【写真】愛読書は太宰治 20歳の文学少女・架乃ゆらが憧れる“ことばの美しさ”
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小6からハマった太宰治『人間失格』

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──昭和歌謡といえばメロディ、みたいな印象を持っているんですけど、架乃さんは歌詞に注目されたんですね。

架乃 言葉が好きで、昔から本をよく読んでいたんですよ。太宰治さんが一番好きで、小学校6年生くらいかな? そのあたりから読むようになりました。

──はやい!

架乃 全然(笑)。最初は背伸びみたいな感覚で『人間失格』『パンドラの匣(はこ)』を読んでいて。
内容はあまり分かっていなかったんですけど、頑張って読んでいくうちに少しだけ分かってきました。

この時代の作家さんが良いなと思ったのは、言葉使いが独特なところです。
「今の私たちの話し言葉では絶対に使わない言葉を使っているな」「おしゃれだな」と思って。

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──ほかの方も読んだりするんですか?

架乃 太宰さんを読んで、ほかの作家さんも読んでみたんですけど、一番夢中になれたのは太宰さんでしたね。

太宰作品で、特に面白いなと思ったのは『皮膚と心』です。「女の人に肌荒れが出て、最悪」みたいな話なんですけど(笑)。

主人公が「私がこの世でいちばん醜いんじゃないか」と悩む描写を淡々と書かれていて。そこでいつもは気弱な夫が支えるという、すごくいい作品なんですよ。

ほかにも、女性の立場で書いている話はいくつかあって、「なぜ女性の気持ちがこんなにも分かるんだろう」と思っていました。

──それはもう完全に文学少女ですね…。

架乃 いや、太宰作品だけなのであまりそれは…(笑)。でも、本を読んでもそれを誰にも共有せずに、自分だけで噛み締めていました。
内省的という意味では文学少女みたいだと言えるかもしれません。