「うん!わかったよ父ちゃん!」
そう言って3歳の息子は毎日空に向かって母が帰ってくることを祈ったのだった・・・
すぐに忘れるだろうと思ったからだ・・・
母親は結婚後に乳がんを患った。ガンは子宮にも転移していた・・・。私は泣きながら
「息子が教えてくれたと思って治療に専念してくれ!」
しかし母親は反対した。この子をおろしたら産めない体になるからと・・・息子は元気に
生まれたが治療の甲斐なく母親は亡くなった・・・
3年後・・・
ある朝、幼稚園の準備中、帽子を取ろうと急に倒れた・・・3歳の子が倒れるのは尋常
じゃないことだけはわかった。すぐに病院に連れて行った
診断の結果、重い白血病だった・・・よく鼻血をし、顔面蒼白だったのに気づかなかった・・・
早ければ半年、長くても1年だと言われた・・・
妻が残した最愛の息子を・・・病気にしてしまった・・・激しい自責の念にかられた・・・
幼稚園は退園し、点滴する日々が続いた・・・
現在の最終治療は骨髄移植でしか助からないと言われた・・・血液型も変わるし、女の子なら
子供は産めない体になる副作用があると医者は言った
息子の場合は無精子症になるリスクがあった・・・それでも生きていてほしいと願った。いっぱい
遊園地に連れて行った。おいしいものをいっぱい食べた
でも、息子が好きなのはチョコレートとクリームバンだった・・・
1年後・・・
適合する骨髄が見つからず、途方に暮れた・・・そしてクリスマス・・・息子は部屋でゆっくり横に
なっていた。危篤状態になった・・・息がゆっくり消えていくのが分かった・・・
「父ちゃん・・・今日もママが帰ってくるように祈ったよ・・・父ちゃん・・・さようなら・・・」
あの子は私にしっかり挨拶して逝きました。天国でママに会えただろうか・・・