(塾から帰ると、しんと静まり返った部屋…かと思えば微かな寝息が聞こえる)
(リビングのソファーを覗き込めばそこには、帰るなり疲れて寝てしまった父の姿があった)
……
(ぐっすりと眠り込んでいる姿に起こすのは可哀想だと思い、タオルケットを持ってきて腹にかけてやる。
ついでに寝過ごしたりしないように、朝5時半のアラームもセットして…5時半ならシャワーを浴びて出勤も出来るだろうから)
……
(そこまで済ませ、自分も一旦部屋に戻ろうとしたが、いつもは厳しい父の顔をじっと見つめた後、緩んだネクタイに指をかけてついつい部屋まで持ってきてしまう)

……お父さん
(部屋に戻れば、父のネクタイを胸に抱いてサラサラとした生地を鼻先に当て
一日中父が身に付けていたネクタイの匂いを吸う)
…こんな事してるの知られたら怒られちゃうかな…呆れられちゃうか
(質量の無いネクタイを抱き締めながら椅子の背を脚で挟む様に座る)
(椅子の背にネクタイを引っ掛けて…勿論シワなどつかない様にしながら)
お父さん…好きです…
(ネクタイに唇をつけ、椅子の細い部分にゆっくりと股間を擦り付けていく)
(鉄の黒いパイプが水色の下着に食い込む頃、白いブラウスの上のボタンを外し乳房を露出させて右の胸を椅子の背に乗せ)
…お父さん
(椅子を抱き締めて、腰を蠢かし恍惚とした目をする
父と繋がっていることを夢想しているのは明らかだ)
(キシ…キシと本当に小さな椅子の軋みと、お父さんと言う声だけが耳を澄ませば聞こえるかもしれない)