>>147

「4歳児クラスで、まだオムツを手放せないのは、美香さんを含め4人です。本人も少し気にするようになっている様子です。」

園長に指摘され、美希は家での娘の様子を思い浮かべてみた。言われてみれば、最近、保育園に行く前の着替えが遅い気がした。オムツを履くのを躊躇っていたのかもしれない。

「母親、失格ですね。」

「いえいえ、自分を責めることはないですよ。昔と違って、今はトイレトレーニングは子ども一人一人の生育や家庭の状況に合わせて柔軟に対応することが重視されます。時期も含めてですね。」

園長のフォローに、美希は少し救われた思いがした。しかし、娘に何もしてあげなかったことを思うと、不憫さと自分に対する不甲斐なさは完全には消えなかった。

「でも、私は何を娘にしてあげればいいか、、、わかりません。具体的に、どのようにトイレトレーニングに取り組めばいいのですか?」

美希の焦りは園長に十分伝わっているだろう。