度もグッと屈まり、また開く事を繰り返している。我慢しきれなくなった蘭は、再び指を膣内へと潜り込ませる。ヌプリッ…と膣口に指が入ると、その分の蜜を押し出していく。
それでも、やはり挿入は第一関節までが今の蘭には精一杯だった。入れた指を、そっと掻き回していくと、蘭の喘ぎが掠れていく。
0169名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:06:37.68ID:Z4HAG09d
「ふああぁっ!…あ…あんっ……ああっ、もうっ……!」
指の動きが、さらに激しくなってくる。想像の中で新一が蘭を抱き、激しく突き上げてくる。浅いとはいえ、膣内へと素早い動きで何度も何度も指がピストンされていく。
指先がやや曲がっていて、まるで愛液を掻き出すかの様な動きを見せている。その間にも左手の活躍は止まる事は無く、盛んに少女の乳房を揉み込み、乳首を虐めていた。
「あっ!あっ!あっ!あひぃっ!あ、ああああぁぁぁッッ!!」
蘭は欲望の赴くまま、自身の感じるポイントを責め立てて上り詰めていく。そして乳首をキュッと抓り、クリトリスの根元を上へと扱いた。
その強過ぎる刺激に、蘭は腰を何度もビクンビクンッ!と跳ね上げ、大きく仰け反りながら果ててしまった。
「はあーっ、はあーっ、はあーっ……あぁ……」
今までの自慰では得られなかったオルガスムスに、蘭は身を震えさせながら余韻に浸っていた。荒い息を吐きながら、蘭はぼんやりと薄めを開ける。不意に顔の前に持ってきた右手は、べっとりと愛液で濡れていた。
指を開くと、粘ついた蜜が糸を引いている。もうシーツにも、恥ずかしい程に染みが出来ていた。
思い返せば、ここまでオナニーに耽った事は無かった。大抵はコナンや小五郎が家に居るのだから、思いっきり自慰に耽る事が出来る筈も無かったからだ。
深夜、どうしても眠れず、つい手が胸や媚肉に伸びてしまう事もあったが、ちょっと乳房を揉んだり、性器を弄って、軽い快感を味わうだけだった。
だから最後までした事は無かったし、今まではそれで十分に満足していたのだ。それに普段はスポーツなどで発散しているから、性欲が堪る様な事も無かったし、忙しくてその気にもならなかった。
たまに自慰しても同居人を気にしてしまうし、途中で部屋をノックされてしまった時などは、心臓が止まる程に吃驚したものだった。
それだけに、こうした秘められた行為には、どうしても過敏になってしまうし、集中して自慰に耽る事も出来なかったのだ。しかし今日は、その同居人達が居ないという事もあって、精神的にも解放されたのかもしれない。
(あたし…こんなにエッチだったのかな……?)
蘭にはまだ、処女の少女特有の潔癖さがあった。こんな薄汚い事、淫らな事をしている自分が、とても惨めで恥ずかしい存在に思えるのだ。そんな罪悪感が沸き始めてきた蘭は、不意に友人達の事を考えてみる。
0170名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:10:20.03ID:Z4HAG09d
(園子や和葉ちゃんも、こうなのかな?…それとも、あたしだけなのかな?)
自分と同じ様に、こんな事をして、そして悩んでいるのだろうか?どうにもならない自分を慰めているのだろうか?
そんな事を考えて居た蘭は、彼女達と自分とで決定的に違う点がある事に気付いた。それは恋人の有無である。園子は真が居て、和葉は平次が居る。それを言ったら蘭にも、本人は認めていないものの新一が居る。
但し、新一とは会えない自分と、園子や和葉とでは、やはり違うのだ。園子や和葉は、もう『経験』したのだろうか?真は現在日本には居ないが、それでも突然にフラリと戻ってくる事はあるらしい。しかし新一は、それすらも無いのだ。
まあ真にしろ平次にしろ、そうそう彼女を押し倒す様なタイプには見えないから、まだ『経験』は無いだろうとは思うが、その気になればチャンスなんて、いくらでもある筈だ。
そもそも和葉も園子も、気が強い事では蘭に負けていないから、彼氏の方が邪なマネをしてくれば張り倒しかねない。逆に、焦れったい男に発破を掛けて自分から……という事はあるかも知れない。
でも、自分ならどうだろう?自分から新一を求める様な事なんて出来るだろうか?あるいは新一から求められたら、素直に応じられるのだろうか?
そこまで考えて、蘭は身を起こした。こんな事を考える自体が、いやらしいと思えてしまう。蘭は軽く頭を振って、その考えを頭から振り払った。
(ダメダメ、こんな事考えてちゃ……そうだ、シャワーを浴びてから、園子に電話してみよう。それで気晴らしに、ショッピングにでも出掛けて来よう…)
蘭は指の汚れをティッシュで拭き取ると、着替えを持って階下に向かっていった。
0171名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:13:43.95ID:Z4HAG09d
電話してみると、折良く園子は在宅していた。彼女も、この日は何も予定は無いらしく、蘭に電話しようかと思っていたらしい。二人は昼食を一緒に摂り、そのままショッピングセンターへ向かった。
ここ米花市もご多分に漏れず、伝統的な商店街はあまり流行らず縮小され、客足は大型の郊外型ショッピングセンターに奪われてしまっている。
商店街には、そこならではの良さもあるのだが、やはり全て同じ敷地内で買い物が出来る気安さもあり、蘭達もショッピングセンターを利用する事が多かった。
生活雑貨のコーナーで、蘭は木製のカトラリーとスプーンセット、そしてランチョンマットを買い、園子は芳香剤のルームスプレーを買い込んだ。
そもそも何かを買うという目的で来た訳では無く、単なる暇潰しのウィンドショッピングだったから気楽である。そんな中で、悪くない買い物をした二人が満足して店を出ると、何だか外がざわついていた。
「んん、何だろ?」
「あ、ちょっと園子!?」
蘭が止めるのも聞かず、園子は人垣を割って怪訝そうな顔を覗かせた。
「あ……!」
園子の声につられて蘭も顔を出すと、そこには知った顔の男が座り込んでいた。同じ学校の男子生徒である。
「あれって……確か、三年の森川先輩……って、ちょっと、蘭ってば!」
園子が止める間も無く、蘭は男子生徒に駆け寄っていた。
彼は一瞬、蘭達を見て、慌てて立ち上がろうとしたものの、またすぐに膝から崩れ落ちてしまう。しかし両手を着いて身体を支え、何とか転倒する事だけは避けられた様だ。
そんな彼の顔を園子が改めて確認してみると、やはり同じ学校の男子生徒である森川禎一だった。
彼の父親は貿易会社を経営しており、園子の家程では無いが、それなりに名は知られている。しかし園子がこの男子生徒を知っているのは、別の理由からであった。
実はこの禎一こそが、裏門でオールバック男と話をしていた金縁眼鏡を掛けていた男である。今は真面目そうなノンフレームの眼鏡を掛けており、以前とは一変して自信なさげな顔つきをしていた。
勿論、それは彼の芝居なのだが、そんな事を蘭達が知っている筈も無い。蘭は、よろめく禎一を支えながら心配そうに尋ねてくる。
「大丈夫ですか!?」
「……キミは?」
「二年の毛利蘭です。先輩と同じ帝丹です」
「そうなのか。でもなぜ……あっ」
「あ、危ない!しっかりしてください!」
見かねた園子も、仕方なく禎一を助け起こした。二人の少女に支えられ、禎一は力無く笑みを返していた。
0172名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:17:26.24ID:Z4HAG09d
……10分後、蘭達はセンター内にあるハンバーガーショップに入っていた。目の前で旺盛な食欲を見せる禎一を、蘭と園子は半ば呆れた視線で見つめていた。
あの後、禎一を支えながら病院へと連れて行こうとした蘭達だったが、実は禎一が倒れていたのは体調不良や怪我が理由では無かった事を知らされた。
なんと彼は、空腹で眩暈を起こしてしまい、座り込んでいたというのである。それならばと、蘭と園子は飲食店に入ろうとしたのだが、何故か禎一が入店を拒否した。
その訳を言いにくそうにしている彼に、なんとか事情を聞いてみると、どうもお金が無いらしいのだ。店に入った処で、払う金が無いという訳である。
この時点で園子などは胡散臭いと思ったのだが、蘭は迷う事無く彼を連れて店へ入っていった。手持ちがなければ、取り敢えず自分が出す、というのである。
禎一は遠慮はしたものの結局はその好意を受けた。そしてお金の心配が無くなった為なのか、遠慮無く注文し、ガツガツと食い漁った。
二段重ねのハンバーガーと、Lサイズのポテトとドリンクが一緒になったセットを、あっという間に三つも平らげてしまった。これだけで、蘭達の一日分くらいのカロリーはありそうだ。余程お腹を空かせていたのだろう。
ようやく食べ終わった禎一は、人心地着いた様に深い溜め息を漏らしていく。そんな彼を眺め見ながら、園子が切り出した。
「あのぉ、森川先輩。いったいどういう事なんですか?お金が無いって……確か先輩のお宅って、お金持ちだった様に思うんですけど」
「え?ああ、実は……」
貿易会社を経営している禎一の父の仕事の都合で、両親は渡米しているらしい。その際、禎一も一緒に連れて行くという話だった様だが、彼がそれを拒んだのだそうである。
当時、彼が中学生だった事もあって、外国で暮らすという不安や、今の友人達と離れるのは嫌だという思いもあったらしい。
両親と離ればなれになる事を思えば、アメリカ移住を選ぶ様な気はするが、それは個人の考え方の違いだろう。それ以来、禎一は一人暮らしをしているのだと言う。勿論、生活費は親が毎月送金してくれているのだそうだ。
その送金で授業料など学校関係の費用、一人暮らしのマンション代に加え、小遣いも充分だったらしい。元々一人暮らしをしたいと思っていたから、禎一にとってはうってつけの生活だったのだそうだ。
しかし、その夢の様な生活は、半年前に一転してしまった。起業した父の会社が行き詰まり、経営難になってしまったのだ。
それから色々あって、会社自体は何とか倒産せずに済んではいるが、やはりかなり厳しいらしい。
日本よりアメリカの方が法人税等の関係で有利だし、支払いもドル建ての方が色々便利なのだそうで、今は両親も日本へ帰ってくるという事は出来ないらしい。
その為、当然の様に禎一への送金も激減した。彼も今まで通り、勝手気ままな生活をする訳にはいかなくなってしまった。親の現状を思えば、仕送りを増額する様に頼むのも心苦しく、結局その金だけで暮らす事になる。
しかしその仕送りの額だけでは、授業料や家賃などの生活費を支払うだけでカツカツであり、ややもすると食費にも事欠く有様なのだそうだ。
仕方なく彼はマンションを引き払い、安いアパートへ移り、自身でもアルバイトを始めた。それでも登録型のアルバイトでは、思う様に仕事が得られない。おかげで最近は、食うや食わずになっていたのだと、禎一は語った。
「そうなんですか……」
蘭が気の毒そうな視線を向けた。よくよく考えれば、授業料や家賃分の仕送りがあるだけでも、他の家庭よりは裕福なのだが、今の禎一を見ると、とてもそうは思えなかった。
事実、彼の話は全てデタラメであり、同情を惹こうとしているだけなのだが、心優しい蘭には十分効果があった様である。そんな禎一を疑いの目で見ている園子が、とある質問を投げ掛けてきた。
0173名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:20:52.72ID:Z4HAG09d
「…そう言えば、行方不明になってる西園先輩って、確か森川先輩とお付き合いしてたんじゃなかったでしたっけ……?」
「え?…そうなんですか?」
その手の事には無頓着な蘭は、少しビックリした様に聞いた。すると禎一は顔を伏せ、言いにくそうに答える。
「あ、ああ……まあね。そうか…俺達って、そんなに有名だったのかな?」
美人でセレブの生徒会副会長の彼氏となれば、校内で話題になるのは当然である。特に噂好きな園子ならば、彼を知っていたのも当然と言えるかもしれない。
「そう…千秋の事もあってね。最近は食欲も無い…というか、自炊する気にもなれなくてね。まあ、そうは言っても外食出来る様な金なんて元々無いけどね……」
禎一は力無く笑い、園子の質問に答えた。すると蘭は、何とも慈愛に満ちた瞳を禎一に向けてきた。そんな蘭の様子に、禎一は内心でほくそ笑んでいた。
(クククッ……やはりこの手の女には、同情を引かせてやるに限るな)
無論、それで全て上手くいく訳では無いが、取っ掛かりとしては、まずこちらに関心を持たせる事が第一である。西園千秋も、この方法で上手くいったのだ。
千秋も今の蘭と同じ様に、無様な自分を曝け出して同情や保護愛をそそり、唆したのである。千秋に近づいた理由は、その美貌と資金力にあった。上手く誑かせば、親からいくらでも金を引き出せると踏んでいたのである。
しかし彼女は『お嬢様』ではあるが、世間知らずでは無く、思ったよりも堅物で扱いにくい面もあった。そこで金を引き出す事は諦め、千秋自身を『商品』としたのである。
だが蘭の場合は、最初からストレートに『商品』にする事を考えていた。そんな何かを思い返す様な素振りで遠くを見つめている禎一(勿論、演技である)に、蘭が声を掛けてきた。
0174名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:23:59.90ID:Z4HAG09d
「あの……失礼かとは思うんですけど…良かったら、あたしが……」
「ちょっと、蘭っ!」
園子が小声で蘭を呼んだ。見ると、園子は眉を寄せた顔を小さく振り、『ダメだ』と表情で言っていた。しかし蘭は『大丈夫』と言う様に、小さく頷いた。
「良かったら、あたしが……その、ご飯の支度とかしますけど……」
「え……?」
その隣で園子は『あーあ』という顔をしている。蘭の優しさや人の良さは充分に理解しているつもりだが、その彼女にして、これは行き過ぎだと思う。
これが新一だというのなら話も分かるのだが、見ず知らずでは無いにしろ、ほとんど付き合いの無い相手なのだ。
だが蘭の性格からして、もし新一が禎一と同じ環境に陥ったとしても、こうも簡単に家事をしてあげるとは言わなかったろう。逆に『頑張りなさい』と、発破を掛けかねない。とにかく、まずは自分で遣らせようとする筈である。
仕方なく新一が自分で家事をこなそうとして、その危うさを見かねる形で『しょうがないわね!』とか言って、最後には蘭が家事をしてくれる事になるのだろう。
しかし、相手が禎一の様なタイプの場合、そうした不器用な微笑ましさは顔を出す事も無く、素直に蘭の優しさや母性本能が導き出されてしまうのかもしれない。
最初は驚いた様な顔をして謝絶していた禎一だったが、心の中では舌を出していた。彼にとっては都合が良いのだ。
(まさか、この女の方から飛び込んで来てくれるとは思わなかったな……しかし、これは絶好のチャンスだ)
禎一は、蘭の申し出を一応断って見せた。そうする事で、蘭自身が言った事を強調させるのだ。

……そうして、最終的には蘭自身から押し切る形で、彼女は禎一と契約する事となったのだった。
0175名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:26:40.70ID:Z4HAG09d
「……するってぇと、お前はソイツの世話をしに通うってぇのか?」
「うん…だって、そう約束しちゃったから……」
夕食時、蘭は禎一と交わした約束事を、小五郎達に伝えた。その話の内容に、さすがの小五郎も呆れてしまっていた。
困っている人を助けたいと思う、蘭の優しさは誉めるべきなのだろうが、父親としては聊か気掛かりな処もあるのだ。
「しかしなぁ、何もそこまでしてやる事は、無いんじゃねぇか?もう高校生なんだし、自分の面倒くらい、自分で見れるだろう?それに一人暮らしの男の部屋に、お前みたいな若い娘っ子が通うのは、さすがに問題あるだろうしなぁ」
「そうだよ蘭ねーちゃん、ボクもそう思うよ……」
蘭を諭す様な小五郎の言葉に、コナンも同調してウンウンと何度も頷いて見せる。しかし、蘭は自分から世話をすると言ってしまった手前、断れないのだ。
一度決めたら絶対に止めないという頑固な一面は、おそらく母親譲りなのだろう。
「大丈夫よ、たまに先輩の様子見がてら、ごはんを作ってあげるだけだから……それに先輩には、ちゃんと恋人だって居るんだし……」
蘭は小五郎達の懸念を取り除こうと、説得を続けていく。そんな蘭を、コナンは面白く無さそうに見ていた。無論、コナン=新一としては、想い人である蘭が、他の男と一緒に居るのは気が気じゃ無いだろう。
「でも、その恋人のお姉さんは行方不明なんでしょ……?」
「うん。だから先輩、元気無くって……何だか放っておけないのよね」
蘭は、禎一の境遇に同情している様だった。その気持ちは、小五郎達にも分からないでも無い。だが、それでも娘を心配する親心から、小五郎は何とか止めさせたいと思ってしまう。
「しかし、何もお前が『通い妻』みたいな事、しなくても……」
「ちょっ!?…お、お父さんっ!」
突然、蘭が小五郎の言葉を遮り、怒ってきた。その剣幕に小五郎もコナンも、ビクンッと身を跳ねさせた。すると蘭が小五郎に顔を寄せ、小声で戒める様に囁いてきた。
0176名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:28:46.56ID:Z4HAG09d
「もうっ!コナン君が居る前で、変な言葉使わないでよっ……」
「あ…いや、うぅっ……」
実際には『通い妻』とは、良い意味でも悪い意味でも無く、行動を示す言葉なのだか、映画等の悪い印象の方が目立っている。そんな言葉を、子供の前で口にするものでは無いだろう。
それに説明を求められても、上手く答えられない。仮にもコナンを預っている、保護者代理の蘭としては、普段からコナンの情操教育にも気を使っているのだ。
「ま、まあ…お前なら、万が一に男が襲い掛かったとしても、逆に手痛い目に遭うだろうし……変な事にはならんだろう」
「何よそれっ、失礼しちゃうわ!」
蘭に睨まれた小五郎は、何とか蘭の機嫌を取ろうとするが、返って余計に怒らせる事を言ってしまっていた。無論、それは蘭を信用しているからだし、何かあっても自分の身は空手で守れると考えての事である。
「あ…あはははっ……」
コナンは小五郎の言葉に、勇ましく男を蹴散らす蘭の姿を想像し、乾いた笑いを浮かべていった。

……その後も蘭は説得し続け、その根気に小五郎は渋々承諾してしまう。蘭が禎一の人柄や状況を、懇切丁寧に説明してお願いした事も功を相した様だ。
それでもコナンだけは納得出来ずに、何時までもゴネていたのだが……結局、なるべく早く帰る約束をして、蘭はここに来る許しを得たのだった。……後々、それを後悔する事になるとも知らずに。
0177名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:31:14.64ID:Z4HAG09d
蘭が禎一と約束してから、数日が経った。さすがに毎日という訳にもいかないので、蘭は週二回程通う事になっていた。
今日で彼のアパートに来るのは、もう三回目となり、徐々に禎一も元気になってきている様だ。蘭は学校帰りに彼と近くのスーパーで安い食材を調達し、アパートに寄って料理を作っていった。
「今日はお魚にしたんですけど……いいですか?」
「ありがとう……蘭ちゃんは、いつもご馳走作ってくれるから、すごく助かるよ」
出来立ての料理の良い匂いが室内に漂い、禎一は満面の笑みを湛えて返事をした。
「いえ、そんなたいしたものじゃ……明日の朝は、これを温めて食べてくださいね」
そう照れた様に言うと、蘭はタッパーに入っている別の料理を禎一に見せて、それを冷蔵庫に入れていった。そうして一通りかたずけを済ませると、蘭はエプロンを外して帰り支度を始めた。
「それじゃ森川先輩…あたし、帰りますね」
蘭はそう言って禎一に微笑むと、軽く会釈してローファーを履いた。そして鞄を持とうと少し屈んだ処で、後ろから何かが圧し掛かってきた。
「えっ!?」
びっくりして振り返ってみると、禎一が背中から抱き付いてきていたのだ。ギュッと男の力強い腕が細い身体を抱き締め、間近に顔を寄せて蘭の右肩に乗せ、彼女の腕を押さえる様に抱え込んでくる。
突然の事に蘭は混乱しながらも、咄嗟に身を固めてもがき、禎一を振り払おうとした。
「やっ……も、森川先輩っ!?何を…何をするんですか!やめてくださいっ!」
蘭が強い口調で言うと、なんとか禎一を振り払い、その腕の中から逃れた。禎一から離れた蘭は、突然の出来事にその場から動けず、まだ衝撃が抜けないのか、自分の身体を両手で抱き締めていた。
その顔には『信じられない』という表情が、ありありと浮かんでいる。すると、また禎一が蘭の傍に近寄り、蘭の身体を抱き締めてきた。
「あ…いやっ、先輩っ!は、離してっ!」
再び抱き竦められた美少女は、困惑した表情を浮かべつつ、身をもがかせて抵抗する。それでも離そうとしない禎一に、蘭は思い切って突き離す様に彼の胸板を張った。
「……あっ!?」
禎一の身体が、玄関先の壁にバンッ!とぶつかった。蘭が彼を退けた時、その勢いでよろけた禎一が壁に当たってしまったのだ。
蘭に振り切られた禎一は、強くぶつけた肩を痛そうに擦りながら、我に返った様な顔をした。そしてバツの悪そうな表情を背けて、蘭に謝ってきた。
「ご、ごめん。こんな事、する気は無かったのに……本当にすまない。俺、どうかしてたんだ……ただ、料理してくれていたキミを見ていたら、彼女の事を思い出してしまって……」
そんな禎一の言葉に、蘭は複雑な思いがあるのだと感じてしまう。そして、怒りよりも同情心が湧き上がってくる。詳しくは知らないものの、恋人であるという西園千秋との事を思い出させてしまったらしい。
しかし、だからといって許せる訳でも無い。シュンと項垂れたままの禎一をチラッと見てから、蘭も顔を伏せて言った。
0178名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:34:56.56ID:Z4HAG09d
「いいんです、気にしないでください……あたしも強くしすぎちゃったみたいですし…」
ぶつけた場所が痛むのか、まだ禎一は肩を擦っている。怪我…というまではいかないものの、さすがに蘭もやり過ぎたと反省する。
「いや、俺が悪かったんだ。謝るよ」
「もう……いいです。……それじゃ、今日はもう帰りますから」
そう言うと下級生の少女は、いたたまれなさそうに部屋を出て行った。外に出た蘭は、ドアから少し離れ、室内の様子を窺った。まさか追いかけてくるとは思わないが、何となく不安だったのである。
しかし、玄関先から足音がして、部屋の奥へと向かっていく様子が分かった。ホッとした蘭は、そのまま力が抜けたかの様に、壁に寄りかかっていた。
(まさか先輩が、突然あんな事をするなんて……)
まだ胸が、ドキドキしている。顔が火照っているのが、自分でも分かる。それは別に、禎一に恋愛感情を持っていたからでは無く、異性に抱き締められたからだ。
子供の頃はともかくとして、男に抱き締められた事なんて、今まで無かったのだ。もちろん新一にも、そんな事はされていない。
ただ、不思議と禎一に対して、悪い印象が無いのは確かだった。そして、あの匂い。蘭の鼻腔の奥に、男の匂いがまだ残っている。抱き竦められた時に、禎一の身体から発していたものだ。
男にとって女性の体臭がフェロモンであるのと同じ様に、女性にとっても男のそれはフェロモンである。
(先輩、なんだか寂しそうだったな……)
謝っていた時の、彼の寂しげな表情が忘れられそうも無かった。逆に、それ程までに想われている恋人が羨ましくなってしまう。
まだ背中や腕に、禎一の胸板や腕の筋肉の感覚が残っていた。思わず蘭は、ギュッと自分の身体を抱き締める。
(……新一に、会いたいな)
想い人に会えないでいるのは、蘭も同じである。だから蘭は、禎一の感情に共感してしまっていたのだ。それから、しばらくして鼓動が収まり、ようやく平常心を取り戻した蘭は、アパートの階段を下りていった。

……その様子を、ドアの隙間から禎一が覗き見ていた事など、蘭が気付く由も無かった。
0179名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:37:50.34ID:Z4HAG09d
数日後……蘭は再び料理を作りに、禎一のアパートへと来ていた。しかし前回の事を考えると、ココに来る事に戸惑いを感じてしまっていた。
約束を断ってしまう事も出来ただろうが、この提案を彼にしたのは蘭からであった為、さすがに約束を反故にするのは気が惹けた。
それに、禎一に対しても失礼だと思ったのだ。蘭は数点の料理を小さな座卓の前に並べ、翌日の分も冷蔵庫に作り置きしていく。
そんな蘭の様子を、ニコニコと眺め見ている禎一の視線が気になるが、少しでも早く終えようと手早く家事を済ませていった。
「ふう、これでいいかしら?」
「ありがとう、蘭ちゃん……助かるよ」
ようやくかたずけまで終えた蘭は、エプロンを外していく。それを素早く畳んで、スポーツバッグに収めた。
そそくさと帰り支度をしているのは、やはり前回の事があったからである。玄関口へと移動していく蘭は、ぎこちない笑顔を浮かべながら挨拶をした。
「そ、それじゃ帰ります」
身を屈めてローファーを履き、立ち上がって振り返ると、いつの間にか禎一が目の前に立っていた。
「蘭ちゃん……」
「え?……あっ!?」
今度は正面から抱き締められてしまった。油断していた訳では無かったのだが、禎一の行動は蘭の想像以上に素早かったのだ。
異性に抱かれた事により、恥辱心が急激に高まる。その嫌悪感とは裏腹に、また蘭の心臓が高鳴っていく。
「いやっ!…は、離してっ!離して下さい……っ!」
思わず怒鳴る様に捲くし立てる蘭。しかし禎一は黙ったまま、蘭を抱き締め続けていた。蘭は、不覚にも自分の胸がドキドキしてしまっている事が、禎一に分かってしまうのではないかと、内心ビクビクしていた。
自分が禎一に気があるんじゃないかなんて、そんな誤解をされては困る。蘭の反応は、至極当たり前であろう。突然男に抱き締められて、平気でいられる筈も無いのだから。
蘭は顔を背け、自分の手を禎一の身体の間に入れ、そのまま彼の胸を押し返した。
「や、やめてくださいっ!…ダメです、こんな事っ……」
何故か気弱な反応になってしまう自分に、蘭自身も意外な感じがしていた。いつもなら、空手で鍛えた拳をお見舞いしている筈だ。
前回、強く抵抗してしまい、彼を危うく怪我させてしまう処だった事もあり、その為、無意識に手加減してしまっている様である。
普段、気丈だとか、男勝りだとか、とかく気が強い様に周囲から思われている蘭。そんな彼女自身も、自分は積極的で勝ち気な方かも知れないと思っていた。
それは事実なのだが、その裏にはやはり女の子らしい優しさや、心の弱さも併せ持っている。そうした事は表裏一体なのだ。
蘭の場合、表向き勝ち気に見えるからこそ、内面にはたおやかな処が色濃くあった。但し、それを知る者はほとんど居なかった。
一方、抱き締める禎一の力は弱まらない。そんな彼の腕の中で、蘭はただ焦っていた。
0180名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:40:57.30ID:Z4HAG09d
「森川先輩、離してくださいっ!…こ、こんな……きゃっ!?」
その瞬間、蘭の背筋にゾクゾクッと悪寒が走った。禎一の手が、スルリと蘭の臀部を撫でてきたのだ。制服のスカートの上から、蘭の美尻の形を愛でるかの様に、男の無骨で大きな手が擦り上げてくる。
「い、いやっ!」
ほとんど反射的に蘭の手が飛び、禎一の頬を叩いていた。パシンと乾いた音がし、一瞬、呆気に執られた様な顔をした禎一。だが、すぐにまた表情を消して蘭を抱き締めてくる。
頬を叩いてしまったというのに、まるで効果が無かった事に、蘭は動揺した。
「やっ、ちょっ…本当に……あうっ!」
さすがにビンタが効いたのか、もう禎一の手がお尻まで伸びる事は無かったが、左腕でしっかりと蘭の身体を抱え、右手は彼女の背中や腰の辺りを盛んに擦ってきていた。
その手の動きは、愛撫なのかスキンシップなのか、見極めが難しい処だろう。それでも蘭にとっては、かなりの衝撃である。
今まで男に抱き竦められた事すら無かったのだから、無論こうして身体に触れられた事なんて、ある筈も無い。この気丈な少女は、新一と手を繋いだだけで頬を赤らめてしまう様な純情な乙女なのである。
「……っ!」
特に性感帯を触られている訳では無いのに、身体を弄られているだけで、何故かゾクゾクしてきてしまう。
男の手は、巧みに蘭の身体を擦り、撫でていく。背筋の窪みに指を当てられ、下から上へとなぞり上げられると、思わず声が出てしまいそうになる。
「や、やめっ…あくぅっ!…ほ、本当にやめてくださいっ!怒りますよ、森川先輩っ!」
その怒気を孕んだ一言で、禎一はスッと身を引いた。蘭は支えを失った様にヨロヨロとよろめき、腰が抜けた様に座り込んでしまう。すかさず禎一が手を伸ばし、蘭の右腕を掴んで立ち上がらせてやる。
「……大丈夫?」
「……っ」
当然『大丈夫?』では無いと思う。禎一があんな事をしなければ、こんなみっともない姿を晒す事も無かったのだ。蘭は少しムッとして彼を軽く睨んだが、禎一の方は気が抜けてしまう様な笑みを浮かべていた。
「ごめん、怒らせちゃったかな?……いや、本当にごめん。でも、どうしても我慢出来なくて……」
「が、我慢て……」
「……蘭ちゃんの甲斐甲斐しい姿を見ていたら、どうにも愛おしくて堪らなくなってね」
その言葉に蘭の怒りがスウッと消えてしまい、別の感情が頬に朱を差した。好意を示されて、嬉しくない人はいないだろう。しかし、そんな自分にハッとした蘭は、慌てて鞄とバッグを拾い上げた。
「か、帰りますっ!」
普段は隣近所を意識して静かに閉じるドアを、ついバタンッと強く閉めてしまう。その音に自分でも驚いて、蘭は逃げる様に階段を駆け下りていった。
0181名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:43:49.92ID:Z4HAG09d
その日……蘭は、とある部屋の前まで来ると、一つ軽く深呼吸して息を整えた。別に後ろ暗い処がある訳では無いのだが、ココに呼び出されるのは嫌なものだ。実際、蘭がココに呼ばれたのは初めてである。
少女は幾分緊張して、生徒指導室の扉をノックした。

コンコン……

「毛利です……」
「おう、入れ」
「……失礼します」
引き戸を開けると、そこには嵯峨島が居た。蘭は顔を逸らせて軽く会釈し、後ろ手で扉を閉める。
「座れ」
「……はい」
会議用の安っぽい長テーブルに、蘭は嵯峨島と相向かいで座らされた。目の前には、生徒達の嫌われ者が居る。年齢は知らないが、恐らく40歳は過ぎている様である。
若い頃は角刈りにしていたらしいが、今は伸ばしているらしい。理由は明らかで、頭髪が薄くなってきているからだろう。頭頂部が、だいぶ寂しくなっているのが見て取れる。
本人はそれを覚られたくない為か、脇の髪を少し伸ばして、それで薄くなった部分を覆う様なヘアスタイルにしている様だ。
それでも下を向いたりすると、禿げ掛かっているのがバレる為、いつもそっくり返って頭の上を見られない様にしているらしい。それが無意味に威張っている様にも見える為、その点でも生徒達から嫌われていた。
身長は蘭よりやや低く、それでいて体重は50%増という感じだ。上着代わりのジャージを押し上げて、膨らんだ腹が醜い。
加えて生徒指導の教師などというのは、敬遠されて当然だ。細かい事でいちいち文句をつけ、時には手を上げる事もある。
相手が女生徒の時はさすがに暴力に出る事は無い様だが、ネチネチと粘着質な虐め方をするので、一層に嫌われていた。
スポーツは得意で、学生時代もそれなりに鳴らしたらしく、今は水泳部の顧問になっている。その水泳部の部員達にも厭われているのだから、どうしようも無い。
特に問題視されているのは、この男の目つきがいやらしいという事だった。男子に比べ、女子には甘いとされていてのだが、まるで生徒をグラビアの如く舐める様な視線が卑猥だった。
まるで視姦されているみたいだと言って、嫌悪する生徒まで居るくらいだ。こうした教師の特徴で、親が資産家だったり、生徒本人の出来が良い場合は、まるで対応が違っている。
蘭は学業でもスポーツでも部活でも成績優秀だったから、嵯峨島に虐められる様な事は無かったが、ジロジロと無遠慮な目で見られた事は何度となくあった。
0182名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:46:22.60ID:Z4HAG09d
夏場……特に夏休み期間などは、各スポーツ部の部員達は練習として水泳を取り入れている。確かに、暑い盛りにダラダラと走らされるよりは、水泳の方が快適に決まっている。
それでいて効果はあるのだから、誰しも水泳を望むだろう。しかし学校のプールは、当たり前だが水泳部に優先権がある。独占とまではいかないが、ほとんどは彼等が使うのだ。
その間隙を縫って、プールの開いている日や時間に、各部がプール使用を申し出る訳だ。ところが、その許可権を握っているのが顧問の嵯峨島なのである。
すんなり一言で通る事などあり得ず、ネチネチと文句や皮肉を言われて、這々の体でようやく使用を許される様な現状だ。
これは蘭達の空手部にとっても同じ事で、プールを使いたい時は、どうしてもこの男に話を通さねばならない。
憂鬱ではあったが、他の部の状況を聞いてみると、まだ空手部はスムーズに借りられているらしい。部としての成績も優秀だったし、何より部長の蘭の魅力が大きかった様だ。
蘭がプール使用の申請に行くと、嵯峨島は特に文句も言わず、二つ返事で許可してくれる事が多かった。
最初は、空手部の実績を評価してくれているのかと思っていた。だが、どうも違うらしい。蘭を見る目つきがいやらしい。蘭の肢体を、上から下までジロジロ眺める。
おまけに、蘭達がプールを使っている時は、わざわざ嵯峨島がプールサイドにまで出てきて、見物している有様だ。
言うまでも無く、蘭達の水着姿──そこから浮き出ているボディラインや、スラリとした素足を見て悦んでいるのだろう。幻滅するが、この通過儀礼なくしてはプールが使えないだけに、どうしようも無かった。
一度、あまりのセクハラぶりにキレた他の部の女生徒が、別の教師に訴えたらしいのだが、ただ見ているだけで触ったりする直接的な事が無かった所為か、その事は有耶無耶にされてしまっていた。
更にその後、勇気あるこの女生徒の居る部は、その後一切プール使用許可が下りなくなってしまったのだ。こうした経緯もあって、ほぼ野放し状態になっているのだ。
蘭は基本的に人が良く、素直な娘だったから、あまり人の好き嫌いは無い。
寧ろ、周囲から差別されていたり理不尽な扱いを受けている人を見ると、我慢出来ずに手を差し伸べるタイプである。その蘭にして、この教師は大嫌いだった。
「先生、お話って何ですか?」
蘭が腰掛けても、嵯峨島はその顔や胸の辺りをジロジロ見ているだけで、何も言わなかった。その不快さに耐えかねて、蘭から口を切った。蘭の声に、嵯峨島は軽く首を振りながら、ようやく呟いた。
「信じられねえなぁ、キミの様な子が……」
「何がですか…?」
中年教師の言っている意味が分からない蘭。すると、嫌に勿体つける様な言い方で話を続けてきた。
「実はな、毛利……お前に援助交際の嫌疑が掛かっているんだよ……」
「……は?」
何の事だろう、と蘭は思った。援助交際の嫌疑?まさか自分が、そんな事をしていると疑われているのか?ようやく意味を理解した蘭は、途端に顔に朱が走った。羞恥では無い、怒りである。
0183名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:50:15.76ID:Z4HAG09d
「バカな事言わないでくださいっ!そんな事、ある訳ありません!」
思わず怒声が出てしまった。そんな蘭の様子を、ジロジロと見ながら嵯峨島は言った。
「ほう、否定するのかね?」
「あ、当たり前ですっ!誰がそんな……」
怒りに震え、思わず立ち上がり、テーブルに手を突いて抗議する蘭を無視する様に、嵯峨島は続けた。
「相手は3年の森川……森川禎一らしいな」
「え……!?」
蘭は驚くと共に、呆気に執られた。この教師は、自分と森川の関係を疑っているのだろうか?
「お前は森川のアパートに、毎日の様に通っているらしいじゃないか」
「ま、毎日という訳じゃありません」
「なるほど……行っている事は、否定せんのだな?」
どうやら蘭が禎一のアパートを訪ねている処を、誰かに見られたらしい。園子はその経緯を知っているが、まさか彼女が告げ口したとは考えられない。『毎日』と誤解しているという事は、目撃されたのは一度や二度では無いのだろう。
「確か森川んとこは仕事の都合で、両親はアメリカ住まいだった筈だ。つまり森川は今、一人暮らしなんだろう?」
嵯峨島は、意地悪そうな口調で続ける。その視線に下卑たものを感じた。
「そんな所に放課後、夕方遅くに女一人で訪ねに行くんだ。何も無いって言う方が、おかしくないか?」
「別に、おかしくなんかありません!」
不遜な物言いに、蘭は吠える様に反論していく。
0184名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:54:30.75ID:Z4HAG09d
「森川先輩は先生が言われた様に、今はご両親の都合で一人住まいをしています。だから……」
「自分が代わりに料理や家事をこなしてやってる……と、こう言う訳か?」
言いたい事を途中で言われてしまい、蘭は毒気が抜かれてしまう。
「はい、そうです」
「ふーん。でも何故だね?森川の一人暮らしは、今に始まった事じゃ無いだろう?」
「それは……」
その理由は彼の親の仕事が上手くいかなくなり、送金が減っているからである。必要最低限、払わねばならない処に払ってしまうと、必然的に食費が削られてしまうのだ。
そんな彼が気の毒だという事で、蘭が勝手にお節介しているだけである。しかし、その事は禎一に口止めされており、彼がお金に困っている事は言えなかった。
「で、お前はいつから森川と付き合ってるんだ?」
「つ、付き合うって……」
蘭にとっては青天の霹靂だが、確かに状況だけ見れば、そう思われても仕方が無いのかもしれない。それは以前、園子にも言われた事がある事だった。
もう一つ気になってきている──というより懸念しているのは、禎一の様子が微妙に変化してきている事である。
段々と蘭に対する態度が馴れ馴れしくなっている、というよりも露骨に蘭への興味を隠さない様になってきていた。特に嫌なのは、蘭というより、蘭の身体へ、あからさまな関心を示してくる事だ。
蘭にそんな気は無いし、もし告白されてもキッパリ断るつもりでいる。もし、あんな事が続けば、もう面倒を見るつもりも無かった。
「あたしと先輩は、付き合ってなんかいません!」
「そうか?男ヤモメのアパートへ通って、甲斐甲斐しく家事をする女。これでは恋人同士としか言い様があるまい」
「でも……でも、違うんです!あたしと先輩は……」
「さすがに泊まってはいない様だが、それにしても何時間かヤツと二人っきりなんだろ?男子生徒と女子生徒がそんな関係になっているなら、そりゃ我が校の教師としては黙って見過ごす事は出来んからな」
そう言いながら、嵯峨島は蘭の胸元にジロジロといやらしい視線を向けてくる。
「で、身体の関係はあるのかね?」
「な……!?」
あまりに直接的な表現に、蘭は絶句した。とても教師が女生徒に尋ねる内容とは思えない。嵯峨島の下劣さと陰湿さに、蘭の心にムカムカとした怒りが込み上げる。
「先生っ!」
「な、なんだ!?」
腹の据わった様な蘭の迫力に、厚顔無恥な教師も思わずたじろいだ。
0185名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 15:58:28.94ID:Z4HAG09d
「そんな、いやらしい想像しないでください!あたし達は、そんな仲じゃありませんっ!」
「し、しかしだな……」
「しかしも何もありません!あたしは本当に、森川先輩の身の回りのお世話をしているだけです!それも週二回だけですっ!別に通い詰めている訳じゃないんですっ!もし信じられないと言うのなら、先生も一緒にいらして、
確かめてみたらいかがですか?一緒に行って一緒に帰れば、いくら先生でも分かるでしょう!?今度行く時は、先生に声を掛けましょうか?」
そこまで一気に言うと、蘭はもう用は無いとばかりに立ち上がった。
「お話はそれだけでしょうか?……無いなら、あたしは帰らせて頂きますのでっ!」
そう言い捨てると、蘭は大きな音を立てて引き戸を閉めていた。
(ホント、最低……嫌な先生)
蘭は廊下を早歩きで進みながら、不快感を募らせていく。そんな蘭の後姿を、扉から少し顔を覗かせた嵯峨島が舌打ちしながら見送っていた。
「チッ、小生意気な娘だぜ……無理矢理犯って、思い知らせてやろうか……」
嵯峨島は深く溜め息を漏らしながら、ブツブツと呟いている。すると、そんな嵯峨島の後ろから声が掛かった。
0186名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:00:54.77ID:Z4HAG09d
「ダメですよ、先生。つまみ食いなんてしちゃ……」
「なんだ、森川か……驚かせるなよ」
「ハハッ、すみません……」
誰も居ない廊下の影から、禎一が姿を現した。そして、嵯峨島の傍へと近寄ってくる。
「森川……お前、あの毛利に手ぇ出してるらしいな?もしかして、例の……?」
「さすがですね先生、察しが早い……」
「しっかし、お前にしては随分と手間を掛けてるみたいじゃねえか……」
「ええ……あの娘は結構意志が強いみたいだし、まだ処女みたいなんですよ」
「ほお、それは驚きだ。俺はてっきり……今時の高校生らしくないな」
そう言った嵯峨島は、どこか感心したかの様な表情を浮かべた。
「そうですね、身持ちが硬いというか……まあ、そこも彼女の魅力の一つですよ。そんな訳で、彼女を堕とすのには多少時間が掛かりますよ。…それに空手も遣ってますからね。
下手に手を出すと、こっちが手痛い目に遭い兼ねないですし、どうしても慎重になってしまいますから」
そう言うと、禎一は眼鏡をクイッと掛け直す。
「まあ、待っていてくださいよ。いずれ、あの娘も商品にしますから……その時を楽しみにしていてください」
「チッ、しょーがねえなぁ……」
嵯峨島は、禎一の言葉に渋々納得する。そして、再び遠ざかる蘭の後姿を見つめた。
「クククッ、毛利ぃ……お前を犯れる日が来るのを、楽しみに待ってるぜ」
ニヤニヤと蘭を見ながら、嵯峨島は下品に舌舐めずりする。そんな嵯峨島の横で、禎一も不敵な笑みを零していた。
0187名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:04:13.51ID:Z4HAG09d
あんな事が二度もあったにも関わらず、蘭はまだ禎一のアパートに通っていた。彼と約束したという事もあるが、何故か蘭には禎一を強く拒む事が出来ないでいたのだ。
その理由は、生徒達の一部で囁かれていた『禎一の目』の威力なのかもしれない。あの目で追い縋られると、どうにも断れなくなってしまうのである。
そうでなくとも蘭は世話好きで、母性本能が強い。困った人を見れば、何もしないではいられない性質であった。
禎一が蘭に働いた無礼にしても、それは彼の寂しさから来るものだと、蘭は好意的に理解してしまっていた。そうであるなら邪険にも出来ない。ここで冷たく拒絶したら、恋人を失った彼は更に傷付いてしまうだろう。
しかし蘭に強引に抱き付いてきたのは禎一なのだし、それに対して蘭はちゃんと拒否している。にも関わらず、禎一は蘭へ『過剰なスキンシップ』を求めてきていた。
もし園子にその事を言えば、激怒して『そんなヤツ、放っておきなさいよ!』と言うのは確実だろう。蘭に代わって、彼をひっぱたくかもしれない。無論、蘭にしても通常なら、そうしている筈だ。
ただ禎一の場合、事情を聞けば聞く程に気の毒になってしまう。蘭には、そんな彼を無下には出来なかったのだ。
それに、まだ彼を信じている面もあった。蘭がきちんと断れば、分かってくれる筈だ。話せば理解してくれるに違いないと思っていた。
しかし、夕食と翌日の朝食分の料理を終え、帰ろうとした時、蘭はまた禎一に抱き締められてしまった。蘭は、自分の考えが少し甘かったかもしれないと後悔していた。
「やめてっ!やめてください、森川先輩っ!いい加減にして!」
蘭は身を捩り、腕を振り払って抵抗するものの、それでも禎一は蘭を後ろから抱き締めて離そうとはしてくれない。確かに蘭は空手有段者ではあるが、やはり女の筋力では男の筋力に敵う筈も無い。
精神的に動揺もしているし、さすがに殴り飛ばす訳にもいかないだろう。後ろ向きにされているのも不利なポイントだ。すると蘭の腰を抱いていた禎一の右手が這い上がり、蘭の右胸へと移動し始めた。
「あっ……!?」
蘭は仰天し、慌ててその腕を掴んだ。すると今度は左手が伸び、左の乳房を狙ってくる。蘭は左右の手でそれぞれの腕を押さえ込もうとするが、とても抗え切れない。
仕方なく、両腕で禎一の左腕を掴み、引き離そうとする。彼の右手はフリーになってしまうが、これはどうしようも無かった。
制服の上から男の手が、蘭の乳房を揉み込んできた。自分でならともかく、他人に愛撫されるのは生まれて初めてだった。
「いやっ!な、何するんですか、森川先輩っ!…あ、あうっ!…やめて、痛いっ!」
激しく困惑した蘭は、上擦った声で小さく叫んだ。悲鳴が遠慮がちになっているのは、やはり隣を意識しての事だ。禎一の為もあるが、こんな処を他人に見られたくないのは蘭も一緒である。
何度か制服の上から乳房を揉んでいた禎一は、その手を裾に突っ込み、今度はカッターシャツの上から揉み込んできた。
0188名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:07:40.96ID:Z4HAG09d
「や、やめっ……ああぁっ!」
シャツの上から、まるで蘭の乳房の形状や重さを確認するかの様に、やんわりと揉み上げてくる。そして、下から掬い上げる様にジンワリと揉み上げ、その柔らかさも味わっていく。
「い、いやぁっ……!」
堪らず蘭は、左手を押さえていた両腕で、右手の悪戯を阻止しようとする。その手首を両手でしっかりと押さえ込んだ為、右の胸から手が離れ助かったのだが、その代わり今度は自由になった左手が蘭の左乳房を愛撫してきた。
「あ、いやぁ…やめてっ……も、森川先輩っ……ああぅっ……」
左胸を揉みしだかれ、それから逃れようと禎一の左手を押さえると、また右手が右の乳房を擦ってくる。
こうして、左右の乳房を交互に守り、揉まれ続けていく内に、身体から徐々に力が抜けてしまうのが蘭自身にも分かっていた。
このままではいけないと、今度は左右の腕で禎一の各々の腕を押さえ、引き剥がそうとする。これは最初にやってムダだと判ったのだが、このまま片方ずつ防いでいてもどうにもならない。
だが、こうして両方を阻止しようとしても、結局は両方とも愛撫される事になる。もはや蘭は、すっかり動転してしまっていた。
「だめっ、ああ……そ、それ以上はだめ、ああ……」
禎一は、スリムな外見からは想像もつかなかった豊かな乳房を揉みしだきながら、蘭のうなじや白い首筋に軽く唇を宛がってキスしていく。そして唇の隙間から舌を僅かに覗かせ、ツツゥ……と蘭の柔肌に這わせていった。
「きゃうっ!?やっ…な、何を……はあぁっ!」
蘭の両腕の抵抗を心地良く感じながら、禎一はその豊満な乳房へしつこく愛撫を加え続けていく。ふと見ると、蘭の乳房の先端が、カッターシャツとブラの上からでもハッキリと分かる程に突起してきていた。
そこで禎一が、指先を這わす様に乳首の辺りを刺激してやると、美少女はビクンッと首を仰け反らせ呻いた。
0189名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:10:51.17ID:Z4HAG09d
「んああっ!」
「……気持ち良いのかい?」
「ち、違う……違います、そんな……あ、ああぁっ……」
禎一に尖り始めた乳首を、乳房の中に埋める様に上からグッと指で押し込まれると、不覚にも蘭はハッキリと喘いでしまった。蘭は、乳首から胸の奥へと突き抜ける様な甘い痺れを振り払おうと、激しく顔を振りたくった。
それでも乳首を虐められると、思わず喘ぎ、首を反らせてしまう。徹底的に乳首だけを責められている所為か、蘭の意識はどうしてもそこに集中してしまうのだ。
「ああぅっ……い、やあっっ!!」
蘭は震える腕に渾身の力を込めて、禎一の腕を何とか引き剥がした。すると何故か禎一の方も、それ以上強引なマネはせず、素直に蘭を解放してくれた。
「はあっ、はあっ、はあっ……っく……」
蘭は思わずしゃがみ込み、両腕で自分の肩を抱きながら戦慄いていた。堅く閉じていた目の裏が赤い。息が上がり、動悸も激しくなってしまっている。する禎一が腰を屈め、蘭の肩に手を乗せた。
「大丈夫かい?だいぶ息が……」
「いやっ!」
少女は上級生の手を振り払うと、目に涙すら浮かべて、逃げる様に部屋を出て行ってしまった。
0190名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:14:02.06ID:Z4HAG09d
それから数日後……あんな事が続いたにも関わらず、蘭はまた禎一の部屋に来ていた。もう来るのは止めようと、蘭自身も何度も思ったのだが、禎一の事情を知ってしまった以上、どうしても放ってはおけなかったのだ。
それに、痴漢の様な事をされたにも関わらず、蘭には彼を嫌悪する様な感情が、不思議とあまり起こらなかったのである。禎一の目に見つめられてしまうと、どうにも彼に対して素気無い態度が取れなくなってしまう。
超常的なモノでは無いだろうが、噂になっていた通り、確かにあの目には魔力がある様な気がしていた。それは魔性のモノでは無く、母性本能をくすぐられる様な目なのだ。
だから禎一の愛撫に、身を委ねてしまいたいという気持ちでは無く、本当に面倒を見てあげたいという気持ちから来ているのだ。だが、本当にそうだろうか?と、蘭は自問する。
禎一の蘭への狼藉は、益々エスカレートしてきている。最初は抱き締めるだけだったのに、次は身体に触れ、さらには胸を揉みしだく様な事までしてきているのだ。
普通なら、男の邪な欲望に危険を感じ、もう関わらないとするのが正しいだろう。それは蘭自身も、そう思っている事だ。彼の部屋で料理や洗濯をする……そこまでは良いだろう。だが、その後には身の危険が待ち構えているのだ。
そうと知っていて、なおそこに通おうとしている自分は何なのだろうか?禎一の愛撫を、女の身体が忘れられない。自分で胸を軽く揉むのとは、まるで違う愛撫の快感。
自分の手で揉んでも気持ちは良いのだが、彼に揉まれたあの時の鋭い快感は別物だった。もしかすると、自分はあの行為を望んでいるのではないだろうか?心では無く肉体の方が、そう望んでいるのではないか?
いや、自分はそんなに淫らだとは思わないし、思いたくない。……だが、それならオナニーする事など無いだろう。
あれは、あの行為は、蘭自身が淫猥な欲望を持っている証拠ではないのか?いや、それも普通の事だろう。健康な人間なら、誰でも持っている本能的なものである筈だ。
蘭はここ数日、そんな相反する、そしてとりとめも無い事ばかり考えていた。何だか、まるで頭の中が、そんな事ばかり考えてしまっている様な気がする。
禎一から定期的に愛撫される事により、蘭は段々と身体の中に淫靡なモノが蓄積させられていく様な実感があった。いくら否定しても、やはり自分はエッチなのかも知れない。そう考えてしまうと、落ち込みそうになる。
密かに幼馴染みの男子に恋心を抱いている蘭にとって、それは背徳感と罪悪感も合わせ、深い悩みとなって乙女の心を痛めさせている要因でもある。
そんな蘭を惑わせている張本人の男は、今日も蘭の身体を弄ぶ様に愛撫してきていた。
0191名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:16:37.68ID:Z4HAG09d
「っ……やあっ、だめぇっ……どいて…どいてください、あっ……」
蘭は今、禎一に圧し掛かる様に組み伏せられていた。禎一は、蘭の両脚の間に膝を割り込ませ、強引に開かせて迫ってくる。
膝は制服のスカートを踏む形になっているから、大事な部分は守られてはいるものの、いずれにしても危険な姿勢である。
今になって、蘭は後悔していた。どうして自分は、またこの部屋に来てしまったのだろうか?元々蘭からの一方的な好意で家事をしているだけであって、禎一には義理も何も無いのだ。
こんな酷い事されたのだから、それを機会に止めてしまっても、彼に文句は言えない筈である。それなのに今日も、蘭はまたこの部屋へと訪れてしまったのだ。
「いやっ……だ、だめっ……やめてぇっ……あ、あぁぁっ……」
蘭は制服の胸をはだけさせられ、白いブラジャーを露わにされてしまう。3/4カップのブラから、柔らかそうな白い肉が零れ出た。
その柔乳を、禎一が大きく指を拡げて揉み込んでいく。蘭の柔らかな乳肉が、男の手の中でムニュンムニュンと形を変えさせられる。
「は…ああぁ……は、あぅっ……胸、しないで……あううっ……」
しばらく蘭の乳房の感触を愉しんでいた禎一は、ブラの布地が邪魔に感じられたのか、今度はブラをずり下ろし、露出した生身の乳房を直接愛撫し始めてきた。
そうして胸の谷間に手の平を差し込み、その弾力と汗ばんだ若い肌の感触を味わっていく。
「やっ……ああっ、そんな……はうっ……」
禎一が顔を蘭の胸に埋め、乳房に唇を付け、舌を這わせてくる。唇がくっつけられる感覚に、蘭の背筋にゾクゾクッと痺れが走った。その熱い舌先が柔肌を這い回ると、ネットリとした感触に思わず喘いでしまいそうになる。
それに与えられる快感に反応して、すでに勃起してしまっている乳首が、彼の指先に摘まれ、好き勝手に捏ね繰られてしまうと、ビクビクッと身体が震えてしまうのだ。
「んああっ……だ、だめぇっ……そ、そこっ…やめてぇっ……ああぁっ…」
禎一の口が、蘭の乳房に喰らい付く様にむしゃぶりついてきた。強く吸い付かれ、その咥内でいやらしく勃起してしまった乳首が舌で愛撫され始める。
まるで蘭の乳房から母乳を飲むかの様に、禎一は蘭の乳首を舐めしゃぶって責め立てていく。その堪らない刺激に蘭は顔を背け、目を硬く瞑って、この暴虐に必死に耐えようとしていた。
そんな蘭の様子に気付いた禎一は、むしゃぶり付いていた蘭の乳房から、ようやく口を離すと、荒い吐息を漏らす蘭の頬を優しく撫でてやる。
「蘭ちゃん、こっちを向いて……目を開けて」
「はあっ、はあっ、はあっ……え?…な、なに……あっ!?」
禎一は蘭の小さな顎を掴むと、正面を向かせて、いきなり清楚な薄い唇を奪っていく。
「んっ……んんぅっ!?」
突然の事に、蘭はビックリした様に瞳を大きく見開かせていた。
(こ、これって……キス!?…あ、あたし…キ、キスされちゃった……新一とだって、まだなのにっ……!)
唐突に唇を塞がれた蘭は驚き、動揺して、禎一から逃れようと身を捩った。その両手は、禎一の腕や胸を叩いていて暴れさせている。
0192名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:20:06.25ID:Z4HAG09d
「んぐっ!……んんんっ!!」
禎一に圧し掛かる様に組み伏せられ、強引にキスをされている蘭は、必死に逃れ様ともがいた。
「っは……や、やめてくださいっ!何を……何をするんですかっ!」
何とか禎一の唇から逃げられた蘭は、大粒の涙を浮かべた瞳でキッと睨んできた。しかし、そんな蘭の抵抗など、禎一には効かない。彼にとって、こんな事は慣れっこなのだ。
禎一は落ち着いて蘭の左腕を左手で押さえ込み、右手で彼女の頬骨を掴むと、再び蘭に近寄せて唇を重ねていく。
「も、森川さ……んんっ!?……んっ…んくっ…」
禎一は、柔らかくほんのり暖かい蘭の唇を、貪る様に吸っていく。一方、蘭は口を開けず、しっかりと前歯を閉じている為、咥内の侵入こそ許さなかったが、その分、唇は自由に弄ばされてしまっていた。
閉じた口からくぐもった呻き声を漏らし、必死に堪え忍んでいる蘭に構わず、男はキスを続けてくる。そして舌先を尖らせ、唇の間に潜り込ませようと何度も突っついてきた。
そんな禎一からのキスに、蘭は呻いて口をキツく閉じ合わせて顔を振り、激しい拒否の姿勢を貫いていた。
「んっ、んふっ……んくうっ……」
禎一に頭を抑えられ、思う様に顔が振れない。それでも長い髪がバサバサと乱れ、一種凄絶な美貌となっていた。その髪に混じった甘い香りが男の鼻腔を擽り、返って性感を高めさせてしまう。
思いの外、強い抵抗を見せる蘭に、禎一は仕方なく一時唇を離す事にした。すると蘭が、蘇生したかの様に呼吸を再開した。
「ぷはっ……はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……な、何するんですか!酷すぎます、こ、こんなの……」
蘭は正気を取り戻したかの様に、禎一を睨みつけた。しかしその表情はどこか弱々しく、頬には朱が入っている。そして次の瞬間には、その怒気を含んだ表情が驚愕に変わる事となる。
「……っ!?」
蘭は息を飲んだ。とうとう禎一の手が、蘭の下半身へと伸びてきたのだ。スカートの裾を捲り上げ、艶めかしい蘭の太腿を撫でていく。ストッキングなど履かぬ、蘭の生足の感触は素晴らしかった。
少女は大慌てで、その腕を掴み、必死に止めようとする。
「い、いやっ!……あ、んむうっ!?」
その隙を突かれ、また唇を吸われてしまう。蘭の手が禎一の顔を押し返せば、代わりに禎一の手が蘭の下半身を這い回るのだ。
そのおぞましさに鳥肌を立てながら、蘭がその腕を叩き、引き剥がそうとすると、また唇を奪われる。
「んくっ……やあっ……あ、あぅっ……ん゛うっ……」
男の手が蠢く度に、蘭はビクッと敏感な反応を示して、腰を震わせる。すると禎一の手がお尻に廻り、鷲掴んで揉み込んできた。そのいやらしい手の動きに耐えきれなくなった蘭は、ついに悲鳴を上げた。
「いやああぁっ……ん゛ぐぅっ!!」
そんな悲鳴を吸い取る様に、また口を塞がれてしまう。そうして蘭の唇を強引に奪いながら、禎一は内腿の間を優しく撫でてゆき、その指先がついに蘭の媚肉へと到達してきた。
0193名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:22:31.73ID:Z4HAG09d
「ん゛ん゛ぅっ!?」
割れ目に達した禎一の指が、下着の上から熱い女性器を撫で擦ってくる。その刺激に、蘭はビクンッと身体を跳ねさせた。ショーツに守られているとはいえ、それはあまりにも薄く、頼りない防御に過ぎない。
「や、いやぁっ!…やめてぇっ……そこ、だめえっ……」
もう脚に力が入ず、彼を蹴り上げて逃げる事も出来なかった。蘭は情けない思いで、それでも懸命に抵抗しようとする。その顔は真っ赤に染まり、両手で何度も禎一を叩いていた。
「蘭ちゃんも、こういうの好きでしょ?」
「ち、違う……こんなの、嫌ですっ!」
禎一は、蘭に質問しながらも、指先で下着の上から割れ目を弄り続けてやる。
「本当にそうなの?本当は蘭ちゃんも、こういう事されたいと思ってない?」
「は、くぅっ!……そ、そんな事…思ってませんっ!」
「本当かなぁ?蘭ちゃんのココは、そうじゃないって言ってるみたいだけど?」
「しっ、知らないっ…そんな……ふああっ!?だ、だめぇっ!そんなとこ…弄らないでぇっ!」
割れ目に、沿って禎一の指が何度も強く擦られていくと、蘭は堪らず身をくねらせて喘いだ。経験豊富な禎一の指は、割れ目が薄っすら濡れてきているのを感じ取っていたのだ。
まだ下着が染みが出来る程濡れてはいないものの、明らかに乾いた感じはしない。湿っているというか、蒸れている感じがするのだ。
蘭が快感を感じている事は、その様子からも見て取れる。しかし、まだ蘭にあまりショックを与えるのは上手くない。だから禎一は今後の事を考えて、今は直接媚肉を触る事はしなかった。
しかし、下着の上から撫でられ、指先で割れ目の筋を這う様に擦られるだけで、蘭は消え入りそうな羞恥と恥辱、そして身体の芯から熱くなる様な官能を感じ取っていた。
「あ…ああぁ……い、いやぁ……ああ……あむっ!」
またキスをされてしまった。口は必死に閉じているものの、唇を吸われ、舐められていく。その気色悪さに涙すると、禎一に胸を愛撫され、股間を弄られて、そこから意識を遠ざけられてしまう。

……こうして蘭は、少しずつ禎一の術中へと堕ちていくのだった。
0194名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:25:43.20ID:Z4HAG09d
「あ、はあ……はああっ……い、いやぁっ…」
もう、これで何度目になるだろう?蘭は喘ぎ声を上げながら、そんな事をぼんやりと考えていた。
蘭は週にニ回程この部屋を訪れ、家事をこなして、その度に禎一に迫られてペッティングされてしまっているのである。…そう、これはペッティングであり、性行為寸前の状態なのだ。
こんな事をされ続けているのに、どうして自分はココに来ているのだろうか?こんないやらしい事をされているのに、どうして?禎一に言われた様に、自分自身がそうされたいと望んでいるからなのだろうか?
混乱と羞恥、そして与えられる快感により狂わされる思考が、蘭の頭の中でグルグルと渦巻いてしまう。
「あぁ、キスはだめぇっ……んむうっ!」
禎一に覆い被さられ、蘭は唇を奪われてしまう。辛うじて咥内は守っているものの、もう唇は完全に自由にされてしまっている。
ヌメヌメした男の舌で嬲られる気色悪い感触が、徐々に薄れていく。そして、口をくっ付けるその行為そのものが、何とも淫らで背徳的に思われた。
「んっ……んんう……んっ……んはぁっ!」
すぐに唇は解放されたが、その代わりとでも言う様に、男の唇が蘭の首筋へと這っていく。まるでキスマークを作るかの様に強く吸われたり、舌全体で味わうかの様に舐め回してくる。
「い、いやぁ……あ、んんっ……あ、あぅぅっ…だめぇっ……」
ネットリとした熱い舌が、蘭の白い肌を舐め回していく。気味が悪い筈なのに、何故かゾクゾクする様な刺激に襲われ、ややもすると愉悦に近いものまで感じてしまう。
蘭の抵抗は、日増しに弱まってきていた。それを見抜いていた禎一は、躊躇無く蘭の制服の前を肌蹴させていく。
「ああ、いやあっ!」
蘭は悲鳴を上げ、慌てて前を合わせようとするが、その腕を禎一にガッシリと押さえ込まれてしまう。そして禎一は慌てる事無く、慣れた手つきで蘭の制服のボタンを一つずつ外し、完全に前を開かせてしまった。
その指はなおも止まらず、白いカッターシャツのボタンまで外していく。また男に肌を晒す事になる。しかも今度は裸にされてしまう。そう覚った蘭は、思わず絶叫した。
「いやああああっ!!」
もう恥も外聞も無い。隣近所の人でも良い、誰かに助けを求め、この場から逃げたかった。しかし蘭の悲痛な叫びにも関わらず、誰かが来てくれる気配など、まったく無かった。
(あぁ、そんな……どうして…?)
今にして思い返せば、この部屋を除いてアパート全体の灯りが消えていた様だった。
禎一が最初に言っていた様に、この安アパートには、主に夜の仕事をしている人達が多く、この時間帯には出掛けていて、誰も居なくなってしまっている様である。
しかも帰宅は朝方になるらしい。管理人はおらず、大家は別住まいだ。つまり、この少女の叫びを聞いている人は、禎一以外居ないという事になる。
だから、いくら蘭が悲鳴を上げようと、誰も助けてはくれる筈も無い。つまり、このままでは禎一のされるがままになってしまうのである。
0195名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:28:36.66ID:Z4HAG09d
「いやっ…もう、やめてください森川先輩っ……あ、ああっ……だめぇっ……」
蘭は禎一から逃れようと、必死に身をくねらせて、もがき続けた。そうして逃げようとする蘭の腕を、禎一が畳に押さえ付ける。そうしておいて、片手で蘭の両手首を一纏めにし、彼女の頭上で押さえ込んでしまう。
完全に身動きを封じられた蘭に、禎一は今にもブラから零れ落ちそうな胸肉を両手で掴むと、円を描く様にゆっくりと揉みしだき始めた。
高校生離れした豊かな乳房を揉み込み、その弾力と張りを確かめていく。蘭は目をギュッと瞑り、駄々を捏ねる様にイヤイヤと首を振って哀願した。
「いやっ…いやあっ……やめて、くださいっ……もう…もうこんな事っ……あううっ!」
「本当は止めて欲しくは無いんでしょ?蘭ちゃんだって、気持ち良いんだろ?」
「ちがっ、違いますっ!そんな嘘ばっかり、い、言わないでくださいっ!」
「嘘じゃないさ。ほら、こうすると……」
「きゃうっ!」
ブラの上からでも分かる程に尖った乳首を、指でピンッと強く弾いてやると、蘭は思わず顔を仰け反らせて呻いた。
すると禎一は、その剥き出しになった白い首筋に顔を寄せて唇を宛がい、優しくその皮膚を唇で挟み込みながら、舌先でこそぐ様に舐め上げ始めていく。
そのまま舌を蘭の顔まで這わせ続け、耳の裏や耳たぶ、そして耳穴にまで侵入して責めてくる。
「ひっ!あ、ああぁっ……いやあっ……あくっ……は…あううっ!」
その未知の刺激に蘭の背筋がゾクリッと打ち震え、耐える様にギュッとキツく拳が握られる。禎一の的確な快楽責めに、蘭の意識が徐々に蕩かされて、蘭は堪らず禎一に訴え掛けた。
「ふあぁっ……い、いやあっ…もう、しないでぇ……あ、あたしは……あたしには……ああぅっ!」
「あたしには、何?……もしかして、好きな人でもいるのかい?」
「ぁ……!」
その言葉を聞いた途端、蘭はビクッと身を硬直させてしまう。そんな蘭の様子につられる様に、禎一も手の動きを止めた。
「恋人、いるの?……いるんだね?」
「こ、恋人って言うか……その……」
禎一の問い掛けに、蘭の視線が戸惑う様に泳ぐ。その頭の中で、誰か男の姿を浮かべているのが、傍で見ていても分かる。
これは意外だった。普段の蘭を見ていると、とてもそんな素振りは見えなかった。とはいえ、これだけ美人で可愛らしく、しかも性格も良いのだ。そんな美少女を、周囲の男達が放っておく訳も無い。
実際、蘭に言い寄っていた生徒も多々居るのだが、彼女の方からやんわりと断っていた様である。しかし学校で調べた限りでは、そうした相手は見当たらなかった。
という事は他校なのだろうか?それとも年上の大学生辺りか?彼女くらい賢い女なら、同じ高校生の男子など幼く思えてしまうかも知れない。
0196名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:30:49.32ID:Z4HAG09d
「それって誰なのかな?僕も知ってる人?」
「あ、あの……その……」
口篭もってしまった蘭を急かす様に、禎一は再び手を蠢かせ始めていく。ゆっくりと、そして小さな動きではあるが、蘭の乳房を緩く揉み、腿を手の平で擦ってやる。
「はうっ……ん、んんぅっ……」
「教えてよ……ねえ」
焦らすかの様な愛撫に、蘭の肢体がブルルッと震えてしまう。
「で、でも……あ、ああぁっ……」
「好きな人、いるんでしょ?」
ようやく蘭が、コクンと頷いた。恥ずかしそうな顔がいじらしく、愛らしかった。
「その男とは恋人なの?もう付き合ってるのかな?」
「い、いえ……その…」
「まだそこまではいってないんだ。という事は、蘭ちゃんの片思いなのかな?」
「え?…あ……えっと…」
その問い掛けには、何とも答えようが無かった。蘭は、間違い無く幼馴染みである工藤新一が好きだった。新一の方も、蘭に好意を持っていると思っていた。園子によると「絶対に工藤君も、蘭の事が好きだわ」という事である。
しかし、幼馴染みという間柄が長い為か、お互いに今一歩が踏み出せないでいるのだ。
蘭が何も言わずとも、それとなく禎一も察した。蘭ほどの美少女が、片思いというのも考えにくいから、恥ずかしさが先に立って互いに言い出せないのだろう。
ならば蘭の、この処女の様な反応や振る舞いも頷けるというものだ。恐らく身体の関係はもちろん、キスをした事も無いのだろう。もしかしたら、手を握った事すら無いのかも知れない。
「こんな事をするのは、その彼氏に申し訳ないって思うのかな?」
「わ、分かってるなら……もうやめてくださいっ……」
蘭は消え入りそうな声で訴えてきた。大きな瞳を潤ませ、今にも泣き出しそうな表情になる。
「お願いです……もう…もうこんな事は………」
そんな顔をされると、女を手玉に取るのを得意とする禎一にしても、さすがに気が殺がれてしまう。だが、こんな上玉は久し振りなのだ。ここで手を引く訳にはいかなかった。
「あ、いやあっ……」
禎一の手が、蘭のスカートを完全に捲り上げ、その股間を露わにしてしまう。そして禎一の指先が股間へと伸び、下着の上から割れ目を弄び始めた。
0197名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:33:06.17ID:Z4HAG09d
「ああ……そ、そこ、だめぇっ……こ、こんなのいやぁっ……し、新一……新一ぃ……」
どうやら蘭の想い人の名前は、新一というらしい。今後の為にも、その男の情報も集めておく必要がありそうだ。そんな事を考えながら禎一が愛撫を続けていくと、再び蘭が、徐々に肉の快感にのめり込み始めてくる。
「ん゛、んぅっ……うっ…くふっ……ふあっ、ああぁっ……あっ…」
声を上げまいと、キツく口を閉じてはいるのだが、我慢しきれず唇が開くと、そこから熱い吐息と悩ましい呻き声が漏れてしまう。
そうして乳房を揉まれ、媚肉を愛撫され続けていくと、鼻に掛かった甘い声を止める事が出来なくなってきた。
「あっ…ああっ……んくっ…んああっ!」
ショーツの上から媚肉の割れ目に這わせた指を軽く曲げ、少女の恥丘を撫で擦り続けてやると、ジワリと溢れてきた愛蜜がクロッチ部に染み込み始めてきた。
そうして割れ目を責めてやりながら、露わになった上半身も刺激していく。ブラの上から乳房を揉まれ、素肌になっている脇腹やあばらの浮いた胸をなぞる様に、指が這わせてやる。
「だ、だめぇ……あ、ああっ……お、お願い…です……先輩、あたし…こんなの……ああぁっ……」
「気持ち良くて、もう我慢出来ない?……いいよ、我慢する事なんてないさ」
「はあっ、はあっ、はあっ……で、でも…あたしには…新一が……ふああっ…やっ、キスはだっ…んぐうっ!」
またしても禎一の口が、蘭の唇に重なってきた。快感に喘ぎ掛け、思わず開いてしまいそうになる唇を、懸命に閉じ合わせる。あくまで口の中は許さないという姿勢の様だ。本質的には優しいが、気の強い蘭らしい抵抗である。
しかし、もはや身体の方は蕩け掛かっているし、蘭の真情としても禎一にかなり同情し、心を開き掛けている。それなのに、ここまで貞操観念が強いというの何故だろうか?禎一の経験上、ここまで『堅い』女はいなかった。
禎一によって、心身両面から誑かされた女は、例外無く彼に身体を開いていったものだ。しかし蘭には、まだそれが無い。
処女という事もあるのだろうが、それ以上に『新一』という男への想いが強い様である。そんな蘭に、禎一はイラつきと共に、若干なりとも嫉妬すら感じていた。
「んんっ……んむっ…んぅっ!」
禎一は蘭の意識を口に集めさせておいてから、その乳房をギュッと鷲掴みにしていく。それまでのソフトな愛撫とは一転して指先に力を入れ、乳房を掴むと、グイと捻ってやる。
「うぐっ……!」
思わず口が緩み、悲鳴が上がる。急所を乱暴に責められ、蘭はグッと仰け反って、その苦痛に耐えた。しかしその瞬間、禎一の舌が僅かな隙を逃さず、とうとう蘭の唇を割って入ってきた。
「ん゛、んんぅ……っ!?」
男の舌が咥内に滑り込んできたのを感じ、蘭は目を白黒させて慌てた。
0198名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:35:07.31ID:Z4HAG09d
(あ、ああぁっ……く、口の中に…舌が……ああっ……キス、だめえぇっ……)
蘭は必死に顔を振って禎一の唇から逃れようとするものの、禎一が片手でしっかりと蘭の頭を掴んで離してはくれない。その男の舌が咥内で這いずり回る気色悪さを堪えつつ、蘭の舌が何とか逃げようとする。
しかし禎一の舌は、明らかに少女の舌を狙って追い掛けて、蘭の口の中を蹂躙していく。ちょんと男の舌が触れただけで、蘭の舌は吃驚した様に逃げ回る。それを追従する様に、禎一の舌が更に入り込んでくる。
「んくっ……ん、んむっ……ふっ……んんうっ……ん゛、んんっ!?」
禎一がキスしながら、やんわりと乳房を揉み込んでやると、蘭はまた驚いた様に男の口の中で悲鳴を上げる。だが、その声は殺され、振動だけが舌に伝わってきた。その唇の端からは、涎が溢れてしまっている。
そうして、しばらく蘭とのキスを味わっていた禎一だったが、不意に蘭の表情が苦しげに歪んでくるのを見て、ようやく禎一は唇を離してやった。
「フフッ……どうだい、初めて男に口を許した気分は?」
「んはあ〜っ、はあ〜っ、はあ〜っ……こ、こんなのって…最低です、森川先輩っ…!」
「最低か……でもね」
「あっ!?」
気弱げな声で抗議する蘭の濡れた瞳を見ながら、禎一はその美しい顔に口を近付けていく。思わず顔を伏せた蘭だったが、その耳元に唇を寄せられ、囁く様に言われた。
「今は最低な行為って思っていても、その内キミは悦んで受け入れてくれる様になる筈さ」
「そ、そんな事ありませんっ!」
「蘭ちゃんが言う最低な行為こそが、最高の快楽を齎すものなんだよ」
「そんな……あっ…!」
何をバカな…と、言い掛けた蘭の耳や首筋に、禎一の舌が這っていく。その刺激に、不覚にもゾクゾクッとしてしまう。そして耳の穴を穿る様に舌先で舐められると、全身に甘い疼きが走っていく。
「あ、ああうっ……」
「ほら…もうこんなに、いやらしい声が出るようになってきてるよ」
「あ、ああっ…ち、違う……んんあっ!」
耳たぶを甘噛みされ、蘭の頬がカッと赤くなった。そんな所を愛撫されてしまい、恥ずかしいという感情と、思わぬ鋭い刺激に戸惑ったのだ。そして蘭の口からは、徐々に悲鳴以外の声が微かに含まれてきていた。
「あ、あうぅっ……や…あ、んむうっ!」
またキスをされてしまった。今度はあっさりと口を割られ、舌の侵入を許してしまう。蘭の舌は奥に引っ込んでいるが、その分、咥内広く禎一の舌が占拠していく。
0199名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:38:13.11ID:Z4HAG09d
「ん、んんっ……ちゅっ、ちゅくっ……」
すっかり捲り上げられたスカートの奥にある、真っ白な太腿。その付け根には、これも真っ白なショーツが、僅かに少女の性器を護っていた。
そこに禎一の指がそっと腿に触れると、電気が走ったかの様に蘭の身体が軽く跳ねた。それでも悲鳴は上がらない。声は禎一の口の中で蒸発してしまったかの様に、外には出てこなかった。
「んうぅ……っ!」
禎一の指先が、ちょんと少女の割れ目に触れる。緩やかな丘陵を描いたその部分は、薄い布越しに繊細な恥毛の感覚があった。
そしてその生地は、指先でも分かる程に濡れていた。すでに、かなり蜜を漏らしているらしく、薄いショーツの生地には恥ずかしい染みが出来てしまっている。
禎一は焦る事無く手の平を使って、その部分を撫で擦り始める。時折、敏感過ぎる肉芽に触れるのか、蘭の身がビクンッと跳ねる事もあった。
「はあっ、はあっ、はあっ……あ、ああぁっ…せ、先輩ぃ、もう……」
「もう、何だい?もうやめて欲しい?」
禎一の言葉に、蘭は恥かしそうに小さく頷いた。そんな蘭を眺め見ながら、禎一はニヤッと笑みを零す。
「違うだろ、蘭ちゃん。『もうやめて』じゃなくて、『もう気持ち良くて堪らない』んでしょ?」
「はあっ、はあっ……あぁ…ち、違う…違います……」
「違わないよ。だってほら、蘭ちゃんの可愛いオマンコだって、もうこんなに濡れてるよ」
そう言うと、禎一は濡れた生地の部分を、グリグリッと指先で擦ってやる。すると蘭の身体が、ビクンッと震えた。
「ああぁ、いやぁっ!…ち、違う……これは…これは違うんです!」
「違う?じゃあこれは、おしっこを漏らしちゃってるって事なのかな?」
「違う……違うのぉ……あぁぁっ……」
快感に蕩かされ、混乱しきっている蘭には自分でも、もう何が『違う』というのか分からなくなってしまっていた。そんな遣り取りの間にも、乳房を柔らかく愛撫して揉み上げつつ、媚肉をショーツの上から撫でて愛撫し続けてくる。
アクセントの様に時々太腿を擦り、首筋を舐めて責めてやる。そして定期的に唇をキスで塞いで、舌を絡め取って責め上げてやるのだ。
0200名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:40:19.11ID:Z4HAG09d
「んふっ……ちゅっ、ちゅぷっ……んんっ…くちゅっ……」
蘭の舌が禎一の舌に絡め取られ、その咥内で二人の唾液を混ぜ合わされていく。禎一は確信していた。どれだけ蘭が嫌がって見せていても、その肉体は間違い無く反応してしまっている事に。
それまで逃げるだけだった蘭の腰が、時折ククッと浮かんでくる様になっていたのだ。それは上から抑え付けて撫で擦る禎一の手に、まるで自ら求めて押し付けてくるかの様な動きだった。
恐らく無意識にやっているのだろうが、心はともかく身体の方は籠絡寸前の様である。それなのに、どうした事か、ここで禎一は愛撫を一斉に止めてしまった。
「はあっ、はあっ、はあっ……?」
胸、性器、脚、首、耳といった素肌への愛撫が唐突に終わり、蘭は意外そうな表情で禎一を見ていた。その瞳は潤んでおり、上気した表情のまま、熱い吐息まで漏らしていた。
「ど、どうして……?」
「どうして?だって蘭ちゃんがもう嫌って言ったんじゃないか。…それともあれかな?『どうして止めちゃうの?』とか『どうして続けてくれないの?』って言いたかったのかな?」
「……!?」
その言葉を受けた蘭の顔がカアァッと真っ赤になり、禎一の手を振り払い、逃げる様に身体を起こした。そんな蘭を、禎一はただ見守っているだけで、何もしてはこなかった。
どうして彼が急に諦めたのか、蘭にはまったく分からなかった。今日こそ彼に犯されてしまうのか…と、先程までは不本意ながらも覚悟すらしていたのだが、何故に解放してくれたのだろうか?
蘭には、禎一の行動が理解出来なかった。そして、ふと考えてしまう。どうして自分は、そんな覚悟なんてしていたのだろうか?もしかして本心では彼の言う通り、このまま最後までされたかったのか?
あのまま彼の好きにされ続け、その先にまで進んでいたら、どんなに淫らで破廉恥な行為をされていたのか分からない。それなのに自分は、それを望んでしまっていたのか?
その考えを振り払う様に、蘭は首を二三度激しく振ってから立ち上がった。そして、黙って衣服の乱れを直していく。
気になって、何度かチラチラと禎一の方を見たが、彼は黙って自分を見つめ続けているだけで、何もしてはこなかった。そして蘭が玄関まで行くと、ようやく禎一が近寄って来て、持ってきていた自分の鞄を差し出してきた。
「蘭ちゃん、忘れ物だよ」
蘭は、差し出された鞄を奪い取る様に受け取ると、慌ただしく革靴を突っかけた。そして蘭は部屋の外へと逃げる様に出ると、その背中に向って禎一が言ってきた。
「今日もありがとう、蘭ちゃん。また……来てくれるよね?」
「……っ」
蘭が答えられず黙っていると、追い打ちを掛ける様に禎一の声がした。
「……愛してるよ、蘭ちゃん」
「!!」
さすがに驚いたように蘭が振り返ると、禎一がニッコリと笑っていた。蘭は何も言わず、笑顔も見せず、そのまま逃げる様に外へ走り出ていった。
0201名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:42:43.55ID:Z4HAG09d
───…………。
───あ、新一? あたし。うん。元気だった?
───え?別に、特に用事ってわけじゃないけど……なによ、用事なかったら電話しちゃいけないの?
───……そう、そうよ。うん、うん……ただ新一の声が聞きたかっただけ。……で、そっちはどう?
───……あ、また事件なんだ。そう……けっこう大変なの?……そうなんだ。
───え?変?変って何よ、失礼ね。あたしは別に……え?声に元気が無い?…そうかな。
───そう思うんなら、たまには顔見せなさいよ。え?……あ、うん、あたしも……新一に会いたいし。
───……ふぅん、けっこう大きな事件なんだ。でも、あまりそれって新聞とかでも読まないね。え?まだ公開捜査してないの?
───……ん……それは分かったけど、でも……え?おかしい?あたしが?
───そりゃあね、毎日あれこれ忙しいしさ。……うん、そう。お父さんずぼらだし、コナン君の面倒もあるでしょ。
───え?ああ、部活?そっちも…そうね。それに、あたしだってお年頃なんですからね。色々あるのよ。
───「色々って何だ」って?…さぁね、何かしらね。気になる?……うん……うん…。
───そんなに気になるんなら、たまにはこっちにも顔を出しなさいって言ってるのよ。あんた、あたしに会いたくないの?なんか、いっつも逃げてるような感じだし。
───あはは、そんな慌てなくていいわよ。冗談、冗談。
───……でもさ、あたしは……会いたいな。……うん、会ってね、ちょっと話したい事もあるし。
───「何だ」って?…それはね、会ってから話すから。今、電話で言う様な事じゃないから。
───え?大事な話かって?……そう、そうね。
───「だから元気ないのか」?…ううん、そんな事無いよ。そんなに変かな、あたし?……でも、心配なら早く帰って来なさいよ。……そうよ、うん。
───……あ、もう時間だから。え?ああ、これからちょっと行く所があって……ううん、買い物とかじゃなくて、人に会わないといけないから……。
───男かって?……な、なに言ってるのよ!図星な訳無いでしょ、バカ言わないで!
───……だから気になるなら会ってって言ってんの。……うん、早めにね。
───あ、ホントにもう行かないと。……うん、うん。大丈夫だから。
───ね、新一、たまにはホントに顔見せてよ。それが出来ないのなら、せめて電話だけでも……うん、出来る範囲でいいからさ。
───……じゃ、もう切るね。うん……うん……、それじゃ。
0202名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:45:12.45ID:Z4HAG09d
蘭のアパート通いは続いていた。嵯峨島に意地悪く詰問されてから、何となく行きにくくはなっていたが、それでも足は禎一の部屋に向かってしまう。
誰かに見られていないか、いつも以上に気を遣いながら、それは続けられていた。通学鞄の他に、スーパーで買った贖罪の入ったレジ袋を提げているのも同じだ。
同じなのは、全ての家事が終わると、有無を言わさず禎一が襲い掛かってくるのもそうだった。それがあると分かっているのに、蘭は禎一の部屋に来続けていた。
この前は、本当に危ない処だった。あのまま続けられていたら、危うく処女を奪われてしまっていたかもしれない。それだけは阻止出来たけれど、またキスをされてしまい、ついには咥内を蹂躙されてしまったのだ。
すでに身体への愛撫は、もはや留まる所を知らず、胸は完全に裸にされて揉みしだかれ、下半身もスカートを半ばまで脱がされて愛撫されてしまっている。
辛うじてショーツは着けていたが、その薄い生地の何と頼りなかった事か。すぐに恥ずかしい蜜で汚れてしまい、毎回それを指摘されるまでになってしまっていた。
精神はともかく、蘭の身体の方は徐々にガードを崩されてしまい、もし禎一が『あれ以上の行為』を望めば、もはや拒む自信が無い処にまで、蘭は追い詰められてしまっている。
そこまで手を出しているにも関わらず、禎一は『いよいよ』という段階で手を引いてしまう。何故ここまでしておいて、どうして『最後』までしてこないのか?彼の意図など、蘭に理解出来る筈も無い。
無論、そこまでされなくて本当に良かったという思いは強い。これまでの行為ですら、新一には死んで詫びたい位に申し訳ないと思っている。
それなのに、彼に身体を許してしまっては、もはや完全に言い訳など出来はしないだろう。だが、そんな思いと裏腹に蘭の肉体は処女のまま、段々と熟成されてきていた。
未知の快楽を教えられ、蕩ける様な快感を身体に覚え込まされ続けて、次第に制御が効かなくなってきてしまっているのだ。
このままではいけないと思うのに、何故か蘭はココに来てしまう。まるで自ら火の中へと飛び込んでしまう、虫の様に……。そして今日も、このハードなペッティングが繰り返される事になるのだった。
0203名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:47:23.65ID:Z4HAG09d
「あ…ああぁっ……」
蘭が密かに処女を失う覚悟をした、あの夜以来……都合三度この部屋に訪れ、その度に蘭は、あの時と同じ状態に追い込まれてしまっていた。
だが、そこまで蘭を追い詰めながらも、禎一は最後の一線を越えようとはしなかった。蘭を襲い、犯すでも無く、また蘭をイカせたりもしない。中途半端な状態で止められ、そのまま解放されてしまうのである。
その度に蘭は切なく、焦れったい感じのまま、家へと帰されていたのである。勿論、蘭としては犯されない方が良いに決まっている。それ以前に、こんな関係はいけない事なのだ。こんな事は間違っているのだから……。
しかし、そんな蘭の心情に反して、どうしても身体が言う事を利かなかった。中途半端に燃え上がらせられ、疼いてしまっている肉体が、どうしても快楽を求めてしまうのだ。
そんな火照った身体を鎮める為に、蘭は何度もオナニーをしていた。確かに、それで絶頂感は味わえた。しかし、何かが物足りないと感じてしまう。全然満足出来なかったのだ。
蘭の拙い自慰では、禎一に愛撫された時の鮮烈な快感には程遠く、その反動からか余計に切なくなってしまうのである。
そんな状態になってしまった蘭は、初めて『セックスとは、どういうものなのだろうか?』と真剣に考える様になっていた。
禎一から与えられる愛撫だけでも、陶然となる程に気持ち良くなってしまうのに、セックスをされてしまったら、本当にこれ以上の快楽になるのだろうか?
それとは反対に、挿入時には絶叫する程の激痛になるという話も、以前友人達から聞いている。そんなに痛いのに、気持ち良いというのが分からなかった。
もしかしたら自分は、それを確かめたくて、その先までいってみたいと思っているのだろうか?いや、縦しんばそうだとしても、その相手は新一であるべきだろう。
いかに禎一の事情に同情はしても、彼の恋人になったり、身体を許すというの事は、まったくの別問題である。しかし蘭は、そうした理性など簡単に蹴散らしてしまう様な禎一の愛撫に、堪らなく惹かれてしまっている。
もはや蘭は気付かない内に身体だけで無く、心までも禎一によって侵略されているのかも知れない。そんな蘭は今、座布団を二枚敷いた上に、仰向けで寝かされていた。
制服のジャケットとカッターシャツは脱がされ、その美しい乳房を包み込んでいるブラジャーが露わにされてしまっている。
そして今日はスカートも剥ぎ取られおり、白い素足が蛍光灯の明かりを受けて輝いていた。もう蘭は、下着のみのセミヌード姿にされ、禎一の目の前に晒されてしまっていた。
「あぁっ……は、ああぅっ……」
蘭の乳房を掴んでいた手がグッと力が篭もると、若く張り詰めた皮膚が心地良い弾力を、禎一の指に伝えてくる。乳房を揉まれる刺激に、蘭はビクビクッと身体を震わせはするものの、特に抵抗する気配は無い。
禎一は、愛撫を黙って受け続ける蘭の様子に、ワザと意外そうな表情を作って言った。
0204名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:49:03.15ID:Z4HAG09d
「今日は『止めて』とか言わないんだね?いよいよ本当に、その気になってきたのかな?」
「あ……ち、違いますっ……バカに…しないでっ!」
「フフッ……分かった、分かった。でも、怒った顔も可愛いよ、蘭ちゃん」
「〜〜〜〜〜っ!」
「クククッ……」
禎一は嗤いながら、器用に蘭のブラジャーのホックを外し、強引に剥ぎ取っていく。その弾みで、蘭の豊満な乳房がプルンッと柔らかく揺れた。
「ああっ!?い、いやぁっ!」
もう乳房を何度も直に見られてはいるものの、こうしてブラを完全に脱がし取られてしまったのは初めてだった。これで胸を覆っていた物は、何も無くなってしまった。そう自覚すると、恥辱に蘭の頬が朱に染まっていく。
蘭は慌てて両手をクロスさせて胸を隠そうとするが、その腕を禎一が押さえ込んでしまう。
「ああっ…だめぇっ……」
「恥ずかしい?」
「……っ」
蘭は耳まで真っ赤になって、横に顔を伏せた。少しでも動くと、それに合わせて乳房も揺れていくのが分かる。そんな様子を、男の目がじっくりと見つめているのを感じ、蘭は羞恥に身を震わせた。
(いや、は、恥ずかしいっ……見てる……先輩に、見られてる……あたしの胸……あ、あぁ……)
ここまでされても悲鳴すら上げず、また抵抗もしない蘭を見て、禎一は蘭が観念したのだと見極めた。そこで禎一は、剥き出しになった蘭の腹に手を当て、そのままスルッとショーツの中にまで滑り込ませ始めた。
「あ、いやっ……だめ、そこはっ!?」
「ほら、暴れちゃダメだよ」
下着の中に入り込んだ禎一の手が、蘭の恥毛をサワサワと撫ぜていく。
「いやっ、先輩っ、そこはだめぇっ!」
下腹部を直接触れられる恥かしさに、蘭は堪らずイヤイヤと顔を振って抵抗しようとする。そんな蘭を押さえ込み、禎一が蘭の顎を捕まえた。
「蘭ちゃん」
「え、あ?……あむっ!」
突然、蘭は口を塞がれてしまった。そして易々と蘭の口を割り、その咥内に舌を潜り込ませていく。禎一は深く蘭と唇を重ね、そのまま舌先を蘭の舌へと絡めさせていく。
「ん……んむっ……」
蘭の身体がピクリとして、徐々に抵抗の力が抜けていき、大人しくなっていった。するとショーツの中に潜り込む腕を押さえていた蘭の手が、見る見る内に萎えてしまう。
0205名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:50:54.95ID:Z4HAG09d
「んくっ、んっ……んはぁっ…キ、キス、だめぇっ……うんっ……んちゅっ……ん゛むうっ……」
口では拒絶しながらも、いつの間にか蘭の舌は怖々と禎一の舌に絡んでいく。舌と舌を絡め合うディープキスも、ここ数日の間に覚えさせられていた。
最初は逃げ回っていたり、奥で縮こまっていた舌も、男の強引な舌の動きに圧倒され、絡め取られ、奥から引きずり出されてしまう。そして舌の付け根から吸い取られる程に強く吸われると、蘭は苦しげに呻いた。
「んんっ……む……」
ただ逃げ回っても、結局は吸い取られてしまう。最初から彼のする通りにした方が楽かも知れないと、蘭は徐々に舌を任せる様になっていった。
そして今では、オズオズとした動きながらも、禎一の舌に自ら舌を絡める様になってしまっていた。
舌同士を絡め合うなんて気持ち悪いと思っていたし、況して相手が恋人以外なのだから、凄まじい程の罪悪感もある。しかしその背徳感が、何故か病みつきになってきていたのだった。
いけないと分かっていても、禎一の自由にされているという自分に蘭の胸は掻き乱され、そして情欲が燃えてしまうのだ。崇高で純粋な倫理観を踏みにじる事への蠱惑的な快感を、蘭は獲得しつつある様だ。
「んんっ……んじゅっ、ちゅくっ……んふっ……」
濃厚なキスをされながら胸を掴まれ、乳房を揉みしだかれると、蘭は禎一の口の中で呻き、更に身体から力が抜けてしまう。そんな蘭の股間に、再び刺激が襲って来た。
「んんっ!んはっ……ああっ、いやあっ!」
「ダメだよ、蘭ちゃん。大人しくして」
「で、でも……あううっ……」
禎一の右腕に爪を立てて押さえていた蘭の両手が、ビクッと跳ねて、スッと力が引いていく。その男の腕を掴んでいる力は弱々しく、震えてすらいる。
どうにかなりそうな程の羞恥を感じているが、激しい拒絶は示さなかった。そんなピッタリと閉じた蘭の腿の間に、男の手が更に奥へと潜り込んでいく。すると禎一の指先に濡れた繊毛が触れ、蘭はビクッと肢体を痙攣させた。
「だ、だめぇ……っ」
禎一は無言のまま指を進め、蘭の秘所を探り当てていく。恥ずかしいのか、蘭は何度も身を捩っていく。目は堅く閉じられ、噛み締めている唇からは、今にも悲鳴が零れ出そうだった。
「ふああっ……やあっ、あくっ……ああぁっ……」
「ここを触られるのは初めてかい?」
女の秘密を男に弄られ、蘭は答える事も出来ずに首を反らせた。爪の先で軽く割れ目を擽ってやると、蘭の口から艶やかな悲鳴が漏れ、その身体を細かく震わせていく。
そんな蘭の初々しい反応と、熱い蜜の感触を愉しみつつ、禎一は割れ目の筋に指を這わせていった。
0206名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:53:19.11ID:Z4HAG09d
「……ほら、もっと脚を拡げて」
「そ、そんな……もう、やめてくださっ……ああっ……」
「もっと拡げるんだ」
「あ、あぁ……」
禎一の強い言葉に、蘭は今にも泣きそうな顔をしながら、閉じた両脚からも力を抜いていく。すかさず禎一は左手を蘭の腰の下に回し、グイッと持ち上げた。
そうやって愛撫しやすくしてから、指を割れ目に這い上がらせていく。そして、ついにその指先が、蘭のクリトリスにまで到達した。
「あ、ああんっ!」
今度こそ蘭は、ハッキリと喘ぎ声だと分かる声を出してしまった。敏感な秘所に触れた瞬間、蘭の腰がビクンッと大きく跳ね、強い反応を見せた。
さすがに敏感な肉芽を責められては、どんな状況でも感じてしまうらしい。禎一は慎重にソコを責め、肉芽周辺を焦らす様に撫で擦ってやる。
そして滲み始めた蜜を指で掬い、そっとクリトリスに塗り付けて包皮を優しく剥いてやるかの様に愛撫していく。
「あはあぁっ!…やあぁっ、そこ…そこぉ……んああっ!」
「嫌なの?それとも感じ過ぎちゃうのかな?」
「そっ、そんな……も、森川先輩ぃっ……ああうっ!」
愛液を塗られ、じっくりと柔らかく愛撫されててしまうと、慎ましかった蘭のクリトリスも、たちまち顔を覗かせ始めてくる。包皮から半分顔を出し、頭を尖らせていく。徐々に大きく勃起して熱を持ち、コリコリと堅くなってきた。
いつしかショーツのクロッチ部分も、蜜でジットリと濡れ汚れて、女陰が透けて見える程になってしまっていた。
「フフッ、下着が汚れちゃったね」
「いやぁ……見ないで、恥ずかしい……」
「それじゃ、脱いじゃおうか?」
「え?……きゃあっ!」
禎一は蘭のショーツに指を掛けると、何の躊躇いも無く一気に引き下ろしてしまった。驚いた蘭が脚をバタつかせる前に、ショーツは膝までズリ落とされ、更にふくらはぎを通り抜けていった。
あっという間に蘭のショーツは、右足の足首に辛うじて引っ掛かっているだけとなってしまった。
0207名無しさん@ピンキー2021/04/26(月) 16:55:30.67ID:Z4HAG09d
「あぁっ……も、森川先輩ぃ……」
ついに禎一の目の前に、蘭の裸身全てが晒されてしまった。蘭は恥かしさに身を震わせながら、禎一を伏せ目がちに見つめていた。
禎一は、まばゆいばかりの美しい蘭の裸身を見つめ、驚嘆していた。蘭は着痩せするのか、制服姿の時には思いも寄らない程の、見事なプロポーションをしていた。
触れなくとも分かる、スベスベした細く長い、白い脚が眩しい。年増女の様な熟れた柔らかさこそ無いものの、若く充実した弾力感が素晴らしい。
肉感的な太腿に対し、膝がキュッとくびれ、またふくらはぎで柔らかく膨らんでいく。そして足首も細く締まり、実にメリハリのついた美脚だった。
日本女性にありがちな、膝頭の骨がゴツゴツと目立つ様な事も無い。必死に閉じ合わせた脚は、ピッタリとくっついている。O脚とは無縁の様だ。
この分なら、恐らく媚肉の締まりも素晴らしい事であろう。パッと目に入る乳房はまだ若く、発展途上ではあったが、近い将来、さらにふくよかになりそうな雰囲気を予感させる。
何しろ、その乳房の形が美しかった。ほぼ正確な円を描いた輪郭を示し、これも殆んど完璧な半球状の見事としか言い様の無い膨らみが盛り上がっている。
白く艶々とした若い肌が室内灯に反射していた。その頂点にある乳首は生意気にも、もう勃起してしまっている。禎一の指と唇の愛撫により、すっかり充血した乳首は、男の唾液で濡れて光っていた。
プクンと恥ずかしそうに膨らんだ乳首が、まるで蘭の真情をそのまま表現している様で、実に愛らしい。自分の通う高校に、これ程までに素晴らしい女が居たとは、まさに灯台もと暗しであった。
元々禎一は、どちらかというと年上好みで、下級生には目も向けていなかった事もあって見逃してしまっていたらしい。
今のままでも充分可愛らしい顔だし、素晴らしいスタイルではあるが、これは成長すれば美貌に磨きが掛かり、胸にも尻にも腿にも一層に脂が乗るだろう。
「いや、そんなに見ないで……見ないでください、先輩……は、恥ずかしい……」
「ダ〜メ、蘭ちゃんのキレイな裸、しっかり見せて貰うよ……」
そう言うと禎一は、まるで視姦するかの様な視線を蘭に向けていく。その熱い視線を、蘭は恥辱に震えさせながら耐えていった。そんな蘭の様子をニヤニヤと眺めていた禎一が、唐突に蘭に質問してきた。
「ねえ、蘭ちゃん……ココって何て言うんだっけ?」
禎一の指先が、蘭の股間へと伸び、ツンツンッと突付いてくる。
「そんなっ……しっ、知りませんっ!」
「知らない筈は無いだろ?女しか持ってないものなんだからさ。……ほら、言ってよ」
「知らない、言えませんっ!」
ワザとからかう様に言う禎一に、さすがの蘭もムッとしてくる。
「オマンコでしょ、オマンコ!ほら言ってよ、オマンコって」
「そっ、そんな恥ずかしい事、言えませんっ!」
しつこく聞き続けてくる禎一に、ついに我慢出来なくなった蘭は強い口調で言い放った。その蘭の言葉に禎一は眼を細め、蘭の両腿に手を掛け始めていく。そしてグッと手の平を押して、両脚を割り開いてしまった。
0208名無しさん@ピンキー2021/04/29(木) 13:59:34.69ID:j8Ts8fDR
なんでここまでのSSを書いてるヤツがいて、いきなり3スレ目が新しく立つのやら…
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