囀るのヤクザワールドって格好いいものとして描かれてないと思う
二人ともそれぞれの形で一応順応してるけど本質的には向いてない人間だと描写されてる
任侠にロマンも抱かず上昇志向もなく、カネと面子にも価値を認めてない二人の恋愛が相対化される装置としてのヤクザ世界というか
アウトローの世界の中で更に道を踏み外している者、汚いものと見なされ、本人もそう規定された方が楽だと思っている矢代が綺麗な存在になる皮肉もあり、
同時に矢代の中には怒りや暴力性もあってそれは肯定される
一般社会でやったら一発アウトだよね
矢代が受けてきたような暴力が蔓延する場所
性的虐待の被害者が特別視も憐れみも受けない場所
2巻で三角さんに答えたように自分を蔑む男達を性的に屈服させることで蔑み返してる矢代
欲望の極端な形を描きやすい舞台でもあると思う