(甘く溜息が漏れる
まだいけるほどでは無い、けれどもっと長く、叶うはずの無い妄想と快感を味わいたい)
(下着は濡れて、自分の胸の突起に指を伸ばそうとした時、ドアの外に立っていた父と目があう)
っ…!!
(さぁっと血の気が引いて、次いでほんのり上気していた頬が真っ赤に染まる)
あ…あぁ…
(小さな狼狽の声、言い訳1つ考えられず
寧ろ命令されたことが救いな程だ)
(快感は一瞬で後悔と恥辱になって、弾かれる様に椅子から立ち上がり
床に落ちたスカートを履き、ブラウスを整える)

(沈黙が重い。
幾ら何でもあれ程明らさまな行為をしていれば、言い訳は効かない。
いっそ実父ではなく、援助交際相手の事だと嘘をつけば叱咤だけで済むだろうか…そんなはずは無い、容易に見破られる)
(革張りの椅子に万一でも汚れた体液がしみない様に、少し斜めに座り
すっと綺麗に丸めたネクタイを差し出す)
…まず、お返しします
捜されていましたよね。勝手に持ち出してしまい申し訳ありませんでした、お父さん…
(普段通りの坦々とした質問、しかしそれが差すところが学業などでは無いことは瑠璃葉でもわかる)
…午前午後はいつもと同じです…違うのは、塾から帰ってきたらお父さんがリビングで眠っていました。
だから起こさぬ様にタオルケットをかけて…アラームをセットして………
ね、ネクタイをお借りしました
それで…
(言い訳はやめようと、両膝の上の手を握りしめる。
最早耳まで紅い)
それを使って…自慰を…しました
汚してはいません
ただ、恥ずかしいことをしたと思っています