的だと思うのだが彼と一緒でない時にも5階でおりて家の様子というか実際にはドア程度しか確
認できないのだが、とにかくは見てから階段を三階分昇るということをしていた。もちろん彼の母
親に遭遇するかもとの期待を抱いてである。
目論見が巧くいったことは一度もなかったが妹には何度か遭遇し、何度目かでついに彼女に声
をかけてみた。転校生がまだ帰っていなくて母親が在宅ってパターンが理想だがそれが叶うこと
は確かなかったか。あっても母親がちょうど出かけるタイミングでバタバタしており、どさくさで夫
婦の寝室？に入ることになって室内干しされている下着類に興奮したことがあったのを微かに
覚えている。
転校生から妹を紹介されたことはなかった(それで普通か)が互いにと言っても俺は彼女が自分
の目当てである部屋に入るか出てくるかを目撃したわけだからそうとも限らないが、とにかく一応
は認識し合っており、集団登校で毎日のように見てはいるのだが、当初は母親との似加減を確か
めるべく執拗めに観察しこともあったが結論としてさほど似てはおらず、娘は父親似なのかと少し
落胆する瞬間すらあった。
「ユウヤいる？」どうにかこうにか下の名前を思い出して、思い出せたことにホッとして、所詮はそ
の場しのぎの適当な質問で、当然彼は不在であってほしいのだが「お母さんいる？」ときくわけに
もいかず。