━ 御苑 ━ [無断転載禁止]©bbspink.com
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
瀬戸が所有するマンションは1フロア一世帯の9階建てとなっており、葵は『801号室』の部屋に連れていかれた。
藤村
「こちらです」 (深く眠ったのか、浅く眠ったのか
人の気配と僅かな物音に、弾かれるように意識が覚醒する。
白く極上に柔らかいムートンから頬を離すと、体を起こそうとするが)
…っつ…
(身体のあちこちに筋肉痛のような痛みが走る)
(ようやく、手で床を押しながら上体だけを起こすと、ガラステーブルに瀬戸を見つける)
(その男はワイングラスをたゆたわせながら、ただ無言でこちらを見下ろしている
その表情からは、やはり何の感情も読み取る事が、出来ない)
…シャワー、浴びてきます
(そう言って、あの路地裏から帰ったままの姿。コートに下着とボロボロのストッキングのままでいる事に気づき、ゆっくりと起き上がる) >>9
【ありがとうございます】
【無理なく書いてくださいねー】 (葵と目が合う)
…………まるで犬だな
藤村から着替えは貰ったか?
傷口をしっかり洗ってこい (起き上がろうとすると痛みが走る。四足で立つようになりながら
まるで犬だ、という瀬戸の言葉が浴びせられると)
…ペットにぴったりですよね
(そう自虐めいて返すが、内心はそれがとても恥ずかしく
無理にでもゆっくりと立ち上がると、瀬戸の言葉には何も返事をせずシャワールームへ向かう)
(バスルームもまるでホテルのようで
白い大理石を基調としていて美しく磨き上げられている
パウダールームも備え付けてあり、そこには自分が日頃愛用していたコスメも新品のまま並んでいる)
(汚れたコートと下着、ストッキングを脱ぐと
ガラス張りのバスルームで、血と、泥と、涙の跡と汗を流す)
(ボディーソープで身体を撫でると、そこかしこに青い痣が痛々しく浮かび上がっていた)
…わたし、昔から青痣あんまり消えないんだけどな
しばらくこのままかな…
(自分のむごたらしさに涙が滲むが、それをすぐにシャワーが流してしまう) (パウダールームの扉を開け、ガラス張りのシャワールームにいる葵に)
返事が無かったが聞こえてなかったか?
僕は、傷口をよく洗えと言ったんだ
(洗面台の大理石に寄りかかると、裸体の葵をじっと眺めながら)
シャワーが済んだらここで手当てしてやる (シャワーの水音だけの中に、突然男の声が聞こえる)
(ビクッと肩を震わせて振り返ると、ガラスの向こうに瀬戸が立っていた)
…、…
(分かってはいた事だけど…
裸体を見られていることに抵抗を感じて、両腕を胸の前で組むようにして隠す)
聞こえてます…洗ってます…
あの、自分で出来ます…
(そう言って背中を向けて、シャワーの温かい水流の中でじっとする) そうか、分かった
(大理石に消毒薬を置き、パウダールームを後にする) (背を向けたまま、わりにあっさりと引いた瀬戸の声に少し振り向いて
強張らせていた肩の力を緩める)
ほんとに…なんなんだろ…
(いまだ掴めない瀬戸の振る舞いにため息をつくと、シャワーを止めて身体を拭く
洗面所の大きな鏡には、髪の毛の濡れた自分が映っている
あの車のガラスに打ちつけられた時に出来たのだろうか
こめかみと目尻の辺りにも青い痕が出来ていた。唇の横もいつの間にか滲んたような赤みが出ていて)
…ほんとにこんな風になるんだ
ドラマみたい…
(傷を簡単に消毒した後、濡れた髪を乾かそうとドライヤーをかけ始めるが
腕の痛みで上手くかけられずに諦め、濡れた髪の毛のまま
用意された下着をつけ、肌触りの良いガウンを羽織って
瀬戸の待つリビングルームへ戻る) (食事を届けに来た藤村
バスルームから出てきた葵に気付くと軽く会釈をし、部屋から出ていく)
(テーブルには、届けられた食事が並べられ、
葵を席を引く)
ワインは飲むか? (白い車の運転手
不思議とその男へは警戒心が働かず小さく会釈を返して)
(瀬戸の引いた椅子には、警戒したように腰掛ける)
(目の前に様々な食事が並ぶが、どれもしっかりと好みのものだった)
『そういえば、今日はなんにも食べてない…』
(気持ちでは空腹感は無かったが、確かに体は空になっていた)
水でいいです…
(瀬戸の挙動を横目で見て) ……酒は嫌いか?
(ワイングラスに水を注ぎ、その時、
扉を叩くノックの音が聞こえる)
黒田か?
入れ
(革靴の音を重く響かせながら、
運転手の黒田が部屋に入ってくる)
(ニヤついた顔で椅子を引きながら、葵の隣にずしりと座り)
「へっ、美人が台無しだなぁ」
(馴れ馴れしい手付きで、葵の額に出来た痣に手を伸ばす)
黒田、まず食事をさせてやれ
「へへっ、すんません」
葵、
君はあの時、黒田に恥をかかせた
今夜一晩、
黒田の相手をしろ
じゃあ、僕は帰るよ
またね、ミス・ブルーベリー
(バタンと部屋から出ていく) (黒田か、の言葉にギクリとして)
(明らかに粗雑な空気をまとって入ってきた異質な男を見ることもせず
その手が顔に触れそうになると、身を引いて避ける)
(瀬戸の制止に少しほっとする)
(が…)
(その後の信じられない言葉に、呆然としたままテーブル上のサラダやフルーツを見つめる)
(それらを口にする気もその後にあったろう満足感もささやかな幸福感も霧散した。
全てただの冷えた残飯になるんだろう)
(すぐ横に黒田がいるというのに。嫌悪感と絶望感の中で、そのまま椅子から動けなかった…) 【ありがとうございました。以降また置きレスでのんびりやりましょう】 (瀬戸を見送る為に一度席を立つ黒田)
…へっ、
瀬戸さんも気が利くねえ…
(そのままゆっくりと葵の背後に回るとその重い手を華奢な肩にずしりと乗せ、
ガウンの襟元から覗く胸の谷間に、金歯の填まった歯でニタリと笑う)
いい眺めだなあ…おい、真っ白い肌して…、…こりゃ「おまんこも」…そうとう綺麗なんだろうなあ…
(ヤニ混じりの生ぬるい息を葵の頭部に吹き付けながら、ガウンの襟元に分厚い手を差し入れていく)
(下着越しに胸を掴もうと…)
…おっと失礼…
食事が先だったな…
(ガウンに片手を入れたまま、テーブルに置かれたスプーンを手に取ると、スープを掬い)
…ほうら、お嬢ちゃん…
スープのお時間ですよ (口元へ寄せられたスプーン…素直にそこへ唇を寄せた、
と思った瞬間)
(分厚いく重たい黒田の手を払いのけて椅子から逃れようとする)
(けれど、テーブルの脚に引っかかり膝を打つとそのまま床に転げてしまう
その衝撃に、カトラリーやグラスがガラステーブルの上で弾けて音を立て、
銀製のフォークやナイフが数本、床に落ちた)
いや…っ、ぜったい嫌…!
あっち行って!
(ガウンが乱れ、白い太ももがはだけ。床上で後ずさりするように黒田から逃げる)
(汚いものを見る目で、憎々しさと怒りに満ちて) なあにが嫌なんだよ、なあんも嫌な事はねえだろう?『ご主人様』の言い付けを聞けねえってかあ…?おっと…
…逃がしゃしねえぜ?
(床にはだけたガウンの裾をずしりと踏み付け逃がさないようにして、
皮のベルトを外しながら)
…俺は瀬戸さんと違って暴力は嫌いでね
まあ瀬戸さんの方からも 傷は付けるな って言われてるし、糞ほど暴れない限りそうそう痛くはしやしねえよ…その代わり…
(葵の顔の上で重たげにぶらぶらとさせ)
まずはそのかわいいお口でイカせてもらうとするかなあ…
たっぷり『ご奉仕』してもらうぜ?
ブルーベリーのお嬢ちゃん (裾を踏まれると余計に前がはだけガウンの襟が肩からずり落ち)
(黒のブラジャーが露わになる)
やめてよ…こっち来ないで…
…やっ!
(顔の上にこれみよがしに掲げられた重たげなモノから顔を背け
「奉仕」という言葉に嫌悪感が最高潮に達すると)
…あんたの…するくらいなら…っ
…っ
(落ちたフォークを素早く手に取り、ギュッと目を閉じて…)
(それをまっすぐに突き出す…!)
(“どこか”にその鋭い先が当たった手応えを感じ、途端に黒田が呻き声を上げる)
(同時に裾を捕らえていた足が緩むと、その瞬間にそこから逃れ)
(大理石の床は滑り、何度ももつれる足で部屋の出口へ向かう) (太股の中心に突き刺さったフォーク)
ぐあ゛…っ!!く、…そ
(瞬間うずくまるもフォークを抜き取るとすぐに立ち上がり、血の気が昇り詰めた目で唸り声をあげる)
この糞アマああああ!!!!
(怒りを露に拳を振り投げ、
テーブルの上に飾られた花瓶を床に叩き落とす
ガシャアアアアン!と耳をつんざくような音が室内に鳴り響く中で、逃げる背中をドスドスと足音を立て追いかけ、
水気を飛ばして靡く髪にむんずと掴みかかる)
!おうら捕まえたあああ、よっ!と
(そのまま体当たりするように葵の身体を扉に叩き付け、
重いガタイで抑え込む) へへっ、活きのいいお嬢ちゃんもこうされちゃあ動けねえよなあ
かわいい顔してヤってくれちゃってよお…
(葵の頬をベロりと舐め、はだけきったガウンの中に手を突っ込む)
まあ俺は気は長い方でね…おまんこさえ出来りゃあ、すぐに機嫌もよくなる紳士的な男だ、…さあて
(細いレースを引きちぎるように太股までずり下ろし)
ほうら…ぴんくのおまんこちゃん
鬼さんはこちらですよお
(浅黒く怒張した亀頭の先を、穴の割れ目にグニュリと押し込む) (黒田の怒号と花瓶が砕け散る音に体がすくみ、その拍子に足がもつれ転び
それでもなんとか這い上がり、ようやくドアの取手に手が届く、その瞬間)
(指先を掠めてドアノブが一気に遠のく)
(髪の毛を掴み引っ張られた体は大きく振り回され
気づけばあっけ無く、黒田の巨大な力にねじ伏せられ身動きが取れなくなっていた)
…やっ…あ…っ…やめてッ
やっぁあ!
(生ぬるい舌と息が顔の肌を大きく舐めあげる。その不快感に首を振って抗い)
(なんとかその大きな体を押し退けようと、必死に両手で叩いたり押したりするが
獣の如く興奮した黒田には少しの抵抗にもならない)
やめてっ、やっ、やだっ…やめてッ
…!!
(ついに黒田のゴツい塊が押し当てられる)
(濡れてもいないそこに、黒田の肉が食い込むと
閉じきっているヒダがそれを拒むようにして
黒田の肉と自分の肉が、引き攣れあってその奥へかろうじて侵入させなかった)
…ッ…イヤ!…
無、理ぃっ…お願いやめてッ…
ねぇっ…痛いの!
お願い…乱暴にしないで…
(わざと、悲痛な声で黒田に訴える) …乱暴…?乱、乱暴になんか…乱暴になんかしねえよ!
(葵の悲痛な言葉に瀬戸からの「傷は付けるな」という指示を思い出す。
少し焦ったように我に反ると、抑え込む力を緩め)
俺、俺は…『紳士的な男』だあ…痛、痛くなんかしねえ、ほほら、ちゃんと濡らしてやる
( 手の平にベッと唾を吐き、手についた唾液を、渇いたヒダにぬるりと塗りつける)
(また手に唾を吐きつけると今度は、自分の浅黒いモノにぬるぬると塗りたくり)
…ようしこれでいい…
(青痣のついた尻肉を手で広げ、反り上がった竿をひたりとあてがう) (腰を上下に突き出すようにヌルヌルと裏筋を擦りつけていると、亀頭の先からは先走り汁が滲み出し)
ぁああ………早くブチ込みてえ………が、
…俺は『紳士』だあ…
(葵の耳元に低く囁き)
安心しろお嬢ちゃん…痛くねえよう…優しく犯してやるからなあ…大人しくしてろよ…
(滑る竿を『穴』の裂目にグチュリと突き立て、じっくり腰を落としていく)
ぉおぉ…きっつおまんこだあ… (黒田の腕が緩む…けれど、そこで逃げはせず)
うん…そう…
痛くしないで。そんな大きいの…したことないの…
(振り向き、なるだけ大人しくそう伝えて)
(吐きつけた唾を塗りたくられると、壁に向かいウッ…と顔を歪ませ
唾液の滑りで一時はモノがなめらかに上下するが
こちらはまたすぐに乾くのがわかる)
(興奮した黒田がより怒張した先端の膨らみでさらに強くこじ開けようとすると)
(さっきより僅かに深く、黒田の肉が奥の柔らかいところに触れたのを感じ)
…!だめえっ痛い!いたぁい!
(今度はより一層の悲鳴のように声をあげてひどく痛がると
左右に腰を振ってねじ入ってくるものを振り切り。
黒田がひるんだのを感じると体ごと振り向き見上げ)
…黒田さん…!
お願い…ベッドで…
ねぇ…『紳士』なら、ベッドで優しくして…
(さっきよりさらにもっと、弱々しく哀願する) ああそう喚くなあ、分かってる、わあかってる
(瀬戸から指示と思うようにいかないイラ立ちに小さく舌打ちをし)
俺、は『紳、士、』……だあ……
(中途半端に入れていた竿をずるッとひき抜くと葵を両手に抱き上げ)
…ほうら…もう怖くない…はいはいお嬢ちゃんのお望み通り…ベッドに行きましょうねえ…
(床に散らばった破片をガシャガシャと踏み潰しながら、ベッドまで運び
青紫のシーツに葵をドサッと寝かせ、すぐに、どすん!と、ベッドに飛び乗ると、
あ、れ……、
(葵の顔を覗き込み)
……待 て よ お……
こいつはフォーク突き刺してくるような女だぞお……(葵の目を覗き込み)
なあんか企んでるって顔してんなあ……まさかま……逃げる気かあ…?
(さらに瞳孔を覗き込むと、『穴』に指を突っ込み)
…おめえぜんぜん濡れてねえな…
…… 俺 は 馬 鹿 じ ゃ ね え ぞ お ……
(!葵の顔面を手の平でシーツに押さえ付けると
『紳士』にみえるようその面隠してやるよ
これでちったあ濡れるだろ
ちおょっと痛いけど我慢しな
(渇ききった『穴』に容赦なくブチ込む) (目を見開き覗き込む黒田。目の前の、頭の空っぽな猛獣を刺激しないよう静かに見つめ返す)
(いやむしろ、その様子が恐ろしく黒田から目をそらせなかった)
なに…どうしたの…、なっ…
……んやあッ!!…あぁぅッ…!
(予告もなく、唐突に太い指が無理にねじ込まれると思わず仰け反り
両足をバタつかせてそこから逃れるように体を捻ってベッドの上を這う)
(その後ろから頭をシーツに思い切り押し付けられると
ほんの少しも濡れもしない体内へ無遠慮に、
突き破るように、大きく凶暴な塊がねじ入ってくる)
…んんんん…んーーー!!
(あまりの痛みと酷い異物感に、シーツの中でくぐもった悲鳴を上げて)
(顔を横へずらして頬で支えながら、金切り声で悲鳴を上げ続ける)
いやあ!!…やああ!!…いやああぁ…っ!!!
(誰に聞こえるでもない、ましてやこの獣に通じるわけもないと諦めながらも
ただ叫び続ける) 【今日もお付き合い頂きありがとうございました】
【明日また続きを書きます】 【今日もありがとうございました】
【黒田め…。でも楽しいです、暴力描写意外といけましたね、私w】
【明日もまたガチンコでお願いします。おやすみなさい】 (打ち込めば打ち込むほど拒絶し渇いていく『穴』に苛立ちと怒りを露に鼻息を荒げ、既に正気を失った顔で)
ナあにが『紳士』だヨ調、子に乗りやがッておメ、えは黙って『穴』だけオっぴ、ろげてりゃアいい、んダよこ、の糞アマがカッスカスのマ、んこしヤがってヨおお俺がヘ、タ糞だって言いてエの、かアアアッたくうルせえなア、ああ、あモう殺ロしち、ャおうかなアあァああアァ
(分厚い手の平で葵の小さな顔を更にグウウウと力いっぱいに押さえ付け…その時、背後から声がした)
…あ、ぁアあ? (そこには扉の前に立つ藤村の姿)
藤村
「黒田さん時間です。瀬戸様の送迎を宜しくお願いします」
…………フうー…ふゥー…フうー…ふゥー
……………………………………………くそ!!
(ドスン!!とベッドに拳を打ち
葵の身体を振り払うようにして、ベッドから降りる)
…………………
(ベルトを戻しながら
藤村と目を合わせる事もなく、
部屋から出ていく) (突っ伏していた体をゆらりと起こして)
(出て行こうとする黒田に向かって妙な甘ったるい声で)
くろださぁん…
(そう呼び止めると、床に散乱した花瓶の破片。
その中でも、特に割れ目が鋭く複雑に尖るものを手に取り)
(白い車の運転手の脇をするりと抜けて、ドアの前で振り向く黒田に走り寄り…)
(ーその股間めがけて思い切り突き刺すー) (体当たりした体を離すとその破片に目をやる。
切っ先には確かに赤黒い血が付着している…けれど思ったよりは深く刺せなかったのか
血に濡れてるのは自分の望みよりもずっと僅かだった)
『なんだ…ぜんぜん刺せてないかも』
(それよりも、強く握った破片は自分の手にも傷をつけていて、こちらの方がぽたぽたと血が滴っている。
それを見た瞬間、何故かとても悲しくなり泣きそうな顔でその破片を黒田に向かって投げつける)
…痛くするの、好きなんでしょ 痛……てえ……、?
(破片は足の付け根を刺していた)
(掠るほどの刺し傷に痛みは浅いが全ての苛立ちに、)
………オ、めえ………
歯が砕けそうなほど奥歯を噛みしめ
額中に青筋を浮き立たせながら、
凝縮する瞳孔で葵を睨みつける)
……痛、クする、ノが…?
(女の言葉と涙に瞬間揺れるも、逆にそれが…苛立ちとへと代わり…)
ウるせえ…んだよ…黙れッ…ていてんだろウコの糞ア…マ!
(葵の顔面目掛けて拳を喰らわそうと腕を振り上げた、その腕を、
……藤村が押さえた)
藤村
「黒田さん!
瀬戸様がお待ちです。
お急ぎ下さい」
(藤村の制止に振り上げた拳をギチギチと握り締め……空に振り落とす)
!糞!!
(もう一度葵を睨み付け)
…おめえ覚えとけよ
(力任せに扉をバ!タン!!と閉め、
部屋を後にする) (黒田の捨て台詞に)
(荒々しく閉じられた扉へ向かって)
…こんどは殺してやる
(そう呟くと、ゆらゆらとした足取りで部屋に戻り
無残に倒されたカサブランカを手に取ると)
せっかく綺麗だったのに…
(水に浸った花弁を指先で労るようにそっと優しく拭う…
が、自らの手に付いた血が、その白を汚してしまう)
ごめんなさい…
(花に向けて小さく呟き。それを両手に大切に持ったままベッドに腰掛け)
(荒れに荒れた室内をぼんやり見つめたまま、何も話さなくなる) (ベッドに腰掛ける葵の元まで行くとそこで跪き、血の付いたカサブランカをそっと手から抜き取り…床に置く)
…………
(はだけたままのガウンの襟元を整え…)
手当てしましょう… (葵の手の平の血を拭いながら)
大丈夫です。出血のわりに傷は浅い
消毒だけで問題無いと思いますが、痛みが続くようであれば仰ってください
(消毒した傷にガーゼをあて包帯を巻く)
これで、…よし
……。
…瀬戸様から
着るものを準備するよう言われてます
三階の衣装ルームにお連れしろと……
その間に清掃業者を入れようかと思っているんですが…
……。
……また後程お迎えに上がります
少し安んで下さい… (視線はカサブランカを追って、何も答えず手当てを受け
この男の穏やかな口調に、少し安心して漸く口を開き)
…新しい花瓶…ありませんか?
少し傷むだろうけど、まだちゃんと咲いてるから…
すぐお水につけてあげて欲しいんです…
(小さな声で言うと、この願いが聞き入れられるのを待つ。
この男ならそうしてくれるのではと思い、じっと見つめて) いえ、この花は捨て…
……
…そうですね。
新しい花瓶を用意しましょう
(床に置かれた血の付いたカサブランカを手に持つと、会釈をし)
後程お迎えに上がります
それでは
(静かに扉を開け、部屋を後にする) 【ここで一度区切りとします】
【BBSPINK初の三役に不安もあったんですが、各自の人間性を徐々に理解しはじめています】
【それから、葵は暴力反応でしたね…wすみません。ですがもう止まりそうもないので、このまま続けさせていただきます】
【本日は夕方以降であればレスのを残せます。
それでは、良い一日をお過ごし下さい】 【新しい下着とガウンはパウダールームに置いてあります。それでは】 (願いが聞き入れられると、ほっとした表情をして)
ありがとう…
(男が静かに立ち去ると、またしばらくぼんやりとして。そこでようやく大きな窓から見える外を眺める)
(都会の春の空が、薄く暮れ始めた頃で)
まだ日も暮れてないんだ…
(たった半日の間に自分の身に起きた事が、あまりに激しく、重たく、狂っていて
その中でもまだこうして生きて、空を眺めている事が不思議に思えた)
(いつか私は殺されるのか、もしくは殺すのか…殺すとしたらそれは一体誰なのか
自然とそんな事を考えている事に気づくと)
私はまともでいなきゃ…
(黒田によって傷つけられた中が、まだひりついて痛む。
早く洗い流そう。なにも初めてだったわけじゃない
あんなのはセックスとは言わない。ただ穴に棒をねじ込まれて無理矢理ほじくられただけ
そう自分に言い聞かせても、それでも思い出すあの屈辱に、心臓が抉られるようになるが)
綺麗に洗えば、全部無かったことになる
(そう言葉に出してから、バスルームへ向かった) (シャワールームでは、黒田から舐められた顔を何度も洗顔料で洗い
ねじ込まれた穴の中にも指を入れて汚れを落とす。その指にはほんの少し血が滲んでいた)
…ふっ、う…っ
(傷つけられた悔しさに涙を溢れさせながら、何度も何度も指を入れては中を掻き出すようにして)
(ようやく気が済むと、身体を拭いて新しい下着を身に着ける)
(イタリア製の高級ランジェリー。今まで用意された下着も全てそこのものだった
朝着けていた下着も、そして洋服も靴も、事前に送られて来たものを着ただけだったのだ。
全て瀬戸の趣味なのだろうか)
…こんなの着けさせても、全部ボロボロにするか
他の奴に好きにさせるんだったら意味ないじゃない…
(馬鹿馬鹿しさを感じながら下着を身に着ける)
(今度は、オリーブグリーンの一枚レースのブラジャーとレースショーツ
そしてガーターベルトとストッキング。全て揃いのものだった)
(今度は濡れた髪を乾かすのに、痛む腕に耐えながらドライヤーをかけていると
時間になっての迎えなのか、人が入って来る気配を感じる) >>49
【三役…とても楽しみにしてます。黒田と瀬戸も全く違う人を相手にしてるようで
私もドキドキしつつ刺激的なここの暮らしに夢中になってます】
【暴力…私も相当ですので。それに、瀬戸さんの暴力描写は、とてもエロチックです】
【それではまた続きを楽しみにしてます】 (パウダールームの外から)
お迎えに上がりました
ガウンのままで申し訳ありませんが、用意が出来ましたらエレベーター前まで来て下さい
自分はそこで待機してます (男の声が聞こえると、ガウンを羽織り)
(立ち去る気配に声をかける)
…あのっ
(立ち止まった、と思われるその人に向かって)
手と、腕が痛くて髪がちゃんと乾かせなくて
すみません…後ろの方、手伝ってもらえませんか…
(なぜそんな事を頼めたんだろう。ただ、その男には
頼めるような気がした…それだけだった) ……構いませんよ
失礼します
(パウダールームの扉を静かに開けると、…扉は開けたまま)
……
(ドライヤーを受け取り、温風をあてていく)
……
(額の痣や切り傷に手があたらないよう毛先から丁寧に乾かし…、
クシを手に取り
…乾いた髪を優しく梳いていく)
……
(鏡に映る傷だらけの顔を…そっと見て…)
…カサブランカ
新しい花瓶に差し替えておきました (ドライヤーが柔らかく当てられる。時折触れる指先も
痛むところをさり気なく避けてくれているのが分かる)
(人に優しく触れられる事が随分と久しぶりに感じ、思わず目を閉じ)
…きもちいい。
(そう口に出すと、はっと目を開けて鏡越しに男を見る。
隙を見せた途端に裏切りの仕打ちを受けるのではないかと不安になって)
(…でも男は変わらず、ただ優しく髪を梳いてくれていた)
(カサブランカの事を聞くと、思わずぱっと笑って)
ほんとに…?
…ありがとう…(そう言ってふ、と考えて)
あの…お名前は?
(鏡の中にいる男に向かい、そんな普通の事を尋ねてみる
その普通の会話が嬉しくて心が癒やされる気がしたから…) (大理石にクシを元に戻し…
鏡の中の 葵さん を見つめ返して)
…藤村です。
(そこで、部屋の扉を叩く音)
清掃業者ですね
葵さん、
三階までご案内します
(業者と入れ違いに『501号室』を出てる)
(部屋の真正面には絨毯ばりの通路を挟んでエレベーターが設置されており、
8階で止まったままのエレベーターはすぐに扉が開いた)
(ドアスイッチを押したまま)
…どうぞ 藤村さん…
(そう繰り返すと、鏡の中へほんの少し笑って)
ありがとう
(きちんと整えられた黒髪が心地よく、濡れた髪で冷えていた肩口も
ドライヤーの熱であたたまった。ほんの少し、人間に戻れた気がした)
(藤村に連れられエレベーターに乗ると、衣装部屋があるという階下へ降りていく)
『この先も、一応服は着れるんだ…』 【とりあえず次のレスくらいまでで区切りますね。その後あれば、夜にはお返し出来るとは思います】 (エレベーターが三階に到着する)
こちらです
『301号室』
窓ひとつない部屋の壁と天井は全面鏡張りとなっており、
天井の中心には大きなシャンデリアが飾られている
フロアの中央には青紫のベルベット素材のカウチソファーと姿見が置かれ
その周りを取り囲むように、
およそ30体ほどの洋服を着たマネキンが並んでいる
明日は…瀬戸様と、お食事です
お好きな服を選んで下さい
……
戻りはお一人で大丈夫ですか?
心配であれば…
外で待機してるので声を掛けてください
それでは
(お辞儀をし
『301号室』を後にする) (室内へ入ると、立ち並ぶマネキンにギクリとして)
(鏡張りの部屋がさらにそれを多く見せていた)
…
(その雰囲気に飲まれ、不安げに藤村を見て)
…待っていて、もらえると嬉しいです
(そう頼み、藤村が部屋を出ると並んだ洋服を見回す)
(どれも見るからに仕立ての良いものばかりで、中にはオートクチュールもあるのかも知れない)
(ひとつのマネキンの前で生地に触れて)
…こんないいもの着せて一緒に食事してどうするんだろ
どうしたいんだろ、私を…
(どうせまた、自分にとって不幸な脚本しか待っていない。
そう思うと、その素晴らしい洋服たちにもときめく事は無かった
ただ一番大人しくて、自分でも着れそうなものを選んだ)
(扉を開けて顔を覗かせ、外で待つ藤村へ告げる)
あの、白いレースのブラウスと青いスカートのやつ…
…あ、ソファの横にあるマネキンの
(言いながら、あっと気づいて)
自分で持って来ればいいですか? …ん?
(扉の隙間から葵さんと目が合うと少し考え…)
ああそうか!
すみません気が付かなくて
(少し照れ笑いながら、衣装ルームに戻り、マネキンの間を歩きながら)
……白いレースのブラウスと……青のスカート……あ、
これですね
(マネキンに着せられたブラウスのボタンを一つ一つ外し、脱がせ…
…ち、…ちょっと失礼
(丸い重しの付いたマネキンをガゴッ!っと膝に横倒しにすると、ホックを外し、素早くスカートを脚から引き抜き
マネキンを元の位置に戻す)
(一連の流れに……また少し照れ笑うように、
ブラウスとスカートをハンガーに掛け)
これで…よし… w
部屋までお送りします (そばで藤村の動きを見守り
脱がせるのに手こずる時には横から手を出して手伝い
一生懸命に、華奢な女物の洋服を扱う藤村を見て
自然と笑顔になる)
…はい、できました…(くすっと笑い)
今度からは自分でしますね
でも、ありがとうございます
(照れたように笑う藤村との人間味のあるやり取りに、心底安心していた)
…
はい、部屋に…戻ります
(けれどまたすぐに、現実に引き戻される。もはや今のこの、人として普通の事が現実ではなく
あの部屋で待つ異常な事、自分の主とのこれからの暮らしが自分の現実なのだから)
戻りましょう。藤村さん (『501号室』の扉を静かにノックする…)
おはようございます
朝食をお持ちしました (それより少し早く起きて、窓の外を眺めていた)
(藤村の声が聞こえるとドアを開けて)
おはようございます
朝食…
(結局、昨夜はすぐに泥のように眠ってしまい用意された食事も手付かずのままだった)
昨日の夕食も残ってるんです…もったいないことしてごめんなさい
あんまりお腹空いてなくて…
(そう言って部屋の中に藤村を招く) 少しは口をつけられたんですね
……良かった……
(食べ掛けの食事を下げると、新しい食事を並べ)
どうぞ、座って下さい
(ティーカップに紅茶を注い…、でいると、
プッと吹き出してしまい)
…すみません
昨日のマネキン事件を思い出してしまいました
(また小さく笑うと、
…葵さんの顔を見直し)
…手の痛みはどうですか? (椅子に腰掛けると、朝食の膳が据えられて。トーストにサラダ、スープ、フルーツなどが並ぶが)
(オレンジジュースのグラスだけを手に取り口を付ける)
…?
(吹き出した藤村の横顔を見上げて不思議そうにするが
すぐに昨日のマネキンの事だと分かると、一緒になって顔が綻ぶ)
藤村さん、すごく…ン、ふっ…すごくがんばってました
(そう言って肩を揺らし、またオレンジジュースをひとくち)
(包帯の巻かれた手を、少しだけ藤村へ向けて差し出して)
…おかげで、ひどい痛みはありません
でも…
なんだかもう
あっちこっちが痛くて、どこが一番痛いかよくわかんなくって
(そう言って笑うと、藤村を見上げ)
昨日は、髪を乾かしてくれて…ありがとうございます
ほんとにうれしかった…
(テーブル上のカサブランカを見つめて、しみじみとそう呟く) (うっすらと血の跡が残るカサブランカを見て、
……いえ、 …自分は何も…
(また葵さんを見つめ……)
………………………
…念の為
包帯を取り替えましょう
(…跪き、そっと包帯をほどいていく)
ああ…、良かった。出血は止まってる
でもまだ傷は塞がっていないので、もう少し辛抱してください
(ガーゼをあてなおし、新しい包帯を巻いていく)
……………………
(包帯を巻きながら…)
………………………
………こんな目に合わせて
すみません… 【本日は二時頃までと、夕方以降にまた置きに来ます】 (跪き手当てをする藤村の手つきを椅子にかけたまま見つめて
やはりこの人はとても優しく触れてくれる…。そう思うと
この暮らしでの唯一の味方を見つけたような、よしみのようなものを感じ始めていた)
(今あらためて、藤村の顔をちゃんと見たい、と思い少し顔を傾け
覗き込むようにその鼻筋、眉、まつ毛…を見つめていると
不意に藤村が自分へ詫びた)
……
どうして藤村さんが謝るの…? (問い掛けに、
無言のまま包帯を巻き続け……)
…………
(巻き終えると、俯いたまま…)
…………自分には
……何も出来ないので……
葵さんが辛い思いをしていても、
自分には……何も…… …藤村さん
(手当てが済んでも、まだそのままの藤村へ呼びかける)
(…俯く顔が、上を向いてこちらを見る)
(ようやく見れたその顔の、瞳をじっと見つめると
その奥が、感情で小さく揺らいでいる気がした)
(…それを見とめた瞬間、この男が心だよりとなった)
…マネキン
あれ、ちょっと多すぎて怖いですよね
(そう言って冗談めいて笑いかけ。綺麗になった手の包帯を、握ったり開いたりして)
ありがとう
(そう言って、膳の上の苺を一つ手に取り細くなった所を口に入れる)
(ここへ来て初めて、少しだけ気分が良かった) ……マネキンなあ……
あれは、僕の趣味なんだ
(扉横の円柱状の柱、その影で)
アロー、ミス・ブルーベリー
気が付かなかったか?
『ペット』なら主人の出来迎えくらいして欲しいもんだね
藤村、
藤村
「は、はい!」
この花を棄てろ
藤村
「………はい…」
(カサブランカの入った花瓶を手に、瀬戸と、……に、お辞儀をし、部屋を後にする…)
(テーブルに向かい合わせに座り、
藤村の用意したコーヒーを一口飲む
飲煙草に火をつけ、
ゆったりと煙をふかしながら)
調子はどうだ? (その声が聞こえると、心臓が凍りつくように
今までの、ほのあたたかい時間が一瞬で遠ざかったのを感じた)
(藤村が瀬戸の一言で、あのカサブランカを持って出ていく)
(彼とはもう、目が合わなかった。)
(しかたのないことだ…。胸の奥は痛むが、そう思えた)
(瀬戸が向かいに座ると、食べかけた苺を器に戻し
さっきまで綻んでいた頬は、また血の気をなくして固くなる)
…調子は…
(答えかけて…昨日の事をまた思い出し
この男にそれを聞かれていること自体が侮辱なのだと感じる)
………
(口をつぐんで、藤村の淹れてくれた紅茶をひとくち飲む) …
(黒田から聞いてないのだろうか…、事の顛末を話すと、この男はまた激昂するんだろうか…)
(そう考えると、口が重たくなる)
…これ、は
(小さく)
刺したから…
(そう言って紅茶カップを置いて、包帯の手をテーブルの下へ隠すように下ろす) (煙草を灰皿に落し、静かに椅子を立ち上がる)
刺した?何故だ (瀬戸が立ち上がると、こちらの足の指にもギュっと力がこもる)
…ひ、どく…されたから
あの人に…
(座ったまま、片足のつま先が椅子の脚の横にツ…と動く)
(すぐに逃げられるように) 足を踏んで欲しいのか?
元に戻せ
(椅子に座る葵のすぐそばで)
テーブルの上に座れ (逃げたがる足を…元の位置に戻す)
(瀬戸が近くに来ると、それだけで心臓が早打ちだして)
………
(瀬戸の言葉に戸惑い少し間が空いて
…それから腰を浮かせると、紅茶のカップを大切に横にずらし…)
(ガラステーブルの上に腰掛ける)
(両足は椅子に乗せて、それから…瀬戸を見る) (テーブルに座る葵の正面に立ち)
君の親父さんの借金は幾らだったかなあ
確か、4000万、利子がついて、一億
(ガウンの紐をほどき、手で払うように前を広げ)
君は、
…僕の『何』だっけ (ガウンの前が開けられると肩をビクッと震わせ)
(顔を横に背けて)
……ペット、です
(両手を尻の横につき、気づかれないようにわずかに後ずさる) そうだ
よく言えたなミス・ブルーベリー
君は『ペット』だ
なのに君は
『主人』の言い付けに逆らい
また黒田に、恥をかかせた
(皮のケースからナイフを取り出し)
刺したのは太股と足の付け根だったか?
答えろ (ナイフを見て、唇が震えて開く)
(…スッと音を立て息を吸うが、そのまま吐き出せず呼吸が止まる)
…ッ…
(膝を浮かせ、テーブルの上で膝を抱えるようにして、瀬戸を見つめて首を振る) どうした、口が聞けなくなったか?
(ナイフを片手に、膝を抱く手を振り払い)
(目を見つめ返し)
答えろ、葵
(白い太股に刃先を突き立てる) …ッ…
(ナイフの刃先が、柔らかい皮膚にじわりと食い込む…
これ以上は動くことも、逃げることも出来ない)
(恐怖で唇が震える。声を出したくても、喉が開かない
一度大きくゆっくり息を吸い込むと)
…そう、です…っ
(ほとんど声にならいままそう答えた) (……目をジッとみたまま……太股からナイフ離すと、一つため息をついて、一歩下がり)
(そこで大きく手を振りあげ…、
葵の頬に平手を打つ)
(そのまま髪をグシャッと掴み、顔を上向かせ)
二度は無いぞ
(葵の頭を投げるように手を離すと、扉に向かい)
着替えておけ
夜は食事に出掛ける (瀬戸が出ていくと)
…っ…うっ…、ッ…ふ…
(打たれて、投げ捨てられたまま俯き、次第に肩を震わせて涙を流す)
(あの時も、あの時も…瀬戸と出会ってからは、いつももうこれ以上辛いことはないと思うのに
何度でも傷付き、涙が出る)
(ガラステーブルの上に倒れ、子供のように膝を抱えて丸まり)
(声を殺して、しばらくの間泣き続けた) (ひとしきり泣いた頃。藤村が、昼食と共に新しい下着と、昨日選んだ洋服を運んで来た)
(泣き腫らした目でそれを受け取る。今度は、自分の方が、彼とは目を合わせなかった)
(昼食も水分だけを摂りほとんど手を付けず、早いうちから支度を始める)
(アイスペールから氷を取り出し、泣き腫らした目元に当ててから
パウダールームで入念にメイクを施す)
(コンシーラーで痣を隠し、目元の痕はアイシャドウを強く入れて誤魔化し
元より白い肌が均一になり、まるで肌が陶製の人形のようだった)
(髪の毛は…
掴まれないように、結い上げてまとめる)
(今夜のため用意された下着は、ストラップレスのコルセットタイプ
ショーツとガーターベルトも揃えられ全て黒紫色のものだった)
…ブルーベリー
(その上に自分で選んだ洋服を身に着ける
白いブラウスはハイネックで、袖口がバルーン状になっており
鎖骨から肩、そして腕までがレースで仕立てられている
ロイヤルブルーのフレアスカートは膝より少し下で…
すべてを身につけるとますます青白い人形のようになった)
…ミス…ブルーベリー
(鏡の中にいる自分にそう呼びかける) (迎えが来るまでの間
支度の出来た姿のままベッドに腰掛け、静かに暗く沈んでいく窓の外を見ていた) 【夕食のための用意をしておきました。明日は来られないかも知れませんが、またよろしくお願いします。今日もありがとうございました】 (時刻は深夜を回り)
(小さく扉を叩き、静かに部屋に入る…)
本日の食事ですがキャンセル、…に…
(目の前には…
壊れかけの人形のような一人の女が
黒い海と月夜の下に…
…まるで浮かんでいるようで
その深い闇に吸い込まれるように
目を奪われた…
(足音立てずに近付き、
疲れ果てた寝顔に…
……そっとキスをする)
……
(…また静かに扉を開け、部屋を出る) >>96
【明日の件了解です
ゆっくり休んでください
お休みなさい】 (……
ベッドの縁に座り、
眠る葵を静かに眺める……) (誰かの気配に、次第に意識が覚醒する)
(でもまだ目を閉じたまま)
(いつの間に眠っていたんだろう…。昨夜はあのまま迎えが来ずに、朝が来たんだろうか…
コルセットの下着、窮屈…早く脱ぎたい。化粧したまま寝ちゃった…)
(目覚めたての定まらない思考の中で、ようやく目を開ける)
……ん…
(まだ霞む視界の中に、一人の男が目に入る)
…!
(慌てて、上体を肘で支えて起こすと…そこには瀬戸がいた)
あ…
(少し安心する。でも決してこの男が安心なのではなく
知ってる顔を見て、知ってる人間だと思っただけかも知れない)
あの…
(黙ったままの瀬戸の様子を怪訝そうに窺う) (葵の顔を静かに見つめたまま)
服を脱げ、 傷を見てやる ……
(瀬戸の言葉に少し間が空いて、うろんな目で瀬戸を見る)
……
(それでもベッドに起き上がるとぺたりと座ったかっこうで、ブラウスのボタンを外していき
袖を抜くと、上はコルセット姿になる)
(スカートも…なんだ…と無言で察すると、そのままベッドの上に膝で立ち
ホックを外して下ろし、下着姿になる) (コルセット姿の葵をの頭を支えるようにしてベッドに寝かせ、
包帯を外しながら)
…傷は手の平と
膝と、額と、頬と…
…あとはどこだ? (大人しく寝かされながらも、うろたえて視線が揺らぐ)
(…傷の、場所)
(一番傷ついたのはどこだろう)
(黒田にされた体の奥だろうか。それともその後に瀬戸から折檻された時の太ももの付け根だろうか)
………
(そう考えると、口には出せずにただ瀬戸を見つめ…)
(逸らす) また口が聞けなくなったのか?
…まあいい、僕の目で見てやる
(包帯のほどけた手の平を見て)
……傷が塞がってる
『藤村』…の、お陰だな? 藤村さん…は
(言いかけて、自分の発言が何かしら彼へ影響するのではと案じるとまた言い淀み
思わず、その手当てを受けた手を引き)
よくお世話をしてくれています
あなたの、指示どおり
(なるべく、感情を込めずに伝える) ……
(シーツの上に膝を立てせると頭を下げ、膝に顔を寄せ、
擦り傷れた痕に…そっと口を触れさせ)
(…そのまま手の平を肌に滑らせながら、太股の付け根についた刃物の痕に、…吸い付き)
藤村の事は…
あんな顔で目詰めるんだな …
(瀬戸がベッドに乗り近付いてくると、両ひじを立てて上体を起こす
不安げな目で見上げて、ほんの少し後ずさり…)
(思いがけず、膝の傷に瀬戸の唇が触れると)
…あ…っ
(驚きの声を小さく上げて)
あ、あの……ん…っ
(今度は太ももの付け根に唇が触れる。
肌が吸われると心臓が痛むほど跳ねた)
ふじむら…さん?あんな…顔…?
(心臓の脈動が、胸元の膨らみに響いて
瀬戸にも見てとれるのではないかと思うほど強く、強く打ち
その言葉の意図が読み取れない) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています