>>94
あ、ありがとう―― 姉さん。

うん、そう言ってくれると嬉しいわ。琥珀。

(口調だけは。口調だけはあくまで対等であろうとしているも、その仕草や行為には「奴隷」を感じさせて)
(遠野秋葉は、周りから聞こえてくる陰口のひとつひとつに責められていった)

(もう戻れない。マゾだと認知されはじめている――全校生徒に伝わるのもそう時間はかからないだろう――)
(この2年で築き上げてきたイメージも地位も、崩れるのはほんの一瞬。たった一回の朝の登校時で充分だった)
(否、それだけで充分なほどの変態行為を、自分は今している。お嬢様ばかりのこの学校で、こんな破廉恥な格好で)
(プライドの欠片もない奴隷じみた行為を続けているのだから、当然といえば当然だった)

(そしてお昼休み)
(お弁当を持参していない生徒たちは、ファミレスよりもずっと上等な食事を出してくれる学食へ向かう)
(秋葉・アルクェイド・琥珀もその例外ではなかった――)

(他の学校ならともかく、浅女で学食が混雑することはない)
(充分以上に余裕をもって作られたスペースに、華やかな食事の空間がひろがっている)
(南側にはガラス張りとなって陽光をとりいれ、健康的なムードに包まれていた)

お姉さんも、琥珀も、ここで好きなものを注文してください。
席は……
まだ空いているところもあるけれど――

(学食の説明を続ける秋葉が、そこで言葉を詰まらせた)
(アルクェイドの瞳に何かを感じとったのか、ここでも普通に過ごさせてくれないだろうと予感したのだ)


【描写していただき、ありがとうございます】
【昼食は、このような出だしでよかったでしょうか】