「……セシリー、入るね。」

ノックの主はやはり……。

「……シ、シーブック……!
……会いたかった……
あなたが、助けてくれたから……」

一ヶ月に及ぶ凌辱による疲労のため、まだ上手く駆け寄ることはできないが、涙は溢れてくる。

「セシリー。俺も、ずっと会いたかったよ……
もっと早く君を見つけ出していたらこんなことには……すまない……」

罪悪感で謝る彼を見て、いつになく慌てるセシリー。

「そ、そんなことないわ!私の方こそあなたや皆に心配かけて……
私の方こそごめんなさい……」

頭を下げるセシリーにシーブックは目を丸くするが、セシリーは続ける。

「それで……大変だったでしょう、私を助けるの。
戦艦を爆破したり……
……誰か死んだりはしていない?
私のために……」

シーブックはセシリーの小さく形の良い頭をそっと撫でて。

「心配要らないよ。一人も犠牲者を出さずに戻ってきたんだ。
連邦は色々問題あるけど優秀なパイロットや指揮官が揃ってるからね。」

「そう……良かった……」

胸を撫で下ろす彼女に調子を狂わされ笑みが零れるシーブック。

「……何か変だよ。助かったばかりなのにすぐに人の心配だなんて……」

「それは、私の為に誰かが犠牲になるのはイヤなの……」

「……君は立派だね。でもそんな君だから俺もマジになったのかも知れないね。」