「はなせ・・・・っぐ!」
叫んで暴れようとする豪介の顔を、静香が踏みつけた。そして静香は、ワザと豪介にスカートの中を見せながら言う。
「フフッ・・・こうしていると、優しい気分になれるわ。どう?パンツが見たいんでしょ?ほら、見せてあげるわよ・・・とは言っても、もちろん中身は見せないけどね。・・・これからはこれに懲りて、あたし達にたてつくのは
やめることね」
「クッ・・・・クソッ!」
静香は、豪介の額をグリグリと踏みつけていく。しばらくそうして豪介を甚振ると、その足を離してクルリと身を翻した。
「それじゃ、バーイ♥」
そう言って静香は、自治クラブ員達と共に悠然と立ち去っていった。すると、人込みから一人の男子生徒が駆け寄ってきた。
「大丈夫っちゅか?」
「あ、ああ・・・・このぐらい平気さ」
豪介を起き上がらせ、気遣う山田。しかし豪介は、校舎へと消える静香達の後姿を睨み見ていた。
「・・・まあ静かにしていれば、この学園だっていい所なんでしゅから」
山田は、気落ちしているであろう豪介を励まそうとする。だが豪介は、山田に相談を持ち掛けた。
「あんた確か写真部だったよな?ひとつ頼まれてくれないか」
「え、ええ・・・・いいでしゅけど・・・・」
豪介の言葉に、山田は戸惑いながらも返事をする。そんな山田とは裏腹に、豪介の目がギラリッと光っていた。

その日の夜・・・・豪介と山田は、静香の家の塀に登り、その豪邸を覗き見ていた。
「ひえー、でっけえ家だなあー」
「そりゃそうですよ。美崎財閥といえば、有名ですからね」
驚く豪介に、山田が説明する。すると豪介は塀を乗り越え、庭に忍び込んでいく。その豪介を、ビクビクしながら追う山田。
「やっぱり家に忍び込むなんて・・・」
「バカヤロウ、今更何言ってんだ!いくぞっ!」
「あ、ちょっ・・・待ってほしいっちゅっ・・・・」
不安がる山田を一括し、先を進む豪介。しかしその姿は、あちこちに隠されていた監視カメラで捕らえられていた。