「ごめんなさい、私は明日、遥ちゃんと二人だけで花火を観る約束なの」雪之が顔を赤らめて、アイスティーを手にした
静留と同じ大学で、今も学力を張り合ってるだろうアイツが、休みの日は仲良く花火でござい、かよ…
何となく面白くない私は窓の外を眺めて居た
「じゃあ、明日は久しぶりに命とデートだね」
「デートか!いいぞ、舞衣!私が最高のデートにしてやるぞ」
舞衣と命は抱き合って楽しげにキャッキャウフフと始めやがった
お前らは気楽でいいよ
私はもう、冗談でも静留を抱きしめてやることも出来ないんだ
どうしてこんなことになっちゃったんだ
やりきれない思いでずっと窓の外を眺めて居た私は、
見覚えのある、そして懐かしい人がこの店に向かって来るのを瞳に認め、思わず立ち上がった