ツイッターに乱暴に心情を吐露した千春が比較的長く勤めた上野の店から値下げの提案を受けたのはこの数日前のことだ。
いつもの千春なら気分を害した時点で店をやめてしまうところだが、携帯会社の督促状がそれを許さない。
いやいやと最後の出勤を終え、とっぱらいの給料を受け取りながら千春はスマホの画面に目をやっている、
鳴らない、まだ鳴らない、千春が事務所を後にしビルを出たところでスマホの画面が切り替わった、着信だ。
「偶然近くまで来てるんや、ちゃーたろー、飯でもどう?」「・・・・」ちがう、待ち人ではない。
それでも今の千春はすがっていくほかない。千春にはもはや誰もいないのだ、この男を除いては、、、
kkjとの噛み合わない会話を上の空に千春の脳裏にはずっとある思いが浮かんでは消えている。
今日の稼ぎは携帯代に消えていく、ここはkkjに援助をお願いするよりない、しかし喉まで上がってきた言葉が
口をついて出てくれない、千春の中にまだ残るプライドが上がってきた言葉を飲み込んでいってしまう。