「んっ?今、何か変な事言わなかったか?お父さんとか?」
「えっ?あっっ!そっそれは〜〜…」この時だけで無く、これ以前から未だに嘘の付けない女の子である。
「まあいい。少し早いがどっかで昼めしでも喰いながら事情聴取させてもらおうか!」
あっ!という顔で見上げてきていた彼女は、がっくり肩落として小さな返事返されながら後を付いて来られた。
個室のある飯屋に着いて、「別に怒ってるんじゃないから」と説いて、彼女に何とか蕎麦うどん食べさせると、
「ずっと黙っていて申し訳ありません。先輩に色眼鏡で見られたくなかったものですから」
「薄々判ってたよ!先輩の奥さんに、顔つきも性格も話し方も、何処と無くそっくりに見えたから。」
「そうなんですか?…私って母親似なんですか!…今まではお父さん似だと誰もに言われ続けて来たものなんで…」
「そりゃあ…代表に面と向かって奧さん似だとは言えんわな。俺のこういう馬鹿正直なとこが気に入られたんだが!」
「父も 「昔っから俺に面と向かって耳が痛い事言ってくれるのはアイツだけだからな!」と先輩の事を買っていました。」
「こんな転職繰り返す俺の様なすちゃらかなヤッを乞うてくれるだけに広い度量の持ち主だからねー…。」
「それは更に上げたり違うスキルを肉付けする為の転職だと聞きました。そんな先輩だから私を預けたんだと思います」