現場事務所まで、少し距離があるのが幸いだった。
 夜中の工事現場に、スーの叫びが響く。

 ここまで来ても、まだ意識がはっきりしていないのだろうか。
 薫はスーの背中にしがみつき続ける。
 だがそれだけだった。もう排泄を止める力は無い。
 おんぶをされて大股開きになった体勢のまま、彼女はミニスカサンタ姿で例の大量脱糞を始めてしまった。


 もりゅっ!ぼとっ! べちゃちゃっ! どちゃっ!


(どどどど、どうしよう!? どうしよう!? このままじゃ……!)

 泥酔した薫を離すことはできない。
 スーはその場で右往左往する。
 動けない。

「ん〜…! んん〜……!!」
「起きて起きて! 大変だよカオル! ねぇ!」

 ショーツはもちろん脱いでいない。
 最初に音がした時から薫の肛門はもう若干開きかかっており――こんな泥酔状態では、彼女の頭に我慢のがの字もなかった。
 脱糞開始一秒後には、真っ白だった下着は酷いうんこ色に染まる。
 そのショーツの両脇から二列になって、太く、柔らかな大便が次々に産まれ落ちて行った。
 そして、工事現場のむき出しの地面に、落ちて爆ぜる。
 もちろん、その場にどんどんと積み上がり、薫のお尻のはるか下に、汚い山が出来上がっていく。
 新しいうんこの落下で、その一部は弾け飛んでいく。
 当然、スーの靴もジーンズも、茶色い飛沫で見るも無残に汚れていった。
 ……今夜はいつもと違う、アルコールの入った状態だ。一回食事の後に出しているとは言え……。
 我慢もする何も、なかった。