マナミに予約が入ったことを連絡すると、マナミは割と早い時間に事務所に出勤してきた。
今日は歌舞伎町の店は休んだらしく、自宅からそのまま来たのだと言う。

だけど、困ったことに、今度は息子のヒロキを連れてきてしまったんだ。

「ごめんねうーさん。ヒロキを預けるところがなくって・・」

予約入るたびに託児所に預けてたんじゃ、稼いだお金がパーになるわけだから、仕方がない。

「いや、そりゃ仕方ないよ。でも事務所にヒロキを一人で置いとけないから、
車で一緒に連れてかなきゃならないな。」

「だよね・・いいかな?」
「俺は構わないけど・・・」

どうなんだろう。母親が何をしにいくか、子供ながらに感じたりしちゃうんだろうか?
だけど、俺が気にするほど、マナミはそれを気にしてないようだった。
というのも、マナミが次に発した言葉に、俺は固まってしまった。

「ねえ、うーさん、お客にお小遣いもらって、本番させてもいい?」