その話を前もって聞いていたから、ミサキから「渋谷で」と言われた時、

そっち系のトラブルなのかと予感はあった。


「ミサキちゃん、マイちゃんと連絡が取れなくなっちゃったよ。
このまえ言いかけたアレ、渋谷で何があったの?教えてよ」

「うん、話しますね。あの日、マイさんからご飯誘われたの。
そんなこと今までなかったし、なんで渋谷なんだろって思ったけど、
せっかく誘ってくれたんだから断りづらくて、渋谷に行ったんです。」

「食事に?マイが?ふたりっきりで?」

「うん。ふたりで。イタリアンの店に連れてってくれた。」

「へえ、マイちゃんとミサキちゃんが二人でどんな話するのか、想像もできないな。
もしかして、仕事や、指名数のお説教みたいな話されてウンザリしたとか?」

「そうそう、私もそれ系の話だと思ったから、ホントは行きたくなくて。
でも、もっとヤバい話だったんですよ!」

「もっとヤバいって何が?」

俺は嫌な予感マックスになってきた。

「・・・クスリすすめられた」

俺は心臓が止まりかけた。