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ええ。十分よ秋葉。
かわいいテーブル。動かないで居てね?
(そう声をかけた後は)
(テーブル役になった秋葉のことを完全にテーブルと見なして)
(アルクェイドと琥珀は食事を始める)
(周囲の女生徒達は、もはやパシリなどという域を超えて)
(奴隷扱い、家具扱いを受けている秋葉を呆然と見守る)
(「うわー…」「あれってSMかな」「人間テーブル秋葉…って?」)
(学食の周りは静かに、同時に騒然としていた)
(メールが学内を飛び交い、
 いつの間にか秋葉が尻を向けている学食1階の吹き抜け部分には、黒山の人だかり)
(ガラスの床の上で開かれた、秋葉の股ぐらを、下から大勢の生徒が見上げていた)
(女同士なのになにが面白いのか、
 何人もの女生徒が携帯で秋葉の手形尻と濡れた性器を撮影していた)
(「うひゃあ。ヌレヌレ」「変態だね−」「露出メス奴隷秋葉って…」
 「丸見え」「なんかもう、怖い…」)

(しばらくして、人混みをかき分けるように、二人の女生徒がアルクェイド達のところにやってくる)
(秋葉の親友、蒼香と羽居)
「な、何をやってるんだ!」
「あ、秋葉ちゃん、秋葉ちゃん、しっかりして?」
「止めろ。今すぐこんなことは止めるんだ」
「秋葉ちゃんも、やめて」
(蒼香は怒りに震えて。羽居は心配、あるいは恐怖に震えて)
「こんな、奴隷みたいな扱いを、家族に…当主に対してして良い訳ないだろ!」
「やめて。こんな非道いこと…」
(アルクェイドと琥珀に向かって止めろと繰り返す)
(アルクェイドは、そんな二人にの怒りを感じていないかのように)
(「天真爛漫」というタイトルの絵画のような、微笑みで答え)
(一瞬絶句した二人の間に、言葉を滑り込ませた)
…ひどい、こと?
秋葉?わたしたちはなにか非道いことをしているのかな?
秋葉は、この二人が言うように、今していることを止めたいの?
秋葉の口から言って?
(アルクェイドがそう言えば、琥珀がするりと言葉をつなげて)
秋葉?遠野家当主に、いいえ、遠野家当主がこんなことをしていいのかどうか。
はっきりと答えてあげて下さい。
秋葉の言葉で、遠野家当主の務めをご説明して差し上げて下さいな?