0027テイク
2024/04/28(日) 23:06:21.04ID:j+p1EOWQ0合意満了の署名をさせられた後、せめて引退後の後継者指名を考えて欲しいと、経営陣の一人が蘭奈に問いかけた。
「私で散々稼いだんでしょ。引退した後のことなんて、どうでもいいの。本当はもうどうでもよくなってるけど、契約期間中はちゃんとプロレスラーでいてあげます」
その後、経営陣は引退興行について検討が繰り返された。
突然の申し出であり、大晦日に大きな会場を抑える事はできなかった。それでも何とか配信可能な中規模会場を巨額の資金で抑えた。
だが、その後は停滞した。広報担当とは言え経営陣からの信用は薄い黒川への相談は、反対者多数により詳細が決まるまで内密にする事にした。
しかしWGPから選手出場を断りの連絡を受けると経営陣全員が弱腰となり、黒川を頼らざる得なくなった。
待っていたと言わんばかり、一報を受けた黒川は経営会議に乗り込み、プランを発表した。
そして、全責任を負う覚悟で挑むだの、絶対に成功させてみせるだのと、経営陣が避けた用語を連発して、引退興行だけの特別契約を締結する事に至った。